日本と世界の政治経済の本質を読み解く

兵庫県知事選 選挙期間中に『個人のボランティア』と確認しているのだろうか?
11/28 22:44

兵庫県知事選のサイトウ・PR会社社長問題において、SNSなど選挙期間中の女性社長の活動について、その女性社長本人は『そのような仕事を、東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです』(2024年11月26日 NHK)と会社の活動であると『選挙後』に言っています。一方でサイトウ側はそれは『女性社長個人のボランティア』と主張しています。また、9月29日、この両者は会合を開き、サイトウ側はポスター制作などについて話し合ったと主張しています。この3点を考えると、1つのポイントが見えてくるのではないでしょうか?

・ 『兵庫 斎藤知事 知事選で支援のPR会社への支払い内訳明らかに 』(2024年11月26日 NHK)


サイトウ側の主張を考えると9月29日の会合で、ポスター制作などについて話し合い、最終的に発注しています。これは公職選挙法違反ではないという見解をサイトウ側は示しています。
そして、選挙期間中、この女性社長はサイトウが演説をしているとき、同じ街宣車の上に乗り、撮影などをしているところが、確認されています。つまり、選挙期間中、女性社長とサイトウとの接点は確実にあります。サイトウにとってこの女性社長は取り引き経験がある知り合いで、不審者ではなく、また女性社長が勝手に街宣車の上に乗ったわけでもありません。もし、不審者であったり、サイトウの演説中にこの女性社長が勝手に街宣車の上に乗っているのなら、当然、候補者本人、もしくはサイトウ選対の人々が引きずり降ろすでしょう。
つまり、この女性社長はサイトウの了解のもと、街宣車に乗っているわけです。
この女性社長が行なったと主張する選挙中のSNSなどの活動について、ポスター制作などと同じように会社によってなされると、問題となるということをサイトウ側が認識していることは『選挙後』の発言で確認できます。だから、女性社長の選挙中の活動を『個人のボランティア』とサイトウ側はしきりに言うわけです。
ただ、それは選挙後の話し。この女性社長の公表があった11月20日以降のお話しなのです。
では、選挙中はどうであったか? 女性社長が『選挙後』に『そのような仕事を、東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです』と公表していますから、現状で言えることは、選挙期間中、少なくともサイトウ側はこの女性社長に『あなたの活動は個人のボランティア』とは確認していないと言う結論になります。そして、この両者間で、この女性社長の活動は『個人のボランティア』という意思統一もなされていないという結論にもなります。
この女性社長の記述を素直に受け取るのなら、サイトウ側は選挙前及び選挙期間中に、この女性社長に、この女性社長の選挙中の活動は『個人のボランティア』ということを確認していません。そして、このことから、選挙期間中、『個人のボランティア』という認識もサイトウ側にはなかったと言う可能性が極めて高くなります。
どうして、そう言えるのか? それは、このことを確認し、意思統一をすることは、公職選挙法違反などに関わり、サイトウ側の政治生命にかかわることを意味するからです。選挙後の11月20日の女性社長の公表の後、サイトウ側がこの女性社長の選挙中の活動を『個人のボランティア』と必死に主張するのは、このポイントがサイトウの政治生命に関わるという認識がサイトウ側にあるからでしょう。
ですので、本当にこの政治生命に関わる認識がサイトウ側に選挙期間中にあれば、当然その期間中、サイトウ側はこの女性社長にその活動を『個人のボランティア』ということを確認し、両者間で意思統一をしているのは、当たり前のことなのです。
しかし、現状、そのような当たり前のことがあっということは、サイトウ側は何一つから示さず、何一つ立証もしていません。
この女性社長の『公表』を素直に受け取れば、選挙期間中、サイトウ側にこの女性社長の行動が『個人のボランティア』という認識はなかったということが実相と考えます。現状、女性社長の公表した内容の方が、様々な部分で辻褄が合うのです。
上記のことが、今後の1つのポイントになる可能性があると考えます。
コメント一覧

コメントを書く
片桐勇治(政治評論家)さんブログTOP

ブロくるTOP
(c) 2024 KURUTEN
All right reserved