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上半身裸のディンダーデン
[★ある日のディンダーデン]
2010年9月3日 5時59分の記事





こっちでディンダーデンを知ってる人は居ないはず…。

だからいいと言う訳じゃないが

気前良く脱いでくれる色男はこの人。

前から描きたかった

ある日の…。の、酒場の二階の廊下でのシーン…。

でもペンタブ使い慣れの練習画です。

【PR】占いシステムの開発なら経験と実績があります。


眠いので中途仕上げ…

あっぷして見たらえらい色が薄かったので

濃くした…。

するとやっぱデッサン狂いが目立ちまくり…。

ぐーブログ見てる人(居ないか…)は知ってるかも。だけど

普通だと、これを紙に書き、線を一本にして

ペン入れ(最近はシャーペン)し、スキャナって

ソフトに取り込んでから、また線直す。

そして色塗りして、また狂ってる所を、線消して

影とか付けて修正…。

と、元画が下手なので

修正しまくりで、ようやく

人様に出せるものが出来上がる。

といった案配。

今回は練習画。

当分はペンタブで思い道理の線が

引ける様になるぞ練習。

で、未熟な絵をお目にかけるでしょう…。

これでもかなり、マシになったのよ………。


ほんと、ひどかったから………。


ついでに、ある日のディンダーデン。



 その日、ディンダーデンはくたくただった。

殆ど全裸のしどけない姿で眠る女性が五人居る寝台から体を起こすと、一人がもぞ…。と頭を上げる。

それが、一番好き者のラドリアナだと解ると、ディンダーデンは慌てて腰に布を巻き付け、衣服を掻き集めてこっそり扉を開け、廊下へ出る。

隣部屋から女性を伴った近衛隊服の男が、扉を開けるなり腰に布を巻いただけのディンダーデンの姿を目にし、ぎょっ!と目を見開く。

ディンダーデンはつい習慣で、じろっ!と視線をくべ、何か文句あるのか?と睨み付けると、男はすごすごと女性の腕を引っ張ってディンダーデンを背に、廊下のその先の階段へと小走りで進む。

が同伴者の女性は、濃い栗色のくねる髪を胸と背に流す、長身で美男で逞しい裸体の男に目が釘付けで、彼女の腕を引っ張りようやく、男は階段の下へと逃れた。

「もう…!
貴方の上官なの?!」

彼女がディンダーデンの顔と裸体をもっとゆっくり眺めたい気、ありありなのは読めたが、男はそっと言った。

「違う。だけど、あの男に絡むと厄介なんだ」
「どうして?」
連れてる女を大抵取られる。と言いかけて彼女をじっと見、一息付いてささやく。

「そりゃ、喧嘩っ早いから…。
折角の朝を台無しにしたくない」

彼女は、そうなの。と頷きながらも惜しそうに、裸の美男の居る階上の廊下を見上げた。


 ディンダーデンは急いで衣服を着たつもりだったが、廊下でもう三人の、夜を共に過ごした女性を伴う近衛の男達と出会った。

二人は彼がディンダーデンだと解ると慌てて顔を背け、反対側へと足早に逃げた。が、後の一人は呆然とした顔で声を掛けて来る。

「…副隊長……。
どうしてこんなとこで、裸なんです?」

明るい栗毛と青の瞳の、ディンダーデンからしたら背の低い、同じ隊のレッツィに声を掛けられ、ディンダーデンは憮然。とした顔を向ける。

「夕べ来る筈のギュンターが現れないから、俺が約束した五人全部を相手した。

これで…(指を折って数えてる)…十夜連続じゃないか…。
さすがの俺も、くたくただ!」

「だってギュンター隊長は昨日隊長会議に出られたんでしょう?
会議に出た殆どの面子は、アモーレス婦人の舞踏会に出たって話ですよ?」

ディンダーデンは途端、憤慨した。
「俺の約束をころっと忘れて、そっちに行ったのか?あいつ!」

「………多分。
ダウンゼストが骨折した件で北領地[シェンダー・ラーデン]から急遽呼び戻されて、随分不機嫌でしたからね…。

会議に出た隊長の話じゃ、アイリス隊長のお陰でなんとか無事だったようですが…。

でもやっぱり『振られ男』と陰口を叩かれまくって、ムストレス派の隊長と殴り合いになりかけたそうですよ」

ディンダーデンは納得行った。とばかりたっぷり、頷いた。

「…他の隊長らがギュンターを、鬱憤晴らしに連れ出したんだな?

くそ!
ガス抜きならこっちで精力減退に成る程たっぷり、出来たのに!」

レッツィはくすり。と笑う。
「…あっちは随分上品な面々ですからね…。
隊長らもローランデ隊長を忘れられる出会いを、ウチの隊長に期待してるんじゃあ?」

「…帰郷して一週間で会いに出かけてる事を、知らないのか?奴ら…。

簡単に諦められる相手なら、しつこく最前線に送られたりするかよ!」

ディンダーデンが不機嫌極まりないので、レッツィはそっと言った。
「五人も女を独り占めで、まだ文句ですか?」

ディンダーデンはジロリ…!とおぼこい面の、人懐っこいレッツィを睨む。
「ここ毎晩連続だった上…昨夜は一人に付き三・四回だ。
幾ら俺でも、限界はある」

レッツィは計算し、思わず真っ青に成って顔を下げた。

「まだお話するの?」
その、栗毛でそばかすの、地味で幼い彼女は腕を巻き付けて言い、レッツィはつい、そんな彼女を顔を赤らめて見つめ、うっとりした茶色の瞳を向け、ささやく。

「いや?もう済んだ。…じゃ、副隊長。失礼します」
ディンダーデンは言って背を向け、大事そうに彼女の肩を抱くレッツィの様子に肩をすくめる。

…まあその彼女も他の同伴女性同様、顔だけこちらに残し、半裸のディンダーデンをじっ。と見つめて行ったが。

激戦の後の休暇で出会った女と簡単に結婚へなだれ込む男達がいたが、奴もそのクチだな。と熱々のレッツィの遠ざかる背に、吐息を漏らす。

敵国のヨーデル?世は、まだ当分自国の治安を得るのに忙しそうだから、多分直、結婚式に呼ばれるだろう。

ディンダーデンはしわくちゃのシャツをパン!とはたき、羽織ると、上着を右肩に引っかけ、剣を左手で持ち、右手で財布の存在を、上着の内ポケットを探り確かめ、階段を下りた。


 階下の、夜は酒場に成る食堂は近衛隊服の男だらけで、皆が目の色変えて昼から女漁りをしている。

一人、もしくは二人連れの女を見つけると、突進するように声を掛けまくる男達を、呆れながら階段から眺める。

平和に成った近衛の男達は、暇と元気を持て余してるな。

ディンダーデンは肩を竦め、階段上から進路を遮る男達にジロリ…!と視線をくべると皆が階上の彼に気づき、慌ててその場を開け始める。

ディンダーデンが階段を下り、白いシャツの上に紺の近衛隊服を右肩にひっかけ、下げた左手に無造作に剣を掴んだ姿で歩き始める。

濃い栗色の長髪を左胸に垂らし、整いきった美男でその青の瞳の流し目を伏せ、一際長身の、逞しい肩をし引き締まった腹の素晴らしく均整の取れた体付きをした、その男が通り過ぎるのを皆端に寄り、こっそり覗う。

気づかず進路を防ぎ立つ男に、隣の男は急いで耳打ちし、顔を上げた男は進み来る相手がディンダーデンだと解ると、ぎょっ!と目を見開き、逃げ出すように進路から、慌てて身をどかす。

が、近衛の男だらけの雑踏の中、長身で美男のディンダーデンは一際目立ち、戸口へと進むさ中、やっぱりその食堂中の女性の視線を釘づける。

彼女達の目前には、口説いて来る近衛の男達がたむろってるにも関わらず。

戸口近くに歩を進めた時、通り過ぎようとした横のテーブルに背を向けて座る男の、声高に喋る内容が思わず耳に飛び込む。

「…ディンダーデンは何だって年下のギュンターの副隊長なんてしてんだ?

だってあいつ、腕も態度も准将クラスだし身分だってあるから、ディアヴォロスにちょいと耳打ちしたら直ぐ、昇進出来るじゃないか!

准将に成ったら幾らあいつでもこんな安酒場にゃ恥ずかしくて顔なんか、出せない筈だろう?

とっとと昇進して、俺達の縄張りから身を引いて欲しいぜ!
一昨日もまた、口説いた女を俺も…お前だって、奴に取られたばかりじゃないか!

いい加減にしてくれってんだ!!!」

じっ!と話すその男の背を、顔を傾け見つめるディンダーデン
に、気づいた隣の男が慌ててその男の開く口を止めようと、視線を仕切りに背後に送る。

「…なんだ?
酒が足りないのか?
当分戦闘が無いから折角命の洗濯しようと通ってんのに、てんで甲斐無しだ…。

こんな事なら戦闘中の方がマシじゃないか。困ったら“夜付き人"に頼める。
奴ら男だが、ハズレ無しだもんな!」

「………だから…!」
「あ…?どうした?
背後に何か……………」

男の口は、開いたままだった。

振り向いた途端、長身のディンダーデンが顔を傾け、自分を見下ろすのを目をまん丸にし、見上げる。

まるで森の中で猛獣に出会ったように、喋ってた男は真っ青に成った。

ディンダーデンは口の端だけ上げて笑い、言う。
「…悪かったな!副隊長なんかやってて」

「あ…そ…ど………。
准将に、成れない訳でも…ある…んで?」

ディンダーデンは一つ、吐息を吐きすっ。と屈む背を伸ばし、つぶやく。

「准将になんか、成ってたまるか!
不自由極まり無いだろう!」

言った途端、左に持つ鞘付きの剣をすっ!と引き上げ、男の腹へどすり…!と音を立てて突き刺す。

あんまり何げ無い仕草だったが、その場の男達は突き刺された男の様子に言葉を、無くす。

男は脇腹にめり込む剣の鞘に、あまりの痛みで息を詰まらせ、顔を、赤黒く変色させて思い切り歪めていたので。

ディンダーデンは気づき、ぼそりとささやく。

「…鞘が付いてて、良かったな」

隣の男は真っ青に成り、思わず震える拳を握り込んで、顔を、下げた。

食堂内の男達は犠牲者が出た様子を目にし、一斉に暗く沈む顔を俯ける。

がその向こうから、対照的な明るい笑顔で女達が声を掛ける。

「ディンダーデン!
朝食を奢るわ!

今夜は空いてるんでしょう?」

「あら…!
私が奢るわよ!」

「勿論、私と食べるわよね?」

口説きかけた女が、その長身の美男に声を掛ける様子に、近衛の男達はだが、下げた顔を上げられない。

皆男達は、まるで顔を上げると獰猛な虎に喰い付かれる。と言わんばかりの青冷めた顔で、俯いたまま目を、伏せた。

ディンダーデンは一様に俯く男達の合間からその明るい笑顔を向ける女性達に、青の瞳の流し目をくべると憮然。とつぶやく。

「急ぎの用がある。…またな!」
ディンダーデンがさっと扉へ向かうと、女達の大ブーイングが、背後から飛んだ。

野郎共はきっと、喜んでるな。
思ったが、ディンダーデンは無視してさっと開けた扉を閉め、同時に女達の文句も閉め出した。

そして深い吐息を吐いて俯き、ぼやく。

「幾ら俺でも干からびるぜ…。
ギュンターが居ないから、奴の分迄女達が寄って来やがる…!」


 近衛の宿舎に戻ると、共同の居間は男で溢れ、ディンダーデンは皆暇を持て余してるな。と肩を竦め、見慣れた男の顔を見つけ、怒鳴る。

「俺の部屋に食事を届けさせろ!
解ったな?!」

たむろう四・五人の男はその長身の美男の暴れん坊の言葉に、皆が自分に言われた。と一斉に青く成って首を竦め、頷く。

ディンダーデンは頷き返すと自室へ向かう。

寝台へゴロン!と寝転がると、程なくノックが聞こえ、
「入れ!」
と言う怒声と共に、さっきの男の一人が盆に食事を乗せて室内に入り、寝室の開いた戸に向かい、叫ぶ。

「こっちの居間で良いんですか?」
「いい訳無いだろう?
俺はどこに居る?」

「…寝室……?」
「当たりだ。
さっさとこっちに持って来い!」

怒鳴られ、男は盆を持って寝室の扉を肩で開けて覗く。
ディンダーデンが寝転がってるのを見かけると、猛獣を恐れるようにそっ…と足音を忍ばせ、寝台横のテーブルに盆を置く。

「デザートと…お茶はもう一人の奴が後から…」

ディンダーデンは仰向けに転がったまま、頷く。
「酒は持ってきたか?」

男は脇から酒瓶を持ち上げ、寝台に仰向けに転がったまま腕を突き出すディンダーデンのその手に、そっと握らせた。

「…じゃあ……」
「とっとと失せろ!」

扉の閉まる音と共に、嫌な役目は終わった。と言わんばかりの、軽やかな足音が遠ざかり、ディンダーデンは首を竦めると酒瓶のコルクを歯で抜き、一気に中身を煽った。

ロレッタ酒。

酸味の有る果実酒で、精力減退には持って来いの酒だった。
喉が一瞬かっ!と焼け、その後くたくたに力の抜けきった体に、力が戻って来る。

ディンダーデンは吐息を吐くと、体を起こした。
そして、盆に乗ったシチューにスプーンを入れると口に、掻き込む。

が、瞬時に顔を歪めた。
そして、探すようにシチューの中身をスプーンで掻き混ぜる。
「…ふざけやがって!」

皿を掴むと激しい勢いで寝台から起き上がり、戸口へと向かった。


 皆は一人を取り囲み、ざわついていた。
ディンダーデンは戸口に左手を乗せると
「おい…!」
と唸る。

全員が一斉にぎょっ!と体を跳ね上げ振り向く。
「肉が入ってないぞ!
こんなん、食えるか!」

皆が盆を運んだ男を一斉に凝視し、男は竦み上がる。
「肉を探して来い!
あるだけ持って来い!
勿論、調理してあるやつだ!」

男は怯えて頷き、首を縮めたまま慌ててディンダーデンの居る戸口とは別の出口から室内を、出ようとした。

どん!
何かに思い切りぶつかる音がしたが、ディンダーデンは構わず集まり寄る男達に視線をくべる。

中心の男が、デザートの盆を手に持ってる。

「…まさかそれを、俺の所へ持って来ようとしてないよな?」

周囲の男達が途端、盆を持った男に
『そら、みろ!』と肘でつつき、男は盆に乗った皿の上の、団子のような焼き菓子を目に、吐息を吐く。

「調理室には今、これしか無くて………」

「どっかから探し出せ!
誰かちゃんとまともに口に入るもんを、隠し持ってる筈だ!」

『奪い取って来い!』と言わんばかりの命令に、男は青く成って俯く。

「…相変わらず、我が儘言ってんな」
その、落ち着いた声を耳に、場の全員が別の戸口へと一斉に顔を向け…覗く、その男の姿を見つけると一様に顔を輝かせる。

まるで“正義が現れた!”と言わんばかりの表情で。

その、長身のディンダーデンより更に背の高い、大柄な赤毛の左将軍側近オーガスタスは、相変わらず親しみ易い鳶色の目を細め、憮然。と視線をくべる体格のいい青い流し目の美男を見つめた。

「…文句あんのか?」

因縁を付けるその男に、オーガスタスは大らかに笑うと、肉を調達しようとぶつかった男とデザートの盆を持って震える男に笑って告げる。

「アイリスの部屋を、知ってるな?
俺の名前を出して、肉料理とマトモなデザートを頼め。

奴の料理人なら多分直ぐ、何とかしてくれる筈だ」

「…アイリス……隊長ですか?」
「俺の名を出すのを忘れるな」

二人は救世主に出会ったように、その大柄な男に感謝の視線をくべ、部屋から飛び出して行った。

オーガスタスの横から金髪が揺れて覗き、呻き声がする。
「…奴にこれ以上、借りを作る気か!」

オーガスタスはその唸りに首をすくめる。
「借りを作ったのは俺で、お前じゃない」

ディンダーデンはオーガスタスが担いでいる金髪の男を見つめ、吠える。

「俺をフって、旧友と夜明かしか?!
お前のお陰で俺は夕べ……!」

言いかけて、オーガスタスが制止するように、ギュンターの抱えた肩を室内へと導く。

戸にその体の大半を隠していた姿が現れ、オーガスタスに肩を借りて唇を噛み、眉をしかめる金髪美貌の悪友の姿に、ディンダーデンはついぼそり。とオーガスタスに顎をしゃくってつぶやく。

「…お前が殴ったのか?」

室内の男達は一様に目を見開く中、オーガスタスは大らかに笑った。

「事故で、アイリスの拳を右肩に喰らった」

「アイリス?…こいつの顔を歪ませるそんな威力の拳の男が、お前やディングレー以外居たのか?」

オーガスタスはそのとぼけた男に、眉間を寄せる。
「…アイリスを、見知ってる筈だぞ?」

ディンダーデンはそれでも誰か、顔が思い浮かばない様子だった。

ギュンターは顔を歪め、悪友に怒鳴る。
「お前と同じような濃い栗毛に紺の瞳と身長の、スカした品のいい美男だ!」

ディンダーデンは途端、ああ。と頷く。
「トリッシュか」

オーガスタスは変な顔をし
「…誰だって?」
と肩を担ぐギュンターに視線を振る。

ギュンターは顔を上げる。が、ディンダーデンが先に言った。

「あんなでかい態度で、アイリス。なんて甘っちろい名なんて、覚えてられる訳無いだろう?」

ギュンターも頷く。
「奴が勝手に呼び名を付けて適当に呼んでる。
今日の気分は、“トリッシュ”らしい」

ギュンターの言葉にオーガスタスは首をすくめ、室内の男に声を掛ける。

「悪いがこいつを、ディンダーデンの寝室迄運ぶのを手伝ってくれ」

男達は一斉に、顔を上げて頷くとギュンターの両脇へ付いてささやく。
「…隊長…!」
「ムストレスの奴らとは、やってないんですよね…?!」

ギュンターはムキに成り怒鳴る。
「俺を殴ったのはアイリスだと、オーガスタスがたった今!言ったろう!」

ディンダーデンは両脇担がれて行くギュンターを見送り、呻く。
「…元気じゃないか…」

「右肩が動かせない。振り向くのも痛むらしい。
お前どうせしこたま色々な怪しげな薬を溜め込んでるんだろう?

一つくらいは役に立つ塗り薬くらい、持って無いのか?」

「相変わらず、喰えない笑顔で口が悪いぜ」

オーガスタスは全開で笑った。
「お前は態度が悪いがな!」

ディンダーデンは笑顔で皮肉をかます、その自分よりも背の高い男を睨め付けると、腕組んで自分の寝室に促す。

「俺の態度をどうこう言える身分か?お前が!」

去りゆく二人の背を見つめ、室内の男はささやきあう。
「左将軍側近と対等に口を利く癖にどうして…副隊長なんだろう?」

「だよな……。
謎だよな………」

ギュンターの隊員騎士は理由を知っていたが、知らぬ振りした。

面倒事も、厄介事も大嫌いで、自由気ままで我が儘放題で居たいから。何て告げたら、その場の男達が一斉に希望を無くすのが目に見えてたので。

それで俯いた顔を、上げずに大柄な二人の大物が自室に消えゆく背を、見守った。


「糞…!」

「あ…あ。すいません隊長!」
「…痛み…ますか?」

ギュンターは隊員騎士が降ろす寝台に半身起こし両脇から背と肩を支えられながらも顔を思い切り歪め、だが沈黙を守った。

ディンダーデンが戸口でその様を見つめ、腕組んだまま、ぼそり。とつぶやく。

「奴に殴られて痛む…。だなんて、プライドが許さなくて言えないんだ。察してやれ」

両側の騎士二人はだが、そう言ったディンダーデンをじっ。と見つめる。

ディンダーデンは眉間を思い切り寄せる。
「…どんな状況だったんだ?

思い切り、喰らったのか?」

オーガスタスは横で肩を竦めるとつぶやく。
「奴がララッツの誘いに乗って突き出す拳の前に、アイリスが腹を……ああ…トリッシュか?」

と、横の青の流し目の美男の顔を、顔を傾け覗き込む。

「…名は覚えられなくても、会話の流れで誰だかは判別出来る。

先を言え!」

怒鳴られ、オーガスタスは肩を竦めた。

「アイリスがララッツに取って代わってギュンターの拳を腹に受けた。

いつも冷静なアイリスだが流石にキレて、反撃した」

「…右肩に?」
「顔だ。

奴は避けたが、避けきれずに右肩にがつん!と喰らい…同行していたディアヴォロスが痛みを取ってやると言うのを、やせ我慢して断りを入れて、このザマだ」

ギュンターが途端、手負いの獣そのものの凄まじい紫の瞳を、そう言った左将軍側近の一つ年上の悪友に投げる。

オーガスタスは思い切り肩を揺らすと
「以来、俺がずっと奴の護送役だ。
手負いの獣だから、扱いが大変だ」

ディンダーデンは途端、隣の男に嗤った。
「お前が?」
オーガスタスは呻く。
「手負いを…寝台から起き上がれ無い程沈めるのも、マズイだろう?」

ギュンターが途端、吠える。
「拳以外で俺に接する方法を考えろ!」

オーガスタスが、ギュンターに振り向きぼやく。
「拳以外にお前に利く言葉が、あったっけ?」

ディンダーデンも俯く。
「………無いな………」

隣でオーガスタスも『そうだろ?』と、たっぷり頷く。

ディンダーデンは更に睨みを増す寝台の上のギュンターを眺め、そっ…と机の前に歩を進める。

オーガスタスが首を振り見ると、その前の戸棚にはびっしり薬瓶が並び、机の半分は乱雑に盛り上がる覚え書きの紙が積まれ、天秤計りやら変な色の薬水の入ったフラスコが、机狭しと並び、そのいかにも怪しげな様に、やれやれ。と顔を横に振り俯く。

が、ディンダーデンはその中から、金属の小さな入れ物に入った塗り薬を手に取ると、ギュンターの脇に今も立つ隊員騎士に向かって、放る。

「それを塗ってやれ!」

騎士は慌てて宙から手元に飛び込むそれを受け取ると、そっ。と手の中の、洒落た彫り飾りの付いた丸い金属の入れ物の、蓋を横にずらし、中の粘液を指で掬う。

もう反対側に居た男は、猛獣を恐れるようにしてそっ…と、ギュンターの襟のボタンを、恐る恐る、外す。

ギュンターは顔を歪めたまま彼に言った。

「戦意の無い相手に俺は無害だと、知ってる筈だ!」

が、薬を手に持つ男が、そっと言った。

「確か…アイリス隊長も戦意は無かったんでは…?

止めようと、飛び込んだんでしょう?」

ギュンターは途端、反対側に顔を向けて怒鳴る。

「突き出した拳の前に身を置かれちゃ、幾ら俺だってどうしようも無いぞ!

ララッツは俺に、殴られるだけの事を言ったんだ!」

オーガスタスは途端、戸口に体を持たせかけたまま腕組みしてぼやく。

「ララッツはお前に拳を振らせようと、挑発したんだ!

殴ったら奴の思う壺だと、どうして解らないんだ?」

ディンダーデンはその、大柄なライオンのような男にぼやく。

「ギュンターが拳で相手の口を封じるしか手段を持ってないと、どうして解らない?

馬鹿に説教したって無駄だ」

ギュンターが思いきり顔を揺らし、ディンダーデンを睨む。

ディンダーデンは腕組みして机の前に立ち、ギュンターをその青の流し目で、たっぷり見返した。

「俺に一言言えば、ララッツを十日は下痢腹で笑ってやれる。

それが不満なら…砒素も硫黄も、あるぞ?」

その手を、後ろに机を差すように振る。

オーガスタスがぞっ。として顔をその美男から背けた。
ギュンターが呻く。
「殴り倒さないと立った腹が納まらないのを、お前知ってるだろう?」

ディンダーデンは前髪に手をやり、たくし上げて呻く。

「…報復の手段はあるのにな…。
奴をどうするかは、思いのまま。なくらい」

と、背後の机と戸棚にずらり。と並ぶ薬壺に、腕組んで今度は視線を振る。

オーガスタスがぼそり。と言った。
「…それを使わない代わりに、准将に候補としてお前の名が上がっても、ディアヴォロスは差し止める。と約束してる筈だ」

ディンダーデンは腕を組み直して、首を竦めた。
「…時々、忘れる。

持ってると誰かに使いたくて性がない」

オーガスタスは頷くと、その物騒な男に声を潜め脅す。
「使ったら即、准将に祭り上げてやる!」

ディンダーデンは腕組みしたまま、俯いて青く成った。
「…やっぱりお前は、最悪に嫌いだ。

嫌いだ。と知っていたが、今また再認識した」

オーガスタスはたっぷり頷き
「嫌いなその理由を、忘れるな」

ディンダーデンは咄嗟に顔を上げ、左将軍側近に怒鳴る。
「俺を准将になんてしたら!
この半分をお前に使って地獄に堕としてやるからな!」

その場に居た隊員騎士は、真っ青に成ったがオーガスタスは笑った。

「全部使わないだけ、まだ俺を嫌いに成りきって無いのか?」

ディンダーデンは作り笑顔で頷く。

「…死んで楽にさせる程、俺はお前に親切じゃない」

ギュンターは寝台で、はだけた右肩に薬を塗られながら、吐息混じりにささやく。

「…奴が一応俺の友達だと、忘れてるな?」

ディンダーデンが呻く。

「お前に隊長を肩代わりして貰った恩は、とっくに返したろう!」

ギュンターが咄嗟にディンダーデンを睨む。

「お前がオーガスタスを殺したら、報復するぞ!」

ディンダーデンががなる。

「なら俺を准将にした報復は!

奴にしない気なのか?!

俺も一応、友達だろう?!」

ギュンターは面倒臭そうに、呻く。
「…その時は、してやる。

だが拳でだ!
お前だって腕に覚えのある、鬱憤晴らしが大好きな暴れん坊だろう!

薬だなんてまどろっこしいマネをせず、殴ったらどうだ!
奴程殴り甲斐のある相手は居ないぞ?」

ディンダーデンは組んだ腕を振り解いて、ギュンターに両手広げ怒鳴る。

「こいつは図体の割に、最悪に素早い!
オマケに足の躾も悪い!

あの長い足を見ろ!
間合いに入るだけで苦労する。

どっちが先に倒れる?
こっちが先だろう!!」

オーガスタスが、たっぷり笑った。
「だから薬を盛るのか?」

ディンダーデンはすましきって言った。
「手持ちの毒薬を試す、またと無い機会だ」



 が、オーガスタスが消えた後、自分の寝室でギュンターと二人切りに成ったディンダーデンはそれでも、ギュンターの肩の具合を見、薬草で湿布し、更に板を当て布でくるんで固定具にし、その上薬酒迄も処方した。

背を起こすギュンターが薬酒を煽る様を見、寝台横の椅子に掛け、ディンダーデンが尋ねる。

「で、どれくらいで酒場に出向ける?」

ギュンターが酒瓶を下げ、隣の美男の顔をたっぷり、見つめる。

「…一人で出かけられるだろう?」

ディンダーデンが途端、がなる。

「夕べの約束をお前がぶっ千切るから!
俺が五人を相手したんだ!

その中にはマリッツと…シャネラ…それにラドリアナも居たんだぞ!」

ギュンターは途端、くすり…。と笑う。
「で、全員満足させたのか?
一人で?」


ディンダーデンは吐息混じりに腕組み、憮然。と頷く。
「ラドリアナは始末に負えない!

お前はもっと長くしてくれた。だとか…もっとここもあっちも愛撫したとか…注文が多すぎだ!」

ギュンターは吐息を吐いた。
「そりゃ、俺だって彼女一人でいつもくたくただ。

思い切り全力投球して憂さを晴らしたい時には、持って来いなんだがな………」

言って、思い出すようにくすくす笑う。

「で?ラドリアナに全力投球し、更に四人も相手したのか?」

ディンダーデンは笑う悪友を思い切り睨み付け、低い声で怒鳴る。

「…だからそこに横たわり、労られるのは本当は俺の筈だ!」

がギュンターは首を竦め、素っ気なく言う。

「文句はローフィスとディングレーとアイリスに言え。
奴ら、俺がしつこくローランデの事で思い悩んでるから、ローランデは忘れて別の相手と恋愛しろ。と抜かす」

ディンダーデンは項垂れる金髪美貌の悪友を見、ぼそり。と小声でつぶやいた。

「…そんな利口なら、敵対勢力の矢表に懲りずに立つかよ……。

いい加減ギュンターが途方もなく馬鹿だと、どうしてみんな気づかないんだ?」

ギュンターは俯いたまま『途方もなく馬鹿』に顔揺らし、ぼそり。と言った。

「俺が馬鹿だから、お前の代わりに隊長なんかやってて、更に矢表に成ってる事実を忘れてるな?」

ディンダーデンは姿勢を正し、途端猫なで声でささやく。

「お前は馬鹿だからいいんだ」

ギュンターは、そうだろう。と項垂れたまま頷く。

そして言った。
「肩が固定されてて動かせないんなら、今夜にでも付き合える。
他は元気だからな」

ディンダーデンはにこやかに微笑むと、たっぷり頷いた。
「…それでこそ、処方した甲斐が、あるってもんだ」

が、ギュンターは思い出してこっそり言った。

「…ラドリアナの姿を見かけたら、全速力でその場から逃げ出し、場所を変えるぞ?」

ディンダーデンもそう言うギュンターの真顔をたっぷり見つめ、そして思い切り、首を大きく縦に振って頷いた。

「…そうしよう」




end

何か結果、暑苦しい話に成ってるな………。

これはアメブロで短期連載したお話でノーマル向け。

腐女子の皆さん、美味しくなくてごめんなさい…。

アメブロ…だったかな?そっちで予告してほってあったけど

アシュアークとディンダーデンの、消えたその後。

ほぼ濡れ場。というお話、多分直あっぷ出来るでしょう…。






            





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