くる天 |
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mmw さん |
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ブログの説明: 某T氏との極秘作戦会議帳(嘘) |
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勇者の休息 |
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2010年12月21日 1時54分の記事
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空を見上げたら、鳥が鳴きながら 彼方へと飛んでいったのが見えた
太陽がまぶしい
だが、木々の中は空気がひんやりとしていて、 勇者の汗ばんだ身体を冷ましてくれるのだった。
別に目的なんて何もなかった。 ただ、なんとなく足を踏み入れた森ではあったが 吸い込まれるように、奥へ奥へと導かれ 今に至る。
小さい頃は、よく木に登って遊んだりしたものだ。 近くにあった木の幹に触れ、ふと幼かったときの記憶を思い出す。
道なき道を歩き 己の弱さを思い知り けれども逃げることは許されず 数多の朝と夜とを繰り返し ただ、ひたすら歩き続ける
気づいたら立つ気力も無く、 木に寄りかかっていた
「少しだけ、少しだけで良いのだ どうかこのまま…」
頭上ではかさかさと木々の揺れる音が聞こえる けれどもいつしかその音はいなくなり 代わりに静けさがやってきた。
一陣の風が吹く
勇者の頬をなでるように やさしく、そっと。
それはまるで、母が子を慈しむように、 ふわりと飛んできて、消えていった。
束の間の休息
夢の中で彼女が笑っていた
僕は、その彼女を 見たことないけれども 知っている
彼女の名は.......
はっと目を覚ます まだ時間はそんな経っていないようで あたりは明るかった。
まだ太陽はまぶしい
「さて、行くか」
勇者はすっと立ち上がり、 ふたたび空を見上げた。
木々の上から、彼女が見下ろしている気がしたからだ。 しかしもちろん、彼女はいない。
また会いにくるよ。
そう呟いて、勇者はその森を後にしたのだった。
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