逆の意味の神風 | |
[日本の政治] | |
2017年4月4日 7時54分の記事 | |
森友学園がこの4月に開校を予定していた小学校の建設費が、施工業者に支払われていないことで、籠池氏の自宅の仮差し押さえ申請が大阪地裁に認められたと報道されています。この施工業者は、既に同学園が運営する幼稚園の土地・建物を仮差し押さえしています。 「業者が森友学園を提訴へ 籠池氏宅も仮差し押さえ」(2017年4月4日 日本経済新聞)
この記事は、今回の森友学園の問題において、政権の関与について大きな疑惑が持たれ、疑獄の様相を呈していることをまさに浮き彫りにしていると考えます。 この森友学園の問題は、豊中市議の木村真氏が、森友学園に売却された国有地の売却額を情報公開請求を行い、国が非公表と決定したことに対して、2月8日、大阪地裁に提訴したことが発端で、このことを2月9日に朝日新聞がスクープしたことで始まりました。このスクープ記事が出されても、当初は、関心度が低く、社会的な問題にはなっていませんでしたが、徐々にこの問題に対して様々な角度から掘り下げられ、問題点と詳細が明らかになり、一気に大問題となりました。 この木村市議の情報公開請求及び提訴と朝日新聞のスクープ記事がなければ、件の小学校は、既に何事もなかったかのように開校されていたことは間違いありません。森友学園が運営する幼稚園も、籠池氏の自宅も仮差し押さえされることなど当然、なかったでしょう。数日後には件の小学校の入学式が行われる準備の真っ最中であったのが、現在の籠池氏と森友学園の姿だったと考えます。誰を来賓としてその入学式に呼ぶつもりだったのでしょうか。いずれにせよ、籠池氏と森友学園はまさに天国から地獄への歩みをしています。 それでは、籠池氏と森友学園は、この境遇の変化を望んで来たのでしょうか? もちろん、そんなことは100%ないでしょう。同時に、今回の仮差し押さえの記事を見てもわかるとおり、籠池氏と森友学園にはそもそも件の小学校を開校するだけの経営体力がないこともまた100%確かでしょう。したがって、このような体力で学校開設が認可されたこと事態、問題があることは明らかです。 このような森友学園と籠池氏の境遇が大きく変わったのは、木村市議が悪いわけでも、朝日新聞が悪いわけでもありません。この両者はしっかりと仕事をしています。ポイントは、このような体力がない籠池氏と森友学園が、なぜあのような立派な小学校を建設・開校が可能となり、そのことに邁進できたのかということにあります。 籠池氏と森友学園が無謀だったのかといえば、そうではないでしょう。リスクに対してしっかりと考えることくらいは出来る方と見ます。自らの経営体力を考え、『普通に』この学校を開設すれば、学園や自宅まで仮差し押さえされ、住むところがなくなるようなリスクを想定することは当然、出来たでしょう。ではなぜ、あのような小学校の開設に邁進できたのか? それは非常にわかりやすく、この小学校の開設が、『普通』ではなかったからです。そのことがわかっていたから、学校開設に邁進できたわけです。だから、籠池氏は国会での証人喚問で、『神風』が吹いた、『梯子』をかけた、はずされたという表現があるわけです。そして、この施工業者も、何か確実なものがあるから、仕事を請け負ったものと考えます。それが普通でしょう。 森友学園の問題が出てきた当初、安倍首相は森友学園や籠池氏に対して、考えが共鳴すると好意的に評価しています。この表現を見てももわかるとおり、この問題が報道されるまでは、森友学園と籠池氏はまさにトントン拍子の勢いで、様々な難問を神風が吹いたかのようにクリアしてきたわけです。何の問題もなく、天国の状態であったわけです。しかし、この問題が大きくなるや、安倍首相は態度を一変させ、籠池氏も森友学園も奈落の底に落ちていったわけです。まさに逆の意味の神風が吹いたわけです。この籠池氏と森友学園の境遇の大変動は、籠池氏と森友学園だけにその理由を求めるのは明らかに不自然です。籠池氏と森友学園に関わった様々な人々の動きがなければ、この2月までの天国はなかったことは間違いありません。そして、それがなくなったから、籠池氏と森友学園は地獄を見ていると考えます。 | |
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