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第一話 「日々不思議な体験をするので、百物語というもの話すことにする」(近世百物語) |
2009年5月25日 14時0分の記事 |
◎近世百物語・完全版 第一夜「霊能者の日常」 日々不思議な体験をするので百物語と言うものを書くことにします。 私は播磨陰陽師の末裔。先祖代々生まれながらの、いわゆる〈霊能者〉と呼ばれるやつです。 霊能者だと人に伝えると、それを知った人は途端に、 「後ろに何か見えますか?」 とか、興味津々な感じでこちらを見ます。 時には後ろを振り返って……自分で見えると思うのでしょうか……それなら苦労はいりません。 そんな時は少し閉口しますが、おもむろに口を開き、 「いつでも見える訳ではありませんし、あなたの後ろは、悪い霊はいませんよ」 と答えることにしています。 その理由は、説明がややこしいのと、正確に伝えたところで、相手に理解出来るとは限らないからです。 そして、後ろにいるとも限らないのですから……。 さて、亡霊の類は、夜昼かまわず現れるものです。人が見ていようといまいと関係なく、あたりをさまよい歩いているような気もします。 私は白い女の姿をよく目にします。時には半透明であったり、現実の人間のようでもあったりもするのですが、しかし、それを幽霊だと思って見ている訳ではありません。まるで、実在の人間であるかのように、生々しくリアルに見える存在なのです。現実と亡霊の区別があまりついていないのが現状なのかも知れません。 それが、たまたま同席した者の目に見えていないことを知った時、はじめて、 ――たぶん、幽霊の類だろう? と、思うだけのことです。 大阪の阿倍野に住んでいた頃、真夜中のタクシーでの帰り道。自宅近くになった時のことです。 「えぇと、あの白い着物を着た女の人のあたりに止めて下さい」 と、停車位置を伝えると・・・・・・ つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら |
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[カテゴリ:近世百物語・完全版] |
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