アースルーリンドの騎士『二年目』　54　野外の食事（仮） 1

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』　54　野外の食事（仮） 1

[★二年目　連載]

2014年10月24日 22時50分の記事

とりあえずのタイトル。

変わるかも。です。

今日はシュルツで。

二年ながら、落ち着いていて、大人びてますね。

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54　野外の食事

　ギュンターが草籠を、石窯班へと運ぶ。
大きな石を乗せて作られた石窯の中心には火が灯っていて、周囲には煙にむせながら炎を扇ぐフィンスと、巧妙に煙りを避けながら長い枝で炎の根元の、木や木の葉の積み具合を調節してるシュルツが居た。

ヤッケルら、魚取り班の後を追いかけた筈のアイリス、ディオネルデス、アッサリアの三人は、良く熟れた木苺を、広げたハンケチいっぱいに摘んで来ていた。

ギュンターが差し出す草籠の中の魚に、シュルツがぼやく。
「…本当に、釣れたんだな」

アイリスが直ぐ、駆け寄って来て草籠を見つめ尋ねる。
「この籠って、今編んだんですか？
もっと他にもあります？」

ギュンターは頷くと、周囲の足元を見回す。
そして適度な長さの草の束見つけ、根元を腰に差した短剣で、ざっくり切った。

マレーは尖った石で指先切ったアスランの、指の手当てをしながら振り向いたし、その横で伺っていたディングレーも顔上げる。

ハウリィとフィフィルースはフィンスのシュルツの横に居て、手に持った枯れ葉や枝を継ぎ足そうとしていたけど、指示役のフィンスとシュルツ迄もがギュンターの様子を凝視してるのに気づき、顔上げる。

ギュンターは立ったまま幾枚かの葉を交互に重ね編み始め、余分に脇に挟んだ草を一枚、また一枚と継ぎ足しながら、あっと言う間に籠を編み上げた。

「こんな大きさでいいのか？」
手渡され、アイリスは呆然と長身のギュンターを見上げる。

アッサリアとディオネルデスも、摘んで来た木苺から余分な葉を取り退けながら、呆れたように見上げる。

アッサリアがぼそり。と呟いた。
「めちゃめちゃ器用ですね」

ギュンターがアイリスから視線外し見ると、全員が自分を凝視していて、つい真顔で尋ねる。
「…そんな、特殊技能か？」

尋ねると皆ばらばらと…けれど全員が全員、頷いていた。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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