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消費税増税をしたけれど失敗した国・日本
[日本の政治]
2019年9月3日 5時55分の記事

以下の日刊ゲンダイの記事は、8月下旬、立憲民主党の若手とれいわ新撰組の山本太郎代表が、消費税を廃止したマレーシアに、消費税廃止を含めて経済についての視察を行ったことが書かれています。そして、その下のリンクでは、8月30日に行われた立憲民主党の記者会見で、この視察について問われた立憲民主党の枝野幸男代表のコメントを観ることができます。コメントでは「客観的事実として申し上げると、消費税をなくしたけれども、失敗した国ですよね」と述べています。

「『消費税減税』でれいわ山本太郎代表と野党の共闘が加速」(2019年9月1日 日刊ゲンダイ)

「8月30日 #枝野会見」(2019年8月30日 立憲民主党)

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失敗したと言い切れる根拠は何かと問いたくなります。マレーシアで消費税が廃止されたのは6月ですが、その直前の四半期について以下の記事では、マレーシアのGDPは前年同月比で4.9%伸びて、個人消費は7.8%増であることを伝えています。この記事の下の2月14日に報じられた日本経済新聞の記事をあわせて読むと、消費税廃止ということが明確に規定されて、経済が昇り調子になっていると考えられる状況がすでにあると考えられます。経済には様々な外的要因もありますが、現在の日本のように消費税増税前なのに、駆け込み需要すらなくなって消費が活発化していない状況のまさに反対の可能性があります。順調に消費税廃止の効果は上がっているものと考えられます。少なくとも今後、1〜3年の動向をじっくりと観るべきでしょう。また、いずれマレーシアはTPPから離脱するものと考えます。

「マレーシアGDP4.9%増 19年4〜6月期 消費堅調」(2019年8月16日 日本経済新聞)

「マレーシア4.7%成長に減速 2018年 19年も低迷続く懸念」(2019年2月14日)

枝野氏が失敗したと言い切った理由が何かがよくわかりませんが、恐らく、昨年に報じられた以下の日本経済新聞のことをいっているものと考えられます。

「マレーシア、財政赤字高止まり 消費税廃止で財源穴埋めできず」(2018年11月2日 日本経済新聞)

消費税増税をしたけれど失敗した国・日本
本ページの右上の二つの本の著者であるエコノミストの菊池英博先生は、消費税の導入及び増税が、日本経済を損ねていると15年以上前からずっと主張され、実際、菊池先生の分析・予測されたとおり経済は縮小しています。経済が縮小すれば、歳入は減り、さらに財源が足りないと増税をして、一層、歳入が減るという悪循環になり、最終的に財政は破綻するわけです。つまり財政を中心に考えると財政は破綻するということです。それは国の中心が財政ではなく、国民経済だからです。
実際、今の日本はこの悪循環に明らかに陥っていますし、消費は減り、景気は低迷しています。いずれ近いうちにもう一段の落ち込みとかなりひどい状況が訪れるでしょう。そのような中で、歳入が足りないからもっと増税ということになれば、まさにトンデモナイ状況になるわけです。日本の社会や経済が健全で、国民の経済が堅調であるという大前提のもとに歳入増ということがあるのです。その逆はありません。だから、まずやるべきは国民経済の健全化、安定化なのです。国民の生活が破綻して、国などなり立つはずもないのです。
そういうことを菊池先生は今世紀初めから主張され、政権を取る前の旧民主党議員にも説明をしましたが、まったく聞く耳をもって貰えなかったといつも嘆いておられました。枝野氏もきっとその一人であったのでしょう。
むしろ真実は『日本は消費税を導入したけれど、明らかに失敗した国』ということなのです。今の状況を観れば、一目瞭然です。もちろん、このことに安倍政権の経済失政・悪政が重なっていますが、枝野氏は旧民主党政権時代に自民党とともに消費税増税をしたことの結果をまずは自問すべきでしょう。もちろん、自民党も旧民主党とともに責任がありますし、財務省、そして経産省も現在と今後の日本の経済に対して当然、責任があります。
しかし、以下のように、枝野氏は消費税減税を言っています。そして、上記のようにその二日後に消費税を廃止したけど失敗した国という発言があるのは、目茶苦茶です。普通に考えれば、消費税減税は必要だけど、それは失敗するためといっているわけです。消費税がいかなる悪影響があり、経済をどのように安定化、健全化させていくかという首尾一貫した考えやビジョンがまったく見えてきません。その場しのぎで、思いつきでいっているようで、そのくせ本音は消費税増税であると考えざるを得ません。やはり典型的な旧民主党の政治家なのでしょうか?

「消費税『まず8%に戻す』=立憲・枝野氏」(2019年8月28日 時事通信)


外交がわかっていない
この8月30日のマレーシアに対する発言を観ると、枝野氏が経済に疎いというのはよくわかるのですが、実はこの発言が本当に意味することは、世界情勢がわかっていないということなのです。なぜ、マハティール首相が昨年、消費税廃止を打ち出し、同時にTPPの見直しに言及したのか? そして同首相が昨年、「『日本の平和憲法 マレーシアにも』 マハティール首相、改正に意欲」(2018年8月8日 東京新聞)、「マハティール氏 平和憲法支持 戦争参加へ改憲『大きな後退』」(2018年9月30日 東京新聞)と日本の平和憲法を支持する発言をしていますが、なぜそう発言したのか? これらの発言は、単に理想主義をいっているのではなく、世界情勢に対してしっかりとしたビジョンのもといっているわけで、政治家として非常に現実的なものなのです。そういうことがわかっていないということを、枝野氏の発言は明確に示しているのです。
マハティール首相のこれらの発言や施策は大変に素晴らしいことですが、同首相の発言についてはザ・フナイの連載で縷々、この1年間、解説をしてきました。本当に世界の情勢がわかっている素晴らしい政治家ですが、そのような知見が以下の記事にようになるわけです。新しい時代をつくり出す、大変な能力をマハティール首相はお持ちなのです。

「マレーシア首相、東アジア共通通貨を提唱 金に連動」(2019年5月30日 ロイター)

マハティール首相を枝野氏と比べるのは申し訳ないほどの力量差なのですが、枝野氏はまさに経済も外交も疎いことが、冒頭の枝野氏の短い発言に凝縮されているのです。それでいて、防衛問題については防衛当局に言われるがままで政治家としての判断ができないというレベルと考えます。プラス、外交はわかっていない、経済もタックスマンのレベルということです。
立憲民主党は野党第一党で、現在の自民党の悪政に対して期待すべき存在ではありますが、このような党首では、与党になれば、確実に国を潰すことになるでしょう。もちろん、現在の安倍政権ほどはひどくないにせよ、確実に国を潰すことでしょう。そして、この力量は立憲民主党への支持が伸び悩んでいる最大の理由だと考えます。
枝野氏こそ、マハティール首相に会いにいって、まず世界の情勢や経済について教えを請い、猛烈に勉強すべきでしょう。そのくらいでないと、いずれ立憲民主党はなくなります。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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