日本と世界の政治経済の本質を読み解く

アメリカ政府が認定した当然のこと
04/04 12:15

在日アメリカ大使館が、日本政府の新型コロナウイルスに対する検査不足を指摘し、日本では有病率を正確に把握するのは困難、医療制度が機能するかどうかわからないと指摘して、日本に滞在する米国人にただちに帰国準備をするよう呼びかけています。そうアメリカ大使館がメッセージを出していることを以下のように国際ジャーナリストの高橋浩祐さんがブログで指摘していて、実際、以下のように米国大使館のウェブサイトに掲載されています。


「在日アメリカ大使館、日本の新型コロナ検査不足を指摘『有病率を正確に把握するのは困難』」(2020年4月3日 高橋浩祐さん)

「Health Alert – U.S. Embassy Tokyo (April 3, 2020)」(2020年4月3日 在日米国大使館)


高橋さんのブログでは以下の文からはじまります。


在日アメリカ大使館は4月3日、日本に滞在するアメリカ国民に対し、帰国を強く促す文書をホームページ上に掲載した。その中で、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘した。同盟国のアメリカから、日本の検査不足が指摘される形となった。


高橋さんについてはこれまで存じ上げてはいませんでしたが、国際ジャーナリストという肩書きで、ブログの他の記事を観れば防衛関係を専門にしていることがわかります。そのような方が、「同盟国のアメリカから、日本の検査不足が指摘される形となった」と表現されているのですから、それは非常に大変なことであり、ものすごい意味があります。
私も防衛関係を歩いてきた人間ですので、高橋さんのこの指摘は正しいと考えます。そして、日本人の安全保障において最大の障害は日本政府(安倍政権)と米国が言っているのに等しいというのが、この在日米国大使館のアラート(警告)なのです。もちろん、私もそう考えています。
そして、在日アメリカ大使館がこのようなアラート(警告)を出す理由が、高橋さんのブログに以下のようにわかりやすく書かれています。


そして、アメリカとヨーロッパに比べて、日本の感染者数が比較的少ないとした上で、「幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」と指摘している。
さらに、「今日の日本の医療制度には信頼がおけるものの、新型コロナの感染増加によって、今後数週間にわたり、その制度がどのように機能するかを予測することが難しくなっている」と述べた。感染者数の急増によって、持病を抱えるアメリカ国民がこれまで日本で慣れ親しんできた治療を受けられなくなる恐れを示している。


まあ、その通りでしょう。日本医師会の釜萢理事や京都大学の山中教授が日本政府の対応に懸念と警告を発していますが、それと同じことを米国政府も言っていると言うことなのです。そして、米国政府は在日米国人の命と安全を守る必要と義務があるので、このような警告を発するわけです。すでに日本は米国本土より危ないと言うことなのです。残念ながら日本人の安全と命・健康を守る政府は存在しないのです。少なくとも現在は。ですから、本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(2020年4月4日)に以下のように書いたのです。


だから、必要以上に不安を煽らず、行政(政府)に正確な対処をするように促し、指導し、世の中から絶望を排除するようにしなくてはなりません。そのためにも政府が正しい施策をするように促し、指導しなくてはならないのです。それが主権者国民がすべきことです。そして、行政(政府)がそうしないなら徹底的に権利を行使し、戦うしかないのです。


そして当然、このような日本を米国が信用するとは到底思えません。米国が信用しなければ、日本を信用する国は一体どこにあるのでしょうか? 中国、韓国、ロシアは皆、信用していません。台湾とて同じでしょう。それなら安倍政権の日本は東アジアで完全に危険なほど孤立していると言うことなのです。このこととこのことの危険性は数年前からずっとザ・フナイの連載などで指摘してきました。

「『このままでは手遅れに』iPS山中教授が強い危機感」(2020年4月2日 テレビ朝日)

以下のブログや記事に関連して書いたように、韓国と同じように早め早めのPCR検査と簡易でも隔離ということをしっかりとしていれば、日本での新型コロナウイルス感染拡大を早期に収束をさせることができたのです。上述の米国や山中教授の警告も必要なく、むしろ、日本は世界から賞賛・信頼される国になっていたことは間違いないのです。
これまで書いてきたことを裏づけてくれたのが、この米国大使館の警告なのです。1日早く動けば、1日以上早く収束し、被害は軽微で済み、1日遅く動けば、1日以上遅くなり、大変な被害が出るというのが、この新型コロナウイルス対策の本質です。日本政府はこれまでまったくといって良いほど動いてきていませんし、現在もまだ動こうとしていないのです。呆れるばかりです。
テレビ番組ではテレビ朝日『モーニングショー』がずっと一貫して正しいことを述べてきています。岡田晴恵白鳳大学教授やテレビ朝日の玉川徹さんなどはしっかりとした正しいことを指摘してきていますが、その発言・指摘などが正しかったことをこの米国大使館の警告は証明しているのです。
しかし、それほど正しい指摘に対して、これまで厚労省・日本政府・安倍政権、そして自民党系など右翼は、その正しい指摘に圧力をかけ続けてきたわけです。以下のようにリテラではそのことがしっかりと書かれています。リテラもしっかりと正しい指摘をこれまでしてきた、大変に素晴らしいメディアです。そして、一方で右翼とはろくなものではないということが、このアメリカ大使館の警告で、まさにはっきりしたわけです。

リテラの記事
「自民党がまた『モーニングショー』に圧力! 内閣府政務官の和田政宗が青木理発言に『事実でない』と噛みつくも嘘は和田のほうだった」(2020年4月3日 リテラ)
「検査拡大を訴える大谷クリニック院長が『モーニングショー』から消えた! 上念司の卑劣”デマ”攻撃、検査不要派とネトウヨの電凸が」(2020年3月17日 リテラ)
「厚労省が『モーニングショー』に続きCNNにイチャモン! 官邸の「言論弾圧」指示で日曜夜にわざわざツイート」(2020年3月10日 リテラ)
「官製デマによる『モーニングショー』一斉攻撃はやはり安倍官邸の命令だった! コロナ対応批判封じ込めで官邸幹部が指示」(2020年3月8日 リテラ)
「安倍政権がコロナ対応よりも言論弾圧に必死!『モーニングショー』や岡田晴恵教授を標的、デマと詐術を駆使して批判を封じ込め」(2020年3月7日 リテラ)

「厚労省SNSが『ドライブスルー検査』を“医師の診察がないから感染拡大”とフェイク拡散! 韓国もドイツも医師が診察」(2020年3月15日 リテラ)

本ブログなど
本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(2020年4月1日)
本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(2020年4月4日)

「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(2020年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)

日本の実数・実態の考え方 日本は実数の10倍と考えるべき
以下のサイトに厚労省がまとめた各国の新型コロナウイルス感染者数と死亡者数が掲載されています。
4月3日時点では、日本の感染者数は2617人、死亡者数は63人です。一方、韓国は感染者数は10062人、死亡者数は174人です。韓国はすでに2月29日に新たな確認された感染者の数はピークを迎えて、一方、日本はそれが今どんどん伸びて、まだピークに至っていません。
日本の人口は約1億2680万人で、韓国は約5150万人です。韓国の人口は日本の40%です。
このような数字を基に、日本の感染者数と死亡者数を10倍にして、この日韓の人口比であわせてみると、韓国の感染者数は10468人、死亡者が252人になるのです。
驚くほど近い数字になるわけです。したがって、日本の実数・実態は少なくとも発表されているものの10倍と考えるべきなのです。PCR検査などがしっかりと行われるまではそう考えるのが妥当と考えます。
3月28日の安倍首相の記者会見で、日本の数字は2週間前の状態と言っています。したがって、上記の簡単な計算で出てきた韓国の数字は2週間後のものとも言えます。そして、もう一つ特筆すべきは、毎日、日本では新に認識された感染者数がどんどん伸びていますから、現在の日本の状態はものすごく悪いと言うことなのです。だから、米国大使館の警告となるのは至極当然、当たり前なのです。普通のことなのです。そして、以下の日刊ゲンダイの記事もきっと参考になるでしょう。

「100万人を突破、死亡者5万人超に: 世界の新型コロナ感染者数(随時更新)」(2020年4月3日 nippon.com)

本当に極めて危険なのが、現在の安倍政権の日本であるのです。殺人的です。2月18日に神戸大学の岩田教授がクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』内を恐ろしいほど危険と指摘していますが、それと同じなのが現在の日本なのです。それなら、米国政府が米国民に帰国の警告を出すはずなのです。

「隠れコロナか 東京都で『インフル・肺炎死』急増の不気味」(2020年4月2日 日刊ゲンダイ)
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