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守成は創業より難し
[日本の政治]
2015年10月26日 23時50分の記事

『貞観政要』という書物があります。これは中国の古来からある帝王学の教科書と呼ばれるものですが、日本でも源頼朝や北条政子、そして徳川家康が愛読したと言われています。
この本で有名な言葉として出てくるのが、「創業と守成いずれが難きや」というものです。どちらも大変であることは間違いないのですが、ポイントはどちらについてもしっかりと踏また体制や思考を整えなくてはならないということでしょう。しかし、創業は勢いで行ける部分もあり、また動きもわかりやすく、陽性のものです。政治などでは特に前時代の問題点をひっくり返す形が多くなるので、人々の共感を得やすくもあるでしょう。
一方で、守成は平時を長く保つことを成して行かなくてはならず、問題は発生する前に処理するので目立たず、見た目は派手さや面白みもなく人々の関心を惹きにくいものです。ただ、政治というのは人々の生活を長く平和で安寧なものにしていかなくてはならないので、政治の本質的な部分はこちらの方であると考えます。

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最近の政治を見ていると、どうも、どこもかしこも「創業」だけになっているように思います。国民の関心を集めるためにはその方が世論対策としては良いのですが、それは一種のサーカスと言っても良いでしょう。守成について本当に考えているのだろうかと疑問に思うことが多々あります。そこに無責任さを感じます。
大きく制度を変える創業は、やはりそのことによって様々なことが大きく影響を受けていきます。良い影響だけでなく、悪い影響もある。改革と思って行った施策が、存外、悪影響を様々なことに及ぼしていたら、それは改革ではなくなってしまいます。地方の疲弊などは、そんな「改革」によって生まれた部分は多々あるでしょうし、現在ある建築の問題もそのような側面が多くあります。
また、守成においては政治への信頼が大きく問われます。そのような信頼を日本の与野党とも醸成しているのか、非常に疑問に思います。
制度を変えると何かが変わるのではないかと期待感が人々の間に生じます。しかし、大抵の場合、問題なのは制度ではなく、人に焦点があるのではないかと思います。創業ばかりを言って期待をもたせ、結局、何もなかった、悪くなったということも最近、良くあるように思います。
最近の疑問に答えない政治の問題、不可思議なことばかり起こるオリンピック問題、傾斜するマンションの問題等々。それは制度の問題ではなく、人の問題ではないかと考えます。なぜかそこの日本人としてのプライドを感じません。「創業」のみしか求めない現在の風潮に問題があるようにも思います。「守成」という本質的なポイントをもう一度、思い返す時になっているように思います。言ってみれば、守成を為すための政治を創業する必要があるように思います。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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