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権力が不都合な事実を隠すのは必然?
[日本の政治]
2018年3月17日 23時48分の記事

森友学園問題は、火のないところに不自然な煙は立たないということに尽きるのではないでしょうか?

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1976年に米国で制作された『大統領の陰謀』(All the President's Men)というウォーターゲート事件を描いた映画があります。主演のダスティン・ホフマンとロバート・レッドフォードがウォーターゲート事件を調査し暴いたワシントン・ポストの二人のジャーナリストを演じます。この映画はこの二人のジャーナリストの手記を元にしたものです。
この映画を見ていると権力者が組織的に犯罪を犯した時に、いかに隠ぺいし、一方でいかなる形で証拠が出、犯罪が暴かれていく中で権力者が世論対策としていかに反応していくかということがよくわかります。
ウォーターゲート事件は、最初から大きな事件として扱われていたわけではなく、当初は米国民主党本部不法侵入事件として扱われていました。しかし、この二人の記者が不法侵入事件としての不自然さを見いだし、調査を進め、権力が関わる事件の全体像が明らかになっていきます。ただ、はじめのうちは情報提供者の証言のウラがとれなければ記事掲載は認められないと上司からいわれ、さらに事実関係の調査を進めていき、ようやく記事ができあがり、その掲載が認められます。
しかし、その記事が掲載されるとニクソン政権はワシントン・ポストと同紙主幹を名指しで非難、冷笑を浴びせ、偏向報道とののしります(最近どこかであったような)。また情報提供者にも証言を翻され、この二人の記者は一時窮地に立たされます。記事が掲載されても世間の認知度は低かったのですが、それでも二人はあきらめず、米国政治史に残る大事件へと発展していくわけです。
この映画を見ていてつくづく思うことは、あり得ないおかしなこと、不自然なことが起きている時は、結局はそこに何かがあるということです。火のないところに煙は立たないわけです。そして、忘れてはならないのは権力者は不都合な事実を当然のごとく隠ぺいするということです。これは古今東西変らない必然です。もちろん、そういうところには必ず嘘があるわけです。
しかし、隠ぺいしても、出てきてしまう、大衆の目を他に誘導しても、最後は本丸・核心にいたるということなのです。歴史の顛末を見れば、ニクソン政権がワシントン・ポストの記事に対して冷笑や偏向報道という非難を浴びせたのは、まさに犯罪を隠ぺい・誤魔化すための戦術に過ぎないわけです。それは、罪を自覚し、発覚を恐れる権力者側の必然の反応であるわけです。

今回の森友問題で文書改ざんの詳細が出ましたが、朝日新聞がこの一方を報じて以来、このウォーターゲート事件と同じ反応が方々で見られました。間違いなく、そのように反応した人々は同じ穴の狢と私は考えます。そう思っていたら以下のリテラの記事で、本ブログ「自民党はひどい言い訳」(2018年3月14日)で取り上げたフジテレビの『直撃LIVE グッディ!』に出ていた和田正宗なる人物について批判する記事が書かれています。まあ番組を観ていてひどい内容と思いましたが、観ている方はこの和田なる人物が自民党を代表して述べている考えます。同じ自民党の小泉氏が何を言おうと政府・与党の代弁としてこの発言を受け取ります。内閣支持率が急落しても当然でしょう。
リテラの記事にもあるようにこの和田なる人物の滅茶苦茶な発言は、自民党議員による政権擁護と受け止められるのが普通と考えますが、この発言は今回の財務省の改ざん問題と同じ構造・力学が働いていることを示していると考えます。財務省の国会における虚偽答弁・提出文書改ざんは主権者である国民を欺く暴挙であり、一方において和田なる人物の発言はテレビ通じて無茶苦茶な論理で国民を欺くものと考えます。結局は、双方とも政権擁護をするために滅茶苦茶なことをしていると考えるのが自然で、権力擁護のための必然的な反応であるのは明らかと考えますが、この和田なる人物の発言を聞くと、財務省の文書改ざん問題の核心がどこにあるかが、逆にはっきりとわかります。双方とも結局は同じ目的でやっていることは同じということですが、そのことに和田なる人物本人は気がついていないのでしょう。
このリテラの記事は前編と後編がありますが、それらに出てくる面々は、当然、同じ穴の輩と考えて差し支えないでしょう。この種の人々についてはさらに多くの人々とともに世の中においてリストになっていますが、これらの人々が同じような論理を振りかざし、また、その目的・方向性が同じなのは、必然的な結果でしょう。それは背景が同じだからです。そして、それは、恐らく司令塔が一つ、もしくは一人なのでしょう。だから皆、同じことを言うということと考えます。しかし、その言葉は国民を裏切るものであるのは明らかと考えます。国民の利益には明らかに合致していません。

「北村晴男弁護士と和田政宗議員が朝日報道批判の反省もなくワイドショーに登場! 支離滅裂な詐術だらけの安倍政権擁護」(2018年3月15日 リテラ)

ウォーターゲート事件を振り返ると、そこで明らかなことは事実は消えるわけではないと言うことです。最初はこの事件も世間一般の認識は低い状態でしたが、徐々に全容が明らかになり、大きな問題となり、関係した人々が有罪になっていくわけです。一定の時間がかかってもそうなっていきます。そして、ニクソンは辞任を最初拒否しますが、最終的には辞任し、ウォーターゲート事件は歴史に残る大事件となって記憶されるわけです。そして、権力が関わることで不自然な煙が立つところに、必ず何かがあることを示したのが、この事件のもう一つの忘れてはならない歴史的な条理であったのです。それを描いたのがこの『大統領の陰謀』と考えます。

現在の日本ではこの不自然な煙が既に立っている問題は、森友問題の他に加計問題、スーパーコンピュータ補助金詐欺問題、元TBS記者による強姦もみ消し疑惑、小保方問題、オリンピック問題、GPIF資金の株式市場投資問題などなど数多あるわけです。森友問題についての大阪府の認可の不自然さも昨年から問題視されています。また、この文書改ざんによって昨年の通常国会を乗り切り、その後、強硬に行なわれた衆議院解散・総選挙も、その正当性が今や明確に揺らいでいます。
これら全ての問題の根幹と構図は同じと考えます。そして、いずれ全て不自然な煙の火元が明らかになるのではないかと考えます。明らかに国民と日本のためにはそうしなくてはなりません。
森友問題という時の首相周辺が関わる問題案件について、国会での答弁は虚偽、出された文書は改ざんされているという事態は、前代未聞という表現をはるかに通り越しています。即刻、内閣総辞職のレベルですが、その内閣のレベルは高校生の生徒会の方が明らかにマシというところまで落ちた現在の日本の国政を、改めて日本人の眼にはっきりと見せつけています。既に確実に歴史に残る事態にまで現状、至っています。そしてこの歴史的評価は変ることはないでしょう。
「権力が不都合な事実を隠すのは必然?」(2018年3月18日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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