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第八十一話「触れ合う記憶たち」(近世百物語) |
2009年8月13日 14時0分の記事 |
◎近世百物語・完全版 第八十一話「触れ合う記憶たち」 私は、人に触るのが……あまり好きな方では、ありません。 ……と言うのは、触った人の記憶を、読み込むことがあるからです。 また、不用意に触ってしまった人に、わたしの記憶の一部が伝わることもあります。 昨日も、混雑したフェリーの中で、子供がぶつかって来た時……その子供を避けそこねて、手の一部が触れてしまいました。 すると、その子が立ち止まり、突然、泣き出したのです。 そして、親に、 「お化けを見たの……。」と、訴えています。 それは、お化けではなく……私の記憶の一部なのですが……その多くは、化け物に出会ったようなものばかりです。 最近、この近世百物語・完全版を書いていることもあり……古い記憶を順番に思い出しては……書けるモノと、書けないモノを選別しています。それは、特定の個人が出て来たり、今も続いている種類の出来事は、書くことが出来ません。 それらの記憶を、見ず知らずの子供が……受け取ってしまうことがあります。 もちろん、私自身が、他人の記憶を受け取ってしまう方が、多いです。 それは、物体の持っている固有の記憶だとか……個人の背景にある、本人も知らない種類の霊的な記憶とかです。 ある時は、霊的な、怖い体験をした友人の手が触れて……そのまま、その友人の記憶が再現されたことがありました。 その時は、幽霊を見た友人が……私に向かって、 「白い手に、腕をこのように掴まれた……。」と言って、私の手首を掴んだのです。 その瞬間、私の記憶の中では、その人の恐怖の体験が再現されました。 そして、その人の手首を掴んだ白い手の感触も、私の記憶の中に入ったのです。 その日の夜……自宅で眠っていると、壁から白い手が出て来て、私の手首を掴みました。 つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら |
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[カテゴリ:近世百物語・完全版] |
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