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神戸製鋼所問題
[日本の政治]
2017年10月10日 23時57分の記事

神戸製鋼所がアルミ部品などの性能データを改ざんしたことが問題となっています。

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先日は日産でも検査体制の不備がありましたし、東芝問題は長らく続き問題山積で、総じて見ると日本の名だたる大企業の杜撰で、虚偽の体質が明らかになっています。福島第一原発事故は東京電力の問題点が山ほど出てきましたが、やはりポイントは杜撰さと虚偽です。もちろんこの原発事故の問題は、政府や政権の原発政策全体を含めた杜撰さと虚偽がやはり大きな問題です。そして、国民の利益より明らかに損失の方が大きくなっています。しかし、いまだ巨額の資金が流れているのが実態です。
このように日本の大企業の杜撰さと虚偽が頻発し低落している一方、これまで名を馳せたシャープなどの大企業は倒産や買収に直面しています。明らかに日本企業や産業が衰退していますし、特に大企業の凋落が目立ちます。そして、企業は人なりと言うように、その原因は人的なものが全てでしょう。つまり、日本のエリートの凋落が実は隠れた原因と言うことで、そのような視点で見ると忖度も、政治家の激しい劣化も、実は同じであるのです。国は人なりなのです。この神戸製鋼所の問題を見ていると、日本の政界の劣化と原因は同じと考えますし、それは何よりも日本人の現在の偽らざる実相なのではないかと考えます。いずれにせよ、今や経済界に経済を語る力はなくなっています。もはや経済界は過去の遺産で存続している状態と考えますし、それは政界の二世議員と同じレベルの話と考えます。

国の経済や産業は広い裾野があって初めて成り立ちます。時代を闊歩する企業が存在できるのは、そのような裾野があるからです。人はそういう目立つ企業にしか目が行きませんが、そのような裾野を忘れては何事も成り立たないのです。神戸製鋼所は素材産業の企業です。国の経済や産業の基盤となるものです。そのような産業で今回の問題が生じると言うことは、産業全体に大きな問題があると言うことです。実際、今回の神戸製鋼所問題は、その影響が自動車業界など様々な分野に波及しています。やはり日本経済にとっては極めて大きな問題を、この問題ははらんでいます。
このように産業の全体を見て、経済政策を考えなくてはならないのですが、安倍政権の経済政策を見れば、いつも人目を引く何かのキャンペーンをしているような個別的事象に焦点を当てたものばかりです。そして何も成果を出していません。実際、政権からして産業政策はできていないのです。
神戸製鋼所は自らの命である売り物で嘘をつきました。このことは、万民を裏切ったということです。人々との紐帯を自ら断ち切ったと言うことですから、普通なら存続はできません。神戸製鋼所に安倍首相がいたから言うのではありませんが、この問題は万民を裏切るという意味で明らかに加計学園問題や森友学園問題に通じるものがあると考えます。しかし、神戸製鋼所はその虚偽を認め、社会に対して責任の一端は果たしました。一方、今年になって生じた加計学園問題や森友学園問題やその他の政権にまつわる問題は、いまだうやむやになっています。いまだ万民に対して誠意ある態度はないのです。そして、このような態度は、安倍政権だけではなく、日本の政治、そして日本全体をいずれ蝕んでいくのです。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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