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メシア願望
[日本の政治]
2019年3月8日 23時59分の記事

大阪府知事、大阪市長選挙のダブル選挙と報じられています。

「【詳報】松井氏『我々なりに大義あると決断』記者に反論」(2019年3月8日 朝日新聞)

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大阪維新の会が結成されたのが2010年4月。それから9年が経とうとしていますが、はっきり言って今まで何をしてきたのかと率直な疑問があります。結成から草創期にかけて、問題提議をし、敵をしたてて攻撃をしてきましたが、その後、結局、大阪が一新して良くなったと言えるものはないと考えます。
それは都構想が実現していないからという声もあるかもしれませんが、都構想を除いてみても、9年かけて目立った実績や大阪の変化が確認できないのは、そもそも実力が無いからではないかと考えます。都構想がそんなに意味あるのなら日本全国でやれば良いと思いますが、そのようにしても効果が無いのは普通に考えればわかることです。
大阪維新の会と安倍政権との蜜月ぶりはこの9年間、よく報道されてきました。似たもの同士なのか、それとも同じ背景があるのかは知りませんが、その蜜月ぶりが、大阪維新の会の特徴でした。そして、その蜜月ぶりがなければ、大阪維新の会は、今頃、既に姿を消していたものと考えます。そう言う意味で、大阪維新の会がここまで来たのは安倍政権の影響が非常に大きいと考えます。

上記記事には「公明にだまされたまま終わるなら、死んでも死にきれない」(同上)という吉村氏の言葉がありますが、この「死んでも死にきれない」という言葉が非常に引っかかります。明らかに個人的な問題を前面に出しているのです。しかし、一方で我々には大義があると全く逆のことを松井氏は言っています。このようなことを支離滅裂というのですが、政党としてしっかりと調整されていません。それを公の場で堂々と言うのですから、政治において成果を上げることができないのも無理もないでしょう。
この「死んでも死にきれない」という言葉は、よく選挙で使われますし、ある程度の効果があります。特に田舎ではそうで、個人的な事情を訴える言葉も、人間関係が濃密な田舎では通用するわけです。しかし、都会ではそのような言葉が言われても、「それは関係ないよ。そんなのお前の事情だろう」と言われて終わりなのです。そして、そのような個人的な言葉を使って当選しても、まともな政治ができるわけはないのは、ちょっと考えればわかることです。いよいよ大阪は試されている状況になっています。

大阪維新の会というのも、都構想というのも、基本的にメシア(救世主)思想、もしくはメシア願望を利用した大衆誘導だと私は考えます。悪者を退治し、先進的な制度を導入すれば、私たちは救われ、大発展をするという心情が根底にあるものと考えます。そのアイコンになっているのが大阪維新の会であり、都構想と言うことです。
ただ、このようなメシア思想やメシア願望は夢を見させてはくれますが、その本質は大衆がそのメシアにすがることになりますし、そこで社会は思考が停止します。そしてその結果、そのメシアが勝ちつづけ、その地位にいてくれることが意味もなく目的化します。なぜなら、そうあってくれれば願望達成になると考えるからです。だから、何も実績がなくとも地位にいてくれることが夢を繋ぐことになるわけですが、その実は底なしの虚無であるわけです。自分の足下が崩れても、その夢の実現が救ってくれると錯覚するわけです。
そして、そのアイコンもその夢が壊れないようにすることが第一の目的となるわけです。
このような状態で実質何が起るかというと、大多数の一般、世間の人々、大衆が自分は何もしなくとも良いと思うようになるのです。すべてはメシアが解決してくると思うようになるからです。底なしに無責任が助長されていくわけです。これが社会がメルトダウンする最大の要因です。このメシアが浮上すれば、社会に無責任が横行するという構造ができあがるわけです。
だから、メシア願望を持っている大阪は今のままでは浮上しないのは普通に考えて当然なのです。

メシア思想やメシア願望を成立させるために必要なのは、何よりも敵です。だから敵をでっち上げるわけです。その敵が我々に害を及ぼしていると指さすわけです。そして、大阪維新の会は常に敵を作り出してきたと思うのは私だけではないでしょう。今後の大阪維新の会の言動について、このことは大きなポイントになるのは当然と考えます。

一方、大阪維新の会と蜜月である安倍政権もまたこのメシア思想、メシア願望によって成立しているものと考えます。安倍政権を成立させる心理的プロセスは大阪維新の会のそれと全く同じと考えます。安倍政権が政権であり続ければ、日本が浮上すると思考停止に陥っているわけです。だから、政治や社会に無責任が横行しするものと考えます。人々は自分で自分を無価値にしているのです。そして、それは社会が無価値になると言うことなのです。
したがって、今のままでは日本は浮上しないということは、当然、明確に言えるわけです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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