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都知事選、自民党の本命は誰か?
[日本の政治]
2016年7月15日 23時1分の記事

今日、7月15日、都内の道々を走っていました。そうすると都知事選挙のポスター掲示板が目に飛び込んできます。掲示板はとても大きいのですが、現状、そのほとんどの部分が空白という掲示板が圧倒的に多く、鳥越氏、小池氏、増田氏の3候補者のポスターだけがほぼ貼られている状況です。昨日、告示された都知事選挙ですが、告示後、2日でポスター掲示板に張りきれるほどの組織力をもっている候補者は少ないということです。ただ、そのような状況なのですが、とても大きな不可解なことがあります。

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その不可解なこととは、自民党、公明党などの推薦で立候補している増田氏のポスターが貼られていない箇所がいくつか目についたことです。このことは選挙に関わってきたものからするととても奇異に映ります。増田氏についてはメディアにおいて、組織票をバックにした候補者として解説されています。一方、与党系においての分裂選挙となったもうひとりの候補者の小池氏は組織がなく浮動票頼みと解説されています。普通なら、ポスターが掲示板に貼られていないのは小池氏の方なのですが、それが増田氏のポスター貼りに穴があるというのは、非常に不可解なことなのです。
ポスター掲示板の箇所は約1万4千箇所です。この中に抜け落ちがあると言うことですが、増田氏のポスターの印刷が間に合わないという報道があります。しかし、普通、ポスター用の画像データができあがれば、2万枚の印刷など印刷所に回せばほぼ一瞬でできあがります。実際、出馬表明が増田氏よりも遅かった鳥越氏は私がみた限りしっかりと貼られています。
ポスター用の紙(ユポ)が、ないと言うことも普通あり得ないでしょう。政党レベルになれば、毎度の選挙で印刷をお願いしている印刷所がありますし、その能力はとても大きいものです。一晩あればたった2万枚なら簡単にできあがります。それができていないということは考えられないことです。普通なら増田陣営の担当者は大変に厳しい立場に追い込まれます。

「<都知事選>ポスター張りも遅れ 主要候補」(2016年7月15日 毎日新聞)

ポスター掲示板にポスターを貼るというのは、何度もしたことがありますが、これとても大変な作業です。ポスター掲示板は都内に約1万4千箇所で、1日にひとり50箇所にポスターを貼るとすると、大体、300人の人員が必要です。2日間ですべて貼るなら150人です。離島は別としても、都内ならこれだけの人員が必要になります。
これだけの人員を用意できないのならポスターを貼りきることはできませんから、候補者が沢山でていても、掲示板には空白が多いのです。つまり、組織力がない候補者が多いと言うことです。しかし、今回の増田候補は組織頼みですからこのようなことは心配いらないはずです。つまり、増田氏のポスターがない掲示板があるというのは、とても不可解なことなのです。
この状況を見て考えることは、都知事選挙において自民党の本命の候補者は増田氏ではなく、小池氏と言うことです。小池氏の出馬について自民党(と都連)の対応がニュースになったりもしましたが、実際、振り返ってみれば、都知事選挙において自民党のアクションのほとんどは、小池氏のための演出としか私には見えません。その演出は小池氏に同情票と浮動票が入る演出で、これは郵政選挙と同じやり方です。
また、浮動票が非常に多い東京で、増田氏が組織だけで自民党が勝てると考えているとは思えません。最初から負け戦を増田氏で戦うとは、実際、考えづらいものがあります。そうなると浮動票が集まった小池氏に組織票を上乗せするという戦術が妥当になります。つまり、都知事選挙における自民党の本命は、明らかに小池氏と考えられます。これが、ポスターの張り具合に如実にでているものと考えます。
まずは表で言われていることの反対を考えるのが、思考における定石だと思います。ただ、こうなると小池氏が言う、都議会の解散、利権などを追求すると言うことはとても良いことですが、結果次第では豹変する可能性があるということを示唆しているものと考えます。

ディバイド・アンド・ルール
そもそも、与党系の分裂選挙と言うことで、それを与党系の票が割れると考えるのは短絡的でしょう。分裂しているというのは、分裂という闘いの構図をつくることによって、焦点をその構図の与党系だけに絞ることができるのです。そして、その構図に関心が集まったところで、同情票などの要素が出てくるのです。悪役レスラーと善玉レスラーの対決と実は同じなのです。それが、この戦術の本質です。政策論議とはあまり関係がない、どちらかというとエンターテインメントなのです。
そして、その対立の構図に焦点が集まれば、両陣営に分かれてけんけんがくがく、議論をしているような気分になりますが、実際にはそのことによって人々を意図通りの構図に入れ、コントロールすると言うことなのです。これをディバイド・アンド・ルール(分断統治)と呼びます。これは古典的な手法で、戦争でも使われます。だから、対立の構図があるときは、まず疑うというのが何より重要なことなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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