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政党政治の崩壊
[日本の政治]
2017年6月26日 23時59分の記事

現在の日本の政治状況は、多党制の一党独裁と考えますが、この状況は日本の行く末を大きく損なうのではないでしょうか?

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『サンデー毎日』が、稲田防衛相とある右翼団体との関係を「蜜月」と表現したことについての裁判が、最高裁まで争われ、結果、蜜月と認定されたことは記憶に新しいところです。1審、2審とも同じ判断ですから、稲田氏とその右翼団体の関係は、基本的に疑問の余地ないのないもと考えて問題がないわけです。以下のリンクにそのことが書かれています。

「最高裁が稲田朋美防衛相とレイシスト『在特会』との”蜜月”を認定! こんな大臣を放置していいのか」(2017年6月2日 リテラ)

このリテラの主張は全く正しいものです。

この右翼団体が、現在の都議選において、老舗野党の選挙妨害をしたとネットでは言われています。この老舗野党は国政では加計学園問題や森友学園問題について与党を厳しく追及し、その中では上記の稲田氏も当事者の一人でした。また都政においては、豊洲移転問題を追及しています。
選挙中、街頭演説がバッティングすることはあります。ただ、早く来て、演説をはじめた方が優先権があるというのは、暗黙のルールであって、大抵は当事者の話し合いで、折り合いをつけるものです。それでも、折り合いがつかないことはもちろんありますが、後からの方が選挙妨害とそしられてもそれは仕方がないことです。
この右翼団体が、国政において加計学園問題や森友学園問題、都政においては豊洲移転問題で追及された“与党”や、それと連立を組む政党、そして現在、都議選の台風の目になっている政党に対して、同じことをすることは考えにくいものです。それは、この右翼団体が、これらの党を近しい存在と考えているからと考えます。
特に加計学園問題や森友学園問題で追及された“与党”はそうでしょう。ただ、その近しい関係が件の与党の政治家全体に及ぶかどうかは疑問なので、このように言うと正確性を欠きます。実際には、稲田氏とは蜜月と認定されているわけですから、限定的でしょう。その稲田氏は、安倍首相の秘蔵っ子といわれ、内閣の一員ですから、正確には安倍政権に近いと言うのが正確でしょう。このような構図が明らかにあると考えます。

さて、このような構図を押さえると、日本維新の会に所属していた渡辺喜美氏の言葉の意味がはっきりとします。同氏は、小池知事の政党に支援する意向をしめしたということで、同会を除名されています。この除名をされたとき、渡辺氏が同会に放った言葉が、「親安倍・親小池で改革大連合をつくるべきだ」(2017年6月23日 朝日新聞)と書かれていますが、上記の構図を非常に良く示し、何ら矛盾点がないものと考えます。この除名も、実質「苦肉の策」と考えますが、今の政治状況を非常に鮮明に表してるものと考えます。

この渡辺氏は、みんなの党の代表でしたが、そのみんなの党のブレインであったのが、高橋洋一氏であるわけです。高橋氏については本ブログ「曲学阿世の徒?」(2017年6月19日)で取り上げましたが、2001年、小泉内閣の竹中平蔵経済財政政策担当大臣の補佐官であったわけです。経歴としては、本ブログ「MBノミクス」(2017年6月13日)で取り上げた岸博幸氏と同じ要素があります。
高橋氏はみんなの党のブレイン、竹中氏は小泉政権、安倍政権、維新の会のブレインであるわけで、上記の渡辺氏の発言はこのような枠組みで考えるべきと考えます。そこに、岸氏も関わると考えますが、高橋氏と竹中氏の3名とも現状、一斉に同じような論調を、発しているわけです。その論調の方向性は政権に対して金太郎アメのように同じ方向を向き、明らかに学者の言とは思えませんが、当然、これは偶然ではないと普通なら考えられるものです。こういう所に大物ジャーナリストの影もちらつきますが、明らかに政治的な動きと考えます。
この状況を見ていると、明白に政党を超えた繋がりと動きがあり、それはあたかも見えないもう一つの政党がその背後にあるように見えます。


昨今、巷では第二自民党、第三自民党という表現をよく観ますが、第四くらいまであるのではないでしょうか? これらを見ると一つの系譜が見えてきます。ただ、このように表現される政党に所属する政治家がすべてこの系譜というわけではありません。その政党内での一部が一種の“背乗り”のような形で党を動かしているとうのが、実態でしょう。そしてこの本家本元も実態はそうでしょう。そうなると、この本当の背後が何かということが、現在の日本の政治、日本の行く末を考える上で非常に重要なことは明らかです。
このように政界に政党がいくつもあっても、なぜかその背後に共通する系譜が見え隠れし、同じ方向性を示しているいう状況は、実質、政党政治が崩壊していると言えます。多党制の大政翼賛会になっているわけで、この翼賛体制に入っていないのは、現状、野党の3つの小政党だけしかありません。
政党政治は、現代の民主主義政治において、根幹とも言える極めて大きな要素です。その政党政治が崩れると言うことは、政府に対するチェック機能が損なわれ、腐敗が横行し、政府の健全性の維持が行えなくなります。また、議会運営が形骸化し、一方で国民の選択肢がなくなるという事態も発生します。政党政治の崩壊は国家国民の利益には全くなりませんが、現状はそのようになっているものと考えます。このような状態は、当然、混乱と政治不信を招き、政治が暴走する危険性を高めていきます。
明らかに、現状の政治的課題は、政党政治を正常化することです。第○自民党と言われるような金太郎アメ政党は、基本的に必要がないわけです。そのような政党は、政治から多様性を奪い、国の方向性を歪め、政治への不信感を増幅し、国の行く末を貧弱なものにします。
今後、政党政治が正常化されれば、突然、消滅する“政党”が出てくるでしょうが、それはそもそも政党ではなかったのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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