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幻想と現実の乖離
[日本の政治]
2016年12月15日 23時34分の記事

沖縄沖でのオスプレイの事故ですが、オスプレイが『浅瀬に着水(不時着)』したわりには随分と大破しています。あれだけ大破してけが人だけですんだのは不幸中の幸いでしょう。『浅瀬に着水(不時着)』したことが関係しているのかもしれません。しかし、『浅瀬に着水(不時着)』して大破したという報道からこの事故のことを考えるとオスプレイの機体は軍用にしてはかなり脆弱という印象を強く受けます。セスナの水上機(飛行艇)より弱い機体との印象を受けるのが、報道を見た限り想像するオスプレイの強度です。

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実際の所、報道において言葉のイメージ操作が明らかにあるから、軍用の機体が民間機のセスナより弱いという結論になります。この数年間でマス・メディアで伝えられる情報のイメージ操作がひどくなりましたが、この呪縛がある限り日本は悪い方向に行くものと考えます。現実を認識できない国は、確実に間違った判断をし、崩壊へと進みます。これは過去に経験済みです。
政治、軍事、外交、経済と政権が関わるトピックに関して、このイメージの変換があることを前提に物事を見るべきというのは、今回のオスプレイ事故の発表とその報道から改めてたどり着く結論です。
そのようなイメージ操作をするのは、100ある内の10%は本当のことを言い、あとの90%を隠すための操作かもしれません。もしくは、10%を隠すための90%の本当かもしれません。いずれにせよ、政権の発表することは全てを疑って隠された現実を考える必要があることが改めて浮き彫りになったのが、今回の事故だと考えます。もちろん、このことはずっと以前からあることですが、今回の件で改めて認識されたものと考えます。
オスプレイの事故は、政治問題です。それはこれまでの沖縄の歴史、政治における沖縄に対する姿勢がやはり根底と主因としてあります。もちろん、オスプレイは本土においても、それに対する疑念というものが払拭されていない中での今回の事故は、明らかに政治問題に発展する状況にあるということです。飛んでいるものは落ちます。しかし、オスプレイに限っては当面、落ちてはいけないものであったわけです。そういう意味でこれが今回、証明されたオスプレイの信頼度ということです。そして、今回の『浅瀬に着水(不時着)』という意識的な言い換えは明らかにこの政治的問題をさらに深刻化させ悪化させる結果を招いています。
オスプレイに限らず、沖縄での基地問題については、土人発言を初めとして政府側の強圧的な態度が、沖縄での米軍に関する事案がすぐに政治問題化する下地をつくり出してきました。絶対的に力がある政府と、一方で非力で座り込みしかできない反対派住民を同列において、政府がものごとを考えるのは思考の怠慢もしくは思考停止であって、そのようなものが沖縄の問題をさらに複雑化させ、深刻化させているものと考えます。オスプレイ墜落が政治問題化するのは、沖縄の人々に問題があるのではなく、明らかに政府の失政によるところが大半と考えます。政治的失敗で安全保障政策を推し進めることができない有様なのが現実なのです。そしてこの事故が史上最低の国会の最終版に起きたのですから、さらに問題は大きくなります。キーワードは失政です。

今回の臨時国会
今回の臨時国会を見ていると時代の趨勢とは全てが逆に向かって動いているものと考えます。それは、世界の趨勢とは逆に動いていると言うことです。本ブログ「史上最低の国会」(2016年12月14日)で書きましたが、TPP、年金(GPIF)、カジノはそのことを示すに十分なものと考えます。これらは既に政治的に破綻している結果と考えます、そこにはビジョンがなく、哲学がありません。個別的に適当な言い訳に終始し、政治としての立脚点がありません。国が駄目になるときはこうなのだなと改めて思いますが、多くの人はそうは思わないでしょう。それはオスプレイ事故と同じく幻想によって現実が見えなくなっているからと考えます。しかし、その幻想はいずれ解けますから、その時は、大きなショックを受けることでしょう。
今国会の結果を見れば、その結果は明らかに時代の要請に逆行し、政治にとってプラスになることはありません。時代の要請とは政治の本義、哲学のことです。それは政治と国民の間にウソがなく信頼関係があること、そして一部の者の利益が優先されていないことと社会の基礎をしっかりとさせる政策がなされていることです。国民の生活の安寧のためにしっかりと政治的な思考が働いていると言うことです。このポイントが一番ありません。だから外交も失敗するのです。
今国会を振り返ると、改めてこの結果は本当に与党にとっては禍根を残すことと考えます。カジノに関して言えば、大いに目立った結果、社会におけるギャンブルそのものを様々なに考え直す機会となったと考えます。カジノについてはいずれ再考され、廃止になる可能性が非常に高いのではないかと考えます。それは時代の要請ではやはりないからです。時代の方向性から逆行すれば確実に崩壊に至ります。たかがカジノだと思われているかもしれませんが、社会や国は堅牢なようで脆いものと考えます。社会や国は堅牢だからカジノくらいと考える発想は、社会や国をつくるものの思考ではなく、それらに寄生する思考です。

共闘
しかし、今国会でのカジノはやはり大きなものがありました。与党にとっては、自分たちの政治的ゴールのハードルを大きくあげたものと考えます。つまり、政治的成果が国民に納得してもらうためのハードルを自らあげた結果となったと考えます。これはカジノ反対者、賛成者に関わらずです。
政権発足当初ならまだしも、既に4年が経過し、一方で政治的な成果らしい成果がない状況で、同時に内政、外交とも不安定要因が多くある中で、政権が政治的成果を印象づけるためには今まで以上のものが必要になっています。
しかし、それが達成できないとすぐにこの『カジノ』という要因がもたげてくるわかりやすい状況で、これは与党がかなりの重荷を自ら背負ったものと考えます。
普通に考えて、なぜカジノを、ずっとちらつかせてきた選挙をした後にしなかったかということが、とても気になります。選挙が何時行われるかは、わかりませんが、このことが一つのポイントにあるものと考えます。
一方でこの国会において、公明党は都議会選挙に舵を切ったものと考えます。公明党は極めて大きな問題を抱えているかもしれませんが、国政において連立与党から離脱することはまずないでしょう。現状ではそう判断する要因は極めて希薄です。
民進党は、報道などによると恐らく解散をちらつかされて、カジノ法案に対する姿勢を変えたものと考えます。普通に考えてそのようなもので動く必要がない時に、動いてしまう不思議さがいつものごとくあります。
ただ不思議さは、2012年の野田政権時の不可解な解散・総選挙での不可解さと同じものと考えます。あの時期解散・総選挙をすれば負けることは明白であったのですが、野田政権は必要のないそれを強行して地滑り的大敗北を喫したのが野田政権でした。しかし逆から見ればそのことによって地滑り的大勝利を得て安倍政権が誕生します。
これは野田氏の不明や無能によるものではなく、2013年7月の任期満了ではなく、やはりあの時期にしなくてはならなかった理由が、野田政権とその後の安倍政権に厳然と存在していたものと考えます。そこには見えない繋がりがあると考えます。
そう考えると、その後の弱い野党が自民党政権を盤石とさせたこと、また今年になって野党共闘が動き始めても、いつも問題になるのは民主党事由で、さらにこの状況で野田氏が幹事長として再浮上して、今国会のような顛末になるの非常にわかりやすいわけです。
普通に考えて、野田氏と安倍氏は同じ利害関係で動き、それは同じ背景を持つということを示していると考えます。別々の党で、なおかつ安倍首相は何かと民進党を批判しますが、その姿勢を良く見ると、実に共闘して動いている姿が見えてきます。実際の所、安倍政権は野田政権が造ったその延長でしかないと考えます。それが今回のカジノにおいても如実に表れていると考えます。
ただ、この『共闘』においてある世界観は古いものですから、いずれ世界の趨勢、現実との齟齬を生じさせます。そして、そのことが今後、浮き彫りになってくるものになり、大きな崩壊をもたらすものと考えます。現状、ほとんどの日本の政治家が内外においてどのような立場に置かれているかはわかっていないものと考えます。したがって、今後彼らが予期していない大崩壊を引き起こしていく可能性は極めて大きくなったと考えます。そこにあるのはやはり幻想と現実の乖離なのでしょう。

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◆この記事へのコメント(投稿順)
1. とよ 2016年12月16日 10時25分 [返信する]
最も信頼する情報源となっています。
「金融・戦争・契約の正体」は、世の中の動きの真実を見せてくれました。この良書を、国会議員の多くが手にしながら理解していないという現実。もどかしいばかりです。次なる出版を心待ちにしています。

 


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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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