このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
党首討論は必要ないのか??
[日本の政治]
2017年11月28日 23時59分の記事

昨日の本ブログ「党首討論は必要ないのか??」(2017年11月27日)の続きです。

【PR】Licom高画質ライブ配信・通話システム


それでは巨大与党においてチェック能力や自浄能力があるかと言えば、現状、ほぼ絶望的にないわけです。かつての自民党はそういうものがありました。しかし、今世紀に入ってそのような能力の喪失は顕著です。この背景には小選挙区制が導入されて党の公認を得ると言うことが政治家にとっての死活問題になっていることがあるのは明らかでしょう。つまり政治家は党の公認を得ることが、政治家として一番になっていると言うことです。
1993年に非自民の連立政権が誕生するまで自民党一党独裁とよく言われましたが、その時はまだ自民党内でのチェック機能、自浄作用が明確に存在しました。しかし、現状は同じ巨大与党であっても、その中味は大きく変っているわけです。そして、この変化、即ちチェック機能・自浄作用がない巨大与党ということは政治において極めて危険性のあるものです。

とは言え、現在の自民党の中にも石破氏のように批判の必要性を主張している政治家もいます。以下の記事で、石破氏は「批判のないところに進歩は無い。批判があって世の中は進歩するのであり、それがない、封じられる組織は必ずダメになる」と述べているわけで、その内容は至極まっとうなことです。同氏は党のためなら批判を言うのは義務と述べているわけですが、それはその通りです。しかし、本当は、その後に世辞かは“日本のために、国民のために”批判を言うのは義務と付け足してほしかったと思います。政治家ならこのことが一番であるはずだからですし、日本の政治の現状において明らかにこのポイントが必要だからです。政権に対する批判は野党云々、朝日新聞云々ということではなく、政治において必要なことなのです。

「石破氏『党のためなら言うのが義務』自民批判多い理由」(2017年11月23日 朝日新聞)

そのような生産的な批判を行なおうとする石破氏は、以下のようにめちゃめちゃ叩かれるわけです。

「『ポスト安倍』候補は『めちゃめちゃ叩かれる』 自民・石破茂元幹事長が不満」(2017年11月21日 産経新聞)

では一体、誰に叩かれているのか? 明らかに野党系ではありません。与党系です。そしてその与党系の中味は安倍首相を支持する層からのものがほとんどと考えます。来年、自民党総裁選があるのでやはりこのような傾向が顕著になるのでしょう。そして、二言目には安倍首相の代わりがいないと言うわけです。いずれにせよ、この記事を良く考えれば、巨大与党のチェック機能、自浄作用を奪っているのは、安倍首相を支持する層と言うことになります。つまり、このことが巨大与党という状態の日本の政治で最大の問題点であると言うことです。このために政治の危険度が明らかに上がっていると言うことです。

与党内や行政府内においてチェック機能・自浄作用があり、国会で野党のチェックが十分に時間をかけてなされるのが望まれる政治の状態です。しかし、現状は与党内や行政府内におけるそれらの機能や作用は不全に陥り、国会では野党の質問時間が減らされるという状態です。これで良い方向に政治が向うはずはありません。そのような中で、国会における党首討論を削れば、なおのこと状況を悪化させるのは目に見えています。党首討論の時間を長くすれば良い、そんな簡単なことをまずすべきなのは明らかです。
政治に対する国民の疑念を解消することは政治の基本中の基本です。それは、国民の疑念が解消されない状況は政治を必ず崩壊させるからです。上記の会計検査院の指摘が出た時点で、20年前なら、確実に政権が吹き飛んでいます。しかし、現在はそうではありません。寛容になったとかいう問題ではなく、これは明らかに政治が機能不全に陥っている証なのです。このような状態が今後も続くなら、いずれ近い将来、政治は大きく瓦解していくでしょう。それはまず自民党の崩壊から始まると考えます。もう既にそのルビコン川を渡ってしまったと考えます。

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/397029
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2017年11月>>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
カテゴリ
全て (1407)
日本の政治 (1318)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
04/14 23:49 中東大戦・第三次世界大戦の危険性が大きくなっていると考えます
04/13 21:22 金の暴騰が意味すること
04/11 12:40 韓国総選挙の結果の意味すること
04/04 10:23 『裏金問題』の本質は民主主義を破壊することであり、同時にアベ政治の弊害であること
02/23 15:14 天皇陛下のお誕生日に際し心からのお慶びを申し上げます。
02/09 22:37 『国民を甘やかす政治をしてはならない』といった池田勇人
01/23 23:06 二階派、安倍派、岸田派の解散の意味を考える その2
01/22 00:32 二階派、安倍派、岸田派の解散の意味を考える その1
01/14 19:54 台湾総統選挙の結果は何を意味するのか?
01/09 20:54 松本人志氏についての『性的行為強要報道』に対する同氏の対応をいかに考えるか
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved