小池都政は何を生み出したのか? | |
[日本の政治] | |
2017年5月26日 0時38分の記事 | |
都議会議員選挙は、6月23日に告示され、7月2日に選挙となります。告示までは残すところ1ヶ月をきり、大詰めの状況ですが、今回の都議会選挙に対して注目度は高くなっています。昨年までの舛添前知事・猪瀬元知事問題、東京オリンピックに関わる様々な問題、豊洲新市場問題と驚くばかりの問題が止めどもなく噴出した都政において、昨年7月に都知事選挙が行われ、結果、小池知事が誕生しました。 そういう流れできたこれまでの都政ですから、今回の都知事選挙の注目度は高いわけです。しかし、この1年間、小池知事における都政で何か変わったことがあったのでしょうか?
ほとんど何もなかったというのが私の考えです。変わったと言えば、舛添氏から小池氏に確かに変わった、と確実に言えるのはそれだけだと考えます。あとは基本的に何もない、そう結論づけて良いと考えています。 オリンピックに関わる様々な問題は結局のところなし崩し的にうやむやになった感があります。小池知事になって、しっかりとできたことはオリンピックに対して批判的なむきの「ガス抜き」ぐらいでしょう。実のところ何も変わっていないし、むしろ情報公開という点においては悪化しているのではないかと考えます。 このようなことは豊洲新市場問題でも同じです。 小池知事率いる都民ファーストの会は、注目されています。ただ、小池さんは依然として自民党です。どんなに自民党と対立していても自民党です。だから小池知事率いる都民ファーストの会と都議会公明党が手を結んでも、国政レベルの自公連立と矛盾するわけでないのは、子どもでもわかることです。むしろ、この提携がメディアにおいてトピックとなることの方が異常なこと、つまり報道の堕落だと私は考えます。 実はどっちに転んでも自民党というのが、現在の都議会・都政の実相であるわけであり、これを簡単に言うと「分断統治」というだけの話なのです。都民にとっては自民党という選択肢しかなくなってしまったわけです。都民ファーストの会が仮に今後、自民党と決別をして、大々的に「決別」を唱えてみても、この分断統治の枠組みから抜けるということがはっきりするまでは、やはり小池知事率いる都民ファーストの会は自民党と考えるべきと考えます。中途半端ではこのことを払拭するのは無理でしょうし、本当に命がけになると思います。 したがって、もう一つ、小池都政で生まれたものがあります。それは野党(自公維以外)が風前の灯火の状態であると言うことです。都議会も実質大政翼賛化、それも都議会選挙をする前からその状態が明らかになっている状況です。 現状の都議会は、自民、公明、維新系以外の勢力の存在とバランスが明らかに必要になっています。現在のこの大政翼賛化している枠組み外の視点や行動が必要になっているのです。このことは国政においても同じです。この状態を小池都政は生み出したと言えると考えます。したがって、このことが本当の意味での現在の都議会に注目すべき焦点ですが、これが焦点になるのは、かなり考えづらい状況でしょう。しかし、この状況のツケは確実に将来、都民や国民に回るのは明らかと考えます。 小池都政になって何も変わっていない。むしろ自民党は拡大し、問題も温存されたというのが、現状と考えます。 もちろん、国政だけではなく都政における野党の没落は、野党第一党の民進党の体たらくにその原因があります。その本因は、自民党と同じであることが『保守』だと考えているこれまで民進党の中にいた勢力に、間違いなくあります。保守の提議もきちんとできない政治家ですから、与党の時も働きをせず、野党の時も働きをせず、ただ自らの存在だけを中心点として政治に取り組んできた人々です。政治家としてきちんと考えが出来ていないので、国民・国政にとって与党の時も役に立たず、野党の時も役に立たないというのが、この方々の偽ざる本質と考えます。それが、民進党の中にいた『保守系』なるおかしな人たちの正体と考えます。このような人々を抱えていては存在感も出せませんし、足を引っ張られるだけです。そして、そのような人々が国政や都政において害しかもたらさなかったのは、この4年間の日本の政治を見れば火を見るより明らかなことです。日本の政治は様々な面でやはり課題山積であるわけです。 | |
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