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第六十九話 「ひだるの神」(近世百物語) ※ご注意ください
2009年8月1日 14時0分の記事
 
◎近世百物語・完全版
 第六十九話 「ひだるの神」

※ご注意※
今回のテーマ「ひだるの神」は、大変危険な神ですので特に心してお読みください。この話を読めば祟るというものではありません。よく理解し対処いただくことで厄を起こさないようにしていただきたいというものです。姿勢や心を正し、祓詞を唱えるなど読者の皆様ご存知の方法で各自対処なさってくださいますようおすすめさせていただきます。(管理人)



 われわれ、播磨陰陽師の、霊的な戦いの歴史は……「ひだるの神」との、戦いの歴史です。

 「ひだるの神」は、またの名を「だり神」、またの名を「行合《ゆきあい》神」、またの名を……と、言うように、さまざまの別名を持ちます。
 祠《ほこら》に関係した厄《わざわい》がある時……決まって、この神に遭遇することが、多くなります。


 ある時は、阿倍野の某所で、「ひだるの神」が支配する祠を祓い……また、ある時は、四国の某所で……さまざまな場所に、「ひだるの神」が発生します。
 「ひだるの神」は、「発生」……または、「変容」……または、「変異したもの」と考えられています。
 この宇宙で、最も恐ろしい種類の存在で……いろいろな厄を、生み出すのです。

 「ひだるの神」は、一般には、
 「山などで、突然、体がだるくなる現象。」として知られています。

 「ひだるの神」の「ひだる」とは、
 「ひもじくて、そして、だるい……。」と言う意味です。
 これは、「疲れる」の古語にあたります。
 しかし、それは、この神の側面でしかありません。
 

 ある時、祓いを頼まれた場所に、古い祠《ほこら》がありました。

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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」をお届けさせていただいております。



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