以前、古い祭文で、
「太安万侶祭文」と呼ばれる祭文を百日唱えて、太安万侶《おおのやすまろ》と接触したことがありました。
これは、霊は夢の中にいるので……夢の中で、太安万侶の霊がただよう場所を見つけ出し接触したものです。
どのような霊にもですが、うまく接触出来ると……七日間祭文を唱え、ひとつだけ簡単な質問することが許されます。
私は、この霊に、
「すべて仮名で書かれた文章が、正しい物事を伝えきれるのか?」と言うようなことを質問しました。
その祭文を唱え続けて、太安万侶の霊から、
「口からいづる言の葉は、すべて仮名なり。漢国《あやぐに》の文字を含まず……」と、答えを得ました……。 ……そうです、言葉は、どちらにしても、仮名ばかりのようなものです。漢字で発音する言葉はありません。
その時の百日は、あくまでも目安で……本当に百日であることもあれば、二百日でも一年唱えても、駄目な時も、あります。
また、数日でも良い時もあり……どのくらい、唱えるべきかどうかについては……分かりません。
ただ、ひたすら唱えてみて、答えを得るだけです。
百日唱えると、かなり命を消耗します。
ただ、百日行うだけで、百日分の人生を失うことになります。
それ以上に祭文を唱えると言うことは……自分の命や霊力を、とても激しく、消耗してしまうものです。
しかし、命と引き換えに質問するのがイヤなら、「運命」と呼ぶ財産で、支払わされることになります。
こちらは、もっとイヤなことだと思います。
未来に発動する……恐ろしい不幸を……背負うことに、なるのですから……。
いずれにしろ……それでしか答えを得る方法がない以上、命がけで問うしかありませんね……。
ただし、命がけの問いには、必ず答えがあるものです……。
生きている以上……誰でも、日々、死に向かって……つき進んでいるのです。
毎日の行いが命がけなのですから、
「真剣に聞くのも、また良かれ……。」と、思うのです。
←文中ですが…応援してね♪(管理人) また、ある日の朝、夢の中に一無軒道治翁《いちむけんみちはるおう》が出できました。
この翁は、時々、夢にあらわれる人物です。
彼は、江戸時代の大阪に実在しています。
ひさしぶりに出てきた翁は、いつもとおなじように……古語のしかも浪速言葉で、つまらない駄洒落を言いながら……、夢の中にあらわれました。
翁は、
「『難波丸網目』と言いし書を、記しおいたによって、それを読み食べやん。」と言いました。
そして、
「その書は、当時の難波を丸で囲い……網目の如く、おりたる衆の名を、含ませり。」と言っていました。
翁の言葉は、難波古語でしかも、紀州弁がまじっているので……とても、分りづらいですが……要約すると、
「難波丸網目と言う本の中に、播磨陰陽師の血筋の者の名を含ませて、記載しておいたので、それを読むように……。」と、言うものでした。
『難波丸網目』は、始めて聞く本でしたので、
「どう調べようかな?」と思っていたら、
「机の上なる書の内に、一部あり。」と、言っていたのを思い出し、
「まさかね?」と思いながら机の上を見ました。
すると、パソコンの前に「大阪年中行事資料」と言う本がありました。
「これか? これのことかな?」と、思い……おそるおそる、中を開いてみると……そこに『難波丸網目』の、簡単な解説のようなものが書いてありました。
解説によると『難波丸網目』は、当時の大名から職人にいたるまでの……あらゆる階層の人々の、名前、住所、どんな人なのかについて書かれたものだそうで、80ページもあるようです。
それよりは、翁の『難波鑑』と『葦分船』が読みたい……と、思いながら……阿倍野の歯医者へ定期検診に行きました。
その帰りに、図書館の前を通ったので……そのまま入って行くと、たくさんの古そうな本がありました。
さて、
「こんなにいっぱいあるのだから、ひとつくらいは関連したものがあるだろう。」とは思いましたが、ありすぎて、目まいがしそうでした。
←たびたび文中ですが…応援ありがとうございます♪(管理人)
大阪資料のコーナーへ行って、心の中で、
「翁、どこですか?」と聞きながら、適当に手をのばして一冊の本を手に取りました。
すると、その本の表紙に『浪速業書・第十二巻』と書いてありました。
20冊近くある赤い表紙の本でしたので……いぶかしげに中を開くと、そこに「葦分船《あしわけぶね》」と書いてありました。
その本のその巻に、読みたかった『葦分船』があり、その次の章に『難波鑑』もありました。
いつもは、『大阪年中行事資料』に部分的に掲載されているものを読んでいましたが、ここに全文があったのです。
そして、そのページの前の項に……翁の直筆の手書原稿で……前書きが掲載されていました。
それを左手でさわりながら、心の中で、
「ありがとうございます。」と想うと、翁の笑い顔が浮かんできました。
次回から、
「いつでもその本が読める」と想うと、少し幸福な気がします。
このふたつの本は……江戸時代の大阪の、いろいろな神社や遺跡などの由緒や噂を、集めて書いたものです。
さて、また、『難波丸網目』を探すことになると思いますが……この本に播磨陰陽師に伝わる暗号が記載されているので……夢の中でその中の何人かと接触し、失われた秘伝を引き出すことが出来るようです。
一無軒道治翁は、『大阪年中行事資料』に出会った時もあらわれて、
「夢の中でその本を読むように……」と、告げていった人です。
この本は、かなり古い印刷で、文字の多くがカスレていて全部を読むことは出来ませんが、必要な部分のみ抜粋して使っていました。
「もし、夢でまた見なければ『難波丸網目』とある書の本当の意味を知ることはなかったな……。」と思うと……いつものことでは、ありますが、
「なかなか不思議な体験だな……。」と、思いました。雁多記す。
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