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これからの政治のシーンにおいて最大の焦点はPCR検査数
[日本の政治]
2020年5月8日 2時53分の記事

古来より「名将は一言人を活かし、凡将は一言人を殺す」と言いますが、プロンプターを呼んでいるだけの演説がポエムと言われる首相の安倍氏は凡将というより愚将でしょう。この愚将によってまさに邪道の政治が行われて、日本は本当にひどい状態なのですが、実はこの現実はもう一つの真実を語っているのです。それは、邪道の影で実は正道が同じように育っていると言うことです。邪道が正道を生み出し、邪道が大きければ大きいほど、同じだけ正道が大きくなるのです。邪道が粘れば粘るほど、自然の営みとして正道はそれ以上に粘り大きくなるのです。そして、それが次の時代の準備となるのです。このことは絶対に忘れるべきではありません。

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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以下の日刊ゲンダイの記事では新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の副座長・尾身氏が理事長を務める病院でクラスター発生の大失態とあります。正に大失態ですが、尾身氏は元々厚生官僚(技官)で、官僚になる前は研修医として院内感染を起こした都立墨東病院に勤務していたとあります。ある意味、いわく付きの人と思ってしまいますが、尾身氏は責任を負っている国家の新型コロナウイルスの感染拡大防止でも成果を上げられず、ご自分の足下でもクラスター発生を許したと言うことですから、基本的に能力に欠ける人であるのは間違いないと考えます。そして、以下の二つ目の記事のように『尾身枠』予算というものが言われていますが、非常にいかがわしいものと考えます。おとなしそうなお顔をされているのですが、その実は無能で厚顔なのかもしれません。

「専門家会議副座長・尾身茂氏が理事長を務める病院でクラスター発生の大失態」(2020年5月6日 日刊ゲンダイ)

「コロナ対策の“顔”に疑惑 補正予算に『尾身枠』65億円の謎」(2020年5月1日 日刊ゲンダイ)


ただ、以下の記事を見ると少し様相が違ってきます。この記事では緊急事態宣言の『延長』について、安倍氏が専門家の意見を聞く前に、その意向を自民幹事長の二階氏に伝えていたということを立憲民主党の蓮舫氏が批判したことが報じられています。要するに少なくとも今回の『延長』は安倍氏の独断であると言うことです。それならこれまでの様々な判断も安倍氏の独断、政治的判断、もしくは意向が先行していた可能性はかなりあると考えます。そして、この可能性は森友学園問題で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」という安倍氏の答弁で、官僚が忖度してすべてが動いたと言われていることや、官邸一強と言われていることと完全に一致します。安倍氏のお友達がなぜか優遇されているといわれる加計学園問題も同じことでしょう。

「首相対応『順序おかしい』 蓮舫氏、緊急宣言延長」(2020年5月7日 東京新聞)

しかし、安倍氏の声明には、『専門家会議の判断により』というような安倍氏の判断ではなく、専門家会議の判断という言葉が非常に目立ちます。そうなると、ことの実相は、安倍首相がすべて決めて、専門家会議は責任転嫁のためのツールということに過ぎないということになります。尾身氏はそう言う意味でもっとも適任なのかもしれません。そういうところに『尾身枠』予算というのもあると考えるのが自然なことでしょう。
ただ、そうなると専門家会議の面々は必ずしも無能ではないとも言えるのです。とは言え、もしそのような安倍氏の都合の良いように使われるツールとなって、国民の利益を疎かにしているのならこれは間違いなく無能でしょう。それも犯罪的に。
この専門家会議が安倍氏や官邸の責任転嫁のためのツールとなっているというのは、本ブログ「目標と目的はすべて早期収束にある」(2020年4月10日)で取り上げた以下のリテラの記事とも実は完全に符合するのです。以下のように書かれています。


「“2週間の休業要請見送り”は完全に官邸の政治判断で、専門家会議の意見なんて聞いている形跡はまったくない。ところが、田崎氏が前日、西村大臣と専門家会議の尾身副座長が話し合って決めたと適当なことを言ったため、西村大臣が慌てて訂正、すべてを北大の西浦教授のシミュレーションのせいにしたんじゃないか。たしかに、西村大臣は休業要請延期を求めた際に、知事会には西浦教授の分析を伝えていたようだが、完全に趣旨を歪曲していた。ようするに、最初から最後まで、西浦教授の分析を悪用したんですよ」(政治評論家)
「『2週間の休業要請見送り』で田崎史郎と西村大臣がデマ!根拠にされた西浦教授が『田崎=西村ラインの嘘話』『休業はすぐに』」(2020年4月10日 リテラ)


「完全に官邸の政治判断で、専門家会議の意見なんて聞いている形跡はまったくない」という言葉と上記の蓮舫氏が批判した安倍首相が専門家会議の意見を聞く前に二階氏に宣言延長の意向を伝えたのはまったく同じです。このことを考えれば、要するにすべて官邸の政治判断で動いているということなのですが、それでは素人が防疫をしているということのわけで、到底、上手くいくはずもないのです。
韓国のように専門家が政府の陣頭指揮をとって世界的な評価を得て模範となった成果を上げたこととは真逆です。この日本の姿、ヒトラーの末期、ヒトラーが打ち出す施策がすべて裏目に出て滅亡していくのと酷似しています。
こういうところにPCR検査が遅々として進まない本因があると考えます。PCR検査が進まない『目詰まり』の本当の原因は保健所などではなく、安倍氏自身と言うことです。安倍氏の意向を厚労省が忖度している可能性はかなり大きいと考えます。これは韓国・文在寅政権の防疫の成功が安倍氏の念頭にあるためと考えます。つまり、文在寅政権の韓国モデルは死んでも認めないという安倍氏のつまらない感情とプライドです。そして、何よりもそのために日本人の命と健康が犠牲となり、同時に感染拡大の切り札が使えずに一向に感染拡大が収束しないことによって、社会と経済が破壊されているという可能性が浮上しているのです。果たして何十兆円の損失になるのでしょうか? 無論、損失額だけではなく、これは何よりも国民一人一人の命と健康と生活、人権問題に関わり、民主主義国家の成り立ち、国家の根幹に関わる、極めて重要なポイントになるのです。

5月7日の実態
まだ緊急事態宣言中ですが、5月7日の都内の街中を観ると、すでに緊急事態宣言発令前と変わらない状況になっていると考えます。つまり、5月6日に緊急事態宣言は終わったという動きに見えます。宣言は実際続いていますが、しかし、公共施設の利用の緩和や地域によっては解除という言葉が飛び交い、また出口戦略という言葉が飛び交っていて、明らかに国民に間違ったメッセージを送っていると考えます。少なくとも東京についてはそう考えます。
東京23区内で夕方、目の前を通ったバスの車内を観れば、どうみてそこにソーシャルディスタンスはないわけです。そして、ほぼ密室になっています。出歩いているひとは多く、明らかに街はゴールデンウィークに入る前より人が多く、感覚としては緊急事態宣言発令前と同様になっている考えます。4日の安倍氏の演説には、感染者は少なくなっているとか、5月は出口に向ってまっすぐに進んでいく1ヶ月と言っていますので、すでにこれまでの緊張状態はなくなったというメッセージを国民に明らかに送っています。だから、当然、皆、通常の生活に戻っていくわけです。緊急事態宣言発令中なのに。これは完全に安倍政権・日本政府の失敗と考えます。
メディアの論調を観ていても、一気に論調が変わり、出口に向ってまっすぐ進んでいく1か月に変わっていると考えますが、これを観ていれば間違いなく勘違いすると考えます。
本ブログ「このままではオリンピックを開けるはずはない」(2020年5月7日)などで指摘しましたが、韓国とは違い、日本の安倍政権の防疫対策の主柱は国民の行動制限とクラスター対策です。そして、4月以降はクラスター対策が限界を超えたので、国民の行動制限が主柱になり、緊急事態宣言を発令し、国民行動を制限をしたわけです。
しかし、上述のように宣言は継続中であるのに、宣言が解除されたという雰囲気で人々が動き始めてしまえば、日本の感染拡大防止対策は崩壊します。季節的な要因で感染拡大が抑制されることはあるかもしれませんが、このままいくと、5月後半から再び感染が爆発的に増えていく可能性があり、6月は相当悪い可能性があります。また緊急事態宣言と相まって、これからは家族感染が増えるのではないかと考えます。感染者数は以前よりはるかに増える可能性もあると考えます。
そうなると、ポイントになるのはやはりPCR検査の検査数です。7日の東京都の感染確認者数は23人ととても低くなっているのですが、検査実施人数は65人と非常に少ない値になっているわけです。そして、感染経路不明が半分以上(約65%、23中15人)です。仮に感染経路不明者が半分として単純に計算すると1000人検査すると170人、1万人なら1700人が感染経路不明で感染しているということになるのです。この数字ではまだまだ安心できるとは到底言えません。東京は本当に減っているのかととても心配になります。安心できるレベルとはとにかく検査数が多くて、その中で感染人数が少ないという状況です。
しかし、5月7日の東京の日常の風景にはすでに緊急事態宣言は終わったという動きが多分にあります。ですので、これからはPCR検査数がすべてを判断する決め手になります。この数がこれからまったく増えなければ、やはり検査はどこかで止められて、感染実態は確実に隠ぺいされていると言うことになります。安倍政権のいつも手口ですが、このような隠ぺいは日本国民の命と健康が犠牲にされると言うことですから、民主主義の根幹、人権問題の根幹、国家の根幹に関わるトンデモナイ大問題なのです。国家の最大の義務は国民の命と健康、そして生活を守ることです。それをしないと言うことになるのですから、民主主義国の政権としては完全に崩壊し、北朝鮮と同じ国家ということになります。
国民の命と健康、そして生活を守ることを疎かにして国防などと言えるはずはありませんし、そもそもそれでは国防をする理由はなくなります。そして、国民の命と健康、そして生活を守ることを疎かにするものこそが、国民、国家の敵ということになるのです。今のところ、日本国民にとってその第一候補はなんと安倍政権・日本政府と言うことなのです。これを判断する基準はすべてにおいてPCR検査数にあるのです。
以下の朝日新聞の記事では、各国の10万人辺りのPCR検査数について書かれています。検査数を最低でもまず韓国並みにしなくてはなりません。これに条件はなく、どんな症状でも受けられるようにすれば良いのです。現状、感染者差別がテレビなどで言われていますが、これは裏を返すと感染を隠す可能性を大きくし、そのことによって感染を拡大させる要因となるのは間違いありません。テレビなどで積極的に検査を受けるように促すべきです。それが、他国同様、間違いなく感染収束への唯一の道なのですから、この広報を積極的に推進する必要が日本にはあるのです。
現状、PCR検査は感染の有無を判定する主要なツールです。新型コロナウイルスに感染しているか否かは、この判定によってしかわかりません。そして、この判定によって隔離と治療と言うことが進んで行き、感染収束へと繋がっていくのです。これは他国すべて同じです。判定されなければ、有効な治療薬を投与することすらできません。だから、まずPCR検査が感染収束への第一歩なのです。
同時にこの判定によって社会における感染状況を把握することができるわけです。まさにPCR検査なしでの防疫とは、歩くときに目隠しをしているに等しいのです。それでしっかりと歩けるという方がそもそもおかしいのです。


日本の10万人あたりの検査数は188件。爆発的な感染が起きたイタリア、ドイツでは約3千件を超え、シンガポールは1708件、韓国は1198件だ

「体制拡充を『ケチった』日本 少なさ際立つPCR検査数」(2020年5月4日 朝日新聞)


『都内の最新感染動向』

「東京都、新型コロナウイルス新規感染23人確認 39日ぶりに30人を切る」(2020年5月7日 ニューズウィーク)

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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