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発光
 
2017年12月31日 18時55分の記事







写真1.八丈島のヤコウタケ 提供:大場裕一氏
写真2.実際のヤコウタケの発光と、試験管内でヒスピジンを光らせたものを並べた写真 提供:大場裕一氏
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/06/20150624_02.html


画像3枚目
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201501779/abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201505051/epdf (26メモ)



光を見る
光を知る

あるいは・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

化学発光と蛍光は,まったく異なる現象である.化学発光は,化学反応(酵素反応を含む)により光が放出される現象.蛍光は,物質に紫外線などを照射したときに光が放出される現象である.紫外線などの照射エネルギーで励起された分子が基底状態に戻っているだけなので,このとき化学反応は起こっていない.また蛍光による発光は紫外線などを照射している間だけ観察される.57

現代化学2015年 11月号 No.536/56-59
光るキノコの発光基質を追って 
大場裕一

反応様式は酵素−基質反応であり 基質(ルシフェリン)前駆体は「ヒスピジン」という光らないキノコにその存在が知られていた既知物質だった

物質の単離と構造決定は ロシア産の非発光キノコ Pholiota squarrosa(日本のナメコと同属)の子実体をを用いて行われた

発光キノコの酵素抽出物を使った発光アッセイを指標に活性画分を分離し,最終的な構造はNMRにより決定された.つづいて,決定された物質が微量ながら発光キノコにも含まれていることを確認し,それが発光活性の主成分であったことから,発光基質として特定した.決定された物質は,もともとInonotus hispidus(漢方に使われる日本のカバノアナタケと同属)という発光しないキノコの色素として単離されていた「ヒスピジン」という既知物質であった.ヒスピジンは,いろいろな漢方キノコの薬効成分として抗酸化活性,免疫刺激効果,抗インフルエンザ活性,抗がん活性などが報告されており,プロテインキナーゼCβの特異的阻害剤としても使われている.58


発光キノコのルシフェリンが長い間見つからなかった大きな理由として
ヒスピジンが発光キノコにはごく少量しか含まれていないという事実があげられる

しかし,発光キノコの発光にかかわる物質がなぜそれ自体にはごくわずかしか含まれず,光らないキノコの一部に大量に見つかるのだろう.その点について,私は次のように考えている.


発光生物は普通,刺激を受けたときなどにのみ発光し,常に光りっぱなしということはない.一方,発光キノコは例外的に持続的に発光する.もしかすると,発光キノコはルシフェリン前駆体であるヒスピジンを少量ずつ生合成し続けることで,持続的な発光を可能にしているのではないだろうか.発光しないキノコの一部がヒスピジンを大量にもっているのは,色素もしくは生体防御など何か特別な理由であろう.その理由が何であるかはともかく,別な用途に使われていたヒスピジンという化合物が,進化の過程で発光反応の前駆体として流用されたことが想像できる. 59


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
午前中にメモしたアドレスなど


https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/06/20150624_02.html
光るキノコの発光物質を特定 掲載日:2015年6月24日

光る生物の発光の仕組みは、いまだにその多くが謎のままだ。そんな中、キノコが緑色に発光するための原因物質を、大場裕一(おおば ゆういち) 名古屋大学大学院助教らのチームが、ロシア科学アカデミーのヨーゼフ・ギテルソン教授、イリヤ・ヤンポルスキー博士らのチームと共同で特定した。多くのキノコに含まれる「ヒスピジン」という物質と、光るキノコだけが持つ酵素が反応することで発光するという。

光るキノコは日本に10種類以上見つかっており、そのうちの8種類以上が、発光生物の宝庫として知られる八丈島で確認されている。名古屋大を拠点とする大場氏らのチームは2005年から八丈島に通い続け研究を進めてきた。そしてこの島に生息する「ヤコウタケ」を大学でも栽培し、すりつぶしてさまざまなキノコから採取した物質を混ぜる実験を3~4年繰り返し行い、ヒスピジンとヤコウタケの酵素が反応して光ることを突き止めた。今回の成果は、これに先行してロシアのチームがベトナムから採取した発光キノコの一種から得ていた同一物質による研究結果を、日本のチームが証明した形で結実した。

非発光のキノコにも含まれるヒスピジンは、がん細胞を殺すことでも知られるが、これまで発光との関係については見過ごされてきた。また、発光生物の多くは、主に深海に生息し、刺激を与えたときにだけ発光するものが多い。今回、常時発光するキノコの発光物質が特定されたことで、新たな応用技術の開発につながるかもしれない。

大場氏は、「長らく謎だった発光キノコの発光物質が決定できたことは、発光キノコの発光メカニズム全貌の解明のための重要な一歩だと思う。現在、慶應義塾大学の榊原康文(さかきばら やすぶみ)教授らとヤコウタケの全ゲノム解読を進めている。ロシアと慶應大と名古屋大の共同で、酵素遺伝子の特定や反応メカニズムの詳細を解決したい」と語っている。  


・・・・


故 中村英士教授遺児育英基金募金趣意書
名古屋大学大学院生命農学研究科元教授の中村英士先生は、昨年11月9日沖縄県阿嘉島近海で、 海洋天然物化学の研究材料採集中に水難事故に遭われ死去されました。
享年48才
http://www.chem.tsukuba.ac.jp/kigoshi/danwa/kikin.html  



KAKEN — 研究者をさがす | 中村 英士 (90217878)
https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000090217878/

・・

生物発光の進化
ルシフェリンの由来・ルシフェラーゼの起源
大場 裕一, 井上 敏
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/45/10/45_10_681/_article/-char/ja



https://sayfox.wordpress.com/2010/07/25/%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E6%8B%A0%E7%82%B9%E3%81%B8-%E4%B8%8B%E6%9D%91%E8%84%A9-25/
玉しき都の泡沫
The beautiful city may be illusion.

下村脩(25)新しい拠点へ  2010/07/25

関心の赴くまま研究
発光キノコはライフワーク

1979年に緑色蛍光たんぱく質GFPの研究に区切りをつけた。2年前の77年には、ホタルの発光の仕組みをめぐる米研究者との6年あまりの論争にもようやく決着がついていた。プリンストン大学に私を迎え、長年苦楽をともにしてきたフランク・ジョンソン教授は、同じ77年に同大学を退職した。

私はその後、それまで17年間、最初の滞在を含めれば20年いたプリンストン大学を離れ、82年にマサチューセッツ州南部にあるウッズホール海洋生物学研究所に上席研究員として移ることになった。

同研究所は、米国の海洋生物学研究の中心ともいえる存在である。75年には昭和天皇が訪問された。普段は150人くらいの研究者がいるが、夏には世界各地から生物学者が訪問してきて、千人くらいの大研究所に変貌(へんぼう)する。私は2001年に退職するまでのやはり20年近く、ここを拠点に研究をすることになる。

オワンクラゲ発光の研究が終わった後は、関心の赴くままに、様々な発光生物を相手に研究を進めた。

カリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコの中間付近、シエラネバダ山脈の標高1500メートルあたりに、ヒカリヤスデと呼ばれる面白い生物がたくさんいる。そこにはレッドウッドという巨木が多く、雪が解ける5月になると、その根元あたりにヤスデがぞろぞろとはい出してくる。2回採集に行き、約1年かけて発光物質の研究をした。

それからウロコムシ。どこの海にでもいる体長2〜3センチメートルの小動物で、敵から攻撃されると、ウロコを2枚か3枚はがして逃げる。そのウロコが光るので、敵はそれに欺かれるというわけだ。ウミホタルの場合は、敵から攻撃されると、光る液体を出して自分が逃げるのだが、それとよく似ている。

海岸にいるクモヒトデも研究した。ヒトデの近縁で、豆粒のような形をした頭に、長さ5センチメートルくらいの細長い脚が5本ついていて、クモを連想させる。全身が光る。

発光キノコの研究は、80年くらいから始めた。ウッズホール海洋生物学研究所にやってきて、自宅を建てたとき、木を切って土を掘り返して造成した敷地一面に、色々な種類のキノコが生えてきた。

その中に発光キノコがあり、周囲の山を調べると、同じ種類の発光キノコが繁殖していることがわかり、夢中になって採集した。以来、発光キノコの研究は新たなライフワークになっている。

米国に来た当初にスウェーデンまで出かけて始めたオキアミの研究も、この時期に成果がまとまった。オキアミの発光物質であるルシフェリンは、精製方法が見つかるまで難航し3年ほどかかったが、その後の構造決定が後回しになっていた。

87〜88年に、名古屋大学の平田義正教授の紹介で、ハーバード大学の岸義人教授の研究室にいた中村英士氏とオキアミ・ルシフェリンの構造を研究した。中村氏とは同じ時期に、鞭(べん)毛虫類のルシフェリンの構造も研究した。

新天地でさまざまな発光生物を追い求めて10年あまり。その間に、オワンクラゲから得た蛍光たんぱく質GFPは、私が当初想像もしていなかったような発展を始めていた。


・・・・


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