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〔助太刀兵法4〕 おとよの仇討
[【時代小説発掘】]
2010年8月14日 13時33分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法4〕 おとよの仇討 
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
江戸へ出た三人は、敵に罠を仕掛けるが、はたして首尾よく仇がうてるかどうか。

・・・・真剣で人を斬る場合、重要なのは右手より左手である。刀の柄は、右手を前にして握るが、固くしっかりと握る左手指にくらべ、右手指は生卵を握るごとくゆるやかに握れ、と言われている。そして抜き討った刀の物打ち(刀の先端から十五センチほどの部分)が相手の体に斬り込んだ瞬間、手の内を引き絞り、存分に斬りおろす。右手は、遠心力をもって刀を振りおろすまで、刀身の刃先が正確に相手の肉のくい込むため、角度をきめる梶の役割をする。
 これを、刃筋を立てるという。刃筋が立っていなければ、剣が躰に当たっても、着物や皮膚の表面を削ぐだけで刃先は滑り、体を切断したり致命傷を与えることは出来ない・・・・(本文より)

【プロフィール】:
花本龍之介。尾道市生まれ。居合道・教士七段。現在逗子に居住している。

これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中 

猿ごろし

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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法4〕 おとよの仇討 
花本龍之介 



一  本所松阪町
 
 両国橋は、幅四間(約七メ―トル)長さ九十六間(約百七十二メ―トル)の、江戸で有数の大橋である。万治二年(一六五九)の架橋当時、大川(隅田川)は武蔵国と下総国の境いになっていたため、両国橋と名が付けられた。橋の両側にある広場は初め火除け地として設置されたが、西詰の〔両国広小路〕は浅草奥山、上野山下に並ぶ江戸最大の盛り場だった。
「どうだ、おとよ。大変な人出だろう」
 両側に建ちならぶ芝居小屋、見世物小屋、軽業小屋の間の大通りを、両国橋にむかって歩きながら、飛十郎はおとよと善七の顔を見た。
「えらい人だけど、きょうはお祭りかね」
 おとよのすぐ横を、駕籠屋が追い抜いていったかと思うと、前から荷を積み上げた大八車が車輪をきしませながら引かれてくる。
「は、はは、いつもこうだ。祭りでもあれば、ろくに歩けなくなる」
 見世物の呼び込みの声がやかましく聞こえれば、川岸に並ぶ水茶屋からも男たちを呼び止める茶汲み女の色っぽい声が聞こえてくる。
「波屋は、あまり驚かぬようだな」
「てまえは若い頃、江戸にいましたので、このあたりにはよく遊びにきました」
 おとよが足を止めて、一軒の店を指さした。
「あの〔土弓〕と書いてある店はなにかね」
「矢場だ。小さな弓で、的を射って遊ぶところだ」
「ふうん。じゃ、あれは」
「講釈師の小屋だ。昔の合戦や豪傑たちの武勇伝を、客に語って聞かせて銭をとる」
 何を見ても、おとよは面白いらしい。
「さあ、両国橋へきたぞ。橋を渡ればすぐ回向院だ。その裏が安達屋のある松阪町だぞ」
 橋の上を、挟み箱を持った中間・小者を従えた侍が、しかつめらしい顔で渡ってくる。女中を連れた商家の女房が、小坊主を連れた僧侶とすれ違う。笠をかぶった物売りが行く。道具箱を肩に乗せた大工や左官が、職人らしいきびきびした足取りで歩いて行く。かと思えば、古びた単衣の着流しを尻からげして刀を落とし差しの御家人が、大きな風呂敷包みを抱えて急ぎ足で広小路にむかって歩いてくる。その雑踏をぬって、鈴を鳴らしながら飛脚が走る。すぐ後を腹掛け一つに裸足の子供たちが、棒を振って追いかけていく。
「もういけねぇ。目がまわるよ」
 橋の欄干を握って、おとよは目を閉じた。
「どうした、おとよ。だいじょうぶか」
「人込みに酔ったようですな。無理もございません。てまえでさえ、頭がくらくらしてまいりました」
 善七はそういって、江戸湾のむこうに沈む真っ赤な夕陽と、夕焼け雲を見上げた。
「やはり、日本橋から駕籠にすればよかったかな」
 しばらくしゃがんだまま、足元を流れる大川を行き来する屋根舟や屋形舟、荷船や猪牙舟を眺めていたおとよが顔を上げた。
「そんな、もったいねえよ。近くまできてるんだろ。もう平気だ。さあ、いくぞ」
 おとよは立ち上がると、雑踏の中を回向院のある元町にむかって歩きはじめた。


二  助太刀兵法


 夕焼けの空が、鮮やかな藍色に変わり、それが濃紺となって、びっしりと建ち並んだ商家の軒下の角行灯が明るくまたたきはじめる頃、入江町の時の鐘が本所の町に響き渡っていった。
「暮れ六つの鐘とともに、お帰りでございますな。早船さま」
 安達屋の奥座敷でくつろいでいた三人の前に、藤兵衛がにこやかに笑いながら顔を出した。
「藤兵衛、これが日の出屋のおとよ。こっちが波屋の善七だ。よろしく、たのむ」
 おとよは、膝の上に両手を置くと、固い表情でこくりと頷いた。
「ほう、いい目をしていなさる。利発そうな娘さんですな。おとよさん、いま夕餉の支度をさせておりますが、その前に湯に入られたらいかがです。旅の疲れがとれますよ」
 顔を赤くすると、おとよは困ったように飛十郎を見た。
「そうさせてもらえ、おとよ。まず風呂に入って汗を流したあと、めしだ。そのほうが気持がいい」
「湯殿は二つございますから、善七さんもどうぞ。すぐに案内させましょう」
 藤兵衛は立ち上がると、飛十郎を見た。
「早船さまは、ちょっとこちらへ。お話したいことがございます」
 広い廊下へ出ると、飛十郎は藤兵衛の居間へ入っていった。
「まずは鎌倉・化粧坂の助太刀、見事につとめられたそうで、おめでとうございます」
 唐木(からき)の飾り棚に置いた、蒔絵の手箱の中から紙包みを取り出すと、飛十郎の膝の前に置いた。
「後金の十両でございます。おあらため下さい」
「うむ、かたじけない。おれは藤兵衛を信用しているからな、あらためる必要はない」
 手の上に金包みを乗せて、重みを味わうようにすると、飛十郎はふところの中にいれた。
「木村信吾はどうしている。あい変らずか」
「あのお方は、書物の虫でございますからな。あちこちの書物問屋へいっては、助太刀料で買いあさっておられるようで。いまに部屋の床が抜け落ちるのではないかと、皆が噂をしております」
「は、はは、そうか。いかにも、あやつらしい」
「それにしても、このたびの仇討、むずかしゅうございますな」
「書状を読んでくれたか」
「はい。あらましのことは心得ましたが、なにせ相手が関東取締出役でございます。食禄は三十両五人扶持と低うございますが、旗本ですからな」
「相手が悪いか」
「悪うございますな。幕臣と町人のもめごと、となれば町奉行所はおろか、お寺社も評定所も旗本の味方。けっして、てまえども町人に肩入れはしてくれませぬからな」
「どうした藤兵衛。いつもに似ず、弱気ではないか」
「ですが早船さま。うかつに騒ぎたてれば、この藤兵衛をはじめ全員が、闇から闇へ葬(ほうむ)られかねませぬぞ」 
 行灯の中の油皿の火が、ゆらりと揺れると、藤兵衛の顔の影が動いた。
「策は立てている。けっして幕府にもみ消しにさせぬ手だてを考えている」
「ほう、どのような策でございますか」
「まず、目明しの竹虎を江戸へおびき寄せ、八州廻りの川村と一諸になったところを、一気に討ち取る」
 刀を抜いて斬る手真似をして見せると、飛十郎はにやりと笑う。
「簡単におっしやいますが、危険なのはその後でございますぞ。なにしろ斬るのが関東代官所の役人と、藤沢宿の十手をあずかる目明しですからな。へたをすれば、たちまち奉行所の手に捕らえられて、牢の中で密(ひそ)かに抹殺されてしまいますぞ」
 藤兵衛の顔の影が、ゆらりと動く。
「そうはさせぬように、おとよの仇討は、江戸で一番人出の多い場所でやる」
「いったい何処でございます、早船さま」
「両国橋の上だ」
「なるほど、あの橋の両側は、たしかに江戸で最も人の多い盛り場。斬り合いとなれば、どっと人が押し寄せましょうが、それでも御公儀が武家の面目を守るために、早船さまとおとよさんと善七さんの三人を、無理押しに引っ捕らえて、人殺しの下手人として処刑したらどうします」
「そう悪いほうにばかり考えるな、藤兵衛」
 顎をこすりながら、飛十郎はにが笑いを浮かべた。
「いいえ。悪いほうに悪いほうに考えて、手を打つのがこの安達屋の役目でございます」
 藤兵衛が、きっぱりした口調で言い切った。
「よし。では言おう。幕府がどのようにあがこうと、もみ消すことが出来ぬよう仇討をしおえると同時に、江戸中に瓦版をまく」
「ふうむ。さようで、瓦版を……」
 思わず藤兵衛が、ため息のような声をもらした。
「そうだ。女郎殺しと、江の島での心中にみせかけた、おゆきと若い旅の男の殺害。八州廻りの役人と藤沢宿の目明しの罪状をすべて書いた瓦版を、江戸中の盛り場にばらまくのだ。いかに幕府でも、闇に消すことはできまい」
 聞いているいるうちに、藤兵衛の目が行灯の明りに照らされて、きらりと光りだした。
「なるほど、さすがは早船さま。そいつは、うまくいきそうですねえ。懇意にしている瓦版屋もおります。明日にでも話を通しておきましょう」
「うむ。善は急げというからな。瓦版のほうは、よろしく頼む」
「よろしゅうございます。ですが早船さま、このたびの仇討、いったい助太刀料はいくらで引き受けなさいましたので」
「ちと言いにくいのだがな、二百文だ。もっともまだ前金の百文しか貰ってないが」
「やはり、そうですか。どうせ、そんなことではないかと思っておりましたが」
「いや、面目ない」
 無精髭をこすりながら、飛十郎は天井を見上げた。
「あまり金のことはいいたくありませぬが、瓦版の費用(かかり)だけでも相当かかりますぞ。そのほかに目役の伊蔵にも、すでに関東代官所のある御用屋敷の中をさぐらせておりますし。これとて、ただ働きというわけにはいきませぬ」
 藤兵衛が、しぶい顔をする。
「しかたがない。これを使ってくれ」
 ふところに手をいれると、飛十郎は助太刀料の後金として受け取ったばかりの十両を、畳の上に置いた。
「では、七両だけ預からせていただきます。酒代も必要でございましょう」
「ありがたい。礼をいうぞ、藤兵衛。全部もっていかれたら、どうしょうかと思っていた」
「それにしても、命がけの助太刀料が二百文とは。あいた口がふさがらぬとは、このことでございます。これからは、もうこのようなことはおやめいただきませぬと」
「だがなあ、藤兵衛。おれが助太刀屋を引き受けたのは、金のためでもあるが、それだけではないのだ」
「どういうことでございます」
「藤兵衛も知っていると思うが、おれは助太刀を、人を助ける剣と考えているのだ。その考えを広げていけば、仇討のためだけではなく、困っている人たちを助けるのも、すべて助太刀ではないか。と思うのだ藤兵衛」
「人助けの剣、でございますな」
「たしかに、おとよの仇討の助太刀は商売にならん。ならんどころか七両の持ち出しだ。だが、損して得を取れ、という言葉もある。おれは商売にならん助太刀があってもいいのではないか、と思っているのだ」
「まったく、早船さまには、かないませぬな。ですが、金がなくては出来ぬ助太刀もございますぞ」
「それはそうだが、金がなくてもおれはこれまで生きてきた。いろいろと生きるための兵法を使ってな」
「ははあ、生きる兵法でございますか」
 藤兵衛は腕を組むと、感心したように首を振った。
「そうだ。おとよの仇討でも助太刀をするために、おれは知恵をしぼって、策略という兵法を使った。これすなわち、助太刀のための兵法だ」
「つまり、助太刀兵法ですな」
 飛十郎を見ながら、ぽんと藤兵衛が手を打った。
「仇討の旅は、人生とよく似ていると思わんか藤兵衛。どちらも長くてつらい旅だ。助太刀があれば、まことに助かる。俺にとっての助太刀は、酒だ。早く会いたいと思っているのだが、なかなか会えない」
 そう言って、飛十郎は頭をかいた。
「は、ははは。これは、てまえとしたことが、うっかりしておりました。すぐに酒と肴を運ばせましょう」
 笑いながら出て行った藤兵衛が、すぐに居間へ引き返してきた。
「さきほど、藤沢宿の竹虎を江戸へおびき出すとおっしゃいましたが、早船さまのことだ、もう手はうってあるのでしょうな」
「おう。八州廻りの名で、書状を出しておいた。前にゆさぶりはかけてある。竹虎のやつ、読むなり東海道をすっ飛んで、江戸へ出てくるだろう」
「さすがでございますな。で、その書状はどこからお出しになりました」
「うむ。高輪の大木戸へ着いたとき、おとよと善七を赤穂義士ゆかりの泉岳寺へ、仇討本懐の祈願に行かせ、おれは茶店で一杯やりながら、そのひまに書状をしたためたのだ」
 飛十郎がそう言ったとき、女たちが酒と肴の膳を二つ持って居間に入ってきた。
「珍しいではないか。仕事中なのに藤兵衛も呑むのか」
「はい。おとよさんの仇討の筋道も、ほぼつきました。ちと早うございますが、祝い酒のつもりで、てまえもおつき合いに呑ませていただきます」
 満足そうに頷ずきながら銚子を取り上げると、藤兵衛は飛十郎の盃に酒をつぎはじめた。


三  捨て身弁天

  
 次の日……。 
 朝餉を終えた飛十郎、おとよ、善七の三人の前にあらわれた藤兵衛は、軽く咳払いをすると、手に持った紙を見ながら、おもむろに口を開いた。
「では。ただいまより早船さまと、てまえが相談しておきめした、おとよさんの仇討の手順を、お話しいたします」
 藤兵衛は顔をあげて、一同を見廻した。飛十郎は、あい変わらずふところ手のまま、床柱に背中をもたれて、開け放った障子のむこうに見える広い庭を眺めている。おとよと善七は、緊張した顔で膝の上に両手を置いて、藤兵衛の次の言葉を待っている。
「まず波屋善七さんには、これよりただちに高輪大木戸に出むいていただき、竹虎とその子分たちの江戸入りを見張っていただきます。善七さんは、あの目明しの顔を見知ってるということですな」
「はい。藤沢宿から江の島にかけては、すべてあの男の縄張りでございます。竹虎はもとより子分たちの顔も、ひとり残らず知っております」
「けっこうですな。善七さんには見張っていただくだけではなく、その後さらに重要な役目をお願いいたします」
 善七の顔が、固唾(かたず)をのむという感じになった。
「竹虎たちを見つけたら、さりげなく跡をつけ、同じ宿屋に泊っていただきます」
「けど、波善さんがいることが竹虎にわかったら、命が危ないんじゃねえかね」
 たまりかねたように、おとよが口をはさんだ。
「それはないでしょう。今のところ、竹虎は早船飛十郎という浪人の顔しか知りません」
 藤兵衛はそう言って、飛十郎のほうへちらりと目をやった。飛十郎はそ知らぬ顔で、庭の上を飛びかう燕を見ている。どうやら庭のむこうにある茶室の軒端に、燕の巣があるらしい。
「竹虎たちは、うかつにも自分たちの手で殺害した、おゆきさんの身元を洗うことをせず、妹のおとよさんのことを見逃したようでございます。関東取締出役をつとめながら、川村小平次という男、あまり頭がいいようには思えませぬな」
「ほう。あの八州廻りは、川村小平次というのか」
 燕から目を離すと、飛十郎は初めて藤兵衛のほうをむいた
「はい。歳は二十九、北割下水の石原新町の近くに屋敷がございます。両親はもうなく、独り身だそうです。直参とはいえ、御目見得以下の御家人。無役のころは相当悪どいことをやって、本所深川の鼻つまみだったようですな。それが、どういう手蔓があったものか代官の手付きになり、さらに三年前に関東取締出役に成り上がったそうでございます」
「よくわかったな。誰が調べたのだ」
「ご存知の、目役の伊蔵でございます。あれを馬喰町にある御用屋敷にもぐり込ませたところ、たちまちのうちに調べ上げましてございます」
「伊蔵め、なかなかやるではないか。しかし御用屋敷は関八州を支配する関東代官所があるところだ。そう簡単にはもぐり込めまい。藤兵衛、どんな手を使った」
「それがさして苦労もせず、すんなりといきました。あの界隈の口入れは、この安達屋の縄張り、大小名の中屋敷や下屋敷をはじめ御公儀御用の小者・中間も、てまえどもが一手に御用達をしています」
「わかった。その先はいうな。おれが当ててみせよう。おそらくは、小者のひとりを急な病いに仕立てあげ、宿下がりをさせた穴に伊蔵をもぐり込ませたのだろう。どうだ藤兵衛、ちがうか」
 ふところ手を袖から抜き出すと、無精髭をこすりながら、飛十郎は藤兵衛の顔をうかがった。
「は、はは、恐れ入りました。早船さまのご推察の通りの段取りで、伊蔵を御用屋敷へ送り込みましてございます」
「ならば伊蔵は、今だもって関東代官所の小者になりすまして動いているわけだな」
「さようで」
 藤兵衛は頷ずくと、手にしていた紙に目を落とした。
「さて、首尾よく竹虎と同じ宿に泊まることができましたら、善七さんにはさらに重い役割が待っております」
 善七が、ごくりと喉を鳴らした。
「偶然をよそおって、竹虎に話しかけていただきたいのです」
「べつに臆病風に吹かれたわけではありませぬが……。どうも、わかりませぬな。どうしてそんなことをするのか」
 首をかしげた善七の唇が、血の気を失っている。
「よし、藤兵衛、それから先はおれが話そう。おれが考えたことだからな」
 紙がすり切れた渋扇を、ぱらりと開くと、飛十郎は胸元に風を送りはじめた。
「なに、さほどむずかしいことではない。宿へ入ったら、江戸見物にきたとかなんとか適当なことをいって部屋をとればよい。竹虎は、昼間は川村小平次に会いに関東代官所へ行くだろうが、朝晩は宿屋にいるはずだ。子分の誰でもいい、湯殿あたりでばったり顔を合わした振りをして、おや、とんだ所でと話しかければよいのだ」
「それはわかりましたが。早船さま、いったい何を話せばよいので」
「おとよと、早船という浪人者のことを話すのだ。両国の盛り場を見物していたら、橋を渡った先の垢離場のあたりで、日の出屋のおとよと出会ったといえばよいのだ」
「だ、大丈夫ですか、そんなことをいって」
「ふ、ふふ、心配するな善七。おとよは死んだおゆきの妹で、姉の仇討をするために八州廻りの川村小平次をさがしに江戸へ出て、そばに早船飛十郎とかいう浪人がついていた、といってやれ。竹虎のやつ真っ青になって関東代官所へ飛んでいくぞ」
「そのあと、あのふたりは、どう動きますかな」
 藤兵衛が身を乗り出す。
「足元に火がついたようなものだ。あわてふためいて、おれとおとよを捜しにかかるだろうよ。善七、猟師が獣(けもの)を狩る方法を知っているか。罠を仕掛けて、そこに餌を置くのだ。この仇討の餌は、おとよとおれだ。そして仕掛ける猟師が、善七おまえだ」
 飛十郎の言葉を聞く善七の顔が、興奮して赤くなった。
「よいか、無念をのんで死んだ、おゆきをはじめとする三人の恨みを忘れてはならぬ。おのれの欲望のために平気で人を殺す、川村小平次と竹虎のような人間の顔をした獣を狩るには、この方法しかない。しっかりたのむぞ、善七」
「ま、まかせてください、早船さま。この波屋善七、なにがあろうと命がけでやってのけます」
 さっと立ち上がると、善七は震える拳を握りしめて、高輪の大木戸めざして飛び出していった。
「ちと薬がききすぎたかな、藤兵衛」
 頭をかきながら、飛十郎は善七の後ろ姿を見送った。
「波屋さん、だいぶ血相が変わっておりましたな」
「いいや。あれでいいんだ。波善さんはいい人だけど、気が弱いとこがある。ひとつ間違えれば殺されるかもしれねえ危ない仕事だから、怖がるのも無理はねえが。びくびくしていたら、竹虎たちによけい疑われる。思い切って、やったほうがいいんだ」
 きっぱりと言い切るおとよを見て、藤兵衛と飛十郎が顔を見合わせた。
「おらだって、姉ちゃんの恨みを晴らすためには何でもやる。さあ、早船さん、おらたちも出かけよう」
「出かけるだと。どこへ行くんだ、おとよ」
 渋扇を動かす飛十郎の手が止まった。
「きまってるでねえか。波善さんが、おらたちに会ったという垢離場だよ。竹虎も、まんざら馬鹿じゃねえ。小平次に話したあと、本当かどうか調べに来るかもしれねえだろ」
「ふむ。こいつは恐れ入った。藤兵衛、おまえはどう思う」
「あるでしょうな。竹虎は目明しだそうですから」
「よし。では回向院と垢離場のあたりを、おとよと一諸にせいぜい目立つように歩きまわってくるか。善七が竹虎に疑われては、かわいそうだからな」
 飛十郎は立ち上がると、刀を帯に差した。
「しかし、たいしたものだな、怖くはないのか、おとよ」
「相手は幕府の役人と十手持ちだ。それに人数も多い。怖いのが当たり前だろ。返り討ちになることも、あるというじゃねえか」
「そうだ。討たれるほうも必死だからな。返り討ちも、当然ある」
「おらも人間だ。怖くねえわけがない。早船さんは侍だから、怖くないかもしれねえけど」
「いや、おれも怖い」
 無精髭をひとこすりすると、飛十郎は藤兵衛の顔を見た。
「もちろん、てまえも怖うございます」
「そうだろ。普通の人間なら皆んなそうだ。討つか討たれるかは、紙一重だ。いざ斬ろうって時に、足を滑らせて斬られる。仇討っていうのは、そんなものだと、おらは思っている。だけど、おらはもうなにも心配してねえ。かならず勝てると思ってるよ」
「ほう。なぜそう思う、おとよ」
「捨て身だからだよ。江の島を出る時、おらは弁天さまに願をかけたんだ。仇討ができたら、命を取られたって、いっこうにかまわえねって。それに、おらは捨て身になった人間ほど強いものは、この世にねえと思ってるんだ」
 晴れ晴れとした顔になると、おとよは細い肩をそびやかすように上げて、座敷から出て行った。
「ふ、ふふ、捨て身ときたか。藤兵衛どうやら、おれたちの中で覚悟が一番ができているのは、おとよのようだな」
「まことに、そうでございますな」
にが笑いをすると、飛十郎は藤兵衛と肩を並べて、おとよの後を追うように、廊下を店にむかってゆっくりと歩き出した。


四   策略瓦版
 

 仇討の朝。江戸は、からりと晴れあがった。
 両国橋の太い木の欄干に寄りかかって、飛十郎は雲ひとつ見えない青空を見あげた。その空を、羽根の白い海鳥が、さっと横切って水面にむかって舞いおりていく。
 蔵前の幕府・御米蔵から出た何十艘もの御用船が、米俵を満載して下流へむかって急いでいる。酒樽を積み上げた荷船が新大橋のほうからやってくると、飛十郎の足の下をくぐり抜けて浅草にむけて逆のぼっていく。対岸の柳橋には、船宿と料理茶屋がぎっしりと建ち並び、屋根舟や屋形船、それに吉原通いの猪牙舟がいそがしく出入りしている。
 風が強い。吹きつける川風に、飛十郎が袂をふくらませながら立っていると、町方の定廻り同心を連れた藤兵衛が、すぐ横を通って広小路のほうへ渡っていった。
「同心に知り合いがいるとは、さすがは安達屋め、顔が広い」
 俗に〔八丁掘〕と呼ばれる町方同心は、すぐにそれとわかる形(なり)をしていた。身幅の狭い黄八丈に、裾を帯に折りこんだ巻き羽織。真夏でも紺に裏白の夏足袋を履き、雪駄を突っかけて後帯に朱房の十手を差し込んでいる。髷も小銀杏(こいちょう)という独特の粋な髪形であった。
「まさか、橋止めをする気ではあるまいな」
 町方同心の重要な職務に、将軍家・御三家・御三卿および大奥女中の外出のさい、道筋の警護と前触れというのがあった。橋止めもまたその一つである。
 
文化六年(一八○七)八月、三十数年ぶりに復活された深川・富岡八幡宮の祭礼は、その賑やかさ空前絶後と評判されたが、雨のために四日間も順延した。待ちに待った晴天の日、深川八幡にもっとも近い永代橋へ、どっと群集が押し寄せた。
 御三卿のひとつ一橋家の若君・姫君が、深川十万坪の下屋敷へ祭り見物にお成りになるため、御座船に乗って橋の下をお通りになる。貴人の頭を踏んでは恐れ多いと、橋止めがおこなわれた。
 南北町奉行所の与力・同心が総出動して警戒に当たったが、それにもかかわらず永代橋が崩れ落ちた。武士、町人、女子供とりまぜて溺死する者およそ千五百余人。江戸で最大の事故だった。

「永代とちがって、この両国橋は落ちまいが……」
 つぶやきながら飛十郎が、橋板を二、三度強く踏んでいると、藤兵衛が笑いながら戻ってきた。
「なにをなさってます、早船さま。仇討はもう間もなくですぞ」
「うむ。さっきの町方同心はなんだ。知り合いか」
「は、はは、あれは偽者です。芝居者の仮装ですよ。それも、なかなかの役者でございます」
「なんだと……。きもの太い男だと知ってはいたが、安達屋おぬしは本当に大胆なやつだな」
「はい。おかげさまで、この安達屋藤兵衛、度胸のほうは江戸で一番といわれております」
「あの偽同心、いったい何に使うのだ」
「それは、まあ、後のお楽しみということで」
 ふたりの横を、江戸で棒手振りと呼ばれる物売りが、天秤棒の両側にさまざまな季節の商品を満載して通り過ぎていく。風鈴売り、金魚売り、水売りといった江戸の夏の風物詩ともいえる物売りたちが、独特な売り声を上げながら、腰で拍子をとって橋を渡っていく。
「竹虎は、たしかに宿を出たんだろうな」
「通油町の相模屋を出て、さっき馬喰町の関東代官所へ入ったと、見張りの者から知らせがあったばかりで」
「そうか。ならば、獲物は間違いなく餌に喰いついたわけだな」
「さようで、この両国橋に罠が仕掛けられているとは夢にも知らず、そろそろ代官所の門を出た頃でございましょう」
 供の槍持ちや若党をしたがえた騎乗の武士が橋を渡ってくると、御竹蔵のほうへ曲がって行く。すれ違いに、元町筋からあらわれた二挺の駕籠が、飛十郎と藤兵衛の横を通りすぎると、欄干に寄せて足を止めた。駕籠かきが客にいわれて橋からの眺めを見物するために、駕籠をおろしたように見えたが、それにしては垂れが上がらないのが奇妙だった。
「藤兵衛、あとはたのんだぞ」
 ふところ手の指を衿(えり)から出すと、首の後を掻きながら飛十郎は、ぶらぶらと駕籠にむかって歩き出した。飛十郎が駕籠の傍に来た時には、四人の駕籠かきはいつの間にか姿を消していた。
「善七、手槍は駕籠のにない棒にしばりつけてある。おれが声を掛けたら、それを取って闘え。ただし突くのは肩と腰と足だ。おまえは竹虎の動きを止めろ。川村小平次は、おれが引き受ける」
 飛十郎はそう言って、広小路の空に立ち並ぶ芝居小屋や見世物小屋の、激しく風にはためいている幟り旗を眺めた。
「とどめを刺すのは、おとよお前の役目だ。その脇差しで首か胸を突け。いいな、あわてず落ち着いてやれ」
「わかった。もし刀で駄目だったら、あいつらの喉首に喰らいついてやる」
「よし、その意気だ」
 海からの強い風を切り裂くように、燕が柳橋のあたりから飛んでくると、飛十郎と駕籠を見おろすようにして下流にむかって飛び去っていった。

 
 そのころ………。
 馬喰町の関東代官所の門から姿をあらわした川村小平次と竹虎の一行十七人は、急ぎ足で両国橋にむかっていた。
「これはまた、川村さま。大変な人出でございますな」
 浅草御門(今の浅草橋)を左に見て、馬喰町四丁目の角を曲がりながら、竹虎は小平次の引き締まった精悍な顔を、横眼でちらりと見た。
「柳原土手は古着屋、両国広小路は芝居見世物小屋と、このあたりは江戸で有数の盛り場だ。人が多いのは当たり前だ」 
 吉川町と下同朋町、ふたつ並んだ町屋筋を通り抜けると、目の前に広がるのは両国広小路である。
「人込みの熱気のせいか両国へ入ると、いちだんと暑くなる。足をゆるめようではないか。なに、相手は小娘と浪人ひとりだ。そう慌てることもあるまい」
「ですが、あの浪人者、うちの若いもの三人を、あっという間に片付けましたからな。あまり見くびらないほうが」
「は、はは、それはお前たちが剣術を知らぬからだ。おれのように子供の頃から道場で面・籠手(こて)をつけて汗を流し、外へ出れば地廻りどもと喧嘩ばかりしていれば、そやつなどたいしたことはない」
「それはまあ、あっしどもは剣術には素人ですがね」
「そんなことより、おとよと早船とかいう男は、その安達屋にいるんだろうな。代官所から十人、お前の子分が五人、総勢十五人が捕り物支度をして繰り出しているのだ。もぬけの殻では、いい笑い者になるぞ」
 強い日差しに顔をしかめながら、小平次は見上げるばかりに高い筵張りの軽業小屋を見た。
「へい。きのう本所松阪町の安達屋へ子分をさぐりに行かせました。用たしに出た小女を十手をちらつかせて脅したところ、川村さまとあっしの罪状を書いた訴状を持って、評定所へ駆け込むことになってるそうで。まったく、飛んでもねえことを考えやがる」
「まあ、それを聞いたから、おれも朋輩に無理をたのんで手勢を揃えたんだ。町奉行所なら、なんとでも押さえられるが、評定所に小娘が訴え出たとなると、あとが面倒だからな」
 暑そうな顔で汗を拭いながら、あとをついてくる代官所の手勢と竹虎の子分たちに目をやった。
「さ、もうすぐ両国橋だ。相手は相模の宿場町を荒らしまわった盗っ人と娘だ。橋を渡れば、そやつらが潜んでいる安達屋はすぐだ。くれぐれも逃がさぬようにたのんだぞ」
 そう声をかけて、小平次が先に立って橋を渡ろうとした時である。いつあらわれたのか着流しに黒紋付の紗の巻羽織、雪駄を履いた町方同心が、朱房の十手を引き抜いて、つかつかと近寄ってきた。
「お待ちください。その人数で、どちらへ行かれるのですか」
「なんだ、おぬしは」
「南町奉行所同心の、藤井岩吉郎です。ものものしいその身ごしらえは何です。まさか、どこかへ討ち入りに行かれるのではないでしょうな」
「なにを、馬鹿な」
 小平次の顔が、怒りのために赤くなってきた。
「とにかく、行き先と、ご身分・姓名をおうかがいしたい」
「関東取締出役の、川村小平次だ。御用の筋で松阪町までまいる」
「ははあ、御用ですか。それはご苦労でございます。で、そのお人は何者ですかな」
 落着きはらった態度で、藤井同心は十手の先を竹虎にむけた。
「へい、あっしは相州藤沢宿で十手をお預かりしている、虎吉というものでございます」
「藤沢宿の目明しが、この両国でいったいなにをしている」
「だからだ、さっきから御用の筋だと、もうしておるではないか」
 たまりかねて、小平次が口を出した。
「ほほう、八州廻りのお役人と宿場町の目明しが江戸でつるんで御用とは、あまり聞いたことがありませんな。どんな御用か、参考までにうかがいたいもので」
「無礼な! 町方役人が、直参旗本にむかってなんだ、その口のききようは。黙って通さねば、その分には捨ておかぬぞ」
 刀の柄を握って怒鳴ると、小平次は町方同心を睨みつけた。
「仕方がありませんな。では、あなたとこの目明しは通ってもけっこうです。あとの十五人は、ここからお引き取りください。橋止めをいたしますので」
「なに、橋止めだと。なんのためだ」
「これから両国橋の上で、仇討があるんですよ」
 平然とした顔で、藤井同心は答えた。
「ほら、読みなさい。ちゃんとこの瓦版に書いてある」
 ふところの中から瓦版を掴み出すと、小平次と竹虎に手渡す。藤井同心は、後に並んでいる配下の者たちにも、瓦版をくばって廻る。
「な、なんだ! これは………」
 川村小平次が、驚愕の声をあげた。
〔両国橋おとよの仇討〕という木版摺りの太文字が、小平次の手の中で震えている。

 瓦版の中央には、橋の欄干を背にして刀を振りかぶった娘の絵姿。白い鉢巻きに白襷、すそ短かな白帷子(かたびら)に白い帯。手甲脚絆も白で、足には白い鼻緒の草鞋を履いている。その横で手槍をかまえた男の絵姿も、同じ白装束だ。
 ふたりの仇討姿を取り囲むように、地の文が摺ってある
〔江の島の宿屋・日の出屋の小女、当年十三歳になるおとよが、稚児が淵に打ちあげられた相州藤沢宿の女郎、姉のおゆきと旅医師某の心中死骸を見て、殺害されたと知り、片瀬・洲鼻の茶店・波屋の主人善七と、二人で江戸へ出て苦心のすえ、憎い仇の川村小平次と目明し虎吉をさがし当て、本日・両国橋上で激闘数刻ののち、見事に仇討本懐を遂げたり〕

「おのれ、ふざけおって」
 瓦版を引き裂くと、小平次は怒りに真っ赤になった顔で、両国橋の上を見た。
 弓なりになった橋板の向こう側から、ひょいと飛十郎が顔を出した。ふところ手をした袖から右手を抜きだすと、小平次にむかって手を上げた。
「おい。小平次、どうした。早くこっちへ来て、その瓦版のように、おとよに討たれてしまえ。気が楽になるぞ」
「きさま、はかったな」
 小平次は、くやしげに歯ぎしりをすると、飛十郎を睨みつけた。
「こうなっちゃあしょうがねえ。川村さま、このまま押しつつんで、あいつらを返り討ちにしやしょう」
 竹虎がそう言って小平次の顔を見たとき、無言のまま瓦版を読んでいた朋輩のひとりが、けわしい顔をして歩いてきた。
「川村どの、これはどういうことだ。宿場荒らしの盗賊親子が、松阪町の商家に潜伏しているというから、われらはおぬしについて来たのだ。仇討とはなんだ。ここに書いてあることは本当なのか。事実ならば、おぬしもこの虎吉も打ち首獄門だぞ」
「で、でたらめだ。この瓦版に書いてあることは、すべて嘘だ。信じてくれ。おれが、こんなことをするはずが無いではないか」
 広小路を見物していた弥次馬たちが、なんの騒ぎかと、小平次と竹虎たちを遠巻きにして、集まりはじめた。
「とにかく、話が違う。罪人を捕縛するというから来たのだ。このような仇討騒ぎには巻き込まれたくはない。われら一同、これより関東代官所へ引き上げる。川村どの、ではごめん」
 いつの世も小役人は、わが身大事のことなかれ主義である。御用屋敷からやって来た代官所の手附け、手代、小者たちは小平次と竹虎を置いてさっと引きあげてしまった。
 藤沢宿から連れてきた子分たちも、それを見て怖じ気ずいたのか一人去り二人去り、竹虎が気付いた時には五人全員が、こそこそと群集の間に姿を消していた。
「どうした虎吉、誰もいないではないか。当てにならん子分どもだな。日頃のあつかいが、よほど悪いのかもしれんな」
「くそっ。そんなこと川村さまだけには言われたくありませんぜ。それにしても、こう弥次馬たちが多くちゃあとうてい逃げ切れねえ。どうします」
「どうもこうもない。お前が言ったように、返り討ちにするしかあるまい」
 やはり川村小平次は武士である。腹を決めると、刀の下げ緒で素早く襷をかけて、袴の股立ちを取った。
「ふ、ふふ、ようやく覚悟をしたようだな小平次。よし、おとよと善七、出てこい」
 橋へむかって歩き出した小平次を見て、うしろの駕籠に声をかける。同時に駕籠の垂れが、さっと上がって、白装束に身をかためた善七とおとよが姿をあらわした。
 さあ斬り合いが始まる、と見て橋の上を歩いていた通行人が、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。


五   激闘両国橋


「姉おゆきの仇、八州廻りの川村小平次と、目明し虎吉。きょうこそ恨みを晴らしてやる!」
 おとよの声を聞いて、広小路を埋めた弥次馬たちが、わっと声を上げた。
「おう、聞いたか。あんな娘っ子がよ、姉の仇討だとよ。えれぇもんじゃねえか。あの八州廻りと目明しが仇だぜ。早く討たれてしまえ!」
 両国橋のほぼ真ん中あたりに立っていた飛十郎の前に来ると、小平次は足を止めた。
「気の毒だがこれまでだな、小平次」
 飛十郎は、ゆっくりと履いていた草履を脱いだ。
「たかが浪人に何ができる。直参旗本の、おれに勝てると思っているのか。この馬の骨め」
 小平次も、飛十郎を見すえたまま静かに、草履を脱ぐ。白い夏足袋の先で、足場をさぐる。
「馬の骨でも、強いぞ。おれは」
 腰を沈めながら、飛十郎は左の親指を鍔(つば)に掛けると、鯉口を切って鞘をななめにかたむけた。
「居合か。おもしろい」
 善七が手槍を構えて、震えながら前へ出た。
「まて、おまえは竹虎を逃がさぬようにすればいい。小平次はおれにまかせろ。こやつ、なかなか使うぞ」
 飛十郎の声に、善七の槍先が、竹虎に移る。
「早船とかいったな。きさまも、出来るな。流派はなんだ」
 じりじりと間合いを詰めながら、小平次は歯をむき出すようにして、にやりと笑った。
「無双直伝英信流だ。おぬしのも教えてもらおうか」
「無外流!」
 叩きつけるように言って、深く腰を落とすと、間合いに踏み込むと見せた小平次が、刀を抜き上げながら斜め左前に飛んだ。抜刀一瞬、の鮮やかな変わり身の技である。
 後(ご)の先(せん)の心で、刀を抜きつつあった飛十郎が、動かずにいれば小平次の技にはまり、右脇腹の下から左肩にかけて、刀を持った右手もろとも両断される勢いで、斬り上げられたに違いない。
 ………斬られた。
 そう思って、おとよと善七は目を閉じた。それほど鋭くのびやかな、一撃必殺の力を込めた見事な太刀筋だった。誰よりも抜き討った小平次が仕止めたと感じ、血しぶきを上げて倒れる飛十郎の姿を、脳裏に浮かべていた。
 それが違った。刃風を肌に感じた瞬間、飛十郎はふわりと右に飛んでいた。あと一寸、刃先がのびていれば、飛十郎の右手は切断されないまでも、その働きを失っていたろう。右に飛ぶと同時に、飛十郎も片手袈裟(けさ)斬りを仕掛けていた。致命傷をあたえる必要はない。狙ったのは、小平次の左手が握っている刀の鯉口と帯である。片手袈裟斬りは、右の肩から胃まで斬り下げる技である。しかし、そのままでは向かい合う相手の、左腰に差した鞘の鯉口は斬れない。
 飛十郎は、垂直に抜きあげた刀の切っ先を、頭上でくるりと反転すると、小平次の体の左側面にむかって斬り下げた。正確には〔片手逆袈裟〕というべき珍らしい技であった。
 ほとんど同時に、ひゅう、と刃筋が空気を鳴らす音が二つ、あたりに響いた。
 無言で闘っていた、二人の剣客のうちの一人が、
「む」
 かすかに声をもらした。
 小平次の左手が握っていた鯉口が割れ、指と一諸に袴紐と帯が切れて下へ落ちた。
 上段に構えた刀の柄(つか)から血が流れ落ちて、小平次の顔を真っ赤に染めた。左手の指三本を失った小平次には、もう飛十郎を倒す力はなかった。
 
 真剣で人を斬る場合、重要なのは右手より左手である。刀の柄は、右手を前にして握るが、固くしっかりと握る左手指にくらべ、右手指は生卵を握るごとくゆるやかに握れ、と言われている。そして抜き討った刀の物打ち(刀の先端から十五センチほどの部分)が相手の体に斬り込んだ瞬間、手の内を引き絞り、存分に斬りおろす。右手は、遠心力をもって刀を振りおろすまで、刀身の刃先が正確に相手の肉のくい込むため、角度をきめる梶の役割をする。
 これを、刃筋を立てるという。刃筋が立っていなければ、剣が躰に当たっても、着物や皮膚の表面を削ぐだけで刃先は滑り、体を切断したり致命傷を与えることは出来ない。

「とお!」
 指三本を斬り飛ばされながら、小平次は自分の血で赤く染まった橋板の上に、倒れ込むように膝をつくと、低い姿勢のまま二撃目を打ち込んできた。
 銀色の蛇のように、しゆっと刃風を鳴らして襲ってきた白刃を飛び上がってかわしたが、残る力を振り絞った小平次の鋭い剣先は、風にふくらんだ飛十郎の袴を切り裂いていた。
 必殺の片手撃ちをかわされた小平次は、倒れるのを防ぐため血に塗れた左手を橋板についた。
「いまだ! おとよ」
 飛十郎と小平次のすさまじい斬り合いを、立ちすくんだまま茫然と見ていたおとよは、その声に目が覚めたように、はっとすると両手で刀を握り締めたまま、小平次めがけて勢いよく体当たりした。
 刀を杖に起き上がろうとしていた、小平次の左脇の下に、おとよの剣先が吸い込まれるように刺さると、肋骨の間をなめらかに滑って、何の抵抗もなく背中まで突き抜けた。
 おとよと小平次は、もつれるような形で、両国橋の上に横転した。
 広小路と向う両国の両岸で固唾をのんで見ていた、おびただしい数の群集が、どっと歓声をあげた。大川を忙しく行き来していた猪牙舟や屋根舟や荷船の船頭たちも、両国橋の仇討に気付くと片手で器用に櫓をあやつりながら見ていたが、これも小平次がおとよに刺された瞬間、船べりを叩きながら、いっせいに囃し立てた。
「よくやった」
 倒れているおとよの帯を掴むと、飛十郎は橋板の上に引き起こした。
「だが、仇討はまだ終わってはおらぬ。竹虎がいるぞ、おとよ」
 座り込んだまま、肩で息をしていたおとよは顔を上げると、長脇差を振りまわして善七の手槍と渡り合っている竹虎のほうを見た。
「よし、ここにいろ。竹虎はおれがやる」
 飛十郎は無精髭をこすりながら、竹虎のほうへ歩いていった。
「おい、竹虎、教えてくれ。きさまは、これまでに何人ひとを殺した」
「うるせえ」
「その顔では四人や五人ではないな。つかまれば、どうせ死罪だ。往生際がわるいぞ。悪党らしく、早くおとよに討たれてしまえ」
「くそっ」
 竹虎は十手を引き抜くと、飛十郎の顔をめがけて投げつけた。飛十郎は、無雑作に刀を抜くと、飛んで来た十手を払いのけた。十手は、くるくると回りながら欄干を越えて、大川に落ちていくと、川面に水しぶきを上げた。
「勝負はついたぞ。御公儀から預かった十手を、川に投げ込んでは、きさまの負けだ」
「くたばれ!」
 蒼白な顔で善七の槍を払いのけていた竹虎が、ふいに躰のむきを変えると、刀を腹の前に構えた両手(もろて)突きで、飛十郎めがけて突進した。飛十郎の胸板が刺し貫ぬかれ、欄干に激突したように見えた瞬間、素早く半回転した飛十郎は、そのまま身を寄せて竹虎の躰を、ぐいと橋柱に押しつけた。
「善七! なにをしている、早く腰を刺さぬか」
 声を掛けると、飛十郎は目にも止まらぬ速さで、竹虎の手の甲の骨を柄頭で打ち砕いた。竹虎の刀が音をたてて橋の上に落ちる。すかさず背後から、善七が手槍を竹虎の腰にむかって突き出した。
「うわっ」
 刺された衝撃で、竹虎の躰がびくんと飛び上がった。
「おとよ、とどめだ!」
 飛十郎の声に、おとよはようやく立ち上がった。
 善七の槍の穂先は、尻の分厚い脂肪を突き通すと、骨盤の固い骨に喰い込んだまま抜けなかった。
 おとよは刀を握ったまま、ふらふらと橋を横切ると、竹虎の前へ出た。
「気をたしかに持て、おとよ。姉を殺した男だぞ!」
 叱咤する飛十郎の声に、はっとおとよは気を取り直した。震える切っ先を竹虎にむけると、泳ぐような足取りで、胸をめがけて突っ込んでいった。
「ぐわぁ!」
 おとよの脇差しは、正確に竹虎の心の臓を突き刺した。
「やった」
 善七が手槍を握ったまま声を上げた。飛十郎が掴んでいた竹虎の帯から手を離すと、がくりと崩れるように竹虎は橋板の上に膝を落とした。
 鈴なりになって両岸から見守っていた群集が、わああっ、と喝采した。船頭たちも船べりを叩いていた手を止めると、竹竿を空に突き上げて振り回した。
「ようやく終わったな、おとよ」
 竹虎の胸に刀を突き刺したまま、震えているおとよの手を押さえると、飛十郎は静かに刀を引き抜いた。
 切っ先が竹虎から離れたとたん、ぴゅっと血しぶきが飛んだ。身をよけた飛十郎にはかからなかったが、おとよと善七の白装束は竹虎の血で真っ赤に染まった。
 飛十郎は振り返ると、倒れている小平次の前へ歩いて行った。
「小平次、まだ生きているか」
 呼びかけた飛十郎の声に、小平次はうっすらと目を開けた。
「ああ、まだ生きているぞ」
「そうだろうな。きさまのような男が、そう簡単にくたばるはずがない」
「は、早船……。きさま、なぜ、こんなことをした」
 小平次を見おろして、飛十郎は困ったように頭をかいた。
「雇われたんだ。二百文で、おとよに」
「なんだと」
「ふたり分だ。つまり、ひとり百文ということになる。ちと安すぎたかな」
「ば、馬鹿な」
「おれは助太刀を商売にしている。悪く思うな小平次、これは仕事なんだ」
 飛十郎は立ち上がって、広小路のほうを眺めた。渦を巻くような人の波を、押し分けながら〔御用〕と書いた高張り提灯を先頭に立てた町奉行所の一隊が、両国橋にむかって移動してくるのが見えた。馬に乗った羽織り袴の侍が、与力であろう。その侍が頭にかぶった陣笠の金蒔絵の定紋が、中天に昇った太陽を反射して、きらりきらりと輝いているのが遠目でもよく見えた。
「もう、三途の川を渡れ小平次。きさまや竹虎が殺した連中がまってるぞ」
 血だまりの中でもがいていた小平次の指が、動かなくなった。
 飛十郎は、おとよと善七の前まで引き返すと、声をかけた。
「また会おう」
「渡すものがあるんだよ、早船さん」
 おとよはそう言って、帯の間から巾着袋を取り出した。
「助太刀料だよ」
「後金の百文か」
 受け取ると、手の上で重みを計るように振る。
「ありがたい、喉が渇いてきたところだ」
「お酒もいいけど、度をこして呑んだらいけねえよ」
 大人びた顔で、おとよが言った。
「わかった。気をつけよう」
「これから、どうなさるんで」
 手槍を肩にかついで、橋に座り込んだまま、善七は飛十郎を見あげた。
「さてと……。ほとぼりがさめるまで、旅をするつもりだ」
「どちらへ」
「行き先は、まだわからん」
「お指図通り、早船さまのことは見も知らぬご浪人が、勝手に助太刀をしてくれたと、奉行所では言っておきますよ」
「たのむ」
 ふところ手をした飛十郎は、目を上げて東両国のほうを見た。芝居小屋の高い筵張りの壁の間に商家の屋根が見え、そのむこうに回向院の大屋根が見える。その空の高みで、一羽の鳶がゆっくりと輪をかいている。
「では、またな」
 大川の風に袖をふくらませて、飛十郎は歩き出した。両国橋を去っていく飛十郎を見て、弥次馬たちが橋の上に押し寄せる。その人の群れに揉まれるようにして藤兵衛も飛十郎にむかって歩いてきた。
「助太刀、お見事でございました。早船さま本懐まことにおめでとうございます」
 飛十郎の前へくると、藤兵衛は人波に押されて欄干に身を押し付けられるようにしながら頭を下げた。
「いや、おぬしの手助けがあったればこそだ。おれひとりでは、こうも手際よくいかなかったろう。礼をいうぞ、藤兵衛」
「とんでもございませぬ」
 手を横に振ると、藤兵衛は持っていた風呂敷包みの中から、真新しい草履を取り出して、飛十郎の前に置いた。
「こいつは、助かる」
 飛十郎の草履は、小平次の流した血に染まったまま、脱いだ場所にあるはずだった。
「だがな藤兵衛、長い年月のあいだ人の足で踏まれつづけて擦りへった橋板の木目は、なんともいえず柔らかくてな、足の裏に心地のよいものだったよ」
 そう言いながら、飛十郎は草履の鼻緒に足をいれた。
「瓦版のほうはどうだ」
「はい。手ぬかりなく、江戸の盛り場という盛り場に、撒きましてございます」
「ならば幕府も、もみ消すのは無理だな」
「とうてい無理でございます」
 押し寄せてくる人の波を、飛十郎は見た。手に手に瓦版を持っている。
「では、心おきなく、旅に出ることができるな」
 飛十郎がそう言った時、大川の波間からふいに魚が跳ねあがると、背鰭れと尾鰭れを威勢よくそらせ、見事な宙返りをして水の中に沈んだ。
「吉兆でございますぞ。早船さま」
 橋の欄干に身を乗り出すようにして、藤兵衛が声を上げた。
「ふ、ふふ。行く先に、いいことが待っているかもしれんな」
「どちらへ行かれるおつもりで」
「なにも、考えてはおらぬ」
「では箱根などいかがでしょう。いい湯宿を知っております」
「温泉か、それもいいな」
「箱根はよろしゅうございますよ。俗に箱根七湯ともうしまして、渓流にそった谷々に、いくつもの温泉が湧いております。そういった鄙(ひな)びた湯治場をめぐって山を登るのも楽しゅうございます」
「いいだろうな」
「もし箱根に行かれましたら、まず湯本の油屋喜助という湯宿へ顔をお出しください」
「そうさせてもらおう。湯本の油屋だな」
「はい。てまえの名をいえば、喜助は色々とはからってくれるはずでございます」
「それは、ありがたい」
「では早船さま、てまえはここで。仇討の後始末が残っておりますので」
「うむ。藤兵衛、いろいろと世話になった」
 松阪町にむかって歩き出した藤兵衛が、足を止めて振り返った。
「もし旅先で、路用の金が心細くなりましたなら、ご遠慮なく飛脚をたててお知らせください。すぐに伊蔵に届けさせますから」
「すまん」
 飛十郎が下げた頭をあげると、藤兵衛の後ろ姿は雑踏にまぎれて見えなくなっていた。
「さて、いくか」
 顎をひとこすりすると飛十郎は、ふところ手をしたまま両国橋へむかう人の波に逆らうように、一つ目橋のほうへゆっくりと歩き出した。

 了    

〈助太刀兵法5・神隠しの湯〉へつづく










最終編集日時:2010年12月14日 13時25分

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10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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