崩壊の予感 | |
[日本の政治] | |
2017年2月15日 23時50分の記事 | |
『崩壊の予感』と書くと北朝鮮のことと思われるかもしれませんが、そうではありません。 「NHK世論調査 内閣支持58% 不支持23% 」(2017年2月13日 NHK)
金正男氏の暗殺のニュースが昨日夜からずっともちきりですが、この問題のポイントは日本を含めた朝鮮半島における戦後構造を残すか、残さないかということに尽きます。朴槿恵大統領の問題も、先日の日米首脳会談のポイントもすべてこのこととつながっています。それはまた誰が戦後構造を残そうとしているのかということがポイントになることを意味します。ここまで書けば、拙著やザ・フナイの連載での拙論をご覧頂いている方には必ずピンとくると思います。 さて、『崩壊の予感』とは上記記事から明らかなとおり、日本のこと、政権についてです。上述した東アジアの情勢から考えれば、実はこちらの方が大きな問題と考えます。 NHKの世論調査で内閣支持率が58%、 不支持率が23%と出ています。支持率は前回より3%伸び、一方で不支持率は8%のマイナスです。 まさに政権は盤石の感があります。ただ、大きく見れば支持・不支持の割合も大きく変わったところはなく、これまで通りということが言えます。 しかし、数字は同じようでも、今回の調査から数字の意味すること、ポイントは非常に変わったと考えます。それは安倍政権の置かれている構造が大きく変わっているからです。 まず、日米関係においてオバマ政権からトランプ政権に変わりました。この変化については昨年の11月から先日まで安倍首相の動きが大きくクローズアップされ、また意識的にそのように政権も動いています。これが一つ目の大変動です。そして、そのことによって安倍政権のこれまでの政策が確実に辻褄が合わなくなっています。TPPがその代表例です。 次の大変動は、第二次安倍政権が発足して4年が経過していることです。これは政権1年目と4年目では、同じ政策やスローガンであってもその意味が変わると言うことです。最初は希望であっても、次に待ちになり、それが不信になり、最後は幻滅になります。政権において成果が伴わなければ、当然、このようになります。まあ、だから安倍政権は常に未来志向を意識してメッセージを出すと考えるのが自然です。 先日、2016年10月〜12月期のGDP速報値が出され、4期連続プラス、年率換算では1%増と報道されました。 「GDP年率1.0%増 10〜12月、4期連続プラス 」(2017年2月13日 日本経済新聞) しかし、安倍政権はずっと積極財政政策、金融緩和政策を行ってきたことが看板でした。このことが先日のトランプ大統領との会談でのポイントになってもいました。 このようなマクロ政策を行えば、GDPはフローの指標ですから当然、上がります。政府が、例えば、公共事業などを行えば、その分のフローが発生し、それがGDPを押し上げます。国民が消費を増やせばGDPが押し上がるのと同じです。 むしろ、このニュースのポイントはどうして1%しか上がらないのかと言うことです。なぜ伸びがこれほどまで低いかと言うことなのです。この構造的問題は本ブログで何度も申し上げてきました。 また、実際、この数年を見て東芝やシャープなど名だたる企業が全くの不振にあえいでいます。一方で総じて労働環境も改善しているとは言えません。悪化をしているというのが本質でしょう。可処分所得は確実に悪化しています。身の回りを見れば状況が好転していると思える人は増えてはいない、むしろ問題が深刻化していると考えます。先日、NHKで貧困化のドキュメントを放送していましたが、事態は楽観視できるものではありません。 良いニュースがあるようで、実は構造、実態は悪化しているというのが実相と考えます。今の日本は一種のゆでがえる状態と言えますが、人間の場合、ある程度のところに来ると、このような状態にある人々の行動は確実に変わります。 これらだけではありませんが、安倍政権の置かれている状況というのは、ここに来て大きく変貌していると考えます。当然、政権は世論対策をします。マスコミもこれに追随するかもしれません。何せ、一国の首相が他国の元首に、私は新聞社に勝ったと言い放つ国ですから、マスコミが政権の世論対策に追随することは当然あることと考えるのが自然です。 いずれにせよ、そうして出てきたのが、今回の世論調査の結果であるわけです。数字の傾向は変わっていないが、その意味するところは確実に変わっています。そう見た場合、これからは支持率ではなく、不支持率がポイントになるでしょう。今回の調査でも23%います。この数字はここまでやっても23%も不支持の人々がいると言うことです。そして、この数字は今やものすごいパワーを持っていると考えます。恐らくそのパワーは、政権をひっくり返すには十分なものと考えます。 | |
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