板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集

◆『株式投資 プロの裏読み〜株を制する最強戦法の秘密』(1986年5月21日刊)―まえがき
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株式投資 プロの裏読み〜株を制する最強戦法の秘密

 まえがき

 株式市場は、いままさにマネーゲームの修羅場と化している。投資家に与えられた武器は、カネと情報とチエだ。それにもうひとつ加えるとすれば、「時」、すなわちタイミングである。
 世界の株式市場をひとつの舞台にして、今世紀最後で最大といわれるこの大相場で、天に昇る龍にも似た大気流にまたがり、黄色に輝く宝の玉を追い、それを手に入れたいと願う投資家は、数限りがないほどである。上手に龍をつかまえることができれば、たちまちのうちに巨万の富を築くことも決して夢ではない。うっかりすれば大金を失う危険を秘めているとはいうものの、世界の投資家にとってこれほど効率のよい資本市場はない。
 株式相場は、一種のバクチである。ただ、「丁か半か」を迫るサイコローバクチと違って、浮き沈みの続く波動をじっくり見つめて、かつ、時を計っていけば、必ず勝利を得られる「確実性」が保証されている。戦後の株式相場の足どりをダウ平均株価や個々の銘柄のチャートをたどってみると、このことは一目瞭然だ。経済が成長し、GNP(国民総生産)が膨張し続けてきたからである。
 二度にわたる石油危機以後、日本ばかりでなく、欧米諸国の経済は、安定成長の段階に入ったものの、成長・膨張のエネルギーが失われたわけではない。それどころか、IC(集積回路)やロボット、バイオテクノロジー、新素材などの先端技術の研究・開発をテコに、産業構造が大きく地殼変動を起こし、各国経済は、猛スピードで変貌しようとしている。ワットの蒸気機関に象徴されるかつての産業革命とは比べものにならない人類史上、最大規模の革命が起きているのだ。
 米国に次ぐ経済大国になった日本は、自由主義陣営のなかで、。カネ持ち国”のひとつとしての責任と行動を求められている。貿易摩擦に典型的にあらわれているように、大国としてのビヘイビア(行動)、立居振舞いをしなくてはならなくなっている。「輸出の拡大」から「外国製品の輸入促進」へと貿易政策も百八十度の大転換を余儀なくされ、「内需振興政策」の展開によって、国民や各企業のエネルギーを国内で処理することが国際的に要求されている状況にある。
 こうした時代の変化期に当たって、株式投資の発想の仕方や投資戦略・戦術も、変革を求められている。既成のテクニックや発想は、もはや通用しない。もちろん、「買い」や「売り」の基本動作や先人たちによって築かれてきた原則やルールが根本的に変わるわけではないが、株式売買が量的にもレペルーアップし、かつ、その根底で産業大革命が進行しているという現代においては、武器の中身が変わってきている。このことをまず認識しなくては、勝負はとても勝てないだろう。
 投資資金がボリュームーアップし、情報が洪水のように次々と押し寄せてくるので、投資家としては自分の立っている座標軸をしっかりと見定め、ジャイロスコープで計測しながらよほど上手に投資の(ンドルを操作していかないと、大気流に飲み込まれてしまう。
 本書は、株式市場の最前線で日々、真剣勝負を続けている株式のプロの持っている発想の秘密や投資の極意を探究したものである。いずれも血みどろの戦いのなかで掴んだり、編み出したりしたものばかりである。相場という大河の流れや情報洪水に翻弄されないで、普通の投資家が、株式によって大儲けするための貴重なヒントやテクニックが珠玉のように散りばめてある。勝つために、ぜひフルに活用していただきたい。

 昭和六十一年四月
                                   板垣英憲



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