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〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2) (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2012年6月24日 12時17分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 幼な友達の佐吉を無残に殺された弥助は、仇討をしたいから助太刀をしてくれと飛十郎に頼む。引き受けた飛十郎は知り合いの岡っ引きに頼んで、下手人捜しに取りかかる。さらわれたお篠の身元を調べていくと、意外な事実につき当たる。なんと公家と御三家と外様大名が手をむすんで、江戸を火の海にする陰謀をたくらんでいるというのだ。果たして飛十郎は、無事にお篠を取りもどし、壮大な謀反を阻止することが出来るのか? 飛十郎と弥助の、手に汗にぎる活躍がはじまる。 

【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗 
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)
〔助太刀兵法11〕柳生天狗抄 (1)
〔助太刀兵法12〕柳生天狗抄 (2)
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄(終章)
〈助太刀兵法14〉山の辺道中
〈助太刀兵法15〉山の辺道中(2)
〈助太刀兵法16〉十五夜石舞台)
〈助太刀兵法17〉五夜石舞台 (2)
〈助太刀兵法18〉大江戸人形始末)

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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2)
花本龍之介 



一 岡っ引

 佐吉の部屋は、徹底的に荒されていた。天井板は突き破られ、畳と床板はめくり上げられて床下まで捜索されたことは歴然としていた。人ひとりを殺害し、女を攫ってまで手に入れようとした品物は、よほど重要なものに違いない。               ――佐吉とお篠。お前たちは、いったい何を持っていたのだ……          
 無残な佐吉の亡骸に目をやったまま、飛十郎が首をひねった時、ふいに声が掛かった。「誰でえ、お前さんは?」
 どすが利いた声に振り向くと、鋭い目付きの中年男が、肩を十手で叩きながら戸口に立っていた。
「おれか。おれは、むかいの部屋に住んでいる早船飛十郎だ。自慢ではないが、三代つづいての浪人者だ」
 飛十郎は、胸を張った。
「ふうん……。あんたの噂は耳にしているぜ。こんなところで何をしてるんだ。まさか、この仏に助太刀を頼まれたわけじゃあるめえ」
 にやりと笑うと、岡っ引は土間に足を踏み入れて、あたりを見廻した。
「おい、気をつけろ。佐吉の指を踏んでるぞ」
 岡っ引は、嫌な顔をして後ずさった。
「なめたことを言うじゃあねえか。おれを六間掘の万五郎と知ってのことか。二本差しでも浪人は、町方のお取り締まりだぞ。へたな口をききゃがると奉行所へ、しょっぴくぞ!」
 万五郎は凄味のある地声で怒鳴った。六万の親分といえば、この界隈で強面(こわもて)で鳴らした御用聞きである。
「いや、べつに親分をなめて言ったわけではない。足の下に指が見えたから注意しただけでな。気を悪くしたのなら、あやまる」
 首をすくめると飛十郎は、ぺこりと頭を下げた
 町人たちから岡っ引とも呼ばれる御用聞きは、奉行所の正規の雇い人ではない。大江戸八百八町の犯罪探索は、南北両町奉行の十二名の同心が行うが、この同心が下手人追跡のために私的に使うのが御用聞きである。八丁堀の組屋敷や奉行所へ出入りする御用聞きを同心たちは小者と呼ぶが、なかなかどうしてその力は小さくはない。同心から出る手当ては、雀の涙の年一分だからほとんどの御用聞きは別に仕事を持っている。たいていの親分は女房に、湯屋、小間物屋、料理屋、笠屋、駄菓子屋、八百屋などをやらしている。万五郎は、六間掘の近くで妾に宿屋をさせていた。
「親分、近所の聞き込みは、あらかた終わりやしたが、今の所あやしい奴を見た者はいませんぜ」
 万五郎の子分の下っ引きが、そう言って飛十郎をじろりと見た。顔色と目付きが悪い。下っ引きには目もくれず、万五郎は飛十郎を威嚇するかのように声を荒げた。
「おい、死人に手をふれちゃあいねえだろうな。検死のお役人がくるまで、この部屋の物には何一つさわっちゃあいけねえきまりだ!」
 助太刀人の評判のわりには、あっさり頭を下げた飛十郎を組みやすしと見たのだろう。長屋中に響き渡るような大声を万五郎は出した。
「何もさわってはおらん。毎日挨拶をかわす相長屋のよしみで、佐吉が死んだと聞いて手を合わせにきただけだ」
 そう言って飛十郎は、瞑目すると両手を合わせた。
「なら仏の顔を拝んだら、さっさと帰ってくれ。町方の旦那がきたとき、変な奴がうろうろしていたら、おれがお叱りをこうむっちまうからな」
 野良犬でも追い払うように十手の先を振ると、万五郎はあたりを熱心に調べはじめた。 飛十郎は頭をかくと、最後に佐吉の顔をひと目見て、部屋から出ていった。路地を出て長屋の入口を見ると、表通りから恐わ恐わと覗いている野次馬たちの顔が見える。長屋の住人は一人もいなかった。下っ引きたちが足止めして聞き込みをしているに違いない。
 飛十郎は自分の長屋に入ると、流しの横の水甕に柄杓を突っ込んで、ひと口水を飲むとすぐに座敷にあがった。奥の障子を開いて、濡れ縁に座り込むと背中を柱にもたせかける。
「悲鳴が聞えて駆けつけて、あやしい者を誰も見ないというなら、やはり川へ逃げたな……」
 独り言のように呟やくと、飛十郎は目の下を流れる小名木川を見おろした。川面は暗かったが、お篠が攫われた時は、まだ明るかったはずだ。
「ふうむ」
 唸り声を上げると、眉間に皺を寄せて無精髭をひとこすりした。」
―――暴れる女を猿轡をかまして運ぶとなると、普通の川舟ではなく屋根舟ということになる。ならば川筋にある家々や船宿を当たれば、手掛かりがつかめるはずだ………
 が、こんなことは飛十郎ならずとも、経験をつんだ定廻り同心ならすぐに考えつくはずだ。
「火事は、火消しにまかせておくにかぎる……。か」
 下手人たちを追うのは町方にまかせて、飛十郎は別の糸口を捜すことにした。佐吉の部屋の荒しようを見ると、曲者はよほど重要な物を手に入れようとしたに違いない。
「金では、あるまい」
 人形際師の佐吉や、鰻屋台をしている弥助がいくらため込んでも、たかがしれた金高だ。人ひとりを殺してまで、奪うほどの大金ではあるまい。となると、佐吉かお篠が隠し持っていた貴重品ということになるが……。
「む。そうか、あれか」
 飛十郎の胸の内に、いつぞや佐吉が見せた京雛の顔が浮かび上がってきた。
「ちんまりとした、お篠によく似た女雛であったが。たしか、古い有職人形と言っていたな」
 そう飛十郎が独りごとを言ったとき、腰高障子を開けて弥助が入ってきた。
「おう、長屋へはもう行ったのか?」
「いえ、まだで。それより、水を飲ませてくだせえ」
 よほど急いで帰ってきたのか、汗まみれの顔を手の甲でぬぐうと、弥助は喉を鳴らして水を飲んだ。
「それで旦那、佐吉はどんな様子でしたか」
「あの手際は、道場剣法ではないな。よほど人を殺し慣れた奴だ。人間ひとりを犬猫のように情け容赦なく斬り捨ておった。いや、心ある者ならば、犬や猫でもああは無残に殺せまい」
 弥助は思わず息をのんだ。
「それほど、むごい死にようでしたか」
「うむ。おれが、これまで目にしたことがないほどの鮮やかな斬り口だった。佐吉も必死で戦ったようだが、心張り棒を握った指もろとも、ばっさりやられていた」
「わしも行ったほうが、ええでしょうか?」
「やめておけ。六間掘の万五郎とかいう、嫌味な岡っ引きがいた。へたに関わり合いになると、大変なことになるぞ」
 そう言って、飛十郎は顔をしかめて見せた。
「だけど、わしは佐吉とは尾道を出て以来の長いつき合いで、長屋も隣り同志だ。どうしたって、お調べはまぬがれねえ。番屋へ引っ張っていかれるかもしれねえよ」 
「そうか。そう思って、おれの部屋へきたのか」
「こんな理不尽なことが、ゆるされていいわけがねえ。わしは、佐吉を斬り殺した野郎をとっつかまえて、仇討がしてえ。早船の旦那、わしの助太刀人になってくだせえ。お願いします」
 茶色になった古畳の上に両手を突くと、ぽろぽろ泪を零しながら弥助は頭を下げた。
「佐吉とお篠の仲人をしたおれだ。頼まれなくとも助太刀はするが……。その前に、下手人を突きとめねばなるまい。弥助、なにか心当たりはないか」
「人に恨まれるようなことは、佐吉は何ひとつしてねえ。たしかに際師の商売は競争は激しいが、それも人形が売れるまでだ。勝ち負けが決まれば、後はさっぱりしたものだと佐吉がいってたよ。とにかく人に殺されるようなことはしてねえはずだ」
 弥助は、きっぱりと言った。
「そうだな。口は悪かったが、佐吉は竹をすっぱりと二つに割ったような気性だったな」 飛十郎は苦笑いをして、無精髭をこすった。
「それにしても、あの部屋はひどい荒されようだった。佐吉は何か大事な物を、持っていなかったか?」
「へい、持っておりました」
 あっさりと、弥助は首を縦に振った。


二 ぼげちい秘密

「なんだと。いったい何だ、それは」
「古びた一対(いっつい)の夫婦雛でございます」
「うむ。やはり、そうか」
「なんでも、やんごとない場所から出た、由緒ある女雛と男雛だそうで」
「で、それは、どこにある? お前の屋台か」
 意気込んで、身を乗り出した。酔客が腰を掛ける空き樽の中に、雛人形が仕込んであるとは誰も気が付くまい。そう決めつけて、弥助の顔を覗き込んだ。
「いえいえ、あんな所へかくして屋台ごと盗まれたら、それまでです。そんな、間抜けなことはいたしませんよ」
 飛十郎は、間抜けと言われて顔をしかめた。
「では、どこにある。教えろ、弥助」
「そこ、でございます」
弥助は、飛十郎を指差した。
「なんだ、そことは。どういう意味だ?」
 わけのわからぬ顔で、頭をかく。
「ですから、旦那がおすわりになっている、その畳の下で」
「な、なんだと」
 ぎょっとして、飛十郎は立ち上がった。
「おれが留守をしている間に、佐吉が床下に人形をかくしたというのか」
 腰をおろしていた場所を、飛十郎はまじまじと眺めた。
「わしも、手伝いました。お篠さんが、京の都のお公家さんから貰った雛人形だそうですが、ぼげちい秘密が隠されていると言っておりました」
「ほほう。ぼげちい、秘密がな……」
 そう言って飛十郎は、首をひねった。
「弥助、ぼげちい、というのは阿蘭陀(おらんだ)の言葉か?」
「いえ。ぼげちいと言うのは尾道弁で、ものすごいという意味でございます」
「のん気に尾道弁の講釈などしている場合ではないぞ。となりの部屋まで、岡っ引きの手先が調べにきたようだ」
「へい。では早船の旦那、わしは佐吉の顔を見にいってきます。とうぶん帰れねえかもしんねえから、雛人形の一件は、よろしくお願いいたします」
 弥助はそう言って、両手を合わせると戸を開けて外へ出ていった。
「合掌なんかしおって、縁起でもない。佐吉の人形始末は、おれがきちんとしてやる」
 畳を上げて床板をはがすと、飛十郎は土間から草履を取ってくると、床下へもぐり込んだ。さして捜す必要はなかった。埋められていた木箱は、すぐに見つかった。座敷にあがって行灯の明かりで確かめたところ、古びた桐箱の中には、お篠によく似た女雛があっただけで、男雛は消えていた。
「これのどこに弥助が言う、ぼげちい秘密がかくされているのか……」
 女雛を掴みあげると、飛十郎はいろんな方向から矯めつ眇めつ眺めた。かなり古い京雛だということは、衣装の痛み具合でもわかるが、ひっくり返して裏側や十二単衣の長い袖の中を覗いても、妙なところは何もなかった。もしかして、と思って飛十郎は指で長いおすべらかしの髪を掴むと、ねじるように人形の首を引き抜いた。
「人形は顔が命だというが。なるほど、うまく出来ているものだな」
 飛十郎は、感心しながら女雛の顔を見た。富士額(ふじびたい)の下には、切れ長の美しい二重瞼の目があって、胡粉(ごふん)を塗り固めたとは思えぬ白い肌に形のいい鼻が、すっと通っている。口は摘まんだような、おちょぼで唇の間から見える歯は宮中の仕来たりか、黒く染められている。
「中に、何かあるのかも知れんな」
 女雛を逆さまにして振ってみると、中から固く巻いた紙が転がり落ちてきた。
 巻かれた薄紙を広げて見ると、何処の寺社でも売っていそうな御神籤である。〔大吉〕の文字の下に、城の上空に鶴と亀が舞い遊ぶ図が描いてある。天守がなく立派な石垣だけが描いてあるところから、江戸城だということがわかる。明暦三年一月の振り袖火事で焼失した、江戸の四百町と死者およそ十万人と共に炎上した天守は今だに再建されていない。徳川の世が定まり、もはや天下に合戦はない、という幕府の自信のあらわれと言われているが。なに、将軍一族の浪費のせいで財政困難になり、建てられなかっただけである。 その城壁の絵のしたに〔縁談〕降るがごとく来たり、すべて良し。〔病気〕ただちに快癒す。〔商売〕春夏冬(あきない)枡々五合(はんじょう)す。〔尋ね人〕龍の矢より北西のあたりの大厦(たいか)の門にて、合い言葉を呼ばわれば捜す人に会えり。〔失せ物〕虎の槍より南西の方角の蔵にいけば見つかる。
「ううむ……。縁談、病気、商売まではわかるが、龍の矢と虎の槍というのが、さっぱりわからん」
 やはり、男雛の体内にあるもう一本の御神籤と、合わせなければ判らぬ仕組みだろう。そう思いながら飛十郎は、女雛に首を差し込んだ。


三 蜆売り

「まことに、むごい殺されようでした。どうあっても下手人を突きとめ、仇を討ちたいと思います」
 自身番から戻ってきた弥助は、拳で目を拭いながら悔しそうに言った。
「思ったより早く帰されたな。仇を討つについても、まずこれを見てくれ」
 飛十郎は御神籤を弥助に見せて、それまで思案したことを話して聞かせた。
「わしも同じ考えでございます。男雛の中に同じような御神籤があり、二つ合わせると何か重大なことがわかるはずでございます」
「おれが思うに、この神籤の謎は、失せ物と尋ね人にある。京の都からはるばる運ばれた親王雛から出たからには、なにごとかを画策する一党が江戸にすむ何者かに会い、いずれかに埋められた宝を掘り出すための割符(わりふ)であろうな。この神籤は」
「ははあ。この御神籤が、割符でございますか」
 弥助は手にした細長い紙片を、行灯にかざした。
「そうだ。それも佐吉を殺してまで手に入れようとしたからには、えらく重要な割符だろうな」
「ですが、逃げ去った下手人の行方は突き止められましょうか」
 心細そうな顔で、弥助は飛十郎を見た。
「ふ、ふふ、心配するな。下手人たちは必ずわれらに渡りをつけてくる。そのために危険をおかして、お篠をさらったのだからな。それに餅屋は餅屋だと思ってな、知り合いの岡っ引きにも手を打ってある」
 自信ありげに飛十郎が断言した。弥助は、目を丸くした。
「さすがは旦那だ、やることが早いや。けどお篠さんが、ひどい目にあうことはないでしょうね」
「それもあるまい。これを手に入れるためには、お篠は大事な人質だ。まず、手を出すまい」
 そう飛十郎が言ったとき、腰高障子を小さく叩く音がした。
「誰だ?」
「しじみ横丁の、太吉だよ」
 小名木川に架かる高橋を少し行った先に、蜆や浅利を売り歩く子供が多く住む横丁がある。太吉は、この長屋へ毎朝蜆売りにやってくる男の子である。
「おう。いいから、遠慮せずに入ってこい」
 腰高障子が開いて、おずおずと土間へ裸足の足を踏み入れたのは、継ぎの当たった粗末な木綿の筒袖を着て、真っ黒に日焼けした十歳ほどの少年だった。
「どうした。なにか用か?」
「うん。万年橋のたもとの所で、変なおじちゃんに、この手紙を助太刀のお侍さんか、鰻屋さんに渡せってたのまれたんだ」
 ふところの中から書状を引っ張り出すと、太吉は土間に立ったまま差し出した。
「よし。よく持ってきてくれた。弥助、引きかえにこれをやってくれ」
 袖の中から一朱金を取り出すと、弥助に渡す。
「いらねえ。お駄賃なら、もうもらったよ」
 首を横に振って後ずさりする太吉にむかって、飛十郎は笑いかけた。
「まあ、そういうな。駄賃はいくら受け取っても邪魔にはならん。その金で妹と病気のおふくろに、何かおいしい物でも買って帰ってやれ」
 逃げ出そうとする太吉の手に、弥助が一朱を握らせる。
「ありがてえ。助太刀のお侍さん、恩にきるぜ」
戸口から顔を出した太吉が、汚れた拳で鼻をこすり上げると、ぺろりと舌を出して顔を引っ込める。同時に、ぴしゃりと戸が閉まって、どぶ板の上を駆け去る足音がした。
「は、はは、わんぱく小僧め。あれで、憎めん所があるから不思議だ」
「まったくでございます」
 弥助から受け取った書状を開いて、行灯の明かりで読みはじめる。
「やはり、下手人どもからだ。明日の夕七つ半(午後五時)に、永代橋の上で女雛とお篠を引きかえると書いてある」
「夕七つといえば、まだ明るうございますな……。ほかには何が」
「なに、へたに騒いだり奉行所へ届けたりしたら、お篠の命はない。といった定石通りの、脅し文句だ」
「どうします」
「お篠の命がかかっている。ここは、曲者たちの指図どうりにするしかあるまい」
 憮然として、飛十郎は無精髭をこすった。
「それにしても、永代の橋の上とは。相手の狙いはなんでしょう」
「橋ならば、両側のたもとを捕り手に押さえられれば逃げ場はない。だが永代の下は、江戸の海だ。いざとなれば舟を用意して、海へ逃げるつもりだろうな」
「なるほど。追いつめられたら、橋から大川へ飛びおりるわけですな」
 弥助は、感心したように首を振った。
「泳げるなら、その手もあるということだ」
「早船の旦那は、水練がお出来になりますんで?」
「ああ。おれが育った長屋も、大川の近くだった。子供の頃から百本杭や垢離場のあたりで、よく泳いだものだ。弥助は、瀬戸内の港町生まれだ。もちろん河童だろうな」
「へい。潮水育ちを河童といっていいか知りませんが、もの心ついた頃から泳いでおりました。尾道浦は、すぐ前に向島(むかいしま)があって、初めて目にした旅人は川と間違うほど狭い海でございます。その向島まで、佐吉と一緒によく泳ぎ渡ったものです」
よく日焼けした低い鼻を、弥助は得意そうにうごめかした。
「ほう。なら泳ぎは、おれより達者だな。もし下手人が雛人形を奪い取って大川へ飛び込んだら、弥助
あとはたのんだぞ」
「まかせてくだせえ、逃がすもんじゃございません。命がけで追ってみせます」
 小才のきいた佐吉にくらべ鈍重に見えた弥助が、非常の際には予期した以上に頼りになるものだと飛十郎は思った。そういえば赤穂浪士を指揮して吉良屋敷に討ち入って、見事に本懐をとげた大石内蔵助が、平時には昼行灯と呼ばれて無能あつかいをされていたという話を飛十郎は思い出していた。
「すべては、明日の夕七つ半には片がつくはずだ。今夜は帰って、もう寝ろ。番屋に佐吉の亡骸を持っていかれたら、通夜も出来まい。明日中には、必ず佐吉殺しの下手人の始末をしてやる。だが、それにはお前の協力がいる。たのむぞ、弥助」
「へい。なんでもしてのけます」
「命を捨てることになるかもしれぬぞ」
「幼な友達の仇討でございます。命の一つや二つ、いつでも投げ出してみせます」
 細い目に決意を込めて、弥助はきっぱりと言った。


四 江戸前兆次

 夜明け前の、まだ暗いうちから起き出して、弥助は飛十郎の部屋へやって来ていた。手には炊きたての握りめしと、湯気の立ってる味噌汁と、商売物の鰻串と沢庵を持っていた。
 よほど腹がへっていたのだろう、起き抜けにもかかわらず飛十郎は、ぺろりと平らげた。
「ありがたい。腹がへっては、戦さは出来んからな」
 爪楊枝を使いながら飛十郎が言ったとき、腰高障子ががらりと開いた。
「ごめんなすって。早船の旦那、お早ようございます」
 声と共に朝の光りの中から姿をあらわしたのは、深川を縄張りにしている岡っ引の兆次だった。女房が江戸前屋という船宿をやっている所から、江戸前兆次と呼ばれている。
「いきなりの頼みで、すまなかった。まあ、あがってくれ」
 兆次は、尻っ端折りをしていた裾を降ろすと、土埃りを手ではたきながら板の間に上がった。座敷へすわった兆次の紺染めの股引きが、白く汚れているのが弥助の目についた。「なあに、あっしども岡っ引きの仕事は、ほとんどがいきなりでさあ。気になさるには及びませんよ。それより、お篠さんのことですが、あらましのことは判りましたぜ」
「早かったな、さすがは腕ききの江戸前の親分だ。下っ引を、光月へ走らせてくれたか」「いえ。下っ引じゃ、らちが明きやせんから、あっしが日本橋までひとっ走りして、調べてまいりやした」
「そいつは手間を取らせたな。お篠に、あやしい所があったか」
 兆次の目が、きらりと光った。
「図星で。旦那のお見込みどうり、お篠さんてのは、どうもただの狐じゃございませんねぇ」
 考える時の癖なのか、兆次は首をかしげると、無意識のうちに腰の十手を抜いて軽く手の平を叩きはじめた。
「やはりそうか。兆次の調べで、お篠は太い尻尾でも出したか」
 飛十郎のたとえに、兆次はにこりと笑って、打てば響くように答えた。
「まだ、そこまではいきやせんが。ま、にょっきりと両耳がとんがった、てところでしょうか。お篠さんてのは京の烏丸御池にある光月の京店へ、三年前の秋頃に西陣の老舗の添え状を持って入り込んできたそうです」
「そうか。お篠は三年前に江戸へ下ってきたと聞いている。光月へ入ってすぐに江戸へ出てきたわけだ」
「へい。その老舗ってのが、三条なにがしとか言う、やんごとないお公家さまの御用達をしている呉服屋だそうでございます」
「うむ。たしか佐吉も、れいの雛人形は由緒ある公家屋敷から出たといっていた」
 障子の間から差し込んでくる朝の光線の中で、ちらちら舞っている埃りを見ながら、飛十郎は飛鳥の十五夜の月光に照らされた石舞台で死闘した土雲典膳を思い出していた。同時に、古代の大王の陵墓に埋められた巨万の富を手に入れようとして死んだ六条佐通と、妹の董子を懐かしく思い浮かべていた。
――そう言えば……
 京へ来たときには、ぜひ我が屋敷を訪れてくれ、と董子は言っていたが。藤原北家に繋がる公家の六条佐通は、あの財宝を使って何をするつもりだったのか? 飛十郎は、過ぎ去った山の辺の道と飛鳥の旅を胸の内で思い返しながら、三条という公家と雛人形とお篠の関わりを思案しつつ、無精髭をこすった
「は、早船の旦那。お篠さんは、それほど怪しゅうございますか? わしには、そんな悪い人には見えませんでしたが」
 それまで黙ったまま、兆次と飛十郎のやりとりを聞いていた弥助が、たまりかねたように口をはさんだ。「考えてもみろ弥助。お篠が京雛を持って江戸へきたのは三年前だが、佐吉と口をきくようになったのはほんの四か月前だ。祝言まで短かすぎると思わぬか」
 思い詰めた顔の弥助を見て、飛十郎は苦笑いをしながら頭をかいた。
「だ、だけど男と女が好き合えば、早く祝言をあげたいのは人情だ。わしは出会って十日もたたないうちに、所帯を持った者を知ってるよ。四か月もあれば、長すぎるぐれえだ」 よほどお篠を気に入っていたのか、弥助は拳を握り締めて高い声を出した。
「ただ所帯を持つのと、きちんと祝言をあげるのは違うぞ。お篠は一緒になりたいなら式を上げろと、佐吉にせまっていた。それに夫が殺害されれば、まず妻に疑惑の目がむけられる」
 そうだな、というように飛十郎は兆次を見た。
「へい。それが、あっしら御用聞きの常道でございます。定廻りの旦那がたも、まずそこから探索の糸口をつけやすんで」
 兆次は、頷ずきながら言った。
「たとえそうだとしても、お篠さんは違います。あんなに、おだやかで、やさしい人は、わしは他には知らねえよ」
「たしかにお篠は、おれが見ても、おとなしやかで品が良く顔も綺麗だった。だからこそ、あやしいのだ」
「なぜでございますか。いくら旦那のいうことでも、こればかりは納得がいきません」
「考えてもみろ、佐吉はお前も知っての通り口八丁手八丁の道楽者だ。あんな男に、お篠のような京育ちの雅(みやび)な女が惚れるだろうか。おかしいではないか」
うんざりしながらも飛十郎は、目の前の朴訥(ぼくとつ)な男に噛んで含めるように言った。
「いいえ。京女から見ても、佐吉は男としての良さがあったと思います」
 弥助は、やっきとなって幼な友達の佐吉をかばった。
「もう一つ。佐吉はお前と違って、人も知る遊び人だ。嫁をもらって身を固めることなぞ、夢にも思わなかったに違いない。それが、お篠に惚れて、おれのところへ仲人を頼みにきた。その時、女に強く祝言をせがまれたと言っていた。それほどまでして婚姻をせまった、お篠のこんたんを、まず疑がってみなくてはならん」
 きっぱりとした飛十郎の口調に、弥助はついに黙った。
「ことの起こりが京だとすると、その根っこのとこを調べなきゃいけやせん。ですが、とうていそんな遠くへ出むく時間がありません。都の公家衆の事情にくわしい人に話を聞けるとよろしいんですが」
 気の毒そうな顔で弥助を見ながら、兆次は言った。
「京にくわしいとなれば、京都町奉行か所司代で働いていた者ということになるが……」 飛十郎は、腕を組んだ。
「誰か、心当たりがございましょうか」
 兆次はそう言って、肩を叩いていた十手を帯に差し込んだ。
「ない」
「ですが、早船さま。ここは、藁をも掴まねばならねえ所ですぜ。佐吉さんを殺した下手人を突き止めるためには」
「う、ううむ」
 唸り声をあげた飛十郎の胸の底に、寺社奉行の坂崎淡路守の顔が浮かび上がった。
「どうやら、藁に心当たりがありそうでございますね」
 にやりと笑いながら兆次は立ち上がると、裾をからげて端を帯の間にはさんだ。
「まて」
 呼び止めると、飛十郎は蜆売りの太吉が
持ってきた脅し文を見せた。
「なある……。敵は、しゃれた真似をするじゃねえですか。ようがす、旦那。永代橋の手配りは、あっしが蟻一匹はい出るすきもねえほどいたしやしょう」
「兆次、曲者はいざとなれば、橋から飛び込んで海に逃(のが)れるぞ」
「言うにゃ及ぶで、旦那。刻限までには、奉行所から船番所に筋を通して、大川から佃にかけてびっしりと舟で固めちまいまさあ。一匹だって逃すもんじゃありません」
 まかしてくれ、といった顔で兆次は言った。
「いやに自信がありそうだな、兆次」
「あっしが住む、深川熊井町は大川のすぐ傍でさ。水の捕り物には、なれておりやすよ」「それでも上手の手から水が漏れる、のたとえもある。弥助、もし曲者たちが女雛を奪って橋から飛び込んだら、追う覚悟はあるんだろうな」
「もちろんです。そいつらは佐吉を殺した憎い仇だ。鰻裂きの包丁を口にくわえて、大川めがけて、ざんぶと飛び込んで見せますよ」
 決死の目を光らせながら、弥助は血がにじむほど唇を噛みしめた。
「相手も刃物を持っていると思わねばならん。陸の上ではかなわぬ敵でも、水の中ではお前に勝ち目があろう。尾道の海できたえた水練の腕を、ぞんぶんに振るってくれ」
 土間へ降りて草履をはいた兆次が、振り向いて弥助を見た。
「立派な心がけだ。弥助さんがその覚悟なら敵が何十人いようが、きっと恨みは晴らせますぜ。けど、旦那の目星じゃ、曲者はいってえ何人でしょうかね」
 兆次は、飛十郎に視線を移した。
「そうだな。長屋へ押し込んだ連中は、まず三人。だがこの一件に、どれほどの人間が関わっているかは、おれにも皆目見当がつかん」
 頭をかくと、飛十郎はごしごし無精髭をこすって見せた。
「なにしろ舞台が、東海道を間にはさむ京都と江戸だ。あっしの勘じゃ、とうてい四人や五人の仕業じゃありませんぜ」
 兆次はそう言って、抜いた十手をくるりと廻して、また帯に差した。
「そうかもしれんな。帰りは気をつけてくれ、跡をつけられる恐れがあるからな」
「わかってまさあ。尾行をまくのも、あっしらの心得の一つです。じゃ、旦那。夕七つ(午後四時)すぎに、永代橋のたもとで会いやしょう」
 言い捨てて音も無く腰高障子を開けると、ひらりと兆次は江戸名物の蝙蝠のような黒い影を路地に消した。


五 紅葉狩り

 兆次が帰ったあと、弥助に留守を頼んで長屋を出て行った飛十郎は、何処を駆けずり廻っていたのか、昼の八つ半(午後二時)頃になってようやく自分の部屋に帰って来た。流れる胸元の汗を手拭でふくと、飛十郎は柄杓の水をうまそうに飲み乾した。
 弥助は破れ壁に背中を持たれて、両手で膝を抱え込んだまま顔を上げなかった。
「佐吉が殺されたことが、よほどこたえたのだろうが。くよくよしてたって、ことは始まらんぞ。気を変えて、動いてみろ。なんとかなるぞ」
「そうですかねえ……。旦那は、えらく動きなすったようだが、わしは動く元気がねえよ」
 気落ちした声で言うと、顔をあげて恨めしそうな目で飛十郎を見た。
「ああ、今日はえらく走りまわった。あるお方に、京の公家にくわしい男を引き合わせてもらってな。おかげで佐吉殺しの真相が、おぼろげだがわかってきた」
 意気込んだ顔で話す飛十郎を、ぼんやりと弥助は見た。
「まあ、聞け。三条というのは、京の都の三条の辻に屋敷をかまえる三条実万(さねつむ)卿のことだ。朝廷と所司代の間に立って公用斡旋をなさるお人なのだが、なかなか骨太な公家どのでな。筋の通らぬことは、幕府であろうが大名であろうが、遠慮なくぴしゃりとはねつけるらしい。いや、聞くだに痛快ではないか」
 破れた渋扇を抜き出すと、飛十郎は顔をあおぎ出した。
「そのお公家さまと、佐吉が関わりがあるというのかね」
 気の無い声で、弥助が聞いた。
「驚くな、弥助。その三条家の志乃姫さまが、三年前の秋に紅葉狩りを嵐山でおこなったのち、行方知れずになっているのだ」
にんまりと笑いながら、飛十郎は鼻をうごめかした。
「ふん。それが、わしの仇討の助けになるのか」
「まだわからんか、弥助。やんごとないその公家の姫君と、佐吉の女房のお篠が同一人物かもしれないのだぞ」
 飛十郎が、舌打ちでもするように言った
「え! あのお篠さんが、お公家さまの姫君さまだというのかね」
 ここにいたって、さすがに弥助も目を白黒させた。
「そうだ」
「だけど、その姫君さまが、どうして佐吉なんかと祝言をあげたんだね」
 もっともな疑問を、弥助は口にした。
「うむ。お篠は、曲者に何度も襲われたらしい。そのたびに、佐吉に助けられたようだ。そのため大望のある志乃姫としては、わが身とその目的とするものを守るために、祝言をあげたらしいのだ」
「つまり佐吉のやつは、その志乃姫さまに利用されたわけか」
 弥助は、顔をゆがめた。
「いや、それはまだわからん。もしかすると志乃姫は、佐吉に惚れていたかもしれんからな」
「問題はそこだ。計算ずくで佐吉を利用したか、恋情があったのか、わしはそこが知りてえ」
「恋情か……。むずかしい言葉を知っているな」
 頭をかきながら、飛十郎は天井を見上げた。 
「よし。わしはこうなったら、そのお篠さん、いや志野姫さまに会うぞ。早船の旦那、なにをぐずぐずしている。さっさと永代橋へ行って、下手人たちを待とうじゃないか!」
 ふところの中の鰻裂きの包丁を握ると、弥助はうって変わって威勢よく立ち上がった


六 風鈴

 永代橋のたもとで、大川の水面(みずも)ヘ緑の葉影を投げかけている柳の木の横から、風鈴売りがあらわれて飛十郎に目くばせした。笠の下の顔は江戸前兆次だった。飛十郎も心得たもので、弥助をうながすと客の振りをして風鈴を吊った屋台に寄って行った。
「風鈴売りとは、なかなか風流だが、ようやく桜が散ろうという季節だ。まだ早かろう」
「へ、しょうがありやせんや。これと金魚売りしか残ってなかったんで。これでも高い損料を払って借りてきたんですぜ」
 兆次が、苦笑いをした。
「岡っ引という商売も、なかなか苦労なものだな。これを使ってくれ」
小判を三枚取り出すと、さりげなく兆次の手に押し付ける。
「三両とは多すぎますぜ。旦那、今のところは一両でしのげますよ」
「いいから取っておけ。金をけちると、せっかく張った網の目から魚が逃げるぞ」
 飛十郎がそう言ったとき、江戸湾から吹いてきた風に吹かれて、吊り下げた風鈴がいっせいに涼やかな音をたてた。
「いい音だ。せっかくだ、これを一つもらおうか」
 屋根舟の形をした陶器の風鈴を、飛十郎は指差した。人差し指で押すと、ちりんといい音色がする。
「旦那も、のん気ですねぇ。風鈴なんか買ってる場合じゃないでしょう」
 あきれ顔の弥助に、飛十郎がにこりと笑いかける
「弥助、よく覚えておけ。正念場こそ、肩の力を抜き気分を楽にするべきなのだ。お前みたいに身がすくんで、かちんかちんでは曲者があらわれたときに何もできん。思い切り息を吸え、息を」
 飛十郎は両手を大きく広げると、深々と息を吸い込んだ。
「ちげえねえや、たしかに旦那のおっしゃる通りだ。約束の刻限まで、だいぶ間がありまさあ。そのへんの水茶屋で、ひと息いれたほうがようござんすよ弥助さん」
「そうさせてもらうか。ところで兆次、手配りは終わったのか」
「へい。南と北の奉行所から、与力が二騎に同心が十二人。小者がおよそ五十人。ほかにも船番所の加勢をいれると、あらかた百人になりやす。こいつは近頃にない大捕り物でございますぜ」
「ほほう、そうか」
 とぼけた顔で、飛十郎は顎をひとなぜした。
「どうも、上のお偉いかたが動いているって噂でございますよ」
「では、おれたちも、気合いを入れてやらねばならんな」
「まあ、そういうことで」
 兆次は飛十郎が買った風鈴を、器用に反故紙に包んで手渡す。
「よし。では兆次親分のおすすめ通り、水茶屋で一杯やって待つとするか」
「旦那、一杯たってお茶でございますよね」
 気掛かりそうに、兆次が聞いた。
「馬鹿をいうな。女子供ではあるまいし、酒にきまっておる」
「え。これから斬り合おうってのに、酒ですかい」
「あたり前だ。おれは呑んだほうが、剣さばきが良くなるのだ。兆次、風鈴代はいくらだ?」
 ふところの中に包みをねじ込むと、飛十郎は片手を袖に入れた。
「とんでもねえ。さっき頂いたお手当で充分でございます」
 慌てて兆次が、手を横に振った。
「冗談をいうな。あれは、おれが頼んだ御用の費用(ついえ)だ。この風鈴は長屋の軒先に吊って楽しむ品だ。筋が違うぞ。いくらだ?」
「へい、じゃ、二十文で」
 袖の中から掴み出した銅銭から、四文波銭を五枚取り分けると兆次に手渡す。
「たまには売れないと、商いの精が出んだろう。いや、いい買い物をした。では、あとでな」
 軽く手を上げると、飛十郎は弥助を連れて永代橋に一番近い水茶屋へ入って行った。往来がよく見える茣蓙敷きの縁台へ腰を掛けると、注文を聞きに来た茶汲み女を見上げた。「酒を一杯たのむ。弥助は、甘酒かあめ湯にするか」
「いや、わしも旦那と同じに酒をもらおう。ちっとは呑んで、度胸をつけにゃ勝負場へはいけねからな」
 思い詰めた顔で、弥助が言った。
「まてまて、弥助はやめておけ。呑みなれた者でも酒をあおって斬り合いにのぞめば、足がふらつき手元が狂い思わぬ不覚をとることがある。まして普段あまり呑まない者がそんなことをすれば、刀を鞘から抜くことさえ出来んぞ」
「けど、旦那は呑んでるじゃねえか」
 茶汲み女が運んできた枡酒を、うまそうに呑む飛十郎を弥助はうらめしげに見た。若い女ばかり揃えた両国の水茶屋と違い、永代橋の並び茶屋は三十過ぎの大年増が多い。綺麗な若い女には、目のやり場に困って息苦しく感じる飛十郎は、ここのほうが気楽らしい。「じゃ、わしは甘酒でいい」
 不満そうな弥助を見て、茶屋女が笑いながら引き返す。その後姿に飛十郎は声を掛けた。
「おおい。おでんを二人前、なんでもいいから見つくろって持ってきてくれ。気を悪くするんじゃないぞ弥助。佐吉が殺された今では、残ったのはお前だけだ。どうあっても生きてもらわねばならん。怪我をさせるわけには、いかんのだ」
「気にすることはねえぞ。わしは佐吉の仇を討つためには、命なんかいつ投げ出しても惜しくはねえ」
 武者ぶるいするように、弥助の声が震えた。
「いい覚悟だ、とほめてやりたいところだが。佐吉の通夜は今夜だぞ。お前が死んだら、誰が葬儀をやる?それに遺骨はどうする。女郎と一緒に、そのへんの投げ込み寺の無縁仏にするつもりか」
 飛十郎の言葉を聞いて、弥助は苦しそうに顔をゆがめた。
「うう、たしかにそうだ。わしは何がなんでも斬られるわけにゃいかねえ。なんとしても、佐吉の骨を尾道の光明寺へ運ばなきゃなんねえ」
 そう弥助が言ったとき、盆に乗せた甘酒と山盛りのおでんを二人の間に置いて、茶汲み女はさっさと引き返して行った。
「さ、喰え弥助。腹がへっては戦さにならんぞ」
「甘酒だけでいい。なんだか胸がいっぺえで、なにも腹に入らねえよ」
「いかん。空っ腹では、いざという時に力が出んぞ。無理にでも口に入れておけ」
「そうかね、いざ鎌倉という時に力が出ねえじゃ困る。それじゃ、喰おうか」
 言ったと思うと、弥助はおでんを手掴みで食べはじめた。煮玉子、はんぺん、厚揚げ、ちくわぶ、大根と山盛りになったおでんが見る見る減っていく。
「は、ははは、その調子だ。甘酒も飲め。おっと、玉子とちくわぶは、おれの大好物だ。よこせ」
 さっと手を伸ばすと、飛十郎も同じように手掴みで食べ出す。
「うむ。ちくわぶのこの素朴な味が、酒にはいちだんと合うな」
 飛十郎はさりげなく往来に目をやった。
 江戸有数の盛り場をひかえた両国橋と違って、永代橋際の並び茶屋の数は四分の一ほどしかない。暮れ六つ近いこの時刻には、商い帰りの行商人や、仕事が終って家路につく職人たちの姿が目立つだけである。沈みかかった夕陽が、行きかう人たちの影を道に長く伸ばしている。
「おい。おかわりだ。次は熱燗をたのむ」
 運んできた酒を、いかにもうまそうに飛十郎が呑んだとき、浅黄裏を絵に描いたような無骨な田舎侍が入ってきて飛十郎の顔を、じろじろ見た。
「どうした。おれの顔の真ん中を、お神輿でも通っているか。用があるなら早く言ったらどうだ。こっちは取り込んでいるんだ」
「お、おぬしが、早船飛十郎どのでござるか」
 江戸っ子の巻き舌でまくし立てられて、その勤番者の若侍は、しどろもどろになった。「いかにも、そうだが。ひとの名を聞く前に、おのれが名のるのが武士の礼儀というものだろう」
「これは、ご無礼いたした。それがしは二階堂拓也と申す者、もはや刻限なればお迎えにまいった。約束の品はお持ちでござるな」
「弥助、むこうを向いて見せてやれ」
 青ざめた顔で立ち上がると、弥助は背中を見せた。肩に斜めに掛けた風呂敷包みの中に、脇差しと女雛の箱がくるんであるのがわかる。
「おわかりかな。あの角ばった物が人形が入った箱、そして刀はおぬし達と闘う脇差しだ」
 そう言って飛十郎は、差料を取り上げて目釘をあらためた。
「弥助も脇差しの目釘を見ておけ。いざとなって柄が抜けでもしたら、それまでだぞ」
 慌てて風呂敷をほどくと、目釘を指でさわった。
「よし。では二階堂とやら、永代橋の上で会おう。お篠は間違いなくきているだろうな」「もちろんだ。なんなら金丁してもようござるぞ」
 若侍の顔が、むっとする。金丁とは武士が刀と刀、または鍔と鍔を打ち合わせたり小柄で刀を叩いたりして約定を守るためにした一種の儀式である。
「は、はは。金丁とは、また古めかしいことをいう。気に入ったぞ」
「なんとでも、いわれるがよい。しからば、お先にごめん」
 肩を怒らせて出て行こうとする若侍を、飛十郎が呼び止めた。
「またれい。二階堂どのは、おれの長屋での佐吉殺害には、関わりあるまいな」
「もちろんでござる。それがしは町人を斬る刀は、たばさんでおらぬ。あれは、あの二人がやったこと、」
 思わず口走って二階堂は、しまったという顔をした。
「ふ、ふふ。その二人の名を教えてもらえると、ありがたいのだがな」
「ば、馬鹿な、言えるわけはなかろう」
「ま、そうだろうな。おぬしのことは、どことなく気に入った。二階堂どの、ことはすでに露顕いたしたぞ。悪いことはいわぬ。このまま京か国元へ立ち帰ったほうがいい。永代橋のまわりは橋の下もふくめて、町奉行所と舟番所の手の者たち数百人で、蟻一匹はい出せぬよう固めてあるぞ」
 二階堂の顔色が、さっと変わった。
「われら両人は、昨日長屋で斬り殺された人形際師・佐吉の仇討にきた者だ。斬った二人は、必ず仕止めるつもりだ。帰ったら、お仲間にこのことを伝えてくれ」
 飛十郎が話し終えると同時に、二階堂は会釈すると、鍔を左手で押えながら橋へむかって駆け去った。
「見たか弥助。いずれ敵になるおれ達にむかって、辞儀をして行きおった。礼儀正しいやつだ。武士はああでなくてはならん」
 感心したように、飛十郎が首を振った。
「それにしても二階堂とは、江戸では聞きなれない名ですね」
「ふむ。備後尾道あたりにも、ないか」
「たぶん、もっと西国の長州か、あるいは九州あたりの名かも知れません」
「そんなところだろうな」
 桜を染めた水茶屋の花暖簾の間から、永代橋のほうを覗きながら、飛十郎は頷ずいた。あたりの空気は薄く透明になって、人の姿が誰とも知れなくなる黄昏どき、あるいは逢魔が時という江戸の町人たちが禍(わざわい)が起きると恐れる刻限に近ずきつつあった。
「けど旦那、どうして今の若侍に捕り方の手配りを教えてやりなさったので」
「深慮遠謀というやつだ。二階堂を見てもわかるように、今度の一件をよく知らずに密謀に加わった者もいると見た。なにも一網打尽にすることもあるまい。逃げる者は逃げればいい。おれ達にとって大事なことは、佐吉の仇をとることだ」
 立ち上がると飛十郎は、刀を帯に差し込んだ。それを見て弥助も、かねて用意の白鉢巻を頭に締めると、白襷を掛ける。
「男雛女雛にかくされた京の公家どもの謀叛の秘密も、それを押しとどめようとする幕府の動きも、おれにはなんの関心もない」
 刀の下げ緒をはずして襷を掛け、袴の股立ちを上げながら言った飛十郎の言葉の重大さに驚いて、弥助は目を?いた。
「この江戸で、む、謀叛ですと」
「そうだ。しかも、この密謀には御三家の一つが関わっているらしい」
「ご、御三家が……」
 あまりの驚愕に、弥助は脇差しを差すのも忘れて、立ちすくんだ。
「それが、今度の佐吉が殺されたことと、関わりがありますので?」
「うむ。佐吉が持っていた京雛が、その密謀に関わっているようだ」
 にやりと笑いながら、飛十郎が無精髭をなぜた。
「紀伊さまですか、尾張さまでしょうか」
 弥助は言いながら、ごくりと唾をのみ込んだ。
「いや、ほかの御三家らしいぞ」
「ほ、ほかと言っても、あとは水戸さましか残りませんよ」
「まあ、そうなるな。だが、さっきも言ったが、それはおれ達とは関係ないことだ。弥助、行くぞ。佐吉を斬ったやつらが待っているぞ」
「へい、がってんで」
 女雛が入った桐箱を小脇に抱えた弥助を連れて、飛十郎は水茶屋を出た。永代橋はすぐ近くである。河岸の柳の下で木にもたれたり、しゃがんでいた五人の侍が飛十郎を見て、さりげなく柳の木から離れた。
「まず、五人」
 数えた飛十郎の声に、弥助の足がわなわなと震えはじめる。
「に、二対五でございますな」
「なに、あれは後詰めだ。前方には、あと十人はいると思わねばならん」
「十五人! とは、また多うございますな」
「そうだ。だが、心配するな。敵が何十人いようが、めざす仇はふたり。いいか、ほかの者たちには目をくれるな」
 無精髭をひとこすりした飛十郎は、にやりと笑うと散歩でもするような足取りで橋にむかって歩き出した。

             了 〈助太刀兵法20・大江戸人形始末−3−へつづく〉   













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1. インフォ大名 2012年7月6日 16時38分 [返信する]
助太刀兵法ですか
とてもボリュームのある
よいブログですね

 


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