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核心は政治の問題、それ以外はない
[日本の政治]
2017年3月20日 23時59分の記事

豊洲新市場の問題について、東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)での石原慎太朗氏の証人喚問が行われました。

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豊洲新市場については、盛り土の問題、公表されていなかった地下空間の問題、地下水の汚染調査において明らかにおかしな調査結果の乖離、都民に対する公表に嘘があったことなど、これまで様々な問題が取り上げられてきました。そういう中で、都庁と東京ガスとの関係、瑕疵担保責任の問題などがあるわけです。この豊洲新市場の問題の核心は明らかに、政治(都政)の問題であり、市場の問題ではありません。だからこそ、都民に対する発表と現実が乖離するという、あってはならないことが生じるわけです。このことをこのまま放置できるのかといえば、できるはずもなく、放置すれば、また同じことが起きるのは子どもでもわかることです。
したがって、責任を明確にし、問題の所在を明らかにしなくてはならないのですが、未だに誰に責任があるかが不確かという信じられない状態であるわけです。それは、明らかにこの問題における全容解明にまだまだ時間がかかることを意味しています。

2010年10月に、石原元知事が豊洲移転を正式に表明して、前進した豊洲移転が、いま問題になるのは、当然、上記の様々な問題が今、浮上しているからです。それもあってはならないというか、信じられないようなことが立て続けに生じてきたからです。それは当然、石原都政時代からの不作為や都民を無視した行政の結果であることは誰もが認めるでしょう。明らかに石原都政の政治をチェックする能力の欠如や怠慢は否めません。だからこそ、このような問題が生じるわけで、それはどんなに控えめに言っても不作為の石原都政の結果であるわけです。
したがって、この豊洲新市場の問題は、小池知事の問題ではありません。現在、知事を誰がやっても当然、起こりうるべくして生じることで、小池知事の政治利用ということはあり得ません。昨年の都知事選挙で、仮に自民、公明、維新系の知事が当選すれば、今回のようなことはなかったでしょう。恐らく、問題にすらならなかったと考えます。このことは、本日の石原知事や都議会自民党の質問者の言葉を見れば明らかです。そして、何よりもこのポイントがこの豊洲問題の核心であるわけです。さらに、その問題は豊洲の問題と言うことではなく、都政を揺るがす政治問題であると言うことなのです。当然、都民の未来の生活に関わることで、GDPがゆうに150兆円を超え、行政の予算規模が13兆円にのぼる規模の問題であり、その一端がこの豊洲の問題であるわけです。今回のような政治問題を放置すれば、再発防止は出来ず、当然、その被害は極めて甚大になると言うことです。
小池氏も自民党であるわけですが、むしろ石原氏にとっては小池氏で良かったのではないかと考えます。

石原氏の証人喚問をテレビで観ていましたが、脳梗塞を患って全ての字を忘れ、ひらがなすらも忘れたと以下の記事のように述べています。

「石原慎太郎氏『脳梗塞の後遺症で平仮名も忘れた』 百条委で告白」(2017年3月20日 ハフィントン・ポスト)

私は石原氏の家族のものでも、本人でもないので病状のことはわかりませんが、この百条委員会で最初に行われた『宣誓』において、石原氏は宣誓文を読み上げていました。これは字を忘れてしまった人には出来ない芸当ではないかと考えています。
テレビで観ている限り、石原氏は細かいことまで良く憶えていると思いましたし、石原氏が主張したいことは言葉が多く、ろれつもしっかりとしていました。
石原氏は、百条委員会で、豊洲移転などについて持論を展開していました。意見を言うのは自由ですが、ひらがなも忘れてしまって認知的に問題がある方が、政治的に、それも現知事を追求する発言は、明らかに無責任でしょう。どう考えても、今回の石原氏の発言の責任を、石原氏がとれるとは思えませんし、今後のことに関して責任をとれる能力がないとご自分で述べているのですから、無責任と言われても仕方がないでしょう。そのような方がご自分の判断を押しつけるのは明らかにおかしいものと考えます。現状は石原都政の延長ではないはずだからです。そもそも石原氏が決断した豊洲移転が滞っているのは、石原都政の杜撰さに原因があるわけです。そうでなければ、このような問題は起きません。それはまさに政治問題なのですが、それを棚に上げて現知事の責任を問うのは明らかに責任転嫁です。
テレビで観る限り、石原氏は意気軒昂なのが本当なのではないかと考えます。大変に頭も回っていますし、迫力も十分にあります。しかし、このことは、この百条委員会において、冒頭の宣誓から明らかにおかしく、虚偽の可能性があるということを意味しています。それは再度の証人喚問が必要なことを同時に意味します。
今回の百条委員会を観ていて、1時間というのは明らかに短すぎます。質問者が質問をしても、石原氏の答弁からさらに広げて質問や追求を展開させることが出来ていません。これは明らかに不十分です。都議会自民党の質問者は、豊洲移転は石原氏の英断とまで言い、質問になっていませんから、実際の所、質問時間が30分でしたから、これだけの問題にしては時間が極めて少なすぎます。豊洲移転が石原氏の英断という質問者の発言の一方、青島時代から変えられなかったということは矛盾しますが、この質疑の追求もすべきでしょう。
いずれにせよ、石原氏は全質問が終了して、余裕の表情でした。十分に1時間以上の質疑に耐えられるものと考えます。野党系だけで3日間に分けて3時間くらい行っても良いのではないかと考えます。現状では、都政において問題点が都民に明かされたと言える状況では全くありません。それは、確実に今後の都民の生活に大きく影響することなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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