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第七十八話「画面に写るモノ」(近世百物語) |
2009年8月10日 14時0分の記事 |
◎近世百物語・完全版 第七十八話「画面に写るモノ」 まだ、コンピュータのモニタが液晶では無く……ブラウン管だった頃のことです。 ブラウン管には、後ろの景色が良く写りました。 室内での作業なので……いつも見なれた景色しか、見えないハズですが……時々、不思議なモノが、私の後ろを通り過ぎて行きます。 ゲーム会社で、真夜中にひとりで作業していた時のことです。 その頃は、まだ、文字の色がグリーンのみで……しかも、数字と英語だけが表示されています。 当然、日本語を表示することは出来ません。 ユニックスと言う種類の、研究開発用のワーク・ステーションだったので……三台がワン・セットで、いつも起動していました。 私は、その画面の、文字の中に書き込んだデータを見つめながら……ふと、考えごとをしていました。 片方の腕を頬《ほほ》について……もう片方の手で、メモを書いていると……画面が、ちらちらと、何かが反射しているようです。 文字を見つめていただけなので……画面の表面には、ピントがあっていません。 もう、ずいぶん遅い時間でもあり、目もボケていましたが……それにしても、ピントがづれすぎているようです。 「何だろう?」と思って、目をこすり……しっかり画面を見ると、何もありません。 「気のせいか……?」と思い気を取り直して、また、作業しました。 しばらくすると……やはり、画面に、ちらちらするものが見えます。 目を閉じて、背後の気配に気をくばっても、そこは、無音のままでした。 ……と、目を開けて……その瞬間……画面にこちらを見つめる、大きな顔が、写り込んでいたのです。 つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら |
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[カテゴリ:近世百物語・完全版] |
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