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日米関係の変容?
[日本の政治]
2017年2月14日 22時7分の記事

ロシアのメディア・スプートニックに以下のように面白い記事が載っています。

「安倍首相は日本にとって新たな米国を切り開くか? 訪米を総括して」(2017年2月13日 スプートニック)

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この記事を要約すると、先日の日米首脳会談など最近続いてきた日米間の外交的行事を総括して、米国側の対日姿勢は現状維持、根本的な変化はないというものです。
この評価は驚くに当らず、世界は確実にそう見るでしょうし、日米両当局もそう観ているものと考えます。
実際、この論評と同じ事は『ザ・フナイ 2017年4月号』(来月発売)で既に書いたことです。詳細は誌面に委ねますが、マティス国防長官が2月3日に来日したときに既にこのことは明らかであったと考えます。
話はずれますが、このザ・フナイの原稿に関係することをもう一つ言えば本日、米国のフリン大統領補佐官が辞任していますが、大きな意味で大勢に影響はないと考えます。これも是非、4月号を見てください。

さて、この日米関係に『根本的な変化はない』と言うことは、これまでと同じと言うことを意味しないものと考えています。つまり戦後の日米関係とは違うと言うことです。このこともザ・フナイを見て頂ければおわかり頂けます。
さらに言えば、実際、昨日の本ブログ「日米関係の変容 」(2017年2月13日)での核関連事項もそうですが、TPPこそまさに日米関係の大きな変容ではないでしょうか。
2015年4月に安倍首相が訪米し、米国連邦議会で演説を行いましたが、その時、「しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません」(2015年4月29日 自民党)とTPPを安全保障上、大きな意義があると述べ、さらに同月28日に行われた日米首脳会談後の共同声明では日米関係を「不動の同盟」と表現しています。
しかし、その不動の同盟の礎となる構想、TPPが成立しなかったわけです。これだけを考えても実に大変容です。TPPは日本の国益に適うものとは全く思いませんが、TPPを脇目もふらず推進してきた安倍首相は、結果がともなわず、政策判断のミスで日本を結果として迷走させたわけで、既に責任が発生していると考えます。この政策判断のミスは昨年の大統領選挙中にトランプ氏だけではなく、ヒラリー氏もTPP反対を打ち出した時に既に明らかです。実際には2015年5月には、米国ではTPPについては大統領選挙後に持ち越しと言われ米国のTPPに対する姿勢は不明確になっていましたから、日本が盲目的にTPP推進をする必要性はその時からなかったのです。このことは『ザ・フナイ 2017年3月号』で書きました。
昨年の英国のEU離脱において、EU残留を推進してきたキャメロン首相は、辞任をしました。潔いの一言です。政治家としては非常にしっかりとした考えを持っていると思います。キャメロン首相は国民投票の結果から責任をとったので、安倍首相とは必ずしも同じではありませんが、上述したようにTPPに盲進し、政策的な判断を誤まり、日本を迷走させたことは間違いないことと考えます。したがって、当然、責任問題があるものと考えます。
TPPの帰趨のように、安全保障まで含めた米国との関係が変容したわけですから、このTPP問題だけでも、政権の顔ぶれを変えて、出直さないと状況に対応できないことは間違いないでしょう。

このような状況をリカバリーしたと言うことで、今回の日米首脳会談を評価する論調があるものと考えます。しかし、本当にリカバリーしたのでしょうか? 恐らく、これまでと同じ日米関係が続くように見える状況は、テンポラリー(一時的)と考えます。実際には変容の方向性は変わらないものと考えます。そして、そのテンポラリーの措置にお金が伴ったと考えるのが自然と考えます。

上記のスプートニックの記事は非常に冷静に見ています。実際、私は既に同趣旨の原稿を出していますので、これが当然の結論と考えます。
ただ、この『現実』と日本国内の報道とは明らかにギャップがあります。マティス国防長官が来日したときから一貫しているのは、その報道の視点が自己中心的であると言うことです。そして、その報道を日本国民は受け取っているわけです。そこには確実に日本国民と現実とのギャップが生じています。そしてこの現実が見えてきたとき、このギャップから日本国民の多くは米国に不信感を確実に持つでしょう。
一方で、訪米した安倍首相は、トランプ大統領とは仲良くなったかもしれませんが、米国とは仲良くなったとは言えません。それは、米国のマスコミの論調を見てもわかります。つまり、これは米国において日本に対する不信感が確実に生まれていることを意味します。
実は、現状、既に日米間での溝ができているのです。それもかなり大きなもので、日米間での外交の結果としてできあがっています。これは極めて大きな問題で、将来の禍根が生じたものと考えます。現状は、日米首脳会談が成功したなどと浮かれている場合ではそもそもないのです。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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