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〔助太刀兵法5〕神隠しの湯
[【時代小説発掘】]
2010年10月10日 15時34分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法5〕神隠しの湯
花本龍之介 


(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概:

 藤兵衛のすすめにより、ぶらりと旅に出た飛十郎は、一杯やりながら箱根へむかう。岩風呂につかって湯を楽しんでいる所を、不意に裸の女に襲われる。隠し金山、埋蔵金の黄金伝説に目がくらんだために、おもわぬ騒動に巻き込まれるが……。 

 湯煙りの中から浮かぶように姿をあらわした全裸の女とともに、青白い蛇のような物が飛十郎めがけて襲いかかってきた。額のうえ五寸で斜めに構えた飛十郎の刀が、相手の武器を受けて、戛然と鳴った。目にも止まらぬ速さで、女の胸元に付け入った飛十郎の刀の鎬が、形のいい乳房をぴたりと抑えつけた。半転して引けば、女の胸は引き裂かれてしまう。
「見事な剣じゃ」 女は武器を、からりと投げ出すと、爽やかな笑顔で飛十郎を見た。 (本文より)

【プロフィール】:
花本龍之介。尾道市生まれ。居合道・教士七段。現在逗子に居住している。

これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 

猿ごろし


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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法5〕神隠しの湯
花本龍之介 



一 箱根山 

 東海道を小田原城下から箱根宿まで、のぼりの山道を四里と十町。箱根宿から三島宿まで、下りの坂を三里と二十町。この二つの距離を合わせると、およそ八里あるところから、この街道を旅人たちは〔箱根八里〕と呼んでいる。
早船飛十郎は、小田原の城をあとに、川沿いのゆるやかな坂道を、箱根湯本にむかってのんびりと歩いていた。
「おう。これは美しい……」
 まさに、目を洗われるとは、このことであろう。飛十郎は自分を取り巻いている緑の山脈を、しみじみとした視線でみまわした。
 行く手は、すべて山である。 
 わけへだてなく、誰でも受け入れてきた懐(ふところ)の広い関東平野が、ここへきてふいに立ち上がり、大手を開いて通せんぼをしたような、感のある高い山々であった。
「ううむ。これこそが旅の醍醐味……」
 に、違いあるまいな。と思いながら飛十郎は、橋のたもとに二軒並んでいる茶店のほうへ目をやった。
 街道は、この茶店の前で、二筋にわかれる。
すぐ前の早川の渓流にかかる三枚橋を渡り、曲がりくねりながらつづく、爪先あがりの急な石畳みの坂道が東海道で、橋を渡らずに川に沿ってまっすぐに行けば、すぐに見えてくる湯煙りを上げた集落が、湯本であった。
 〔かん酒、おでん〕と大書した茶店の立て看板が、いやでも目に入ってくる。飛十郎は、ごくりと喉を鳴らした。茶店の腰かけの上で、大店の商人らしい男が、女房にしては若すぎる女と鮮やかな緑を見ながら、じつにうまそうに盃のやりとりをしている。
 呑んでもいいのだが、半刻(一時間)ほど前に小田原の蕎麦屋で、ざると蒲鉾を肴に一杯やってきたばかりである。それに、ここで呑んだとして、目と鼻の先の湯本の湯宿・油屋に着けば、ひと風呂あびたあとに、また一杯やることになるのはきまっている。
「旅の空とはいえ、これでは朝をのぞいて、呑みづめということになる」
 いくら、なんでも、まずい……。と口の中でぶつぶつ言いながら、自問自答していた飛十郎は、思い切ったように茶店の前を通りすぎると、三枚橋を渡りはじめた。道が違う。このまま進めば、畑宿から箱根山の上にある芦ノ湖畔の箱根宿に行ってしまう。橋を半分ほど渡ったところで、くるりと振り返ると、飛十郎は茶店のほうへ引き返した。
 天下第一の公道〔東海道〕の往来である。武士や僧侶や町人、馬や駕籠に乗った者をとりまぜて、数えきれぬほどの旅人たちが飛十郎とすれ違う。いずれも目的地があるから足が速い。その中で飛十郎だけが、なにやら迷っているらしく足が遅い。のろのろと三枚橋のたもとまで引き返すと、そこで足が止まった。
 腕組みをしたまま左に目をやれば、湯本の湯煙りが見える。右に目を移せば、茶店でうまそうに酒を酌み交わしている二人連れの姿が見える。
「ええい。きめた!」
 飛十郎は、組んでいた腕をほどくと、ぱっと茶店へ飛び込んだ。
「おやじ、酒だ。冷やでいい、すぐに持ってこい」
「へえい」
 とうの昔に飛十郎の気持ちを読みとっていたらしい茶店の親爺は、うれしげに声を上げると、盆に用意していた一合枡の酒と山菜の煮びたしを、飛十郎の前へ運んで来た。


二 山の怪
 
 飛十郎が思っていたより、湯本の湯宿は多かった。
 その中で油屋喜助の湯宿は、湯治場の中心地を通りすぎて、町を出はずれたあたりの川を見はらす崖の上の高台にあった。安達屋藤兵衛がひいきにしている宿にふさわしく、屋根こそひなびた茅葺きだったが、竹と木材を主体にした侘びたうちでも品格のある数寄屋造りの宿であった。
「う、う、う。ふう、む」
 広々とした露天の岩風呂のなかで思うぞんぶん手足をのばすと、飛十郎はあたりはばからぬ声を上げた。
寿命がのびる思いとは、まさにこのことを言うのであろう。
 温泉になど入ったのは、生まれて初めての飛十郎は、なめらかな岩にもたれて、あくまでも透明であたたかい箱根の湯に手をひたすと、顔の前にかざした。
 ぽたぽたと、指の間から水滴が、湯の中に落ちる。鼻に押し当てて匂いをかいでみるが、さほどの香りはない。もっと硫黄の匂いが強く、湯も白く濁っているかと思っていたが……。 そういえば宿の女中は、箱根七湯の湯質は、みなそれぞれ違っていると言っていた。箱根山をもっと上に登れば、白濁(はくだく)して硫黄の匂いが鼻につんとくる湯に出くわすのかもしれぬ。
 飛十郎は、、両手を湯に突き入れると、透明な湯をすくい上げて、ざっと顔に浴びせかけた。
 いや、気持ちがいい。江戸の湯屋など、話にならぬ。狭くて低い柘榴(ざくろ)口をくぐり入れば、小さな明り取り窓しかない洗い場は昼間でも、となりに誰がいるかわからぬほど暗い。掛け行灯一つの夜はなおさらである。
それにあの〔芋の子を洗う〕という言葉通りの、湯船の混雑ぶりはどうだ。手や足をちょっと伸ばせば、すぐに人の躰にあたってしまう。
 湯音を響かせて立つと、飛十郎はざぶざぶと湯水をあたりに撥ねながら、岩風呂の端まで歩くと、崖の下を覗き込んだ。谷底に見える早川の流れが速い。
 水音が高くなった。
 見あげると、左右にせまる山々が、頂上をのぞいて急速に暗くなっていく。宿に着いた時は、まだ陽は高かったが、江戸と違い山の日暮れは早い。さっきまで目に痛いほど明るかった青葉が、あっという間に濃い緑に変わっている。
「まあ、よい。あとは酒を呑んで、めしを喰って、おもうさま寝るだけだ」
 谷底で光る水にむかって、そう呟やくと飛十郎は両手を腰に当てて、まわりの山々を見あげた
飛十郎が油屋に着いたとき、亭主の喜助はあいにく不在だったが、話は届いていたとみえて、安達屋の名を出したとたん下にも置かぬもてなしで、この宿の最上等と思える風雅な茶室造りの離れに案内された。
 帰りしだい、喜助が挨拶にうかがうということで、まずこの岩風呂に連れてこられたわけだが……。
 生まれ落ちてから、大きな風呂といえば江戸の湯屋しか知らぬ飛十郎は、さっきから誰も相客がいないのを幸いに、糠袋で躰を洗おうともせず、あたりの植え込みに湯をかけたり、広い岩組の浴槽に寝転がったりして、楽しげに遊びほうけていた。
 山の端が金色に輝いている。
 その金色が燃えるような赤に変わり、ほどなく空の色が、のちの世に〔広重の藍〕と呼ばれる濃い群青色に移り変わっていくのだが、もちろん飛十郎はそのことを知らない。
 岩風呂の底に敷きつめてある小石が、湯のためにほどよく温められているのを、ひどく心良く感じているだけである。
「ふむ」
 尻の下の小石を一つ取り出して、顔の前にかざす。河原から持って来たらしく、丸く綺麗な灰色の小石である。しばらくその小石に見入っていた飛十郎は、何を思ったのか、また立ち上がると、はるか目の下に見える早川の流れにむかって放り投げた。
「ほ、ほほ、いけませんよう。そんな、いたずらをなすっちゃ」
 ふいに、背後から女の声がした。誰もいないと思っていた飛十郎は、驚いて振り向いた。
 女を知らぬ飛十郎ではないが、これほど白い肌をした女を目にしたのは、初めてであった。岩の陰から姿を現した女は、腰の下まである長い黒髪を、指を櫛のように使ってすき流していたが、すらりと伸びた裸体を恥ずかしげもなく飛十郎の目にさらしたまま、にこりと笑ってみせた。
 飛十郎は、ぎくりとした。
 女が、岩の上に置いた飛十郎の脇差しの上を、その長い髪の先で、さらりと撫ぜたからである。もし、その女が怨みを持つ者であれば、身に寸鉄もおびていない飛十郎は、一刀のもとに斬り捨てられたことであろう。女が武術の心得を持ち、それもかなりの手錬れであることは、飛十郎に気配をさとられず、この距離まで近寄ったことでもわかった。
「油断大敵、ですよ」
 くすくす笑いながら、女は岩風呂のほうへ近付いた。
「お刀から、そんなに離れては……」
「おれに、なにか用か」
 ゆっくりと、湯の中に身を沈めながら、飛十郎は言った。
「べつに」
 同じように、ゆるゆると湯につかりながら女は答えた。
「あたしは、ただ、この宿に、もらい湯にきただけですよ」
「ほう。もらい湯、にな」
 ようやく自分を取り戻したような声で、飛十郎は言った。
「よく、来るのか」
「ええ、ときどき、ね」
 女は、気持ち良さそうに目を細めると、両手を広げて、湯をかきまぜた。
 形のいい乳房が、湯の中でゆらゆらと揺れている。ざっと音をたてて飛び散った湯滴が、女の肩にかかり玉になって白い肌の上を流れ落ちた。
「家は、近いのか」
「あの山の……」
 女は細っそりとした白い指の、桜貝のような薄桃色の爪の先をのばして、対岸に見える高いを指差した。
「ずっと、ずっと、奥」  
「あの奥からか。それでは、えらく時間がかかるだろう」
「人が歩く道を通れば、ね」
 不思議なことをいう女だ。山を見ていた飛十郎は、振り向いて女の顔を見た。恐れるふうもなく、女も飛十郎の目を見返した。
「あの山の奥ならば、ほかに湯宿もあるだろう」
「ええ、湯宿はたくさんあるけど、あたしは、ここの岩風呂が好き」
「ふうむ」
 油屋の湯が好きならば仕方がない。はるか山奥から下ってきて。またはるばる山の奥にある家へ帰るのは、この女の勝手である。
 この時代、ほとんどの温泉場は、男女混浴である。江戸でこそ、湯屋は男湯と女湯にわかれているが、一歩江戸の外へ出れば、全国ほとんどすべての浴場が混浴であった。が、それにしても、この女の肌は白すぎた。
 飛十郎は、まぶしげに目を細めた。肩から下が湯に沈んでいるとはいえ、湯はあくまでも透明である。まして女は手拭いもないらしく、身を隠そうともしない。
 気のせいか、すんなりと伸ばした湯の中の女の白い躰が、ゆらゆらと目の前に浮かび上がってくるように思えてくる。飛十郎の顔に、じんわりと熱い汗が流れてきた。
 渡り廊下のあたりで足音がした。脱衣場の戸が開いて誰か入ってきた。
「早船さま。遅くなりましてございます」
 宿の主人の喜助らしい声がした。
「おう」
 かまわぬから入ってくれ。と言おうとした飛十郎は、頭から湯をあびていた。
 女が、横を通り抜けざま、したたかに湯をあびせかけていたからである。飛十郎が感じたのは、つるりとした白い肌の感触と、風のように目の前を通り過ぎた全裸の女の姿だけである。
 ふたたび目を開けた時には、女は岩風呂から消えていた。
「あやつ、どこへ……」
逃げ場は、谷しかない。
 見おろした飛十郎の目に、女の白い裸が崖にはえた木々を伝って、するすると谷底で光る早川の流れにむかって降りていくのが見えた。
「もののけ、か」
 なにやら、ぞっと冷たいものが、肌の上を通っていったように感じた。
「どうなさいました」
 棒縞の木綿の単衣(ひとえ)に、茶色の前掛けをした四十がらみの男が声をかけた。
「油屋か。いや、なに、女がな。たったいま、ここから飛びおりたのだ」
 振りむいて答えると、飛十郎はまた谷を見おろした。
「ははあ、また出ましたか」
 素早く歩いてくると、喜助も崖の端から谷のほうを見た。
「しかし、この時刻に出るのは、めずらしゅうございます」
「なんだ、あれは」
「箱根の深山に住むという、山女でございます。どうも、この岩風呂が気にいったらしく、ときおり顔を出して、もらい湯をしていきます」
 みるみるうちに遠去かっていく、女の白い後ろ姿を見ながら喜助がいった。
「うむ。あの女も、そういっていた」
「えっ、あの女とお話しなすったので」
 喜助が、あきれたような声でいった。
「ああ、すこしだけだが。おかしいか」
「なにしろ、ふだんは真夜中すぎにしか、もらい湯にきませぬから。誰も話した者はおりません」
「では、どうして、あの女が湯に入りにくるのがわかるのだ」
「はい。川の流れる水音が耳について、どうにも眠れぬ湯治客が、夜半から明け方にかけて岩風呂に入りにくることがございます。そのおり、あの山女を見かけるのでございます」
 河原にある大小の石の上を、まるで平地の上を行くがごとく、長い髪をなびかせて走っていた女が、くるりと振りむいて白い歯を見せると、飛十郎にむかって手を振った。思わず飛十郎が手を振り返すと、女は小脇に抱えていた裾短かな着物を素早く身にまとって、あっという間に姿を消してしまった。
「どうやら早船さまは、あの女に気に入られたようでございますな」
 急速に暮れていく山肌を見ながら、喜助は気がかりそうに言った。
「これまでに、なにか悪さをしたことはないのか」
「ございません」
「ならば、いいではないか。たまのもらい湯だ。入いらせてやれ」
 ざぶりと湯音を立てて肩まで入ると、山と山の間に見える高い空を見あげて言った。藍色をした空は、いつの間にか灰色に変わり、それがさらに墨を流したような黒に変っていく。
「それは、かまいませぬが。ただ……」
「ただ、どうした」
 口ごもったまま、川を見おろしている喜助にむかって、飛十郎は聞いた。
「女の入浴客には何もしませんが、江戸からやってきた若い男衆が、二人ほどあの山女を目にして、気絶したことがあります」
「ほう、この岩風呂でか」
 それは面白い、というように飛十郎は喜助の顔を見た。
「はい。ひとりは寝つかれず、夜中すぎに湯に入りにきた湯島天神下の米間屋の若旦那で、もうひとりは
酔いつぶれたあげく明け方に目を覚まし、酔いざましの湯に入っていた、神田の若い鳶職人でございます」
「気絶した男たちは、いずれも岩風呂の湯の中ではなく外で、しかも裸で倒れていたのであろうな」
「さようで」
「そうだろうな。それなら、わかる」
 飛十郎と喜助は、顔を見合わせると、くすりと笑った。
「それが、目立った外傷はなかったのですが、あとで医者がこっそり耳うちしたことには……」
「さすがは早船さま、よくおわかりで。その通りでございます」
「おそらく、まわりに誰もいない夜ふけに、さっきの女に出会った江戸の男たちは、その白い肌に目がくらみ、頭にかっと血がのぼり悪さを仕掛けたに違いない。そのあげく」
「大事な場所に、仕置きをされたにちがいございません」
「さぞ痛かったろうな」
「はい、紫色に腫れ上がっていたそうでございます」
「うむ。目のくばり、身のこなし、あの女よほど武術の心得があると見たが……」
 飛十郎は、そう言って空を見た。すっかり暗くなった夜の空には、手が届くほどの近さに無数の星がまたたいている。
「早船さまは、大丈夫でしたか」
「おれか」
 飛十郎は、濡れてしめった頭をかいた。
「おれは、頭から湯をあびせられただけだ」
「やはり、あの山女に、気に入られたようでございますな」
 その声の調子に飛十郎は喜助の顔を見た。
「なにか、気になることがあるのか」
「いえ、べつに……。おそらく、てまえの考えすぎでしょう」
 喜助は、山を見あげたまま答えた。
「それより早船さま、いい月夜になりそうでございます」
 指差すほうを飛十郎が見ると、銀色に光っていた山の端がますます輝きを増したかと思うと、丸い大きな月がゆっくりと顔を出した。
「ふうむ。見事な月だ。これほどの月は、江戸では見れぬ」
「山が高いせいでございましょう。それに、」
 喜助が、崖の下を覗き込みながら言った。
「早川の流れが綺麗なこと。水も岩もまるで、銀の箔(はく)を敷きつめたように見えまする」
「どれ」
 岩風呂の端から崖の下を見おろすと、なるほど月の光をあびた早川の流れは、喜助の言葉通り銀箔を置いたようにも、銀色の雨が降りそそいでいるようにも見えた。
「うらやましいな油屋。こんな美しい景色を、いつも眺められるとはな」
「とんでもございませぬ。仕事の忙しさにかまけて、ここ何年も山や月なぞ見たこともありませぬ」
「そんなものかもしれんな」
 そう答えた飛十郎の胸に、銀色の月光をあびて風のように走っていく女の、長い髪をなびかせながら巨大な丸い月を横切っていく姿が、一瞬うかび上がって消えた。
 渡り廊下のあたりで、足音がした。
「湯治客が、湯あみにきたかな」
「いえ、あの足音は、てまえどもの女中でございます」
 脱衣場の戸が開いて、女の声がした。
「旦那さま。あかりを持ってまいりました」
「ああ、灯をともしておくれ」
 真っ暗だった脱衣場の軒行灯に火がつけられて、あたたかい蝋燭の光が、岩風呂の方まであふれ出した。
大小の岩を組み合わせた浴槽は、おとなが十五、六人は楽に入れるほど大きかったが、平らな石を敷きつめた洗い場は岩風呂があと二つ三つできるほど広い。
 手燭を持った若い女中は、庭と洗い場のさかい目に置かれた竹製の丸行灯に、小さな付け木でつぎつぎと火をともしていった。庭には立ち木が並んでいたが、それはすぐに油屋の裏手の山へとつづいている。
「これは美しい……」
 風のために置行灯の中の火芯が、かすかに揺らぐと、立ち木の影が山肌の上を長くのびて、ゆらゆらと動く。
「まるで、」
 夢の中で見たことのあるような、幻想的な山の姿ではないか。と思わず口に出そうとして、飛十郎は思いとどまった。
「まるで、なんでございますかな」
「いや、よそう。柄にもなく、子供の頃を思い出していただけだ」
 飛十郎は、肩に止まった虫を手で追いやりながら言った。
「それにしても油屋。見事な露天風呂だな。藤兵衛がほめただけのことはある」
「おかげさまで、露天の風呂としては湯本でも一番の大きさでございます。もっとも内湯のほうは、たいしたことはございませぬが」
「旦那さま」
 手燭を持って帰ろうとした女中が、足を止めて声をかけた。
「番頭さんが、お客さまの夕食がととのったから、そうお伝えしろといっておりましたが」
「おお、そうか。早船さま、さぞ喉がお渇きになったことでしょう。すぐに料理を離れへお持ちいたします」
喜助は、そう言ったあと、女中のあとを追って渡り廊下のほうへ歩きはじめた。
「油屋。わるいが、ひとつ頼みがある」
 飛十郎の声に、喜助は足を止めて振り返った。
「商売の手が空いたら、酒の相手をしてくれぬか。ひとりで呑むのは、もうあきた。それに訊きたいこともある」
「よろしゅうございますとも。てまえのような温泉宿の亭主は、お客さまが部屋にお通りになりますと、あとは番頭や女中頭や板前にまかせきりで、なにも用はございません。ずぐに、おうかがいしましょう」
「すまん」
 笑いながら答えた喜助にむかって、湯の中の飛十郎は無精髭をこすりながら頭を下げた。


三 女だけの国
 
 飛十郎が、離れに戻って障子を開けると、部屋は行灯に照らされ、もう夕餉の膳が置いてあった。手拭いを乾し、膳の前に飛十郎が腰をおろすのを、待っていたかのように喜助が顔を出した。
「湯あがりには、やはり冷酒(ひや)でございましょう」
 手にした盆の上には、油屋の名入りの一升徳利と杉の一合枡が二つ、それに切った竹輪と、いかの塩辛をのせた小皿が置いてあった。
「酒のあては、この二品がいちばんで、てまえはこれさえあれば、もう何もいりませぬ」
 そう言いながら、喜助は徳利から音をたてて枡へ酒をつぐと、飛十郎の前へ置いた。
「む。うまい」
 一気に酒を飲み乾すと、飛十郎は思わず声を上げた。
「油屋、なんという名の酒だ」
「このあたりで造っている地酒で、箱根路という名でございます。まずまずの酒で」
 飛十郎の枡の酒をつぎながら喜助が答える。
「いや。昼間、小田原で呑んだ酒より、よっぽどうまい。やはり山中(さんちゅう)で造る酒だな。野趣がある」
「安心いたしました。安達屋さんの書状には、早船さまは伏見の下り酒がお好きだとのことで、お口に合うかどうか心配しておりました」
「藤兵衛のやつ、そんなことまで書いてよこしたのか」
「はい。それに〔両国橋の仇討〕は、このあたりでも、それは大変な評判で。てまえどもも、助太刀人の早船さまがおみえになるのを、首を長くしてお待ちいたしておりました」
「うむ。で、本懐をとげた、おとよのその後のことは何か書いてなかったか」
「おとよさんは、十三歳の身でよく姉の仇を討ったと、町奉行さまからえらく誉められたうえ、たいそうな報奨金(ほうび)をいただいたそうでございます」
「おお、そうか」
「ですから、このたびの仇討の費用は心配いらない。早船さまからお預かりしたお金もお返しする。と書いてございました」
「油屋、それを早くいわぬか。おとよのやつ、さぞ晴れがましい思いをしたことだろう。それともあいつのことだ、けろりとしていたかもしれぬ。は、はは、いや、それにしても良かった」
 無精髭をごしごしこすりながら、うれしそうに喜助の言葉を聞いていた飛十郎が、またごくりと喉を鳴らして、枡をかたむけた。
「さようで。安達屋さんも、さぞ喜んだにちがいございません」
「そうだろうな」
 笑いながらうなずいた飛十郎が、急にまじめな顔になって喜助を見た。
「ところで、岩風呂で女と出会って、気絶した江戸の男たちだが。医者の手当てを受けた後はどうした」
「それでございますが。なにしろ、ここの湯は、打ち身に効能があることで有名でございますからな」
「ほう、ゆっくり湯治をして帰ったわけだ」
「はい。ふたりとも、お連れを先に返したあと四、五日温泉治療をして、江戸へお立ちになりました」
 枡に口をつけて酒を呑むと、にやにやしながら喜助がいった。
「紫色に腫れ上がったというひどい打ち身が、四、五日でよく江戸まで歩けるようになったな。ここの湯は、よほど効き目があるとみえる」
 それは違う、というように喜助が顔の前で手を振った。
「歩けるもんじゃございません。立つときも駕籠を呼び、そのまま東海道を江戸までずっと駕籠に乗り通しだったそうで、。駕籠が揺れるたびに大声で悲鳴をあげ、箱根から江戸の家に着くまで、その悲鳴が聞こえていたという話しでございます」
「ふむ、気の毒に。よほど痛かったのであろうな」
「あの山女、えらく蹴るのが上手だったようで」
 喜助と飛十郎は顔を見合わせると、もう我慢が出来ぬ、とばかりに声をあわせて笑い出した。
「ま、呑め油屋。いや面白い。これほど腹をかかえて笑ったのは、ひさし振りだ。礼をいうぞ」
 喜助の枡に酒をつぎながら、飛十郎が頭を下げた。
「おやめなさいまし。お武家さまが町人にむかって、そう簡単に頭を下げちゃいけません。てまえは、たかが湯宿のあるじでございますぞ」
「馬鹿をいうな。うまい酒を呑ませてもらった上に、笑わせてもらった。礼をいうのに頭を下げるのは、人間として当たり前のことだ。武士も町人もあるか」
「はて、安達屋さんの書状には、早船さまの酔い癖については、なにも書いてはございませんでしたが。大丈夫でしょうな」
「こんな酒で酔うものか。油屋、おまえこそ酔いが足りないのではないのか。さあ、もっとやれ」
 無理に酒を呑ませると、飛十郎は喜助の枡にまた酒をつぎはじめた。
「その山女だが。どこに住んでいるのか、わからぬか」
「それが、誰ひとりとして突きとめた者がおりませぬ。まことに不思議なことでございます」
「だが、このあたりの山に住んでいるのはたしかだろう」
「はい。この下を流れる早川の支流の、どれか一つの山奥にあることまでは、わかっておりますが。その先がかいもくわかりませぬ」
「これまでに、誰か跡をつけた者はいないのか」
「昔、何人かが跡をつけたことがあるそうですが、ひとりとして生きて帰った者はいなかったそうです」
「山女の一族に殺されたというわけか」
「さあ。殺されたのやら、生きているのやら、とんと見当もつきませぬ」
「神隠しにあったわけか……」
 腕組みをして、飛十郎は天井を見上げた。行灯の持ち手の影が大きくうつって、ゆらゆらと揺れている。
「しかし消えてなくなった者にも、家族がいるだろう。さがしには出なかったのか」
「てまえが、まだ子供の時分のことです。行方しれずになった若者が、小田原藩のご重職の息子だったということで、山奉行のお指図で大がかりな山狩りが行われたことがあります」
「ふうむ」
 飛十郎の目の中で、行灯の火が揺れ動いた。
「父親も祖父も狩り出され、湯本をはじめ七湯の男たち全員、この近辺に住む樵(きこり)や猟師や猟犬も参加させられました。城下からやってきた足軽、中間などをふくめると、千人近くの人数が動員されたということです」
「藩をあげての捜索だったということだな」
「さようで。早川の支流を一つ残らず逆(さか)のぼり、箱根連山にある谷という谷をすべて分け入っても、ついになんの痕跡も発見できなかったそうです」
 飛十郎は、枡を持ったまま考え込んだ。
「おもしろい。大久保家十一万三千石の小田原藩が面目をかけて、捜し廻って見つからなかった長い黒髪と白い肌をもった一族の女が、今夜も平気で油屋の岩風呂に、もらい湯をしにきていたわけか」
「さわらぬ神に、たたりなし。で、ございますよ、早船さま」
「わかった油屋、気をつけよう。どうやら、あの女に気に入られたものは、命がいくつあっても足りぬようだ」
「そういうことで」
「ふ、ふふ。神隠しにあっては、かなわんからな」
「早船さまは、安達屋藤兵衛さんからご紹介をうけた、大切なお客様でございます。なにか起きましては、てまえが困ります」
 きめつけられて、飛十郎は閉口したように顎をこすった。
「油屋、腹がへった。そろそろ、めしにしてくれ」
「かしこまりました。いま熱い汁と、ご飯をもってこさせます」
 喜助は立ち上がると、部屋から出ていった。すぐに外で木を打ち鳴らす高い音がした。軒に吊るした板木を叩いて、女中に合図を送ったらしい。
 しばらくすると庭で女中と話す喜助の声がして、湯気の立つ汁椀や焼鮎や山菜をのせた食膳と、小さな飯櫃を持って部屋に戻ってきた。
「召し上がりながら、てまえの話をお聞きください。早船さまのお顔を見ていると、どうにも不安でなりませぬ」
「不安? おれの顔を見ると不安になるというのか。妙なことをいうではないか、油屋。それにしても、この鮎はうまい」
「さきほどの山女と、早船さまのことでございます。考えるだけで、胸騒ぎがしてくるのです」
「どういうことだ。わけを話せ」
 熱い汁をのみ、鮎をつついて、飯をかき込むと、飛十郎は箸を置いた。
「てまえが子供の頃、祖父にきいた話でございます。えらく昔のことだったそうですが、この箱根の山で神隠しにあった若者が、ひとりだけ生きて戻ったことがあるそうでございます」
「そいつは面白い。どんな男だ」
「なかなか見目かたちの良い、気立てのいい若者だったそうでございます。貧しい山里の百姓の息子で、ちょうど二十歳になった時、畑の近くの谷で山女と出会い、その跡を追ったまま神隠しにあったそうです」
「帰ってきた時には、いくつになっていた」
「三十八だったそうです」
「ということは、十八年間、どことも知れぬ場所で暮らしていたわけだ」
「はい。ある日の夕暮れどき、家の前でぼんやりと立っていたそうで。着ている物は神隠しにあった時と、そっくり同じだったといいます」
「とんだ浦島太郎だな。やはり竜宮城で暮らしていたのか」
「それが髪の長い女を追って走っているうちに、ふいに気を失い、気がつくと陽当りのよい草地に横たわっていたそうで、起き上ると目の前の大きな岩と岩に抜け道があり、その道を行くと世にも美しい御殿の前に出たそうでございます」
 世にも美しい、という言葉を耳にした飛十郎は、川の流れに逆らうようにして、藍色に染まった黄昏(たそがれ)時の透明な空気の中を、風に髪をなびかせ抜けるように白い裸身を疾駆させていた女の姿を、ありありと思い浮かべた。
「そこに捜し求めていた、長い髪の女がいたわけだ」
「女たち、といったほうが正しゅうございますな。そっくり同じような、長い黒髪をもち白い肌をした女たちが、十七、八人もいたそうでございますから」
 疾風のように走って行った女の残像を、追い払うように飛十郎は、頭を振った。
「そんなに、たくさんいたのか」
「はい。帰ってきた男の話しでは、御殿に住んでいたのは女ばかりで、男の姿はひとりも見なかったそうです」
「女だけの国か」
「さようで。てまえも一生に一度は、そんなけっこうな国へいってみたいもので」
「は、はは、おれもだ。男なら誰でもそう思うだろそう。だが、問題はそのあとだ。その若者は、そこでどんな暮らしをしていたのだ」
「言い伝えでは、若者は客人として迎えられたあと、指一本うごかす必要がなかったそうです」
「すべて、女たちがやってくれたというのか」
 無言のまま、喜助はうなずいた。
「食事も、入浴も、なにもかもか」
「まるで、主人につかえる召使のように、心を込めてかしずいてくれたそうです」
「しかし、それは太陽の輝く昼間のことだろう。日が沈んだ夜ともなれば、今度は若者のほうが女たちにかしずかなくてはなるまい」


四 黄金の山

 喜助の顔に、驚きの色が広がった。
「どうして、それをご存知で」
「おれがまだ幼かった頃、寝物語にお婆どのから聞いた覚えがある。その話しでは連れ去られた男は、最後には必ず殺されて、ひと知れず埋められた。と言っていたな」
「たしかに、この国の山岳地方では、そういった〔隠れ里伝承〕が、いくつも伝えられております」
「うむ。そういえば、お婆どのは木曽の生まれだったな。おれは、まだ一度も行ったことはないが」
「てまえも、ございませんが。人の話しでは、木曽は山また山の国だそうですな」
「そうだ。山脈がいくつも折り重なり、どこまでいっても山がつづいていると聞いた。そういった山国には、奇怪な物語がいくつも伝えられているそうだ」
「このあたりにも、山の怪異談はたくさんありますな」
 障子の隙き間から吹き込む夜風に、行灯の中の油皿の火が左右に揺れた。灯心が、かすかに音をたてて燃えている。
「その女だけが住む美しい里から戻ってきた男は、最後にはどうなったのだ」
「さよう。半年ほどはおとなしくしていたそうですが、やはり恋しくなったのでしょう。必死になって隠れ里に入る道をさがし廻っていたようですが、とうとう見つからずじまいでした。村人の話しでは、箱根七湯のうちのある温泉から早川の支流をどこまでも逆かのぼり、ついに見覚えのある草原とそのむこうにある大きな岩を見つけたそうですが、岩と岩の間は苔むした石でびっしりとふさがれていたそうです」
「やはり、そうか。畑仕事を嫌って、家出をした男の作り話ということもあるぞ、油屋。にぎやかな町場で女と遊び呆けていた男が、十八年たってふと生まれ故郷に帰りたくなって、家の前まできたが、ばつがわるくなり、そんな話をでっち上げたのかもしれんぞ」
 喜助はそれを聞いて、考え込むように腕を組んだ。
「なるほど、ないとは言えませぬな早船さま。しかし……」
飛十郎は、床の間の前から立ち上がると、濡れ縁へ出る障子を開けた。銀色の月の光が、さっと座敷の中へ差し込んできた。
「しかし、どうした」
 振りむいた飛十郎にむかって、喜助がきっぱりした口調で言いきった。
「作り話ではございません。これは、すべて本当のことでございます」
 飛十郎は苦笑すると、ふところに入れていた右手を袖から出して、頭をかいた。
「まいったな。油屋たいそうな自信だが、どうしてそう言いきれる」
「たしかに不思議な話ですが、てまえは祖父を信じます。その男は十八年もたったというのに、発見された時には、二十(はたち)そこそこにしか見えなかったといいます」
「つまり神隠しにあった時と、同じ顔をしていたわけだな。おれが、お婆どのから聞いた話とそっくりだ。もう一つ当ててみせようか、玉手箱だ」
にやりと笑って、喜助の顔を見る。
「こういった物語の、おちはきまっている。二十にしか見えない三十八の男が、一夜にして白髪の老人になってしまう。そうだろう」
「たしかに、年寄りにはなりました」
 うなずくと、喜助は膝の前にあった徳利をゆすった。中で酒が鳴る音がした。
「もう一杯、いただくことにします。早船さまは?」
「やめておこう。今日は、昼すぎから呑みづめだ」
 うまそうに呑むと、喜助は枡を置いた。
「しかし、一夜で老人になったわけではありません。何年も狂ったように、夢のような隠れ里を捜し廻っていた男は、ついに疲れはて急速に老化し、三年後にはどう見ても七十歳にしか思えぬほどの、年寄りになってしまったそうです」
「奇怪な話だ。男が十八年も若さをたもっていたのは、なにか特別な食べ物か、飲み物を口にしていたのかもしれぬ。そのことは伝わっていないのか」
「そういえば、木の実や薬草の根、それに白い花の実から採ったという、苦い汁を呑まされたといいますな。女たちの相手をして、どれほどくたくたになっても朝その汁を飲めば、たちまちのうちに元気になった。といいます」
「それだ。そいつが不老の薬なのかもしれぬ。それを飲むことが出来なくなって、男は老人になってしまったのだ」
「かもしれませぬ」
「だが百年以上も昔の、雲をつかむような話だ。本当のことかもしれぬし、家出した男のほら話かもしれぬ。どちらにしても、なんの証拠もない話だ」
あくびを噛みころしたような声で、飛十郎は言った。
「おもしろかったが。油屋、おれはそろそろ眠くなってきた」
「早船さま。てまえは、本当のことだと申したはずです。証拠がございます」
喜助が、たしなめるような口調で言った。
「ほほう、証拠があるというのか。また聞きではだめだぞ油屋。ちゃんと自分の目で見たんだろうな」
「きっちりと、てまえの目で拝見しております」
「なんだ、それは」
「その男が腰に下げていたという皮袋でございます。どんぐりの実ほどの大きさの黄金の粒が、ぎっしりとつまっていたそうですぞ」
「なに! 黄金を持っていたのか」
 飛十郎は、眠気がとんだような声を出した。
「はい。百年有余のあいだに、黄金はいずれかへ散逸してしいましたが、金が入っていたという皮の袋は今でも底倉の白山家に伝わっております。まるで平家物語に出てくるような、古びた小桜模様の印伝細工の立派な皮袋でございました」
「その底倉というのは、なんだ」
「箱根七湯の一つでございます。湯本、塔之沢、堂ヶ島、宮之下、底倉、木賀、芦之湯が七湯で、この湯本から数えて五番目の出で湯が、底倉です。そこの本陣と名主をかねた草分け湯宿が、白山家でございます」
「わかった。それで黄金はどうした。どこへ消えたのだ」
「黄金の行方については、説が二つあります。一つはその男と家族が長年の間に使い果たしてしまったという説で、もう一つは小田原からやってきた侍が、言葉たくみに持ち去ったという説でございます」
「つまり、だまして持って行ったというのだな。黄金をだまし取ったその侍が小田原藩の家臣で、息子が神隠しにあった藩の重職と同じ人物ならば、話が面白くなるのだがな。そこのところは、どうだ油屋」
「さあ。てまえは、知りませんな」、
「ふむ。だが皮袋にぎっしりつまっていた多量の金が、一粒も無くなったというのは、げせぬな。一粒ぐらいは、どこかに残っているだろう、どこかに」
「いいえ。てまえが皮袋の中を覗いて見たときには、金の欠片(かけら)もありませんでした」
「あたりまえだ。百年もたって、そのまま袋の中にあるはずがない。しかし、その女たちは、どこで黄金を手に入れたんだろうな。不思議だと思わぬか、油屋」
 首をひねりながら飛十郎は、喜助の顔を見た。
「そのことにつきまして、お耳に入れたいことがございます」
「な、なんだ、油屋」
 自分をみすえて、にじり寄ってくる喜助の顔を見て、飛十郎はたじろいだような声をだした。
「けっして口外しないと、お約束していただけましょうな」
「おう。この早船飛十郎、ほかのことはともかく、口だけは堅い。信用できんなら、江戸へ飛脚を出して藤兵衛に聞いてみろ」
「いえ、信用いたします。じつは早船さま、この箱根には古くから〔隠し金山〕の伝説がございます」
「な、なに。金山が、あるというのか」
 飛十郎は、思わずうわずった声を上げた。
「それだけではございません。箱根山のどこかに、莫大な金が埋められているという埋蔵金の言い伝えも、いくつか残っております」
「ふうむ……」
 大きく溜め息をつくと、飛十郎は傍にある行灯を見た。ゆらりと、油皿の火芯が揺れる。飛十郎の目の中を、黄金(こがね)の花が咲き乱れたように、一瞬、金色の炎がゆらいで消えた。
「今を去ること、二百三十年ほど前のことになります。小田原の周囲とともに、この箱根山も豊臣秀吉の〔北条攻め〕のおびただしい軍勢にうめつくされておりました。このことは、ご存知でしょうな」
「ああ、知っている。この宿にくる前に、太閤の一夜城の跡を見物して来たからな」
 喜助は、うなずいた。その目にも、金色の炎が大きく揺れた。
「三代つづけば家は滅びる。と言うたとえ通り、早雲、氏綱、氏康、氏政とつづいた関東の覇者、北条家も成り上がりの秀吉のために、四代・氏政は切腹、その子氏直は東照神君(家康)さまの女婿のため、その袖にすがってからくも助命され、高野山に追いやられました」
「ほう、そんなことがあったのか」
 感心したように声を上げた。書物を二、三枚めくれば、頭痛がしてくる飛十郎である。
「小田原落城のあと、意気ようようと入城した秀吉が、まず馬からおりたのが本丸の御金蔵の前だったそうです」
「ふん、猿面らしいな。あやつ、黄金の茶室をつくったというではないか」
 飛十郎は、あらためて侘びのきいた数寄屋造りの離れを見まわした。
「秀吉にとどいた報告によれば、巨大な金蔵の中には、数千万両の黄金が山積みになっているはずでした」
 数千万両、と聞いて飛十郎の目が皿のようになった。
「しかし、どの御金蔵の扉を開いても、中は空っぽだったそうで、そのおりの太閤の驚きようが語り草として残っております」
「ざまあみろ秀吉め。どうせ目と口をあんぐりあけた、間抜けずらだったんだろう」
「おや。早船さまは、まるで太閤殿下と知り合いのような口振りでございますな。まさか豊臣家と関わりのあるお家柄ではないでしょうな」
「馬鹿をいうな。もしそうなら、とっくに江戸城大手前のあたりで、磔(はりつけ)になっておるわ」
「まさか、そんなことは無いでしょうが。なにしろ豊臣家といえば、貴種でございますからな。秀吉こそどこの馬の骨かわかりませぬが、母親の淀の方さまの血筋には、かの信長様がおられますからなあ」
「ほう、油屋。おぬし、織田信長公のことを、よく知っているのか」
「いえ、どういたしまして、ほとんど知りませぬ。ただ、東照神君様の兄貴分で、太閤殿下の主筋だったそうですから、ありがたいお方にちがいなかろうと思っているだけでございます」
 その頃の庶民の、織田信長にたいする知識は、こんなものだったと言われている。関東に繁栄をもたらし戦国最後の勝利者となった家康と、名も無い農民からのし上がって天下取りをした秀吉。ふたりの人気者の影にかくれて、信長の事跡はほとんど忘れられていた。
「なんだ。そんなことしか知らんのか」
飛十郎は、気落ちした声を出した。
「いいか油屋。そもそも信長公というお方はだな。乞食同然に諸国を放浪していた秀吉をひろい上げ、草履取りに雇って出世の糸口をつくったという、えらい武将なのだぞ。つまり、信長公がいなければ、かの秀吉めも、家康も……」
「東照神君様を、呼び捨ては感心しませぬな早船さま。恐れおおうございますぞ」
 うやうやしい声で言った喜助を、飛十郎は鼻白んだ顔で見た。
「おぬしこそ、徳川家と縁があるようなことを言うではないか。まさか関わりはないだろうな」
「この油屋、将軍家との関わりなら、立派にございますぞ」
 喜助は、胸を張って言った。
「箱根湯本のこの油屋、これまでに何度も、湯樽に温泉をつめて、江戸城へ献上しております」
「温泉とは、おれが入った岩風呂の湯のことか。とすれば、おれは徳川将軍と同じ湯につかっていたことになるな、十一代家斉と」
「おっしやる通りで。ここの温泉は、湯本でも一、二をあらそう名湯でございますからな」
「ふうん。もし本当なら、立派なものだ」
「本当ですとも。さて、そろそろ退散させていただきます。ちと眠うなりました」
 ふらりと立ち上がると、喜助は徳利を持って障子を引き開けた。
「まてまて、油屋。まだ話がすんでおらんぞ。御金蔵の数千万両はどうなったのだ。湯など、どうでもいいぞ」
「ああ、あの金は、高野山に追放された氏直さまが、お家を再興する時ためにと、北条家の勘定奉行だった秋月六郎太さまが、落城まえにこっそり運び出して箱根山へ埋めたということでございます」
「その、あれだ、絵図はないのか。よくあるだろう、隠し場所をしるした秘密の絵図面が」
「ありませんな」
 あっさりと喜助は言った。
「ないのか。それでは、雲をつかむようではないか。話にならん」
「なにしろ二百三十年も前のことでございますからな。では、これにて、ごめんを」
 徳利を下げて廊下へ出た喜助を、あわてて飛十郎は呼び止めた。
「まて。ほかにはないのか、油屋。埋蔵金の話は」
「ないことはございませんが。こちらのほうが、よほど雲をつかむような話ですぞ。なにしろ六百二、三十年ほども昔の話ですからな」
 飛十郎は、げんなりした顔で、肩を落とした。
「時代は、源平争乱の頃のことでございます。鎌倉に幕府をうち立てた頼朝は、不和となった弟・義経の追討を京の後白河法皇に奏上し、勅許されるやただちに全国の武士たちに追わせたことは、もちろんご存知でしょうな、早船さま」
「まあな」
 ぶっきらぼうな声で、飛十郎は答えた。
「それを聞いた奥州・平泉の藤原氏は、義経を救援するため金売り吉次に命じて、砂金および黄金の粒を、馬二十頭に乗せて関東へ急行させた。というのはご存知ですかな」
「それは、知らん」
「伝承によれば、義経と吉次は底倉のあたりで出会ったそうでございます」
「また底倉か、六百数十年も昔だぞ。底倉の湯というのは、それほど古いのか」
「一説に、この湯本とほぼ同じ頃に開かれたともうしますからな。古うございます」
「では聞くが油屋。ここは、いつ頃できたのだ」
「天平十年(七三八)の遠き昔にござります。ともあれ義経と吉次は、底倉の出で湯につかりながら、黄金の埋め場所を相談したことでしょうな」
「もちろん、絵図などはないだろうな」
 ごしごし髭をこすりながら、飛十郎は聞いた。
「あるわけがございません」
「よし、わかった。もう、いい。寝ろ、油屋」
 濡れ縁に出た喜助の背後で、障子を閉めようとした飛十郎が手を止めた。
「まて油屋、その徳利は置いていけ。呑まねば眠れん」
 ゆらゆらと躰をふらつかせながら、喜助は振りむいた。
「しかし早船さま、この徳利は空でございますぞ。それでよろしゅうござれば……」
 引き返そうとした喜助の鼻の先で、ぴしゃりと飛十郎は障子を閉めた。
「いけ! 油屋。空の一升徳利を貰っても、どうにもならん」


五 魔性の剣
 
 その夜、飛十郎はいつまでも寝つかれなかった。
 寝床にもぐり込み、薄い夜具を胸まで掛けて目を閉じていたが、眠気はいっこうにやってこない。瞼の裏に長い黒髪が風にたなびくさまや、白い裸身を湯煙りが包むさまが、魔物のように取りついて離れない。
「これは、まずい」
 寝返りをうつと、飛十郎は頭から女の裸体を追い払い、皮袋に詰まっていたという黄金のほうへ、意識を集中した。小田原城の金蔵から消え失せた、北条家の数千万両におよぶ軍用金。金売り吉次がはるばる奥州から馬二十頭に乗せて運んで来たという、義経の埋蔵金。それに神隠しにあった男が、女だけが住む隠れ里から持ち帰った皮袋いっぱいの金。
 まばゆいばかりの黄金の輝きが、みるみるうちに飛十郎の目の奥に広がっていった。
「数千万両とはいわぬ。おれは、それほど欲張りではないからな。せめて千両、いや五百両でよい。なんとかならぬものか……」
 目を閉じたまま、小さく飛十郎はつぶやいた。年に十二、三両もあれば、長屋住まいの家族三人が
楽に遊んで暮らせる時代である。五百両といえば、飛十郎が毎日酒を呑み、物見遊山に出歩いても一生安楽に暮して、まだお釣りがくるほどの金額だった。
「これは、いかん」
 寝るどころの騒ぎではない。ますます目がさえてしまった。
 起き上ると、飛十郎は寝床の上であぐらをかいて、腕を組んだ。崖の下から聞こえる早川の水の瀬音が、夜がふけるにしたがい、ますます高くなって耳につく。それに木々のざわめく葉音や、時おり鳴く夜鳥の声や虫の音も重なって、夜の箱根の山はかなりうるさい。
「ひと風呂、あびてくるか」
 肌が冷えてきた。江戸では残暑がつづき、寝苦しい夜もあるというのに、ここ箱根はやはり山である。
 飛十郎は立ち上がると、脇差しと手拭いを手に持って濡れ縁へ出ると、庭におりた。岩風呂までの道は、あちこちに置かれた常夜灯や月あかりに照らされて、迷うことはない。
 脱衣場に入ると飛十郎は浴衣を脱ぎ、脇差しをもって岩風呂のほうへ歩いていった。時刻はわからなかったが、月のかたむき具合から見て、夜半はとうに過ぎているだろう。
「む」
 飛十郎は足を止めた。岩風呂に近づくにつれ、それまでに岩陰に隠れていた女の姿が目に入ったからだ。背をむけていたが、黒く長い髪と白い肌は、まさしく頭から湯をあびせかけて走り去った女だった。
「ごめん」
 べつに遠慮することもあるまい。飛十郎は、せき払いをすると、脇差しを横の岩の上に置いて、湯の中へ身を沈めた。女は振り返って、飛十郎の方を見た。雲間から差し込む月の光りで、あたりは明るかったが、湯に入ると女の顔は湯煙りのために、さだかには見えない。
「う、ううむ」
 こたえられない。やはり出で湯は、心地良い。ゆったりと伸ばした五体に、温泉の精気がじわじわと浸み込んでくるような気がする。静かに湯につかった飛十郎の首に、ゆらりと、かすかな動きが伝わってきた。閉じていた瞼を、飛十郎はわずかにあけた。居合でいう〔遠山の目付け〕である。
 およそ三間ほど離れて湯に入っていた女の姿が、気のせいか近ずいたような気がする。しかし、間合いはまだ充分にあった。刀の刃先が届く距離ではなかった。
 さて湯をあびせてくれた、礼を言うべきかどうか飛十郎は迷っていた。といって無言のままでいるのも、気まずい。やはり、ここは男のほうが一歩ゆずるべきだろう。
 飛十郎は、女にむかって笑いかけた。
「いや、さきほどは……」
 その瞬間、しやっと音がして、湯の中から青白い蛇のような物が飛び出すと、飛十郎の顔面に襲いかかってきた。背中をしたたか岩に打ちつけながら、飛十郎はのけぞるようにして、左手で掴み取った脇差しを引き抜いた。
 夜気の中を、金属と金属が打ち合う鋭い音が響いた。飛十郎の刀で打ち払われた青白い蛇が、ふたたび湯の中に沈んだ。同時に飛十郎の目の前から、女の姿も消え失せていた。
 まさしく、魔性の剣であった。
 飛十郎は湯の中で仁王立ちになっていたが、じりじりと半身の構えに変えていった。岩風呂の底を、飛十郎は見すえていた。月のない闇夜であれば、おそらく飛十郎は倒されていたろう。
 やがて、湯煙りの中から浮かび上がるように姿をあらわした女とともに、ふたたび青白い蛇が凄まじい勢いで飛十郎の頭上めがけて襲いかかってきた。二撃目を待ちかまえていた飛十郎は、避けようともせず女の手元に躍り込んでいった。
 額の上五寸で、斜めに構えた飛十郎の刀が相手の武器を受けて、戛然(かつぜん)と鳴った。
 無双直伝英信流・奥の立技〔受け流し〕である。
 目にも止まらぬ速さで、女の胸元に付け入った飛十郎の刀の鎬(しのぎ)が、形のいい乳房をぴたりと
抑えつけた。半転して引けば、女の胸は切り裂かれてしまう。
「見事じゃ。うずめが見抜いた通りの剣さばきだ」
 手に持っていた武器を、からりと投げ捨てると、女は爽やかな笑顔で飛十郎を見た。
「女。どうして、こんなことをした。わけを言え」
「女という名ではない。わらわは香具山の高天(たかま)の里からきた、咲椰(さくや)だ」
 なるほど、よく見ると月光に照らされたその顔は、湯をあびせかけた女より、さらに若い。あの女が二十五、六の中年増なら、目の前の女は十七、八にしか見えない。
 飛十郎は、あたりを見廻した。岩陰に、もう一人の女が身をひそめて、いつ襲いかかってきても不思議ではない。
「うずめを捜しているのか。無駄だ、あれはここにはおらぬ」
「あの女、うずめという名か」
 飛十郎は、左手で額に浮いた汗をぬぐった。
「そうだ。うずめに聞いて、わらわはおまえの剣の腕をためしにきた」
「おれの腕を見にきただと。なんのためだ」
「手を貸してもらいたい」
 思わず飛十郎は、女の顔を見直した。月あかりに、白い歯が輝くのが見えた。
「わらわは氏族のために、おまえに助けてもらいにきた」
「助太刀か。ならば、こんなことをする必要はない。宿におれを訪ねてきて、口でいえばいい」
「だめだ。口だけ達者で、からきし剣を使えぬ者たちが何人もいた」
「ふむ……、なるほどな」
「もうわかったであろう。わらわの胸から、その刃(やいば)をのけてくれ」
 咲椰と名のった女は、笑いをこらえるような音を、口からもらした。白い歯が、もう一度、月に光った。
「いいだろう」
 飛十郎の顔に、血の色が戻ってくる。素早く女から離れると、すぐ横に転がっている武器を手に取った。
「なんだ、これは。斬馬剣か」
 両刃(もろは)になった二尺ほどの直刀を、長い棒の先に取り付けた、初めて目にする珍しい武器である。
棒は白く塗られている。そのため湯の中から襲ってきた時、月光に照らされて青白い蛇のように見えたのだ。室町から戦国期にあったという斬人斬馬用の長巻きに似ているが、それよりむしろ百済(くだら)から渡来し飛鳥・奈良朝のころ兵士たちが使ったという矛(ほこ)に近い。
「それは、われら氏族が、はるか太古の昔から修練を重ねてきた祖先伝来の武具だ。めったに遅れはとらぬが、おまえには負けた」
 しげしげと両刃の直刀の鉄味を、月の光にかざして眺めていた飛十郎が、女の手に返しながら言った。
「たしか咲椰どのといったな。話しによっては、助太刀しなくもないが。この早船飛十郎、ただでは動かぬぞ」
 咲椰の裸身から離れると、飛十郎は手拭いで刀をぬぐい、鞘に納めた。
「こちらも、ただでは頼まぬ。むろん謝礼はさせてもらうつもりだ」
「よかろう。ちと寒くなった、湯につかりながら、ゆっくりと事情を聞かせてもらおうか」
「ここでは話せぬ。われら氏族の館(やかた)まで、出むいていただかなくてはならぬ。それが、こちらの条件だ」
 寒さを感じない体質なのか、咲椰は岩風呂から出ると矛をひろい上げて、崖にむかって歩き出した。
「まて。つかぬことを聞くが、おぬしの館とやらに、どんぐりの実ほどの黄金の粒というのはあるか」
「は、はは、早船どのも神隠しの噂に毒されているのか。あの昔話と、われら氏族は関わりがない。が、黄金はある。安心してくるがよい」
「わかった。それで、いつ出むけばいいのだ」
 肩まで湯に沈んで、飛十郎はのんびりした声で聞いた。
「きまっている。いますぐだ」
 咲椰は、矛を手にしたまま、ひらりと裸身を崖に躍らせた
                   

 了 〈助太刀兵法6 秘剣虎走り〉につづく





最終編集日時:2010年12月14日 13時19分

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10/26 08:40 「本日のマーケット」(株式編)・・・ 続伸後に日経平均株価が1万9000円台を回復。
10/21 08:39 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円ちょうどの壁を意識。
10/21 08:25 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、方向感の出づらい展開。
10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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