(6) ニワトリの起源の分子系統学的解析:秋篠宮文仁1,三宅哲雄2,高田 勝3,新宮良介4,遠藤俊徳,五條堀 孝,近藤典生3,大野 乾5(1山階鳥類研究所,2湧永製薬,3進化生物学研究所,4大阪大学第二内科,5Beckman Research Institute of the City of Hope, USA) ミトコンドリアDNAを用いた分子系統学的解析により,ニワトリの起源を調べた.とくに,キジ科に属する30種以上の個体から血液サンプルを抽出し,ミトコンドリアDNAのD-loop領域のDNA配列を決定した.また,現在家禽として飼育されているニワトリの多数の品種からもミトコンドリアDNAも抽出してDNA配列を決定した.決定されたDNA配列は,multiple alignmentを行って,各種間における塩基置換数を推定した.推定された塩基置換数に基づいて,分子系統樹を作成した.その結果,調査されたすべてのニワトリは,インドシナ半島に住んでいた赤色ヤケイを単一の起源としており,ニワトリ起源の単系統説を裏付けるものであった.この成果は Proc. Natl. Acad. Sci., 93, 6792-6795に発表した.
●湧永は世界にはバイオの湧永として有名である。 ●昭和55年にはレベル3(万一遺伝子組み換え微生物が漏れても外部には室内の空気が漏れないようになる)の研究棟を建て、最先端のバイオ研究で有名なアメリカのシティオブホープ研究所(秋篠宮様の共同研究者(?)の一人である大野乾氏が所属している機関)に研究員を派遣してきた (日本から他ではサントリーだけ)。 ●湧永の遺伝子工学技術が評価され、秋篠宮様のご研究「鶏の家禽化」における遺伝子解析統計的分類法に大きく貢献した。 ●1992年から1999年まで、計10回、秋篠宮様が湧永バイオ研究所にご来所され、研究を進められてきた。 (なお拡大する需要に対応するため広島県に新工場を建設したのが、秋篠宮様と研究を始めた1992年とのこと) ●その成果は、権威あるアメリカの科学アカデミーの紀要(PNAS:Proceedings of National Academy of Science)の1994年12月号に発表され、ニューヨークタイム紙などにも大きく取り上げられた。 ●秋篠宮様様は1996年9月に国立総合研究大学院大学で理学博士の学位を取得された。