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目先の利益
[日本の政治]
2017年6月12日 23時43分の記事

安倍政権にまつわる森友学園問題と加計学園問題は、政権の経済政策の問題点を非常に鮮明に浮き彫りにしているのではないでしょうか? そして、同時に20年近く、日本にはびこってきた経済に対する認識の問題点もまた浮き彫りにしているのではないでしょうか?

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安倍政権にまつわる森友学園問題と加計学園問題を見ていると、第一次安倍政権で言われた“お友達(内閣)”ということと、基本は変わらないと考えます。このお友達というのは、仲間内で固まっていると言うことですから、公益性の欠如と恣意性、視野の狭さ、器の小ささ、一般からの乖離などを意味するものと考えます。そしてこのお友達の構造というのは、通常、中心があってその周りに人々が取り巻くという形になりますが、周りの人々は中心の代弁者となり、中心は周りの利益をはかって集団を維持するという形になります。そういう観点で見れば、現在の安倍政権の閣僚の答弁や政権に関連する言論人の人々の言説の本質がよく見えてきます。

アベノミクスの3本の矢に金融緩和と積極財政政策がありました。これは市中にお金が回るようにするということで、実質、政府がお金の蛇口を開けたと言うことです。特に積極財政政策はそういうものです。これは公共事業などで政府からお金を市中に回すことを目的としていますが、政府からお金がどこに投入されるかということは、政権・政府(政治家と官僚)の判断になります。それは誰かの判断でによって配分が決まるわけで、万遍なく一律に配分されるというわけではありません。したがって、当然、その配分に恣意的な判断があることは絶対に許されません。あくまでも公益性が第一です。しかし、それが、恣意的な配分ということになれば、それは単なる利権ということですし、政治腐敗ということになります。
今回の森友学園問題・加計学園問題の意味することはまさにお友達、恣意性ということに関して非常に大きな問題であるわけです。森友学園は、今や今年初めよりは変わりましたが、当時の実像は、安倍首相に関連するお仲間でした。加計学園問題は言うまでもなくお友達です。
これでは、積極財政政策と言って政府のお金が出る蛇口を開けて、そのお金が流れる先はお友達という構図がそこには見えてきますが、それは政策ではなく、単なる利権のための仕組みと考えるのが一番自然でしょう。もちろん、利権と露骨には出せないので、岩盤規制の云々という大義がつくのだろうと考えます。

かつて小泉政権のとき、聖域なき構造改革(新世紀維新)とうものがありました。これも規制緩和などをうたっていましたが、実際の所、このような構造改革は利権化すると当時から問題視されていました。結局、その構造改革も実のところ誰かが考えるわけであって、その誰かの利益をはかる構造になるということが問題視されていたわけです。このことの例として、当時、タクシーに関する規制緩和の問題を国民新党では取り上げていました。自由で公正な経済をと言っていながら、実際には利権化の温床になっていたものと考えます。

この構造改革が、現在では戦略特区ということになるのでしょう。なおかつそこに積極財政政策でお金の蛇口が開かれたのですから、二重の意味で利権化しやすいわけです。だからこそ、このような政策を行う場合は、森友学園・加計学園両問題のようなことは絶対にあってはならないわけです。それがあるということは、単に安倍政権の政策が利権のために使われたと当然、受け止められます。広く公益にそって一般の人々が利益を享受するのではなく、権力に近いお友達がその利益にあずかるという構図になっている、そういうことをこの二つの問題は示しているものと考えます。

日本の実情は10年以上経っても全く変わらず同じことをしているということと考えますが、これは新自由主義にというものに対してしっかりと検証がなされていないためと考えます。新自由主義・トリクルダウンは、資本主義をさらに純粋化させたものですが、富の集中という目的がより先鋭化されます。それは自由で公正なと言いながら、実は政府の利権などで独占的な利益を得ようとするわけです。
この新自由主義では、誰もががんばれば潤うということが公言され、肯定されていきます。そして、富を収奪される人々も自分も利益が得られると幻想を抱き、この論理を肯定していくわけです。このような欲望につけ込まれて、身ぐるみはがされるという論理・構造があるわけですが、そろそろこのことには、気がつくべきでしょう。このような構造においては力が強いものが圧倒的に有利なのです。ただ、このように富が偏在し、一般大多数が疲弊していくと社会はもたなくなるのは当然で、それが現在の日本の社会情勢の実相です。

本ブログでは、安倍政権での金融緩和や積極財政政策でお金を市中に回す政策をしているのに、消費が増えずに景気がよくならないのは、一般大多数ではなくどこか特定の所にお金が回っていることが要因の一つではないかと指摘してきました。この両学園問題はそういうことを意味しているのですが、もっと大きな構図の話があるものと考えます。
いずれにせよ、安倍政権の経済財政政策では経済はよくならないと言ってきましたが、昨今の消費低迷の指数、ボーナスのマイナス、税収の落ち込みなど、当然の結果と考えます。なるべくしてなっていますが、その上にこの両学園問題のようなものが浮上しては、安倍政権が本当に経済の向上、国民生活の向上を考えているのかと考えます。実質、考えていないというのが私の結論です。ただ、目新しいもので誤魔化している傾向が強く、キャンペーンばかりで、その実は何もないと考えます。日本経済新聞がアベノミクスを批判したということですが、当然でしょう。実際のところ、安倍政権は、国民への愛が欠けている、政治の根本が欠けていると考えます。安倍政権とともにした様々な知識人や言論人もこの政権の本質に巻きこまれたと考えます。そういうことを示しているのが、森友学園・加計学園問題の本質で、昨今の経済指標はそういう状況を物語っていると考えます。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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