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とても良い記事
[日本の政治]
2017年2月16日 23時58分の記事

以下の記事は、金正男氏暗殺についてとても良い記事で、非常にクオリティーが高いものと考えます。

「『今どき毒殺』『意図的速報』…妄想広がる」(2017年2月16日 日刊スポーツ)

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この記事は『日刊スポーツの』の「政界地獄耳」という連載コラムの記事です。このコラムは数日すると削除されてしまいますので、内容を簡単に書いておきますが、以下のように情報関係者や政界関係者の言葉を載せて論を進めています。

日本の情報関係者は「あまりにも殺害方法、場所、理由などのディテールが事件当初から詳しく出すぎていることに強い違和感を感じる」といぶかる。
★続けて「今どき、毒殺という手口。強く北朝鮮犯行説を誘導しているのではないか。通常、暗殺であれば銃殺や爆殺だろう。まして空港で。またその報道が詳しく速報されたことからも意図的なものを感じる。もしくは『誰か見ていた』ということだろう」。(同上)

また次のようにも書いています。

政界関係者も「実行犯についての報道が速い。女性2人程度なら現場の監視カメラからの情報と推察できるが、1人逮捕の報道が15日に出たがベトナム人情報や既に2人が殺害されているという報道は日本政府関係者が一報だ。ちょっと出来過ぎだ」。(同上)

要するに金正男氏暗殺に関して報道されている情報には違和感があると言うことです。そして、まだこの件については本当のことはわからないと言っているわけです。
2013年12月12日に開かれた北朝鮮の国家安全保衛部特別軍事法廷で死刑判決を受けた張成沢氏が、即刻処刑されたことを朝鮮中央放送が翌13日に発表しています。
しかし、そのほぼ半年後、米国の元バスケットボール・プレーヤーのデニス・ロッドマン氏が張成沢氏はその後も生きていたと証言していることを仏メディア・AFPが報道しています。

「処刑された『北朝鮮ナンバー2』は生きている!?デニス・ロッドマン『私の後ろに彼がいた』―仏メディア」(2014年5月7日 Record China)

この情報をどう見るかはそれぞれあると思いますが、生存の可能性は非常に高いものと考えます。
翻って金正男氏の今回の事件のような情報も長い時間、最低でも半年、1年かけないとその実相は見えてきません。長い時間をかけないとわからないと言うことですが、すぐにわかるのは当事者だけです。殺人事件で第一発見者を疑えと言うことがよく言われますが、そういう可能性も考える必要があるわけです。
日本のお茶の間にいてテレビを観て全てがわかると考える方が間違っていると思います。テレビの情報も今回の件では自ら確認しているわけではなく、どこどこのメディアや機関が言ったと言うことをそのまま鵜呑みにしているだけです。現状では。そういう情報を元に様々な解説が加わって朝鮮半島情勢の世界観を作り上げていると考えるのが自然です。もちろん、そこには意図があると考えるのが自然です。
わからないときはわからないと言うことも時として情報のクォリティーの高さを意味します。そういう意味でこの記事のクォリティーは非常に高いものと考えます。

実際、韓国については、つい昨日まで、テレビ報道などで散々政情不安の国と報道してきました。最近、駐韓大使も帰国させたほどの国ですが、テレビの報道を見ていると今はその国から出てくる情報を元に北朝鮮像を作り上げている感があります。
ただ、実際にはこの矛盾には合理的な理由があります。それは昨日の本ブログ「崩壊の予感 」(2017年2月15日)に書いたとおり、戦後に存在してきた日本を含めた朝鮮半島の構造を残すか残さないかと言うことに起因しているからです。南北の分断があってこそ利害が発生する構造がそこにあるわけです。
拙著『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(2015年 ビジネス社)で書いたことですが、日米安保条約の意味の半分は、朝鮮戦争に起因しています。つまり朝鮮戦争における韓国を守るということです。朝鮮戦争において日本は後方支援基地であるわけです。だから、先日の日米首脳会談は韓国(特に戦後構造に乗っている人々に)とっては重要ですし、日本の首相も媚びを売ったと言われるほどになるわけです。また、オリンピックなどのスポーツイベントで何かと日韓共催案が出てくるのもまた同じ意味と考えます。そういうことで当然、以下のように韓国が先の日米首脳会談を評価しているという記事が出てきます。

「中国は反発、韓国は評価と焦燥感 日米首脳会談 」(2017年2月13日 朝日新聞)

『ザ・フナイ』でずっと書いてきたことですが、ここ数年、世界は第二次大戦後(冷戦期)の構図・構造を収束・終息させる方向でずっと動いてきています。これは意識的に行われているものです。朝鮮半島もこのことの例外ではありませんが、この世界的な動きの中でほぼ最後に残ったのが日本も含めた朝鮮半島の戦後構造であり、世界において最後に残った宿痾とも言えるものです。冷戦期と朝鮮戦争の構造を残そうということですから、これは本ブログで何度も批判したきた『戦争の構造』そのものなのです。
この現在の世界的趨勢とそのことに抵抗する勢力という状況が日本と朝鮮半島という情勢にあるわけですが、その中に今回の事件があるわけです。今回の事件はこのような構図の中で見ないとわかりませんし、以下のような記事もこの中で考えないと実相はわからないと考えます。

「韓国サムスントップ逮捕か ソウルの裁判所が再び判断へ」(2017年2月16日 NHK)

「韓国大統領府、特別検事の家宅捜索拒否」(2017年2月3日 日本経済新聞)

冷戦期のパラダイムで見ていれば、このような日本と朝鮮半島の情勢は、中国、北朝鮮、ロシアという単語を想起するかもしれませんが、そういうレベルで動いているわけではありません。ただ、そういうレベルで動いているプロパガンダは当然存在します。そのプロパガンダの結果は第二次大戦後(冷戦期)の構造の温存、即ち戦争の構造の温存です。
昨年の朴槿恵韓国大統領にまつわる騒動では、朴槿恵政権がなくなると日韓関係にとって困ることになると、テレビの報道番組でコメントしていた人々がいました。その方々は、今回の金正男氏の事件についても当然、コメントをしています。『本当にわかっているのか?』と上記日刊スポーツのコラムのように思うのは当然なのです。そして、そこで語られている世界観は、まさに上述した日本を含めた朝鮮半島情勢の実相に基づくものと考えるのが自然なのです。

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先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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