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第十五話 「歩き逝くもの」 (近世百物語) |
2009年6月8日 14時0分の記事 |
◎近世百物語・完全版 第十五話 「歩き逝くもの」 地獄と呼ぶ場所が、実在するかどうかについては、分かりません。 この世とあの世の間が、つながる日だとか……黄泉の国から帰ってくるから、 「よみがえり」と言うとか……あの世に関して言われていることは、山ほどあります。 「地獄とは、どこに、あるのだろう?」とか、 「地獄とは、どんな所だろう?」と、考えたり、 「地獄の絵にあるような物は、真実なのかだろうか?」とか、色々、考えて行くとキリがありません。 そんなことを考えているある時……電車で帰ろうとして乗り込んだ時、ふと地獄に迷い込んだような錯覚に襲われました。 「そうか、ここが地獄だったんだ。」と、その時、はじめて納得しました。 それは、屍のように疲れきった人々が、病と苦痛のうちに日々を過ごしている世界。 そして、それは、みずからが招いた不幸であり……誰もそこから救われることがないような気がしました。 同じ、時間と空間を共有していながら、見ている物も、感じている物も、何もかも違う人々の心の中には、 「きっと地獄があるのだな。」と、思いました。 「地獄を作るのは、ひとりひとりの心であり……認識を変えることによってのみ……そこは極楽にでも、地獄にでも、変わりうる世界である。」とも感じました。 さて、地獄が実在するかどうかについては不明ですが……人は、地獄としか呼ぶことの出来ない「あの世のどこか」に、迷い込むことがあるようです。 これもやはり……二十年ほど前の、盆の夜のことです。 ……仕事で疲れきってはいましたが……なんとか終電に間に合って、家の近所の駅で、電車を降りたことがありました。 つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら |
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[カテゴリ:近世百物語・完全版] |
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