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クリスマスは何のために??
[日本の政治]
2017年12月26日 1時13分の記事

昨日の本ブログ「クリスマスは何のために??」(2017年12月25日)の続きです。

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このベツレヘムにはキリスト教の聖誕教会(降誕教会)というのものがあります。この教会はイエスが誕生したといわれる洞窟を中心としてその上に建てられて教会で、聖地と言える教会です。この教会でクリスマス恒例のミサが行なわれましたが、司祭は「エルサレムは所有するためのものではなく、仕えるための土地です」(2017年12月25日 NHK)と述べていますが、この言葉がエルサレム問題についての姿勢を鮮明に示しています。
また以下の記事のようにこのミサにはパレスチナ自治政府のアッパス議長も参列しているわけです。

「ベツレヘム・聖誕教会でミサ、トランプ大統領批判も」(2017年12月25日 TBS)

アッパス議長は、エルサレムをイスラエルの首都と認める米国の決定について「アメリカの決定はベツレヘムにとっても侮辱だ。キリスト教の歴史上初めて、聖地ベツレヘムと聖地エルサレムを切り離した」(同上)と改めて批判しています。この主張はもっともで、アッパス議長にこのような指摘をされてしまっては、米国も愛を説くキリスト教国としてはもはや形骸化しています。
今年のクリスマスとこのベツレヘムに関する記事においては、米国は世界を敵に回した、クリスマスを台無しにしたという論調が顕著です。それは間違いのないことと考えます。

この聖誕教会はローマ・カトリック、東方正教会、アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)が区分所有しています。ローマ・カトリックの法王フランシスコについてはザ・フナイで1年にわたり書きましたが、そこでは法王フランシスコによるローマ・カトリックと東方正教会との和解、ルター派との対話と結束、エルサレムにおけるキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の共存への動きなどを書き、その意味を書きました。また以下のように法王はキリスト教とイスラム教の対話と共存への動きをしています。本当に法王フランシスコは平和と融和のために精力的に動いてきました。

「エジプト訪問のローマ法王、 宗教間の融和を呼び掛け」(2017年4月29日 AFP)

ローマ・カトリックと東方正教会の和解は千年ぶりのことで、これは人類史的な出来事です。宗派の対立などが世界史を動かすベースとなって戦争など様々なことが生じて来たわけですが、このような千年ぶり(人類史上初)の世界史的な大変動が今、起きているわけで、これは全てが根底から変っていくことを意味しています。このような歴史的な流れを含め、世界は平和を基調とする新しい時代へと確実に動いているとザ・フナイで書いてきたわけですが、今回のエルサレムをイスラエルの首都と認める米国の決定は、まさにその反対を行くものであることは明らかです。法王フランシスコはこの米国の決定を非難しています。現状のような世界史的な変動がある中で、今回の米国の決定はまさに世界を敵に回したとはっきりと言えるものと考えます。

このように見てくると、トランプ氏というのは、実は米国解体の使者なのではないかと考えてしまいます。少なくとも今回のエルサレム問題で、米国が世界の盟主としてその存在感を保つことは非常に難しくなったでしょう。そういうことが今後は様々な形で米国を襲っていくことでしょう。もちろん、これはテロなどのことではありませんが、米国がこれまでの地位を保てなくなれば、米国すら予測していない不利な状況が米国を襲うのは必至でしょう。それが状況が変った時に必然的に起ることなのです。それまでの常識は通用しないと言うことです。

国際情勢を見つめている者からしたら米国の軍産複合体と米国政界の癒着は常識とも言えることです。このことは様々指摘されています。そしてこのことが世界における戦争の因子となっていることもまた常識です。この軍産複合体と米国政界の癒着の関係に米国のシンクタンクやCIAなどが関わるわけですが、この一団はお金の流れだけではなく、人事においてもあるわけです。武器製造メーカーの重役が政府高官になっていたり、その反対があったりと言うわけです。そして、この一団の上部構造として金融構造があるわけで、このことはザ・フナイで書いてきました。もちろん、この構造は日本の政界とも関わるわけで、それが色濃く日本の政治に現れているわけです。
このような米国の構造・体制において、最も嫌がられるのが実は平和なのです。人々が平和の配当を享受すると困るのがこの構造で、米ソ冷戦が終結して米国の武器製造メーカーは大変な苦境に直面しました。その苦境からそれらメーカーを救ったのがテロとの戦いなどであって、北朝鮮問題も当然、この範疇に入ります。これを作為的と考えるか、それとも自然の流れとみるか。国際情勢をよく見ているものは大抵前者と答えるでしょう。実際、既報の通り、北朝鮮問題がエスカレートした今年、日韓ともに米国製兵器を大量に購入することを決定しましたから、当然、米国の武器製造メーカーは利益を上げています。
米国のこの構造にとっては、世界の人々が仲良くすることは困るわけです。そういう中に今回のエルサレム問題があることは現状においては間違いのないこと考えられます。日本の政治において劇場型政治と言われ敵を作り出すことで浮揚、リードしてきたかつての日本の総理とどこぞの都知事と同じく、常に敵を作り出すことで利益を上げるのが、この米国の構造なのです。
しかし、これからこの米国の生き様を世界が許容するのかどうか、そういうことが非常に大きなポイントになってきていると考えます。日本もそのことと運命をともにするつもりなのかと正直思います。米国においてクリスマスのテーマである愛と人々の絆、弱者への眼差しが偽善なのかどうか、米国人が間違いなくこれから試されていきます。



最終編集日時:2017年12月26日 1時38分

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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