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かなりひどいレベルのコメント
[日本の政治]
2020年6月19日 20時34分の記事

お昼ご飯を食べながらテレビのザッピングをしていたら、フジテレビ『バイキング』が目に止まりました。普段はこの番組をあまり観ません。それは司会の坂上忍氏は、ただ声を張り上げているだけで、内容がないといつも思うからです。さらに、この番組は安倍政権を批判しているようで、実は論点をずらしたり、肝心なことを言わないといつも観ていて思うからです。ですので、必然、時間の無駄と思ってしまい、チャンネルをあわせることはほとんどないのです。
この番組については、今週になって、以下のようにニュースが出ています。

「坂上忍のパワハラで『バイキング』が9月終了か、本人直撃に『それは無理筋の話』」(2020年6月17日 週刊女性PRIME)

「坂上忍、『バイキング』終了報道の裏で『シンソウ坂上』も打ち切りへ!」(2020年6月19日 日刊大衆)

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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安倍政権において、お仲間のフジテレビ・産経新聞は、政権擁護の論調をまるで政権や自民党の広報のように繰り返してきました。政府広報や自民党の広報を、フジテレビ・産経新聞がやる必要はまったくありません。それをやるのはまさに政府の広報組織や自民党の広報組織で良いのです。それを報道機関たるフジテレビや産経新聞が当たり前のように行うのですから、そこにジャーナリズムや報道というものが皆無であるのは一目瞭然です。
とにかくそれは、政府の広報であり、自民党の広報なのであり、日本のジャーナリズムの崩壊を象徴していますが、そのような類いの情報をあたかもジャーナリズムや報道という仮面をかぶって垂れ流す欺瞞は本当に許せません。
そんなフジテレビにあって坂上氏の『バイキング』は、政権批判をしている『格好』はある程度あったので、フジテレビの将来を救う存在と考えていました。ですので、坂上氏の存在がフジテレビからなくなるといよいよ本格的にフジテレビの将来がなくなるなとも考えていました。しかし、本日、同番組を観ていて、この番組が続いても、いずれにせよフジ・サンケイに将来性はないなとはっきりと思いました。
今日の同番組では、河井克行・案里両議員の逮捕について特集をしていました。私が観ていたのはほんの20分ほどですが、その間も観ていて、なぜ、そのまんま東氏は論点をそっちに持っていくのだろうかなどと思いながら、話しを聞いていました。
しかし、午後0時50分頃に語られていることがあまりにもおかしいのです。その部分は、司会の坂上氏と平井文夫フジテレビ上席解説委員のやり取りです。下線部はおかしいと考えるとことですが、あまりにもレベルの低いというか、とにかくひどい内容なのです。


坂上氏: あー、なるほどね、まあ、でもやっぱり平井さん、確かに、あのー、選挙当初から、ずいぶん派手な戦いしてるなっていう声は聞こえてたんですよね。

平井氏: まあ、別に1億でも2億でも、使ってもいいんです。それは、法律に違反しないんですが、ただ、この話のポイントは、この1億5千万円って言うのは、大体が、政党交付金なんですよ。これ、税金なんですよ。つまり、その、政党交付金というのは年間320億くらいあるんですけど、こんなにも国民の税金を選挙、個別の選挙に使ってる国ってないんです。世界で、日本だけしか。アメリカなんかにゼロなんです。全部、政治献金でやっているわけ。イギリスもほとんどゼロ。ドイツがあるけど、でも日本より全然少ないんですね。

坂上氏: 日本ぐらいなんですか。

平井氏: だから僕たちイライラするんですよ。自分たちが払った税金が、もしかしたら選挙違反に使われているんじゃないかなと思うと、ものすごい腹立つでしょう。

坂上氏: いや、本当そうですよ。

平井氏: こんなことやめればいいんです。実は25年前にできたシステムで、与野党が一緒になってそういうシステムをつくったんです。で、国民一人、コーヒー一杯250円払えばできますなんていってね、始めたんだけど、いつまでたっても選挙違反はなくなんないのです。僕はとっととやめて、昔の政治献金に戻した方がいいと思いますよ。


まず、「別に1億でも2億でも、使ってもいいんです。それは、法律に違反しないんですが」の部分です。
平井氏のこの発言の前に、坂上氏が昨年の参議院選挙で河井案里陣営が、ずいぶん派手な戦い方をしていると述べているわけです。これは、自民党からの1億5千万円の資金が河井案里陣営に流れたことによって、昨年の参議院選挙で同陣営が派手な戦い方をしているということと考えるのが自然です。まあ、それ以外はないわけです。
そして、この坂上氏の発言に対して、平井氏が「別に1億でも2億でも、使ってもいいんです。それは、法律に違反しないんですが」と言っているわけです。
いやいや、1億でも2億でも使ってはダメなんですよ。そんなにつかったら公職選挙法に抵触するんですよ。公職選挙法には、法定選挙費用というものが定められていて、選挙運動で使える上限金額というものがあります。
以下のリテラの記事にあるように、今年1月に総務省が出した参議院選挙広島選挙区の法定選挙費用は約4700万円です。5000万円も使えないのです。それを平井氏は1億でも2億でも使えて、それは違法ではないと言っているのですから、完全なトンデモレベルのデタラメなのです。わかりますよね、このひどさ。この発言にはさすがに驚きました。

「河井案里議員の『安倍マネー1億5千万円』はやっぱり違法! 安倍首相に嫌われた対立候補にはわずか10分の1の金額で『ひどすぎる』と激怒」(2020年1月25日)

この法定選挙費用の上限が設定されているのは、そうしておかないとお金を持っているものが当選するために湯水のごとくお金を使い、まさに金権選挙になってしまうからです。今回の河井案里陣営の件を観ていれば、この法律が想定し、抑止しようとしている状況を地でいっている案件としか思えません。
さらに言えば、この平井氏のコメントは、お金を持っているものは、選挙にお金をいくらでも使って良いという違法発言をしているのですが、これでは資金力が豊富なものが圧倒的に有利な金権選挙を生み出すだけという暴論なのです。こういう人物が次に言うことは、選挙で使えるお金に限度を設けるのは間違っているというものでしょう。彼ならこの程度のバカなことは平気で言うと考えます。
いずれにせよ、選挙に少しでも携わった人間であるのなら、この平井氏のコメントがあまりにおかしいことはすぐにわかります。要するにこのようなデタラメなことを平気でいって、河井案里陣営の違法性の払拭というプロパガンダをしかているものと考えます。そうでなければ、平井氏は公共の電波を使ってコメントする資格すらないレベルなのです。
このように法定選挙費用が約4700万円と上限が決まっているので、1億5000万円の差額の1億円ほどは、選挙費用としては計上できないのです。だから、政党の政治活動として河井克行・案里氏の政党支部が使ったと言うことになるというのが、政治の世界で選挙に関わっていればすぐに想像することなのです。
そうなると、河井案里陣営の報告されている選挙費用総額、河井克行・案里氏の政党支部など政治団体間でのお金の流れ、そして以下に報じら地元議員や首長に流れたとされる2570万円などを総じて計算すると、辻褄が合わないことができてきたりすることもあり得るのです。支出項目架空計上もあり得るでしょう。
たとえこの『バイキング』がワイドショーであっても、この程度のことは言うべきですが、上述のように明らかにデタラメと分かることを言っているわけですから、お話しになりません。

「前法相と妻、前例なき『金権選挙』 半年で94人2570万円、なりふり構わず」(2020年6月18日 毎日新聞)

次に「この1億5千万円って言うのは、大体が、政党交付金なんですよ」ですが、これもおかしいわけです。2018年の自民党への献金総額は約29億円です。それならこの1億5千万円が政党交付金と決めつけられる理由はありません。自民党所属の政治家に党から配布されたお金の総額と配布された人数を考えて、1億5千万円の大半が政党交付金と考えることはできます。ただ、河井案里陣営には平均をはるかに超える金額が出ているわけで、その平均以上の分は企業献金から出ていると言うこともあり得るわけです。だから決めつけることはおかしいですし、平井氏がそのように言うのなら、その裏付けの論拠を示さなければならないわけです。
要するにここで政党交付金を持ち出したのは、河井克行・案里両氏の逮捕の問題を政党交付金が諸悪の根源であるということにすり替えるためでしょう。どうみてもそうだと考えますが、この程度の見方は、同番組を観るためには必要最低限のレベルと考えます。

また、「その、政党交付金というのは年間320億くらいあるんですけど、こんなにも国民の税金を選挙、個別の選挙に使ってる国ってないんです」というのも論外です。政党交付金が個別の選挙に使われているという証拠はないと考えます。選挙のために歳費が使われているかもしれませんし、文書交通費が使われているかもしれません。またその他の収入が使われているかもしれません。また政党助成金が選挙以外の支出に使われているかもしれません。そう考えれば、この平井氏のように特定して言えないのです。はっきりいって、かなりのこじつけと考えます。

さらに、その下の「自分たちが払った税金が、もしかしたら選挙違反に使われているんじゃないかなと思うと、ものすごい腹立つでしょう」というのも、もっとらしいのですが、税金が選挙違反に使われていると思うと腹が立つから政党助成金をやめろというのは、単に個人の感想がベースになっている感情論です。まさに論点を政党助成金にすり替えるための扇動にすぎません。
問題は選挙違反をする方ですが、そちらは問題にせずにあくまでも政党助成金に問題を見出すわけです。だから、政党助成金を続けていては「いつまでたっても選挙違反はなくなんないのです。僕はとっととやめて、昔の政治献金に戻した方がいい」という暴論になるわけです。思わず吹き出して笑ってしまうほどの暴論です。こういうのを噴飯物というのです。
それでは、25年以上前、政党助成金がないときは、選挙違反はなかったのでしょうか? そんなことはまったくなく、間違いなくありましたし、今の基準でいったら選挙違反の数ははるかに現在より多かったと考えます。昔はそれほど緩かったのです。
平井氏はなぜかこの献金に異常にこだわっているのですが、献金だけにすれば、大資本などお金を持っているものがどんどん影響力を持つことになります。この平井氏なら政党助成金を無くしたら、今度は献金の限度額をなくそうと言い始めると考えます。そして、その献金によって選挙違反が起きても彼は問題にしないと考えます。なぜなら、上記のように問題点は、選挙違反ではなく政党助成金と言っているからです。それが上記の発言を観て思うことで、本当にろくでもないレベルなのです。
いずれにせよ、政党助成金は大きな資金を持つ存在が政治に影響を及ぼすことを弱めることはできます。そういう別の意味での金権政治の抑止になることは事実でしょう。
もちろん、この政党助成金によってお金を差配する党本部が大きな影響力を持つことになり、そのことが今回の河井案里陣営(1億5千万円)とその対抗の溝手陣営(1千5百万円)との『大差』となって現われているわけです。

新人記者並みの見識
この平井氏の発言を観ていると、ほとんど新人記者並みのレベルです。それを自信満々に言う。フジテレビ上席解説委員という肩書きにはさすがに驚かされます。もし、国民新党の広報部長のとき、このようなレベルの人物が番記者になったら、その上司に変えてもらうように要請するかもしれません。なぜなら、まともな記事を書けるとは思えませんし、間違ったことを平気で書かれては困るからです。上述のようなレベルのデタラメを平気で垂れ流されたら本当に大変なことになります。まあ、そうしているフジテレビは将来、大変なことに間違いなくなるのです。
上記の問題箇所はせいぜい原稿用紙1枚400字程度の量です。時間にして1分もないのです。しかし、その中にこれだけの問題点があるわけですから、その他の部分でどれだけの問題があったかは考えるだけでぞっとします。この番組を観るのなら、とにかく注意して観ないといけないのは明らかと考えます。かなりひどいレベルです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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