第6話「祖母の家の動物たち」 | |
[播磨陰陽師の独り言] | |
2018年9月24日 19時0分の記事 | |
播磨陰陽師の独り言 第6話「祖母の家の動物たち」 祖母の家では、ヤギを飼っていました。 何の為に、飼っていたのかは知りませんが……私が風邪をひくと……必ずと言って良いほど、あのヤギ臭いヤギのミルクを飲まされたものです。 しかも、ホットミルク……皆さん、想像出来ますか? 鼻を近づけただけで、ヤギの臭いが、漂って来るのですよ。 ヤギのことは、さておき……祖母の家のまわりには、たくさんの動物たちが、勝手に住んでいました。 誰か餌をあげている人が、飼っているのだとしたら……多分、祖母あたりが飼っていたのでしょう。 しかし、動物のことを聞くと、 「勝手に住んでるだけじゃ」と笑っているのでした。 動物の中には、鳥類もいました。 祖母の家の近くには、小さな池もあったので……そこを住みかとして、家に遊びに来ていたのです。 アヒルとカモが主でしたが……たまに見かけない、大きな鳥も、歩いていました。 不思議なことに、どの鳥たちも、歩いて家まで来ていました。 鳥たちが空から舞い降りて来るのを、一度も見たことはありません。 カラスやスズメすら、舞い降りるのを見たことは、ありません。 いつか、そのことを聞くと、祖母は、 「それは、礼儀と言うもんじゃ」と……意味の分からないことを……言っていました。 夜は、フクロウの鳴き声が聞こえ……祖母はその鳴き声に、何か答えていたようです。 祖母の家のまわりには……エゾリスや、野ウサギのような……小さな動物たちも、たくさん、いました。 大きな動物は、夜の暗闇の中で、影を見るだけです。 時々、 「昔は、クマが家に入ってくることも、あったな」と笑って、懐かしんでいました。 祖母の家の前に、子供が飛び越せる幅の小川があって……戦前までは……その小川に、たくさんの鮭が登っていたそうです。 祖母は、 「棒を立てても、倒れないくらい、アキアジがたくさんいた」と言っていました。 そんな豊かな時代は既に無く、その頃の大木たちも……畑を作る為に……ほとんど切られてしまいましたが……。 播磨陰陽師の独り言 前回の話◀︎[もくじ]▶︎次の話
| |
このブログへのチップ 1000pts. [チップとは] [このブログのチップを見る] [チップをあげる] |
このブログの評価 ★★★★★ [このブログの評価を見る] [この記事を評価する] |
◆この記事へのコメント | |
コメントはありません。 | |
◆この記事へのトラックバック | |
トラックバックはありません。 トラックバックURL https://kuruten.jp/blog/tb/harimamono/415027 |