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第九十九話「つくも神」(近世百物語) |
2009年9月1日 14時0分の記事 |
◎近世百物語・完全版 第九十九話「つくも神」 百年《ももとせ》に、ひとつ足らぬは、つくも神……と、言うことで、今回、とうとう九十九話になりました。 この近世百物語・完全版も……残すところ、あと一話です。では、よろしくお願い致します。 さて、「九十九神」と書いて、「つくもがみ」と読みます。 これは、器物が百年くらい存在して……「物ノ怪《もののけ》」に化ける種類の現象です。 器物が百年近い間、人の世にあって大切にされると……ある時、人にその姿を見せようとします。 これが、良い方向に働けば、幸いをもたらしますが……悪い方向なら、厄を生み出します。 どちらの場合も、これらを「つくも神」と呼ぶようです。 長い間、大切にされた器物は……人に、その姿を見せようとしますが……それらが粗末な扱いを受けた時に、半分だけ人のような姿を見せるもののようです。 子供の頃のある時……江戸時代の「百鬼夜行絵巻」で見るような……不思議な物ノ怪を、目にしたことがありました。 それは、線香立てに手足が生えたような物で……忙しそうに、窓の外を走っていました。 見ていると……仏壇から、逃げ出したような感じがしました。 その頃、家には、仏壇がなかったので、 「どこから逃げて、来たのだろう……。」と思いました。 それから、近所の家で夫婦喧嘩があって……家の外に仏壇とか、位牌とか……そう言う物が、ちらばった噂を聞きました。 それは……古けど、とても豪華な仏壇らしく……位牌や線香立ても、かなり立派な物のようでした。 それを聞いて、 「ああ、あの家から、逃げて行ったんだな……。」と、思いましたが……それにしても、あれは、どこへ逃げて行ったと言うのでしょう? 祖母に、 「家の近くで夫婦喧嘩があって、仏壇が、外にほおり出された時……そこから逃げて来る、線香立ての姿をした物ノ怪を見たけど……あれは、どこへ行ったの?」と、尋ねました。 つづきをご購入いただけます(200円) 購入方法はこちら |
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[カテゴリ:近世百物語・完全版] |
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