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〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄(終章) (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2011年11月27日 12時17分の記事


【時代小説発掘】
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄 (終章)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 江戸から来た伊蔵によって又四郎の到着を知った飛十郎は、いよいよ仇討の仕上げに取りかかった。義仙に柳生家墓所へ案内されたとき、肉親同士の確執に満ちた柳生の秘密に気付く。仇討の日が来て、飛十郎は助太刀人として又四郎とともに仇討場へいく。仇討が終わったあと、意外にも義仙と果たし合いをするはめになる。柳生新陰流の天狗抄の秘剣と、無双直伝英信流居合いの決闘は、どちらが勝利するか?
いよいよ物語は、手に汗握るクライマックスに突入! 果たして飛十郎は、生きて柳生谷を脱出することが出来るのか………。

【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗 
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)
〔助太刀兵法11〕柳生天狗抄 (1)
〔助太刀兵法12〕柳生天狗抄 (2)

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【時代小説発掘】
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄 (終章)
花本龍之介 



一 円成寺

 流れる川のせせらぎの音で、飛十郎は目を覚ました。寝る前に貼った打ち身膏薬のおかげか、肩の痛みがずいぶん軽くなっている。
「早船の旦那、大丈夫ですかい」
 声のほうを見ると、目役の伊蔵が心配そうに行灯の傍で、かしこまっていた。
「うむ。いつ、きた」
「へい、一刻(二時間)ほど前で」
「なぜ起こさなかった」
「よくお眠りだったもんで。茶店の亭主も、休ませたほうがいいといってましたし」
「そうか……。田沼どのは、どこまで来ている」
「へい。奈良と柳生の、ちょうど中ほどでしょうな。円成寺というのが柳生街道ぞいにございます」
「おう、あの寺か。ここへくる途中、おれも立ち寄った」
「田沼さまは、寺の本堂の仏像の前で、むずかしい顔をして座禅を組んでおられます」
「あとの二人はどうしている」
「抜かりはございやせん。お指図の通り、友蔵は円成寺で、鉄蔵のやつは峠の茶屋で待たせております。ほかに奈良から乗ってきた駕籠かき二人もおりやすから、柳生藩で妙な動きがあれば、すぐに奈良奉行所へ駆け込む手はずになっておりやす」
「よし。伊蔵、よくやってくれた。あとは、芳徳寺の使いを待つだけだな」
 飛十郎はゆっくりと目を閉じたが、すぐに目を開けると、寝床から身を起こした。
「いま何刻だ、伊蔵」
「へい。およそ、暮れ六つ半(午後七時)頃だと思いやすが」
「よく眠ったものだな。道理で腹が空いている。悪いが、茶店の者にいって夕餉を運ばせてくれ」
 飛十郎は立ち上がると、肩の骨をゆっくりと動かしてみた。朝はあれほど痛んでいた左肩が、もうほとんど痛まない。打ち身に効能があるという、柳生谷の薬草から作った膏薬が、よほど効き目があったとみえる。
「そうだ、伊蔵も一諸に晩めしを食べろ」
 離れ座敷から出ていこうとした伊蔵は、振りむいた。
「旦那は眠ってるし、なにが起こるかわかりませんから。あっしはさっき、すましちまいやした」
「さすがは伊蔵、いい心掛けだ」
 にやりとして、飛十郎が無精髭をこすった時、庭を駆けて来た茶店の小女が、手に持っていた書状を高くかざした。
「早船さま! 芳徳寺さんからお使いが見えて、これを渡してくれって」
「ありがたい。待っていたぞ」
 飛十郎はすぐに封を開くと、行灯の前へいって読みはじめた。
「伊蔵、仇討が決まったぞ」
 書状を巻き戻しながら、飛十郎は大きくうなずいた。
「いつでございます」
「明日の朝五つ半(午前九時)だ。場所は、芳徳寺にある柳生家の墓所だ」
 伊蔵は、いぶかしげな顔をした。
「墓場とは、また妙なところで仇討をいたしますな」
「悪いが、伊蔵。この書状を、すぐに円成寺の又四郎どのに届けてくれ」
「返事は」
「いらぬ。明朝、夜明けと同時に円成寺を出て、この辻の茶店へ連れてきてもらいたい」「へい。旦那、いよいよ大詰めも近こうございますな」
「そういうことだ。夜道だぞ、茶店の提灯を借りていけ」
 伊蔵は、白い歯を見せた。
「なあに、あっしは夜目がききます。それにこの月夜だ。提灯なんざ、かえって邪魔ってもんで。じゃ、旦那、ごめんなすって」
 夜空を見上げながら尻っ端折りをすると、伊蔵は鉄砲玉のような勢いで茶店を飛び出していった。


二 柳生墓所

 芳徳寺の山門を抜けると、飛十郎は寺男に教わった通り、本堂の横の山道を奥にむかって歩いていった。左側は切り削いだような深い崖で、見おろすと竹林や杉木立の間から、はるか下を流れる川や武家屋敷の屋根が、目の下に小さく見えた。
 やがて道の向こうに、古びた石塀に囲まれた墓所と、石の拝座の上で正座をしている義堂の後姿が見えて、飛十郎は足を止めた。足音に気付いたのか、義堂は振りむくと手の数珠をまさぐりながら、飛十郎にむかって頷ずいて見せた。
「早くにお呼び立てして、申しわけない。仇討の前に、早船どのと話したいと思いましてな」
 微笑を浮かべながら拝座から降りると、義堂は草履をはいた。
「なんの。それがしも、同じ気持ちでござる」
「かたじけない。ここは、芳徳寺代々の住職の墓所でな。これが当山第一世の義仙・烈堂の墓でござる」
 正面の、ひときわ大きな墓石を、義堂は見た。
「おお、あの柳生烈堂どのの。たしか十兵衛三厳どのの弟でしたな」
「さよう。十一歳で仏門に入れられた、柳生宗矩の末っ子でござる」
 剣の名門、柳生一族の生まれながら、年少のうちに僧となった烈堂とわが身を引きくらべているのか、義堂の声がいつになくしみじみした感じで、飛十郎の耳をうった。   「さてと……。田沼又四郎どのは、もう柳生谷へお着きでしょうな」
「いかにも。とうに辻の茶屋へ到着いたし、仇討の刻限をじりじりしながら待ちかねております」
「は、はは、それは柳生源之介もおなじこと。昨夜は、本堂に安置された西江院・宗矩の木像と、沢庵禅師の木像の前で、神妙に座禅を組んでいたが、今朝はうろうろしておったのでな。一喝してきたところじゃ。まことに、ふがいない。さぞ祖先が、なげいておろうの」
 僧衣の手を前に組むと、慨嘆するように義堂は、墓所を取り囲んでいる杉の大木を見上げた。
「お笑いめされ、早船どの。かっては将軍家指南役として、冶国平天下の剣をうち立て、剣の柳生か柳生の剣か、天下にその名を轟ろかせた柳生家も、いまは吹けば飛ぶような、小大名に落ちぶれもうした」
 悄然と肩を落とした義堂の姿を、言葉もなく飛十郎は見ているしかなかった。
「しかも、拙僧はその一万二千五百石を、身をもって守らねばならぬ立場じゃ。ときおり肩の重荷を投げうち、楽になりたいと思うこともある。それもいいが、ただ一つ気がかりなのは慈念の身の上じゃ。それだけがのう……」
 つぶやくように言って言葉を切ると、義堂は気を変えるように首を振った。
「は、はは。ただの老僧の愚痴じゃと思うて、お聞き流しくだされ。早船どの、これからご案内いたすのが、本日の仇討の場所となる柳生家歴代の墓所じゃ」
 さっと僧衣の袖を一振りすると、義堂は胸を張って飛十郎の前を歩きはじめた。石ころまじりの狭い山道を、少し下がった先にその墓所はあった。
「これが、主だった門弟や家臣たちの墓でござる」
 石段を登った左手の、低い土塀に囲まれた墓地の前で、義堂は立ち止まった。古びて苔むした墓石が三十近く並び、多くは永年の風雨のためか、表面の文字もほとんど読めないように見えた。
「そして、ここが柳生家の墓所じゃ。さあ、早船どの、遠慮なくまいられい」
 長い急な石段をさらに登った先の、平坦な台上にその墓地はあった。
「失礼いたす」
 先に立つ義堂に会釈すると、飛十郎は瓦を乗せた土塀に四方をぐるりと囲まれた、立派な墓所の中へ入っていった。
 石の拝座の上で、うやうやしく先祖の墓に拝礼した義堂は、素早く立つと正面のひときわ大きな墓石の前に歩いていった。
「柳生藩祖・但馬守宗矩の墓でござる」
「おお、これが」
 見上げるばかりに、巨大な墓である。二重の台座のうえに円柱が乗り、その上に屋根石が重ねられ、さらに宝珠石が乗っている。
「ふうむ……」
 剣一筋をもって将軍家に仕え、のちに惣目付として諸大名に睨みをきかし、ついには地方の一豪族から大名にのしあがった、柳生一族総帥の墓にふさわしく、傲然と肩をそびやかしているようにも見える。
「そして、この右にあるのが十兵衛三厳の墓。左のほうが二代藩主となった飛騨守宗冬の墓じゃ」
 義堂が指差した二基の墓は、まるで父・宗矩を守るかのように、左右に立ち並んでいた。
「いや、それにしても」
 奇妙な墓である。飛十郎は内心おどろいていた。三代将軍家光の勘気をこうむって江戸を追放され、そのあと諸国放浪の旅をしたという十兵衛の墓石が、大名である宗矩や、弟・宗冬のものより大きく見えることだった。
 本来ならば、御公儀をはばかってもっと小さく、いやそれどころか、この墓所ではなく違う場所でひっそりと……。あらねばならぬ十兵衛三厳の墓が、堂々と胸を張って飛十郎の前に立ちはだらかっているように見える。やはり柳生十兵衛は、家光に命じられて各藩の内情をさぐる、隠密だったやも知れぬ。
 そう思案しつつ、無精髭をなぜ廻していた飛十郎は、宗冬の墓石に目を移した。
「また、これは……」
「なんじゃ。さっきから、なんやかやと口の中でぶつぶついっておるが。当家の墓所のことで、わからんことがあれば、拙僧に聞けばよかろうが」
 墓地の中を歩き廻っていた義堂が、飛十郎の独り言を聞きとがめると、うなるような声で言った。
「いや、他意はござらん。あまりに大きくて見事な墓なので、感心しているだけでござる」
 と答えたが、じつは飛十郎、宗冬の墓石だけが、宗矩や十兵衛とあまりにも形が違うので、不審に思っていたのだ。
 宗矩の子の中で、もっとも剣の技量が劣るといわれた宗冬が、長兄・十兵衛や、同年の兄・友矩の相つぐ奇怪な急死により、不思議にも柳生藩主の二代目を継ぐことになった。家光の寵愛を一身に受け、生まれつき眉目秀麗といわれる友矩にくらべ、宗冬は容貌魁偉だったとも伝えられている。そこに男ばかり四人の兄弟の、三男として生まれた宗冬の悩みや苦しみがあったかもしれない。
 父と子、兄と弟の、同じ血が流れているからこその、葛藤や憎悪が宗冬にはあって、それが宗矩や十兵衛とまったく違う墓を作った。としても、べつに不思議ではないのだが、あいにく天涯孤独で、この世に身寄りが一人もいない飛十郎には、そのあたりのことは、まったくわからない。ただ、長方形の墓石に乗った唐破風造りの屋根石を、しげしげと見上げているばかりである。
「なにか、気になるかな。飛騨守宗冬の墓を、いやに熱心に見てござるが」
「あ、いや、べつに。それより、あそこにある石塔はなんです。珍しい形をしているが」 墓所の隅に、ぽつんと立っている低い石の塔を、飛十郎は指差した。
「おう、あれは石舟斎宗厳に新陰流を伝えた、上泉伊勢守さまの供養塔じゃ。柳生家では柳眼塔と呼んでいるがな」
「ほほう。あの、悪しゅうござる、の上泉伊勢守どのでございますな」
「そうじゃ」
 その昔、まだ血気盛んだった柳生宗厳が、高名な伊勢守が奈良へきたと聞くや、すぐさま旅宿へ押しかけ、立ち合いを申し込んだのはいいが、まるで赤子のごとくあしらわれた。くやしがった宗厳が、何度勝負をいどんでも、
「それは、悪しゅうござる」
 と、手もなく打ち込まれ、いま一度と飛び掛かったが、
「これも、悪しゅうござる」
 と言われて、伊勢守にぽんぽん打たれた。というのは、剣を志す者ならば、誰でも知っている有名な逸話である。
「柳眼塔の意は、柳生家の剣の目を開かせてくれた恩人、ということですかな」
「はて。わしも、ようは知らんが。ま、そんなとこかもしれんな」
「そういえば、柳生新陰流の流祖・石舟斎どのの墓に、まだお目にかかっておりませんが」
「見たいかの」
「ぜひ」
「ならば、案内しよう。こちらじゃ」
 居並ぶ柳生一族の墓のあいだを抜けて、たどり着いた石舟斎の墓を見るなり、そのあまりの小ささに飛十郎は思わず絶句した。
「むう……」
 これが、田舎の一豪族でしかなかった柳生一族を、自らが創始した柳生新陰流をもって剣の家門として名を高め、家康に無刀取りを見せて家運を開いた、あの石舟斎の墓とは、にわかに信じられぬ粗末さであった。
「義堂どの。ほんとうに、これが宗厳どのの墓でござるか」
「なにをぬかすか! ほんとうもなにも、ここに柳生家お墓所が出来ていらい、柳生石舟斎の墓は、これしかないわい」
 大声で怒鳴りつけた義堂にむかって、頭をかいて見せると、飛十郎は足元の古びた五輪塔を、もう一度まじまじと見すえた。
「ふうむ」
 見上げるばかりに壮大な、宗矩や三厳の墓にくらべ、苔むして字などまったく読み取れない石舟斎の墓石は、飛十郎の膝ほどしかない。
 将軍家兵法指南役として、自信と誇りにあふれていた但馬守宗矩が、いくら懇願しても柳生新陰流の一国一人の正統印可と、柳生家の宝刀・出雲国永則を渡さず、兄・厳勝の子である尾張の兵庫助利厳に伝えた父を、終生ゆるさなかったのだろうか。
 宗冬といい、宗矩といい肉親ゆえの、他人にはうかがい知れない憎悪や怨念が、死してのち数百年たっても、この墓所に渦巻いているような気がして、飛十郎は思わずあたりを見まわした。
「むずかしげな顔をして、なにをうなっておる。これから命のやりとりをするというのに、早船どのはまこと妙なお人じゃのう」
「はあ、命のやりとり、ですか」
「おうよ、助太刀商売のことじゃ。まもなく、ここで仇討がはじまるぞ」
 きょとんとした飛十郎の顔に目をやると、義堂は愉快そうに笑いはじめた。
「は、ははは。いや、まことに気持ちのよい朝じゃ。見られよ、雲ひとつない、高い高い青空でござる。仇討にうってつけの日ではないか」
「たしかに、そうですな」
「さよう。またとない、仇討日和(びより)じゃ」
 背後に人の気配を感じて、飛十郎はさりげなく、ふところに入れていた手を抜き出した。杉木立や竹林の間にも、人影がちらちらしている。槍を手にしている者もいた。
「心配ござらん。警固の手くばりじゃ」
 飛十郎の傍へよると、義堂は声を低めた。
「あれはの、恥をいうようだが、源之介のためじゃ。あやつめ、いつ臆病風を吹かして、この場から逃亡するやもしれぬ」
「まさか。この期におよんで、それはありますまい」
「いやいや、どんな一族でも、もてあまし者はおるが。あやつは、桁はずれじゃ。こともあろうに遊里で乱酔したあげく、遊女を奪い合い三人も人を殺(あや)めるとは……」
 非痛な顔で、義堂は溜め息をついた。
「柳生の名に、見事に泥をなすりつけよった。あやつが生きているかぎり、柳生家の者は江戸はおろか、天下の大道を顔をあげては歩けん」
「それでは、柳生家の墓所を、仇討の場所に選んだのも……」
「早船どのの思われている通りじゃ。この拝座の上で、いさぎよく腹を切ってくれれば、一番よいのじゃが。源之介めは、又四郎どのを返り討ちして、おのれはまだ生きながらえる気じゃ」
「たしかに、剣の勝負は時の運。なにが起きるか、わかりませんからな」
 そう言って、飛十郎は頷ずいた。
「ま、せめて生々堂々と、先祖たちが見守る前で、又四郎どのと闘ってほしい。そう思って、ここを仇討の場にしたのじゃが。はて、どうなることやら」
 墓所の門の横にある六体の石地蔵を、義堂は淋しげな顔で見入った。
「つかぬことをお尋ねいたすが、義堂どの。大和柳生の秘剣・天狗抄は、二人懸りの技前でござるか」
 ふいの質問に、義堂の表情がみるみる変わった。
「なんじゃと。おう、天狗抄か。せっかくだが、流祖・石舟斎宗厳どの以来、他流の者にはけっしてあかさぬのが、柳生の法度(さだめ)じゃ」
「そうでしょうな」
 晴れあがった空を見上げて、なにやら眩しそうな目をすると、飛十郎は無精髭をこすった。
「ふ、ふ。じゃが、早船どのは格別のお人じゃ。よろしかろう、お答え申そう」
「いや、これは、かたじけない」
 飛十郎は、頭を下げた。
「柳生天狗抄は、表裏二つある。表の天狗抄は江戸で見られた通り、八種ある技の総称をいうが。大和柳生に伝わる裏の天狗抄は、これまで一度として破られたことのない、恐るべき秘剣じゃ。つまり、表柳生の活人剣にたいして、裏柳生の必殺の暗殺剣じゃ」
「必殺の……、暗殺剣」
 飛十郎は、首をかしげて呟やいた。
「そうじゃ。刺客の剣、といってもよいが、敵の強弱によって、さまざまに変化する。水に写る月影が、波の動きによって数かぎりなく変わるようにな。相手が強いとみるや、一人が二人、三人、四人と無限に増えていく。敵のとどめを刺すまでまでな」
「ううむ。恐ろしい剣ですな」
 飛十郎は、ごくりと唾をのみ込んだ。
「柳生では、これを懸ると呼ばず、陰(かげ)と称しておる。つまり、二つ陰、三つ陰、四つ陰というようにな。将軍家のため、ひては天下国家のための秘剣が、柳生天狗抄じゃ。これを相手にすれば、いくら早船飛十郎とて、生きてこの柳生谷を出ることはかなわぬぞ」
 厳しい顔で、義堂は飛十郎を見た。
「そのようですな」
 苦笑いをすると、飛十郎は指先で顎をさわりながら、周囲を見まわした。墓所を取り巻く警固の数がもっと増えたようだ。
「だが、その前に、まず仇討じゃ。辻の茶屋にいる又四郎どのには、すでに柳生藩の使い番が、お迎えに出むいているはず。われらも芳徳寺の書院で、茶でも喫して喉をうるおそうではないか」
 先に立って石段を降りていく義堂を、飛十郎が呼び止めた。
「源之介どのの助太刀は、柳生家のどなたです」
「気になるかの。ふ、ふふ、早船どの、ないしょじゃ」
 前をむいたまま、義堂は墓所の石段を降りつづけた。
「ないしょ、ですか」 
 飛十郎が、あきれたような声を出した。
「さよう、その時までお待ちなされ。そのほうが楽しみというものじゃて。は、ははは」 石段の途中で足を止めた飛十郎を置き去りにして、義堂は笑いながら歩いていった。


三 生死の剣

 書院に案内されてきた若い侍を見て、飛十郎は手にしていた茶碗を下に置いた。十八歳と聞いていたが、なるほど若い。
「田沼又四郎でござる。このたびは、お世話にあいなり申す。なにとぞ、よしなに」
 正座し礼儀正しく畳に手をついて、初対面の挨拶をする又四郎を見て、思わず飛十郎は微笑を浮かべた。
「助太刀人の、早船飛十郎です。昨夜は、よく眠れましたかな」
「はい、なんとか。奈良に着いたときは、気が高ぶってか、ろくに眠れませんでしたが。柳生に入り、円成寺にこもってからは、不思議と安眠できるようになりました」
「それはよかった」
 慈念が入ってきて、又四郎の前に茶を置いた。
「さ、まず、茶を飲まれよ。真剣での勝負は、ひどく喉が渇くものです。茶か水を存分にとられたほうがいい」
「は。なにごとも、早船どののお指図にしたがうつもりです」
 慈念にむかって叮嚀に会釈を返すと、又四郎は茶を飲みはじめた。
「仇討の刻限まで、心を静めてお待ちなされよ。この飛十郎のみるところ、討ち人の又四郎どのと、討たれ人の柳生源之介の腕は、まず互角。と、なれば、生死をわけるのは、気力でござろう」
「気力ですか。なるほど」
 飲み乾した茶碗を置きながら、又四郎は飛十郎の顔を見た。
「しかし源之助は、わたしの兄をふくめて三人を斬っております。それにひきかえ、こちらは刀を抜くのも生まれて初めて、大丈夫でしょうか」
 自信がなくなったのか、又四郎の表情が不安そうにくもった。
「は、はは、心配なさることはない。そのために、この早船飛十郎がついている」
 笑い飛ばすと、慈念のほうに目をやった。
「そういえば慈念どの。源之介どのにも、柳生家の手だれが助太刀につくそうだが、誰でござろうかな」
 飛十郎に訊ねられて、慈念は小さな坊主頭をかたむけた。
「さあ、どなたでしょうか。わたくしは知りません。ただ和尚さまが選ばれるとだけ、聞いております」
「そうか。まあ、いい。誰にしろ、柳生新陰流・正木坂道場の門人ならば、相手にとって不足なし。助太刀のしがいが、あるというものだ」
 にこりと笑って、慈念を見る。
「悪いが、又四郎どのに、茶のおかわりをたのむ」
「早船さまは、よろしゅうございますか」
「茶はもう飲みあきた。酒ならば遠慮はせんが、駄目だろうな」
「あたりまえです」
 あきれ顔で、飛十郎をひと睨みすると、慈念はさっさと書院から出ていった。
「は、はは、冗談のわからぬ小坊主どのだ。が、義堂どのの後継ぎには、まことにふさわしい。いずれ、みごとな芳徳寺住職に育つであろうよ」
「はい。そう思います」
「又四郎どの。気力というのは、いい変えれば、執念といってもいい」
「執念。ですか」
「そうだ。仇討というものは、又四郎どのが兄上の無念を晴らしたい。という執念と、源之介の返り討ちをしてでも生きのびたい。という執念の争いだ。おわかりか」
「早船どのは執念が強いほうが勝つ、といわれるのですか」
「剣の腕に格段の違いがあれば、勝敗は最初の一太刀で決まる。だが、技前にさほどに差がなければ、とどめを刺すまでに、かなりの時がかかると思わねばなるまい」
「この仇討、早船どのは生死を決するまでに、どのくらいかかると思われますか」
「まず、半刻(一時間)から一刻(二時間)は、かかろうな」
 又四郎は、驚いたように顔をあげた。
「その頃には、もう疲れ果て息もたえだえに、なっているだろうな。刀を握っているのも、やっとのことで立つのもおぼつかないかも知れぬ」
「二人とも、ですか」
「うむ。そうなれば、生死は紙一重のこととなる。もはや剣の腕などは、なんの役にも立たぬ」
「つまり、生きたいという執念が強いほうが勝つ、といわれるのか」
「かもしれぬ、ということだ又四郎どの。これだけは、やってみなければ、わからんからな」
 廊下のほうから、茶を運んでくる慈念の足音が聞えてきた。
「わかり申した、早船どの。ただいまの教え、この又四郎、胆にめいじて忘れませぬ」


四 二階笠

 田沼又四郎をしたがえて、飛十郎が柳生家の墓所までやってくると、槍を手にした柳生藩の若侍がふたり、行く手をさえぎるように立ちふさがった」
「ここでお待ちいただくようにとの、柳生義堂さまのお言いつけでござる」
 さっきとは、うって変わった厳しさである。
「さようか」
 言われるままに立ち止まった飛十郎は、目の前の墓所を見あげた。さっきまで何もなかった土塀の上に、ぐるりと柳生家の定紋入りの白い幔幕が張りめぐらせてあった。
「よく見られるがよい。あれが、有名な柳生の二階笠だ」
 又四郎にそう教えながら、飛十郎もなにやら、しみじみした思いで、家紋を眺めた。知られているように、柳生家の紋所は、笠の表と裏を二枚組み合わせた模様である。
「なるほど。家紋まで、柳生は表と裏があるか」
 飛十郎の言葉に、いぶかしげに又四郎は幔幕を見た。
「早船どの、家紋がどうかいたしましたか」
「いや、なんでもない。ただの独りごとだ」
 袖から抜き出した手で頭をかくと、飛十郎は素早く、左右の袴の股立ちを高く取った。「さあ、又四郎どのも、身支度をされるがよい」
 又四郎も袴の両脇に手をやると、縫い留めの開きの部分をたくし上げて、帯にはさみ込んだ。
「つぎは、襷(たすき)だ」
 ほとんど同時に、二人は刀の下げ緒をはずすと、それを肩から脇にかけて、斜め十文字に廻して結んだ。
「よし。では、最後に汗止めだが、用意はしているな」
「むろん」
 うなずくと、又四郎はふところの中から、細く折りたたんだ木綿の白い布を取り出すと、額にきりりと結び付けた。
「お待たせいたした!」
 墓所の中から、凛とした声が聞こえると、入り口を閉ざしていた幕が、さっと引き上げられた。
 ゆったりとした足取りで石段を降りてきたのは、麻裃に威儀を正した中年の立派な武士であった。
「お二人には、初めてお目にかかる。それがしは、柳生藩の国家老をつとめる、柳生頼母と申す。このたびは、お役目まことにご苦労に存ずる」
 飛十郎と又四郎が会釈を返して、名乗ろうとするのを、軽く手をあげて頼母は制した。「いや、早船飛十郎どのと田沼又四郎どののことは、義堂どのから聞いて旧知のごとく、よく存じております。まことに初対面とは思えぬほどで」
 おだやかな口調で言うと、頼母は温顔をほころばせて、二人を見くらべるように眺めた。
「そこでじゃ。この頼母から、おふたりにぜひお聞き届けいただきたい、お願いがござる」
「ほう。仇討を目の前にして、柳生家のご家老が、討ち人と助太刀人に頼みごととは、まことに面白い」
「お聞き願えるかな」
 無精髭をなぜまわす飛十郎の顔に、ひたと視線を当てたまま頼母は言葉をつづけた。
「いや。これは、ぜひとも、ご承諾いただかなくては困る」
「ま、話によりますな」
「では、お話いたす。本日のこの仇討、なかったことにしていただきたい」
「…………」
 飛十郎は、杉木立の間から差し込んでくる朝の光を見上げながら、思わず髷(まげ)の後ろに手をやった。
「な、なんですと。では、田沼家および兄の怨みを忘れて、このまま江戸へ帰れといわれるのか」
 血相を変えて又四郎は、頼母に詰め寄った。
「そうは、いってはおらぬ」
「しかし、仇討をなきことにせよとは、そういうことでござろう」
 刀の柄に手をかけた又四郎を見て、警固の若侍たちが、たちまち槍を構えた。鯉口一寸刀を抜けば、二本の穂先は、すかさず又四郎の胸と脇腹に突き通ったことであろう。
「まあ、まて。頼母どのの話を最後まで聞いてみよう。刀を抜くのは、それからでも遅くはない」
 飛十郎が、素早く又四郎の刀の柄を押さえるのと、
「槍を引けい」
 と頼母が若侍ふたりに命じたのが、ほとんど同時だった。
「どうやら頼母どのには、なにかお考えがあるようですな」
「柳生藩としては、この仇討を、果たし合いということにしていただきたい」
「うむ、果たし合いですか」
「さよう。武士の意地をかけて、真剣であい争うのは仇討であろうが、果たし合いであろうが、さほど違いはないはず」
「しかし、それではこの又四郎が死んだのち、あの世で兄上に逢ったとき、なんの顔向けが出来よう。弟としての義理が立ちませぬ」
「ほほう。死んで兄上に逢われるとは、又四郎どのは源之介ごときに、返り討ちになられるおつもりか」
 頼母は、微笑を浮かべながら、又四郎を見た。
「い、いや。けっして、そんなつもりではございません」
「まず、わけを聞かせていただこうか。頼母どの」
 飛十郎は腕を組むと、傍の杉の大木に寄りかかった。頼母も苦笑すると、帯の間から扇を抜き、その先端で肩を叩きはじめた。
「この仇討、お寺社の坂崎淡路守さまが、相当肩入れなさっているようですな」
「さすがは、柳生一族。よく調べておられる」
 感心したように、飛十郎が首を振る。
「そこで、それがしが思案したのは、この一件あつかいようによっては、大名同志の争いにもなる。どちらにしても仇討という名目では、討たれた者の家族が怨みを残すことにもなりかねぬ」
「つまり、柳生の殿さまと脇坂の殿さまが、江戸城内の大廊下あたりで顔を合わしたとき、気まずくなっては困る、ということですかな」
「それもある」
 風に吹かれて舞い落ちた杉の葉が、頼母の肩の上に乗ったが、すぐにまた地面にむかって落ちていった。
「家老職として、それがしが一番気に病んだのが、柳生家と脇坂家がこの仇討によって、これからのち長くしこりを残すことがあってはならぬ、ということでな。どちらが勝っても、まことに困る。ならば」
「果たし合いにしてもらえば、ご家老にとって都合がよいというわけですか」
「早船どの、武士の情けでござる。それがしの苦衷、察していただきたい。又四郎どのが返り討ちにあって、冷たい死骸(むくろ)になって柳生を去れば、田沼の者と後押ししている脇坂さまが黙ってはおるまい。また柳生藩にも、源之介に肩入れする跳ね返り者が、何人もおるのじゃ」
 扇を握った手を膝に当て、一介の浪人である飛十郎と又四郎にむかって、国家老の柳生頼母が、深々と頭を下げた。
「さてと……。てまえは、ただの助太刀人。どうする、又四郎どの」
「う、む」
 なにしろ、まだ十八歳である。どうしていいか判断できないらしく、又四郎は困惑の表情を浮かべて、飛十郎を見た。
「早船どのなら、どうなさる」
「そうだな。大事なのは、兄上の無念を晴らすことだ。ならば名目などは、どうでもいいだろう」
「では、果たし合いでよいといわれるのか」
「そいうことだ」
「わかりました。頼母どの、それでけっこうです」
「かたじけない。助かり申した」
 ほっとした声で言った頼母は、さっと扇を上げて墓所を指した。
「いざ、果たし場へ。柳生源之介と柳生家の助太刀人は、あれに控えさせております」


五 決戦場

 飛十郎と又四郎が、二階笠の定紋がついた幔幕を引き上げて、墓所へ入っていくと、中には柳生源之介と助太刀人のほかには誰もいなかった。
「やはり、源之介どのの助太刀は、義堂どのでござったか」
「は、ははは、さすがは早船どの。見抜いておられたか」
 手の平で、ぴしゃりと坊主頭を叩くと、義堂は愉快そうに笑い声を上げた。
「もしかしたら、と思っておりました」
「さようか。ぜひ一度、早船どのと真剣で立ち合いたいと思うての。自分から頼み込んだのじゃ」
 濃い茶の木綿の着物に、裾の短いたっつけ袴をはき、袖なし羽織を着て腰に大小の刀をたばさんでいる。
「義堂どのは、相打ちでは納得できませんか」
 そう聞かれると、義堂は大刀の柄を拳で、とんと叩いてみせた。
「ふ、ふふ、そういうことじゃな」
 首をすくめて答えた義堂を、横目で見ながら柳生源之介が、不快な色を浮かべた。
「伯父上、敵の助太刀人と、なにをのん気なことをいっておられる。ちゃんと助太刀をしてくださるのでしょうな」
「だまれっ。お前のせいで、どれだけ一族が迷惑をこうむったか。わかっておるのか、源之介」
「説教は、もうけっこうでござる。それより早く刀を抜いて、その浪人者を斬り捨ててくだされ。さすればその後で、右京めの弟の又四郎は、一刀のもとに斬りふせてお見せしましょう」
「馬鹿め。なにが、一刀のもとにじゃ。頼母どのと早船どのの話を聞いたであろう。これは、武士同志の果たし合いじゃ。どちらが討たれても、いっさい遺恨を残さぬのが、古来からの定めじゃ」
「えっ、それは、どういう意味です」
 源之介は、話がのみ込めないような顔をした。
「わからぬか。果たし合いには、助太刀は無用ということじゃ。わしと早船どのは、ただの介添え役。手出しはせんから、ご先祖の見守る墓の前で、生々堂々と又四郎どのと立ち合いをするがよい」
 たちまち源之介は、憤怒の表情になった。
「うぬっ。だましたな、伯父上。甥であるこの源之介を、見殺しなさるおつもりか」
「なにが見殺しじゃ。お前がこの果たし合いに勝てば、いやというほど長生きができるわ。いけ!源之介」
 義堂の叱咤の声に、背中を押されたかのように前へ出ると、源之介は腰の刀を、すらりと引き抜いた。
「若僧め、よくぞ柳生まで追ってきたな。返り討ちにしてやる」
 さそわれて又四郎も、刀を抜いて青眼に構えた。
「いいか、息が上がったほうが負けだ。落ち着いていけ」
 飛十郎の声に小さくうなずくと、又四郎はじりじりと前へ出た。柳生家の墓所は、それほど広くはない。およそ十間(十八メ−トル)四方の平地の半分ほどに、墓石が立ち並んでいる。その狭い空間で斬り合うのだから、おのずから動きが制限される。
 ―――だが、墓石を杉の大木に見立て、利用することに気ずいたほうが、勝つ………
 と、飛十郎は思っていた。
「これは、時間がかかりそうじゃな」
 柳眼塔の横にいた義堂が、墓の間を抜けて、飛十郎と肩を並べて立った。
「剣の腕は、さほど差はなく、まず互角。勝負を決めるのは、体力と気力じゃな。さて、どちらがあるか」
「義堂どのは、助太刀はなさらぬおつもりか」
「あたりまえじゃ。あやつ、困らせてばかりの男での。死んでくれれば、せいせいするわ」
「そうでは、ございますまい」
 刀を振り廻して打ち合う、又四郎と源之介の動きを目で追いながら、飛十郎は言った。「義堂どのへの源之介どのの甘え振り。幼い頃は、さぞ可愛い甥御どのでしたでしょうな」
「あれは、妹の一人息子でしてな。幼くして母を亡くしたもので、皆が甘やかせてしもうての。柳生谷へいた頃はさほどでもなかったが、江戸へ出て遊びを覚えて、手に負えぬ男になってしもうた。正直にいうとな、わしは今でも源之介が可愛ゆうてたまらんのじゃ」 そう義堂が言ったとき、袈裟に斬り込んだ又四郎の刀の切っ先が、源之介の左肩に打ち込んだ。思わず義堂が、はっと息を呑む。
「手の内がゆるい。あれでは骨まで斬れませんな。刃筋が狂っている」
 飛十郎の言葉通り、力が弱く角度も違う又四郎の剣先は、源之介の着物を切り裂き皮膚を削いで、わずかに血を流れただけだった。
「それは源之介も同じじゃ。あやつ、えらそうに道場では袋竹刀を振り廻しておったが。真剣になると、このていたらくじゃ。見なされ、あのへっぴり腰を。刃先がろくに又四郎どのに届いておらん」
 誰しも、真剣勝負は怖い。竹刀でいくら打たれようが、痛いだけで血が流れるわけではない。しかし、本身は違う。軽く刃先が当たっただけで、指が切れ飛び、片腕が役に立たなくなる。切っ先が胸や腹に突きさされば、血の海となり命がなくなる。それが怖いから、どうしても両手を思い切りのばして、腰を後ろへ引く、へっぴリ腰の形になってしまう。
 源之介と又四郎も、その妙な姿で、やたらと剣を振り廻しているだけだ。これでは刀が相手に触れたとしても、かすり疵である。
「えいっ」
「おうっ」
 最初は気合い声も出ていたが、そのうち口の中が乾き切り、息があがって声が出なくなった。二人とも、その頃には手や足や顔に疵を負っていたが、いずれも浅手である。着物の袖や、袴の裾は大きく切り裂かれているが、出血は少ない。
 刀を抜き合わせて、半刻近くが過ぎようとしていた。
「又四郎どの、墓だ!」
 息使いも荒く、源之介の顔をにらんで立っているだけの又四郎にむかって、飛十郎の叱咤の声がとんだ。
ともすれば薄れそうになる又四郎の意識の中へ、飛十郎の言葉が突きささった。
「は、墓……」
 又四郎は振り向くと、ぱっと墓石の間へ逃げ込んでいった。―――本人としては、そのつもりだったが見ていた者の目には、よろよろと墓の中へ入り込んだだけである。
「お、おのれ、まてい」
 息が上がった源之介が、ふらつきながら刀を振りあげて、あとを追って行く。逃げていく又四郎が石につまずいたのか、よろめいて巨大な墓石に倒れかかった。
「ええい!」
 大上段に振りかぶった刀が、又四郎の頭をめがけて勢いよく斬りおろされた。思わず目を閉じた飛十郎の耳に、鋭い金属音が聞こえた。それは墓石に斬り込み、二つに折れ飛んだ源之介の刀の音であった。
「ば、馬鹿な」
 鍔先三寸を残して折れた刀を、源之介は信じられぬように見た。
「源之介! 脇差しじゃっ」
 義堂の大声に、源之介は折れた刀を投げ捨て、腰の脇差しを引き抜いた。
 茫然として見ていた又四郎が、地面についていた刀を下かすくい上げるようにして、ずぶりと源之介の腹を刺した。
「うっ」
 膝をついた源之介の躰の重みで、刀はますます腹の奥へ刺さり、流れ出た血は刀身を伝って又四郎の手と袴をみるみるうちに赤く染めていった。
「もう、よい。又四郎」
 背後から帯を掴んだ飛十郎が、引き上げるようにして源之介から、又四郎の躰と刀を引き離した。
 駆け寄った義堂が、源之介の横に座り込むと、抱きかかえるようにして膝の上に頭を置いた。
「だから、いったのじゃ。悪さをやめぬと、いつかはこうなると……。源之介、痛いか」「お、伯父上。ま、まだ、死にたくはござらぬ」
 血が流れ出る疵口を、義堂は右手で力いっぱい押さえたが、したたり落ちる血汐は地面の上をゆっくりと広がっていった。
「おお。源之介、この伯父が悪かったのじゃ。お前を、もっと厳しく育てておればのう。こんなことには、ならなかったかもしれん。亡き妹が、ふびんでのう。甘すぎたのじゃ。すまん」
「い、痛うござる。は、早く、楽にしてくだされ……」
 腹部に受けた刀疵は、致命傷である。手の施しようがなかった。
「う、うむ。わかった、源之介。両手を合わせるのじゃ」
 伯父・義堂の言葉に、柳生源之介は素直に震える両手で合掌した。
「幼き日に別れた、母のもとへゆき、胸に抱かれるがよい」
 声とともに脇差しを抜くと、源之介の左の首筋を、素早く引き斬った。
「さらばじゃ……」
 義堂は小さくつぶやくと、寝かしつけるかのように源之介の躰を、ゆっくりと墓石のあいだの地面に横たえた。
「さて、田沼又四郎どの。みごと本懐をとげられ、まことに、めでとうござる」
 脇差しの刀身を懐紙でぬぐったあと鞘に納めながら、義堂は静かに飛十郎と又四郎のほうへ向き直った。
「早船どの、助太刀お見事でござった。あのとき墓へ、という声がかからねば、おそらく又四郎どのが命を落としたはずじゃ。立派にお役目を果たされたのう」
「いや、あれは、べつに……」
 飛十郎は、戸惑ったような声を出した。
「そこでじゃ、早船どの。今度はこの義堂が、おてまえに果たし合いを所望じゃ」
「やっぱり、やらなければいけませんか」
 風にざわめく竹林を見ながら、飛十郎は言った。
「あたりまえじゃ。このままでは、おぬしを柳生谷から出すわけにはいかん」
「もし、立ち合わねば……」
「この墓所の周囲には、火縄銃十挺と弓二十張りを持った侍たちを配置しておる。嫌だというなら、又四郎どのと共に押し包んで討ち取るまでのことじゃ」
 無精髭をひとこすりすると、飛十郎はあたりを見廻した。
「たしかに、火縄の匂いがしますな」
 又四郎が、不安そうな顔で飛十郎を見た。
「どうやら、逃げられぬようですな」
「無理じゃのう」
「わかった、天狗どの。お受けいたそう」
 義堂はするすると歩み出ると、墓所の隅にある柳眼塔の前で立ち止まった。
「このわしを柳生の天狗というならば、遠慮なく天狗抄の技を使わせてもらうぞ」
「烏天狗どのがおられぬが。一つ陰の天狗抄を、お使いになるつもりですか」
 飛十郎の、のんびりした口調を小憎らしく思ったものか、義堂が問答を仕掛けてきた。「む。それでは聞こう。昨夜見た天狗の飛行術、あれをおぬしはどう思う」
「ははあ、宙を自在に飛ぶ、天狗どのの術ですか。あれにそっくりな軽業を、両国の広小路の見世物小屋や、けれんの宙乗りを芝居小屋で見たことがあります。いずれも安達屋が持っている小屋でしたから、仕掛けを見せたもらいました」
「なんじゃと。では柳生の天狗の飛行も、江戸の見世物小屋の軽業と同じというのか」
 義堂は、憤慨したように言った。
「たしか、麻縄と滑り車を組み合わせた仕掛けでしたな。義堂どのも、若き頃は江戸へ遊びにいかれたとのこと。広小路の芝居や見世物は、すべて見て廻られたことでしょう」
「これはけしからん。ますます生きて江戸へ返すわけにはいかぬ。早船どの、いくぞ!」 さっと刀を抜き放つと、義堂は剣を右の脇構えにつけた。それを見るなり飛十郎は、鍔に親指を当てがい、ふつりと鯉口を切った。身を沈めて居合い腰になると、右手をだらりと脇にたらしたまま、二、三歩前ヘ出た。すかさず義堂の足が入れ替わって、刀が斜(しゃ)に回転して後ろ構えに変化した。ここまでは、昨夜の天狗と同じ動きである。が、そのあとが違った。
 後ろ構えの刀が、ゆるゆると動くと、流れるように滑って、義堂の顔の前で静止した。 飛十郎が、これまでに見たことがない、横一文字の構えであった。刀の柄から左手を離すと、その拳の上に、すっと切っ先を置いた。ちょうど神官が、神前に供物をそなえる形である。
 これは!………
 飛十郎は心の中で、思わず当惑の声をあげた。
 構えには、上段・中段・下段・左八双・右八双と、各流派によって多少の違いはあるが、まあこんなところである。つまり前構え、脇構え、後構えの三種類に大別できる。相手がこの中の、いずれかの構えでむかってくれば、飛十郎もほぼ刀の変化を読み取ることができるが、義堂のこの横一文字の構えは、次の変化がまったく読み取れなかった。
「うう、む」
 飛十郎が、思わず声をもらした。なるほど、これが柳生の天狗抄であるなら、必殺の秘剣といえるであろう。
「どうした、飛十郎。動けぬか、足がすくんで。ふ、ふふ」
 小馬鹿にしたように笑うと、義堂は誘うかのように飛十郎にむかって、剣先をささえている左拳を上下にゆらして見せた。
 飛十郎の目にその刀の動きは、波間にただよう小舟か、風になびく柳の枝か、長い尾を振る鶺鴒(せきれい)の姿のように見えた。
――これは、いかぬ……。
 ゆるやかに動く剣先を見つめているうちに、飛十郎は自分の意識が、ゆっくりと遠くなるのを感じた。
――このままでは、斬られる……。
 吸い込まれるような剣の動きから目をはずすと、飛十郎は両の瞼を半眼に閉じ、義堂の足の動きだけに心を集中させた。上から斬り込んでくるか、下から斬りあげてくるか、それとも横なぎに真一文字に顔を狙って、刃先が飛んでくるか。そんな刀の変化にとらわれる気持ちを捨てて、おのれの居合いの一刀に、すべてを賭けることに飛十郎はきめた。
「悟ったか、飛十郎。今の心こそが、柳生石舟斎が極意の〔無刀〕の境地じゃ。武士が無になって、刀を捨てる。つまりは命を捨てることと同義じゃ。おぬし、わが刃(やいば)の下に命を投げ出す決心をしたであろう」
 義堂にそう訊かれても、答える余裕は、飛十郎にはない。背中をしたたり落ちる汗の冷たさを感じただけであった。
「さて、時刻も移った。そろそろ決着をつける時じゃ。いざ、まいるぞ飛十郎」
 静かなその声が、飛十郎の耳には雷鳴のように大きく響いた。義堂の拳の上の剣がぴくりと動き、足がすっと前へ出た。そのとたん、飛十郎は真上に大きく飛んだ。
 刀と刀が打ち合う音が一つ、戛然(かつぜん)とあたりに鳴った。着地した時、飛十郎の手には刀が無かった。
「み、見事じゃ」
 左肩から斜めに飛十郎の刀を突き立てたまま、義堂は満足そうに言った。
「わざと負けられましたな、義堂どの!」
 どうと横倒しになった躰を、危うく抱き止めると、飛十郎は声を振りしぼるようにして言った。
「なんの、そなたの腕じゃ」
「それがしの目は、ふし穴ではござらん。義堂どのが手加減されねば、斬られているのは、この飛十郎のほうですぞ」
「馬鹿な……。剣客同志の真剣勝負に手加減は、ない。それより慈念がことじゃ。あれに伝えてほしい。これよりのち、剣を捨てよ、とな」
 飛十郎は、思わず息を呑んだ。
「剣を捨てよ。と慈念どのにお伝えすれば、いいのですな」
「うむ。仏門にある者が、剣をもてあそべば、このようなざまになる」
「しかし、義堂どのが剣の道を歩まれたのは、この柳生谷を守るためでしょう」
「その役目も、もう終わりじゃ……」
 義堂は苦しげに息をついた。
「わしが死ぬ時が、裏柳生の消え去るとき、と前から決めておった。慈念にはわしと同じ道は、けっして歩ませてはならぬ。たった今より剣を捨て、芳徳寺の住職になるのじゃ。ただの住職に、な」
 ふいに義堂の躰が、重くなるのを感じた。飛十郎は、耳に口を寄せた。
「わかり申したぞっ。義堂どの、かならず慈念どのに、お伝えいたす!」
「ふ、ふ。さように大声を出さずとも、聞えておる。そろそろ、この世から、いとまを取ろうぞ……。おお、そうじゃ。脇坂どのに、義堂の死とともに、裏の柳生は消滅した、お伝え願いたい」
「かならず淡路守さまに、そうお伝えいたしますぞ」
「では早船飛十郎、さらば、じゃ……」
 不思議なことに、飛十郎の腕の中にいる間は、一滴の血も流れなかった。息絶えたあと、慈念を呼びに行こうとして地面に横たえたとたん、躰からおびただしく血が流れ出した。
「義堂どの、ゆるされい」
 刀を抜き取って、飛十郎が鞘に納めたとき、大和盆地の方角から吹いてきた風が、ごうと鳴って柳生家墓所を囲む、杉木立と竹林をゆすって通り過ぎていった。
 あたかも、それは柳生家を守りぬいて死んだ、義堂の魂を迎えに天上からやってきた、石舟斎宗厳をはじめとする柳生一族の、称賛の声のように飛十郎の耳には聞こえた。


六 さらば柳生

 柳生谷から、およそ四里。
 飛十郎と又四郎、それに目役の伊蔵と耳役の友蔵の一行四人は、峠の茶屋でゆっくりと足を休ませていた。柳生街道も、ここまでくれば奈良の町まで、あとひと息である。
「どうだ又四郎どの。道中で話した通り、この茶屋の抹茶と月ヶ瀬饅頭の味は、絶品だろう」
「はあ、たしかに」
 峠道のほうを見ながら、又四郎はうわの空で答えた。
「なにしろ、谷間から湧き出る泉の冷水でたてた抹茶を、さらに三日三晩壺に入れて流水で冷やすというのだからな。うまいはずだ」
「なるほど……。それで、こんなに、冷たいのですか……」
 言いながら、しきりに又四郎は、柳生の方角を気にしている。柳生源之介と柳生義堂を討ち取られた柳生藩が、復讐のために必ず追っ手を送ってくると信じているのだ。
「それに、この月ヶ瀬饅頭が、またいい。ほんのりと品よく梅の香りが餡こにまじってな。もう、なんともいえぬ。やはり、あれだな。饅頭の餡は、粒餡より漉し餡のほうがいい。そう思わぬか、又四郎どの」
「はあ……。てまえは、どっちでも、よろしゅうござるが……」
 二人の会話を、となりの床几で聞いていた伊蔵と友蔵が、ぷっと吹き出した。
「これ、なにをそう柳生のほうばかり気にしている。もし柳生藩より追跡あらば、それも望むところだ。
しかし、国家老・柳生頼母どのの人柄からして、それはあるまい。またあったとしても、この飛十郎が殿(しんがり)は引き受けた。そう心配いたすな」
 それを聞いた又四郎の耳から頬にかけて、朱を散らしたように、ぱっと赤くなった。
「無礼でござろう、早船どの。てまえは追尾の討っ手など、気にしてはおりませぬぞ」
「は、はは、これは失礼。すまん、口が悪いのは、おれの癖でな。ま、そう、怒るな」
 首の後ろに手をやると、飛十郎は又四郎にむかって頭を下げた。
「べつに、怒ってなぞおりませぬ………。たしかに、早船どののいわれる通り、この饅頭と冷たい抹茶は、おいしゅうござるな」
 苦笑いをすると、又四郎は月ヶ瀬饅頭と抹茶を口にした。
「で、ござろう。おい、亭主! おれの連れも、ほめておるぞ。よろこべ」
 呼びかけられた茶店の亭主が、ぺこぺこ頭を下げながら、奥から顔を出した。
「へい。おほめにあずかり、ありがとうぞんじます」
「うむ。だいぶ、手こずったが。おれも、なんとか柳生谷から無事に帰ってこれたしな」「さようでございますとも。先日お立ち寄りのときは、ここへ顔を見せられるかどうかわからない。といったお口ぶりでしたから、心配いたしておりました」
 亭主の間のびした顔に、ちらりとおびえの影が走ったのを、飛十郎は見逃さなかった。「なに、たとえ柳生藩あげて追跡されようとも、約束は約束だからな。なにがあろうと、この茶店荷は立ち寄るつもりだったよ」
「それはもう、さようでございましょうとも」
 そう答えた亭主の目が、さり気なく奈良へつづく道のほうへ動く。おそらく何刻も前に、柳生藩の手の者が義堂と源之介の死を、奈良の柳生屋敷へ告げに走っていったに違いなかった。
「そうか。いや、それにしても、この茶店からの眺めは、じつに見事だな」
左腕を袖に入れて、ふところ手になった飛十郎は、感嘆の声をあげながら、目の前の谷と山を眺めた。
「初秋のこの景色を肴に、一杯やりたいところだが……」
「とんでもございませぬ。早船どの、まだ奈良の町へ着いてはおりませぬぞ。まだ何が起こるかわからぬのに、酒などとんでもない」
 飛十郎の独り言を聞きとがめた又四郎は、きっとばかり睨んだ。
「早船どのの助太刀の腕は、江戸でも一流だとうかがったが、ちと酒を呑みすぎるのが玉に瑕だと、おふたりが申しておられましたぞ」
「なんだと。おふたりとは、誰と誰のことだ」
「もちろん安達屋藤兵衛どのと、お寺社奉行の脇坂淡路守さまでござる」
 飛十郎は、顔をしかめた。
「ふん。あのふたりが、おれのことをそんなふうにいっておったか。少しばかり酒をたしなむ位のことを、おおげさにいっておるのだ。そんなに大酒は呑まん」
「そうでしょうか」
 又四郎と飛十郎のやりとりを、黙って聞いていた伊蔵と友蔵が顔を見合わせると、にやりと笑って首をすくめた。
「さてと。それならば、茶と饅頭ごときで、いつまでもこんな所には、おれん。さあ、いくぞ」
 伊蔵と友蔵が、あわてて茶碗を床几に置いて立ち上がる。
「亭主、さらばだ! また奈良へきた時には、かならず顔を出すからな。たっしやで暮らせ」
「へえい。お武家さまも、道中お気をつけなすって」
 茶店の亭主に片手をあげて見せると、飛十郎はふところ手のまま、奈良へむかう坂道を急ぎ足でくだりはじめた。

                了  〈助太刀兵法・14 山の辺道中へつづく〉



 


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10/26 08:49 「本日のマーケット」(FX編)・・・今週は日米の金融政策イベントに注意。
10/26 08:40 「本日のマーケット」(株式編)・・・ 続伸後に日経平均株価が1万9000円台を回復。
10/21 08:39 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円ちょうどの壁を意識。
10/21 08:25 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、方向感の出づらい展開。
10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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