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ほとんど動かなかったものの後継を造るって
[日本の政治]
2017年4月3日 1時35分の記事

高速増殖炉もんじゅの後継を開発するための実務者会議が開かれたと報道されています。

「もんじゅ後継の新高速炉開発へ 実務者会議 」(2017年3月30日 日本テレビ)

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ほとんど動かず、問題ばかりのもんじゅの後継を開発するというのは、笑い話でしかなく、呆れるばかりです。これはもんじゅと同じく再度、問題ばかりで、ほとんど動かず、成果も見られないものを造ることを政府が検討しているとしか、この報道の意味は受け取れません。これは揶揄しているのではなく、もんじゅの後継というのはそういうことでしかないものと考えます。
まともな思考と言うのは、これまで、もんじゅがしっかりと問題なく長期間にわたって稼働し、大きな成果が上がったから、その後継を検討するというものです。だからこそ、これまで成果を上げてきたものの後継に税金を使うということの合理性と正当性が生じるわけです。しかし、問題ばかりで稼働せず、維持費だけで年間200億円もの費用がかかり、なんの成果も上げていないものの後継を検討すること事態、そもそも合理性と正当性がないというのは至極当然と考えます。
そもそも、現状、もんじゅの後継を政府が考えること事態に正当性はありません。もんじゅにおいて何が成果としてあったのでしょうか、費用対効果はどうであったのでしょうか、それらのものについて国民に胸を張って言える材料があるのでしょうか? 失敗したから廃炉にするということと普通は考えるでしょうが、そもそも廃炉にできるのでしょうか? そして廃炉に一体いくらの費用がかかるのでしょうか? その費用は最初は低い金額が提示されて、次第に新たな数字が出て、結局当初の2倍、3倍になるようなことはないのでしょうか?
このような最初は小さな数字が公表され、その数字は間違っているという指摘を否定して、その後、新たな数字が出て、結局、指摘されていたことと同じか、それ以上のものが出てくると言うことは、最近非常に多くあります。福島第一の廃炉費用しかり、この事故についての汚染度の数字、オリンピック関係の施設や費用などなど枚挙に暇がありません。要するに最初から正確な数字を出すと反対が多くなるから、最初は実態の半分を言って焦点にならないようにして、時間をかけて正確な数字を出していくという世論対策の手段だと考えます。それが常套手段となっていると考えますが、このようなことが、もんじゅの廃炉費用などにないのかということです。
このような原発建設や廃炉を筆頭に政府が行うビックプロジェクトは、長期間をかけて行われ、問題が露見するのもスタートから5年、10年、20年を経てからということになります。しかし、だからこそ問題が露見したときには、責任者はなくなっているか、文字を全て忘れてしまったということになっては、誰も責任をとらず、国民の血税が無駄になったり、利権化する可能性すらあります。さらに言えば、問題点が意図的に隠され、利権の温床になる可能性も十分にあります。それがビッグプロジェクトの明らかな陥穽でしょう。このような陥穽を防止する策を設ける必要があるのが、昨今の日本の政治の問題点であると考えますし、だからこそ、このもんじゅに限らず、原発、防衛関係、建設関係はこのような防止策が設けられなければ、先へ進むべきではないと考えます。
このようなことも含めて、廃炉の可否、その費用、成果が国民にしっかりと提示されてからでしか、問題だらけのもんじゅの後継を検討することなどは到底出来ないはずです。安倍政権は原発にはこだわりますが、そもそも福島第一の事故に安倍首相は責任があるものと考えます。指摘された安全対策がしていなかったという有名な話ですが、これだけでも大きな問題です。そして、福島第一も廃炉と言うことが言われていますが、そもそも廃炉ができるのかという問題もあります。そして、その費用は莫大であると考えますが、しっかりとした数字がそもそも公表されているでしょうか? 安倍政権の原発行政は明らかにおかしいものと考えます。
東芝問題もそうですが、現状の日本の政治・経済の問題点は、戦前の商工省・軍需省から通産省・経産省へとつならる系譜の問題が非常に多くあるものと考えます。

もんじゅを廃炉にするのは、失敗したからという理由が第一にありますが、それだけではなく日米原子力協定が2018年に切れるためと考えます。むしろこちらの方がベースです。日米原子力協定の目玉は、日本が常任理事国以外で核燃料サイクルができることにありますが、それが米国との関係では出来なくなったと言うことと考えます。このことは日米同盟の根幹に関わりますが、この前提が崩れたと言うことです。核燃料サイクルは国連の常任理事国だけが認められ、日本がそれをできたのはこの日米原子力協定に理由がありますが、それがなくなるから、他の常任理事国のフランスとの共同研究ということと考えます。フランスと言えばアレバなのでしょうが、三菱重工がアレバへ500億円の出資が報道されていますが、疑問の声が上がっています。このことは第二のウェスティン・ハウスになる可能性は高いものと考えます。原発の時代は既に終わっています。発電だけなら再生可能エネルギーで十分にまかなえる試算が既に出始めています。このペースでいけば、10年後は発電の95%くらいは再生可能エネルギーでまかなえる状況です。電力会社もこの状況はわかっているものと考えます。
冒頭のもんじゅ後継のニュースの本質は、原発に関わり経営が厳しくなっている東芝など日本の重工メーカーの救済と考えます。しかし、莫大な血税を使って問題だらけで何の成果もなかったもんじゅの後継を造って、重工メーカーの救済をすると言うことは、もはや正当性がないスキームに明らかになっていると考えますし、それはもはや利権と言えるレベルと考えます。戦前の商工省・軍需省から通産省・経産省へとつならる系譜の問題なのです。
明らかに日本と日本人のためにもっと他のことに使うべきでしょう。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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