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〔助太刀兵法24〕 尾道かんざし燈籠 (4)(無料公開)
[【時代小説発掘】]
2013年1月13日 12時38分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法24〕 尾道かんざし燈籠 (4)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 新開遊郭の潮見楼で目を覚ました飛十郎は、弥助親子が住む黒門長屋へとむかう。佐吉の法事までまだ時間があると知って、尾道の名所見物に出かける。細長い町を歩き、千光寺山へも登って、山頂からの眺めを存分に味わった。そのあと佐吉の菩提寺の光明寺ヘ行って、墓に骨を納めたあと線香をあげた。それから何日かたったあと、尾道の祇園社に幽霊が出て町中が大騒ぎになった。
 

【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗 
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)
〔助太刀兵法11〕柳生天狗抄 (1)
〔助太刀兵法12〕柳生天狗抄 (2)
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄(終章)
〈助太刀兵法14〉山の辺道中
〈助太刀兵法15〉山の辺道中(2)
〈助太刀兵法16〉十五夜石舞台
〈助太刀兵法17〉五夜石舞台 (2)
〔助太刀兵法18〕大江戸人形始末)
〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2)
〔助太刀兵法20〕大江戸人形始末(3)
〈助太刀兵法21〉尾道かんざし燈籠
〈助太刀兵法22〉尾道かんざし燈籠(2)
〔助太刀兵法23〕尾道かんざし燈籠 (3)

猿ごろし




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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法24〕 尾道かんざし燈籠 (4)
花本龍之介 



一 寺の町

 寺院の梵鐘が鳴ったような気がして、飛十郎は目を開けた。
 障子が、うっすらと明るんでいる。明け六つの鐘だな、と思いながら飛十郎はまた目を閉じた。いつの間にか、寄り添って寝ていたお千代の感触がなくなっていた。遠くで聞えていた鐘が鳴りやむと、今度は少し近くで撞(つ)く寺の鐘の音がした。それが終ると、遠くなったり近くなったりしながら鐘の音が絶え間なく続いて、とうとう飛十郎は敷蒲団の上に起きあがってしまった。
「こいつは、たまらぬ。うるさくて、とても寝ておれん」
 そうぼやいて無精髭をこすった時、廊下で足音がして襖が開くと、お千代が茶碗をのせた盆を持って部屋へ入ってきた。
「麦茶じゃけど、飲まんかねえ。一晩中、井戸へ漬けといたけえ、よう冷えておいしんよ」
「これは、助かる」
 茶碗を受け取ると、うまそうに喉を鳴らして一気に飲み乾す。
「酔いざめの麦茶も、水に負けぬぐらい、おいしいものだな」
 そう飛十郎が言ったとき、すぐ近くでまた寺の鐘の音が聞こえた。
「いやに鐘が鳴るな。おかげで目が覚めた」
「ほうじゃねえ。最初に鳴るんが千光寺、つづいて光明寺、天寧寺、西国寺、淨泉寺と鳴りついで、最後に鳴ったんが淨土寺じゃん。なにしろ尾道には五十いくつもの寺があるんじゃけえ。撞き終わるまでに、そりゃあ時間がかかりゃん」
「そんなに寺があるのか。いや、船に乗って玉の浦に入ったおり、この狭い町にいくつもの寺の大屋根や五重の塔が見えたので、いやに寺院が多いなと思っていたが五十あまりもあるのか」
 驚いたように言って、飛十郎は茶碗を下に置いた。
「これでも、へったほうじゃん。昔は八十八もあったそうじゃけえね」
「それほど寺があるということは、町の者たちは皆んな信心深いというわけだな」
「ほうじゃ。ほかの町より、信心は盛んかもしれん。右をむいても左をむいても、寺ばかりの町じゃけえ尾道は」
 お千代の言葉を聞いて、飛十郎はうれしそうに笑った。
「ならば、おれが仕掛ける策も、思ったよりうまくいくかもしれぬ」
 素早く立ち上がると寝巻を脱ぎ捨て、衣桁(いこう)に掛けてあった黒無地の単衣(ひとえ)を着て帯を締めると、色が変わった馬乗り袴を身に付けた。
「こぎゃあに早う、どこへ行きなさるん? おなかが空いてるでしょうに、何か食べていきんさい」
 刀を差しながら部屋を出ようとする飛十郎の後姿に、お千代は声を掛けた。
「そういえば、腹ぺこだ。わるいがお千代、握りめしを二つと、たくわん四、五切れ持ってきてくれんか」
 引き返してきた飛十郎は、そう言ってお千代の前に座り込むと、あぐらをかいた。


二 黒門長屋

「ほほう。あれが室町幕府の初代将軍・足利尊氏が建立したという、浄土寺か」
 はるか頭上に見える、高い石垣と急な石段と厳めしい山門を見ながら、ふところ手の飛十郎がつぶやいた。後醍醐天皇と仲たがいした尊氏が新田義貞との合戦に破れ、九州へ落ちのびる途中この浄土寺へ立ち寄って捲土重来を祈願したのち、再び西上して楠正成と義貞を討ち滅ぼして天下を治(おさ)めた。大願成就のお礼に、それまでの粗末な寺構えを壮麗な七堂伽藍に建て直したという。
「あとで参拝するか。だが、その前にまず……」
 と言いながら飛十郎は、目の前の朽ちて傾きかかった長屋の木戸門に目を移した。
 金持の屋敷は数寄をこらして、それぞれ趣きが違うが、貧乏人が住む長屋は江戸であろうが、尾道であろうが同じような造りである。
――さてと、弥助一家の長屋は、どこかな……
 無精髭をこすりながら、飛十郎は黒門長屋の狭い路地へ一歩足を踏み入れた。汚水が流れる溝が真ん中に掘られて、その上にどぶ板が敷き並べてある。不揃いな板は、あちこち腐って欠け落ちて、うっかりすると溝にはまってしまう。
「ふうむ……。〔あんま上下(かみしも)三十文〕に〔八卦占ない・天眼堂〕か。こちらは〔針仕事引き受けます〕に〔せんたく・洗い張り〕と〔大工・吉兵衛〕に〔左官・長蔵〕と、きたか」
 向いあった八軒長屋の腰高障子の上に、住人たちの商売や名前が書いてあるのを、いちいち読みながら飛十郎は長屋の奥へ入っていった。
「なるほど、〔八百徳〕に、こちらは〔産婆・虎〕か。うむ〔医師・少庵〕もあるな。これでは、長屋から一歩も出ずに用がたせるわけだ。おっと、〔魚徳〕だ。ここだな」
 聞いていた通り、井戸の前で飛十郎は足を止めた。洗い場に置いた桶の水を、ぴちゃぴちゃ飲んでいた猫が顔を上げると、じろりと飛十郎を見る。その傍を汚れた毛並みの野良犬が、横目で猫をうかがいながら遠まわりして歩いていく。どこかで赤ん坊の泣き声がした。
「ごめん。弥助どのは、ご在宅か?」
 油障子を拳で叩こうとした時、がらりと戸が開いて弥助が顔を出した。
「あ、旦那。お待ちしとりゃんした。昨晩はどこへ泊まられたんかのう」
「話は中だ。お前の母どのや妹ごにも、会って挨拶をせねばならんからな」
「今頃きても、誰もおりゃあせんですよ。旦那、魚屋は朝が早いんじゃけえ。暁七つ(午前四時)にゃあ、もう魚市場へ着いとらにゃ商売にならんけえね」
 飛十郎を狭い土間へ通しながら、弥助が言った。
「七つだと。まだ暗いではないか。大変な仕事だな」
 土間に置いてある、魚を入れる木箱や俎板や水桶を珍しげに見廻すと、飛十郎は座敷ヘあがった。間取りは板敷きの三畳に、四畳半が二つある。飛十郎が住む深川の長屋より、ひと間多いということになる。
「ふむ。おれの家より、よほど綺麗だな」
 帯から刀を抜いて膝の横に置くと、飛十郎はあぐらをかいた。柱に千代紙で折った千羽鶴が吊られ、古箪笥の上には色鮮やかな端切れを貼った手作りの小箱が置いてある。
「いくつになるかな、妹ごは」
「へえ。もう、とうに二十の半ばを過ぎとります。わしが甲斐性なしじゃもんじゃけえ。今だに嫁にもよういかんと、おふくろと魚売りをして町を歩いとります。化粧もせんと、ぼろを着て。わしゃあ、それを見ると情けのうて……」
 肩をすぼめて、弥助は鼻をすすり上げた。
「元気を出せ、弥助。毎日朝早くから行商に出て、母親とふたりでお前の帰りを待っていたとは立派なものだ。躰は丈夫なのか。妹の名はなんという?」
「そりゃあもう、風邪ひとつ引かんのが、お菊の自慢ですけえ。おふくろも、あと何十年生きるかわからんほど丈夫じゃけえ、それだけが取柄じゃのう」
「それが一番だ。いくら金や土地財産があっても、病いになればどうにもならんぞ。愚痴をこぼす暇があったら、お前も早く鰻店を出して、ふたりを江戸へ呼んでやれ」
 飛十郎はそう言いながら、鴨居に吊り下げてある木綿の着物に目をやった。母親の物か妹の物かわからないが、洗い晒して縞柄が消えかかって、あちこちに継ぎ布が当ててある。
「そうしろ、弥助。それから気を悪くしてもらっては困るが、これでお菊に晴れ着の一枚でも買ってやれ」
 ふところに手を入れると、飛十郎は小判を一枚取り出して弥助の膝の前に置いた。
「一両も。こぎゃあなことを、してもろうたら困ります。それでのうても、尾道までの旅の路用は全部出して、もろうとるんじゃけえ」
 慌てて小判を押し返した。
「気にするな。佐吉の仇討で、寺社奉行の坂崎さまから、たっぷりと褒美の金をもらっている。遠慮なく取っておけ」
 出した小判を、ふところに戻す飛十郎でないことは、弥助もよく知っている。
「この一両は佐吉の檀那寺の光明寺へ納めちゃあいけんかのう。せっかくじゃけえ、そうしたいんじゃが」
「納骨料か。それなら用意してある」
 帯の間から袱紗に包んだ金包みを出して、弥助の前に置いた。
「五両あれば、永代供養を納めても、釣りがくるぞ」
「なにから、なにまで……。早船の旦那この金は、ほんまは、わしが出さにゃあいけんのに」
 申し訳なさそうにうなだれると、弥助はまた音を立てて鼻をすすり上げた。
「は、はは、馬鹿をいうな。お前が稼ぐ金は、江戸で鰻屋を出すという夢のための大切な金ではないか。一文たりとも無駄には出来ぬぞ。それにこれは佐吉が徳川家を倒幕から守るために殺された、いわば佐吉の命金だ。こういったおりに使わねば、使う時がないぞ」
 明るく笑い飛ばすと、弥助の手に袱紗包みを押し付ける。飛十郎は立ち上がって、裏手の障子を引き開けた。縁側の向こうは猫の額ほどの狭い空き地で、傾きかかった板塀の先には、やはり同じような長屋が並んでいる。
「うん、そうだ。これから光明寺の墓へ佐吉の骨を納めにいくわけだが、おれと弥助だけでは、いかにも淋しい。できれば、おふくろどのと妹のお菊どのにも同行してもらうわけにいかんかな。無理か」
 無精髭をこすりながら、飛十郎は板塀の向こうの物干し竿に目をやった。寝巻らしい破れ浴衣と並んで、ずらりと赤子のおむつが干してある。
「魚の行商は、遅うても午(うま)の刻には終わりますけえ。お寺さんに頼みゃあ大丈夫じゃと思いますがのう」
「ならば、そうしろ。その金で、ふたりの着物を買えばいい。一両で足らねば、まだ出してもいいぞ」
「これで充分じゃ。中浜通りの古着屋へいきゃあ、こざっぱりとした着物や帯や草履まで揃えられるけえ」
「ようし。そういうことなら、おれは時刻がくるまで尾道見物でもするか。弥助、まず何処へいけばいい?」
 訊かれて、弥助は頭に手を当てて考え込んだ。
「ほうじゃのう。この長屋のすぐ傍にある浄土寺もええし、西国寺や浄泉寺もええが。なんといっても千光寺かのう」
「ふむ。千光寺というのは、船を降りた時に見た山のてっぺんにあった寺だな。玉の岩とかいう巨石の横にある」
「へえ。あそこまで登りゃあ、尾道の町や海が一望のもとに見えますけえ。そりゃあ、見晴らしがええのう」
「そうか。敵と戦うには、まず地の利を知れと兵法にあるからな。尾道すべてを見おろせれば、なおのこといいぞ」
「そりゃあ、何のことですかのう。早船の旦那は、また面倒なことに首を突っ込みなさったんじゃろう。悪いくせじゃ」
 うれしげに顎をこすっている飛十郎を、弥助が心配そうに見た。
「なに、冗談だ。気にするな。それより光明寺へは、どういけばいい」
 刀の位置を直しながら、飛十郎は弥助の顔を見た。
「この長屋の前を、真っ直ぐに西へいきゃ防地川じゃ。橋を渡った先の広い街道が本通りで、旅籠や商い店がいっぱい並んどりまさあ」
「本通りか。その先は何処へつづいておる?」
「その先もずっと本通りじゃ。まず大宮崎町の本通りがあって、次が石屋町。そのむこうの中久保町に水尾小路があって、そこを下れば旦那が昨日いきんさった新開じゃ」
「おう、新開か。そこまで行けば、だいたいわかるぞ。たしか、その先が久保本町だったな。笠岡屋とかいう本陣を覚えてるぞ」
「本陣があるんは、十四日(とよひ)町じゃが。その笠岡屋作右衛門さんの前の、叶小路をあがった先が長江町じゃ。名の通り、昔は長い入江になっとったいうのう。なんでも九州の太宰府へむかわれる天神さまが、船からおりんさった時にすわられた腰掛け石が今でも残っとるけえのう。子供のおり、わしも佐吉と一緒によう座ったもんじゃ」
 弥助は、懐かしそうに目を細めた。
「ほほう、菅原道真公がな。そいつは、たいしたものだな。よし、おれも腰を掛けてみよう。少しは頭が良くなるかもしれんからな」
 にやにやしながら飛十郎が言った。
「旦那は、もう手遅れじゃろうの。あれは子供の頃にやらんと、ききめがないそうじゃ。それに人によって違うそうじゃ。あの石にゃあ、なんべんも座ったが、わしはこの通りぼんやりじゃが、佐吉は頭がようなって、はしこかったからのう」
「ふ、ふふ、おれは手遅れか。だがな、弥助。いくら頭が良くても、佐吉のように早死にしては仕方がないだろう」
 苦笑しながら、飛十郎は言った。
「その長江町の先は、どこへつづいている?」
「なんでも、三次(みよし)ゆうところへ出るらしい。山また山を越えて、どんどん行けば出雲大社へ着くゆうことじゃ。そういやあ薬師堂浜をあがった成福寺の前に〔是より出雲街道〕ゆう石の道しるべが立っとるのう」
 飛十郎はふところ手をすると、遠くを見るような目をした。
「うむ、出雲か。いつか、行ってみたいものだな」
「早船の旦那のことだ。助太刀人の仕事で、きっと行きんさるよ。十四日町の本通りを進むと、昨日見た住屋の前を通ります」
「たしか土堂町とかいったな。四、五軒ほど先に、荒神堂小路があった。船を降りて、お前と歩いた道だ」
「そこまでが東土堂町じゃ。その先の西土堂町に入ってすぐ右手に、石敷きの寺小路があってそれをあがって裏通りへ出りゃあ、目と鼻の先に千光寺へ行く石段が見えまさあ。それが千光寺道であとは一本道じゃ。どんどん登っていきゃあ、誰でも本堂ヘ着きますよ」「うむ、千光寺道か。どれほど登れば、あの玉の岩に行けるのだ」
「およそ、四半刻(三十分)ぐらいかのう。距離はそれほどないんじゃが、石段が急じゃけえな」
 飛十郎は、草履の指先に足の指を入れた。
「では、あとでまた会おう」
 手をあげると、腰高障子を引き開けて外へ出ていった。黒門横丁を出ると、飛十郎は防地川にむかって歩きはじめた。

 

三 青菜売り

 「ふうむ。これは美しい……。江戸で佐吉と弥助が、生まれ故郷を自慢したはずだ」
 溜め息まじりに呟やくと、目の下に広がる海と島と町に、見とれて足を止めた。それは長い急な石段を登り疲れた飛十郎が、何気なく振り向いた瞬間、目に飛び込んできた景色だった。
 瓦屋根が続く町並みは、黒い扇(おおぎ)を開いたように広がり、そのむこうに見える青い海はすぐ前に向島(むかいしま)があるため、深い川のように見える。
「もっと上に登れば、瀬戸内の島々や四国の山も見えるかもしれんな」
 手拭いを取り出すと、胸前や首の後の汗を拭き取った。海から吹き上げてきた風が、さっと袖や袴の中を通り過ぎた時だけ涼しさを感じるが、それもつかの間のことで歩き出したとたんに汗が滲んでくる。
 石段の両側には、小さな家が建ち並んでいる。窓からの眺めはいいだろうが、日々の食料や水を運び上げるのは大変だろう。
――もしかしたら、江戸のように物売りが品物を持ち運んでくるのかもしれんな……
 そう思ったとき、石段の上から天秤棒の両側に青菜が入った籠を吊り下げた女が、軽い足取りで降りてきた。菅笠をかぶっているから顔は見えぬが、腰の張った頑丈そうな躰つきをしている。
「きつい商売だな。見ろ、おれなんかここまで登っただけで、ふうふういっている」
 話し掛けられると、物売りの女は笠を上げて白い歯を見せた。
「長いことやっとりますけえのう。もう、なりゃんしたよ」
 丸顔の感じのいい中年女だ。
「まさか、あの千光寺までは行かないだろうな?」
 飛十郎は、石段が長く続く山の上を指差した。
「なんの。千光寺さんどころか、もっと上にある展望亭という料理茶屋まで、行きゃんすよ」
「たいしたものだ。おれとは修業が違うな。重い物といえば腰の刀だけのくせに、もう息が切れたぞ」
「尾道は坂と石段の町じゃ。登り降りしているうちに、自然と足腰だけは丈夫になるんじゃろうのう。うちは重いゆうても野菜じゃけえ知れとるが、魚屋さんは大変じゃろうね」「そうか、魚のほうが重いか」
「お侍さんは、千光寺まで行くんじゃろう。まだ、だいぶあるけえ、頑張っていきなしゃあ」
 もう一度白い歯を見せると、青菜売りの女は横にかついだ天秤棒の籠で器用に重心を取りながら、石段を下っていった。
「どこを売り歩くのか知らぬが、弥助の母親と妹も重い魚を持ち運んで売るのも大変だろうなあ」
 独り言を言いながら物売りを見送っていた飛十郎は、気を取り直したように勢いよく石段を登り出した。
しばらく登ると、ゆるやかな坂道に変わった。長い坂は、少し歩いては一段上がり、また少し行っては一段上がる。坂の両側に植えられた桜並木は、葉桜の季節もとうに過ぎた今は鮮やかな若葉を茂らせていた。
「青菜売りは、山頂に料理茶屋があるといっていたが、こんなところにもあるのか」
 そう言って立ち止まると、飛十郎は三階建ての立派な料理茶屋を見た。入口の軒提灯には〔御休み処みはらし亭〕と書いてある。飛十郎は感心したように無精髭をこすると、高い瓦屋根を見上げた。
「たいしたものだな」
 そう呟やいたとき、手桶に柄杓を持った小女が暖簾をかき分けて出てくると、しげしげと眺めている飛十郎に気付いた。
「あいにくじゃけど、みはらし亭はお侍さんの一見客はお断りですけえ。出直してくだしゃあ」
 そう言いながら、せっせと路上に水を撒きはじめた。
「いや、あまりに凝った造りの建物なのでな、つい見とれていただけだ。揚がるつもりはない」
「誰ぞ浜の旦那衆を知っとりゃあ、ええんじゃけどのう」
 人の良さそうな小女は、花柄の前掛けで手を拭きながら、気の毒そうに言った。
「そうか、大店の商人を知っていればいいのか。あいにく尾道の知り合いは、女郎と酌女と魚屋だけだ。は、はは、当分ここでは呑めんな」
 照れ隠しに笑って見せると、飛十郎は店のすぐ前の急な石段に目をやった。
「ところで、千光寺へはこれを登ればいいのかな」
「へえ。その石段を上がってもろうて、右手の長い石段を登りゃあ千光寺です。赤堂の舞台から見おろす尾道の景色は、いつ行っても胸が晴れ晴れすりゃん。もう少しじゃけえ、行ってみなしゃあ」
料理茶屋で働く人間は、小女といえど客馴れしているとみえて、なかなか口達者だ。
「わかった、あと少しか。すまなかったな」


四 赤堂

「ほほう……、これは見事だ。たしかに、見はらし亭の小女がいっていたように」
 胸が晴れ晴れとする風景であった。江戸の上野山にある清水堂から見るより、はるかに雄大な眺めである。まず、高さが違う。左手に高くそびえる浄土寺山が見え、山裾に浄土寺の本堂や多宝塔が点在している。その下に見える町並みが、弥助親子が住む黒門横丁であろう。
 目の下に川のような細い海が広がり、向島のむこうに瀬戸内の青い海峡に浮かぶ、いくつもの形のいい島が見えた。そして、そのはるか先に朧(おぼろ)げに霞んで見える山々の連なりが、
「たぶん、四国かもしれんな」
 飛十郎が赤い欄干から身を乗り出すようにして独りごとを言った時、それに答えるかのように後で鉦(かね)の音がした。振り向くと、天井から吊り下げた小さな鉦の傍で坊主頭の男が合掌している。
「さよう、あれが四国じゃ。よい日和にご参拝なすったのう。わしはこうやって毎日この本堂で鉦を叩いておるが、こぎゃあなふうに綺麗に四国が見えることは、めったにないんじゃ。お侍さんは、よっぽど人を助けとるんじゃろう。のう?」
「はあ。まあ、少しは」
 と言って、飛十郎は頭に手をやった。
「ほうじゃろう、ほうじゃろう。あんたは、そぎゃあな人相をしとる。今日は、ほんまに気分のええ日じゃ。こうゆう日に、お賽銭をあげりゃあ、ずんとご利益があるもんじゃ。ええから、お賽銭を観音さまにあげなしゃあ」
 坊主頭の中年男は、頷ずきながら鉦をまた一つ叩く。
「おう、ここのご本尊さまは観音さまか。ならば、頼まれずとも喜んで出すぞ」
 袖の中をさぐって一朱金をつまみ出すと、無雑作に賽銭箱に放り込んだ。とたんに、また一つ鉦が打ち鳴らされる高い音がした。
「ほんま、ありがたいことじゃのう。一文二文のお賽銭が当り前じゃゆうのに、大枚一朱ものう。太子さまがお造りなすった観音秘仏も、さぞ喜びなさっとることじゃろう。いや、南無観世音菩薩、南無観世音菩薩。ご奇特なことじゃ」
 作務衣を着た小柄な坊主頭は、愛敬たっぷりの声で礼を言った。
「なに。ここの観音さまは、聖徳太子の作か」
 感じ入ったように首を振ると、飛十郎は神妙に手を合わせて、ぶつぶつと念じた。
「かしこくも天平のみぎり、大和の国は斑鳩におわします聖徳太子さまが、自からお手彫りになられた観音像じゃけえのう」
 言い終えると、また一つ鉦を叩く。何かあると、すぐに鉦を叩く男だ。
「そつじながら、おぬしはこの寺で働く寺男かな」
「なにをいうか! 見損なうな。わしはこの大宝山千光寺の住職じゃ。もっとも、あんまり気さくなもんじゃけえ軽く見られて、よう寺男に間違えられる。わは、ははは、女房が文句をゆうけえ、頭があがらんのじゃ」
 豪快に笑い飛ばすと、また鉦を鳴らす。
「すまぬ。おぬしがこの古刹(こさつ)のご住職でござったか。知らぬこととはいえ失礼いたした」
 詫びを言うと、飛十郎は素直に頭を下げた。
「なに、あやまることはない。見ての通り、わしがあんまり貫禄がないもんじゃけえ、悪いんじゃ。それにひきかえ女房どのは、まことに品のええ女(おなご)でのう。どこの大家(たいけ)の奥さんかと、誰でも間違うほどじゃ」
うれしげな顔で住職は、ひょいと奥を指差した。
「もし女房どのを拝観したいんならのう、その玉の岩の向こうの鐘突き堂の前におるけえ、見ていきなしゃあ」
「もちろん奥方にはお目にかかるが、ちと喉が渇いた。そこの休み処には、これは置いてなかろうな」
 指を丸めて盃の形にすると、飛十郎は酒を呑む仕草をした。
「残念じゃが、般若湯はないのう。じゃけど谷間の湧き水で冷やした、おいしい麦茶や冷やし飴があるぞ。
 商売熱心な住職の言葉に、飛十郎は赤堂の石段を降りて、玉の岩の下に葦簀を張り出した小さな茶店にむかった。
 茶店に入る前に飛十郎は、ふところ手をしたまま玉の岩を見上げた。聞きしにまさる巨岩である。のしかかるような大岩は、飛十郎を押しつぶすような威圧感があった。舌を巻いて感嘆している飛十郎の背後から、かん高い住職の声がした。
「どうじゃ? お客人はこれほどの岩を、よそで見たことがありんさるかのう」
「ないな。こんな大きな岩は生まれて初めて見た」
「ほうじゃろう。わしが思うに、こりゃあ日本一の大岩じゃ。形も、ええしのう。じゃけど、あんまし見上げとると、首が痛(いと)うなる。早う茶店で休みなしゃあ」
「はあ、そうですな」
 袖から手を出して首を揉むと、飛十郎は茶店の床几に腰をおろした。
「なにを注文しなさるかのう。尾道名物の、玉の浦煎餅もおすすめじゃぞ」
 一緒に入ってきた住職が、前掛けをしながら訊く。
「えっ。ご住職が、お出しになられるのか」
「いつもは山の下に住む婆さんがくるんじゃが、今日はあいにくと腰を痛めてのう。わしが茶汲みをさせてもらう。なに、参拝客が少ないときは毎度のことじゃ」
 とぼけた顔で布巾を手に取ると、丸盆を拭きはじめる。
「それでは麦茶と、ところてんをいただこう。それと玉の浦煎餅も」
「うむ。おいしいのを作るけえ、ざんじ待たっしゃれ」
 手早く襷を掛けると、慣れた手付きでところてんを作りはじめた。慌てたように、飛十郎は手をあげた。
「あいや、ご住職。尾道のところてんは、まさか京大坂のような黒蜜仕立ての、甘ったるいものではあるまいな」
「心配せんでもええが。酢醤油を使うた、さっぱり味じゃ。それに向島の立花で採れた天草を使うとるけえのう。舌ざわりは絶品じゃて」
「そいつは楽しみだ。それに、ご住職。ここの景色も絶品ですな」
「ほうじゃろう。わしもここで生まれて育ち、この年になるまで毎日見とるが、見あきがせんのう。若い頃にゃあ日本全国あちこち旅もしたが、尾道ほど綺麗な所はなかったけえのう。わしはこの港町に生まれたことを、観音さまに感謝しとるんじゃ」
 飛十郎は立ち上がると、腕組みをして足の下に広がる風景に見入った。狭い海を、忙しげに帆を張った荷船や渡し舟が行きかっていた。船頭の怒鳴り声や、艪のきしむ音や、荷車を曳く音や、材木を叩く音が入り混じって、潮騒のように下界から沸きあがってくる。「さあ、ご注文の品が出来あがりましたぞ。腕によりをかけて作ったつもりじゃけえ、もしまずかったら、お代はいらんゆうところじゃ」
 床几の上に盆を置くと、住職は眩しそうに目を細めて空を見あげた。
「きつい日差しじゃのう……。四月半ば(今の五月中旬)は、もう初夏に近いのかもしれん。見なしゃあ、青葉があぎゃあに美しゅう見えるで」
「それにしても、さまざまな物音が聞えてくるものですな」
 飛十郎の横に並ぶと、住職は覗き込むようにして下界を眺めた。
「そうさな。風向きによってはの、新開のお女郎たちが泣きむせぶ声も、はっきり聞こえてくるぐらいじゃ。あは、はは、お客人は新開ゆうのを知っとられるかのう」
「はあ。昨夜、立ち寄りました」
 頭をかくと、飛十郎は床几に腰をおろして、ところてんの器(うつわ)を手に取った。
「よかったのう。この世は、すべて色即是空じゃ。人生は一度きりじゃけえ、やりたいことやって死んだほうがええ。わしゃあ、いつもそう思うて尾道の町を見おろしとる。あんたの名を聞かしてもらおうか」
 ところてんを口にすすり込んでいた飛十郎は、ふいを突かれたように住職の顔を見た。「てまえの名は、早船飛十郎。よしなに」
 割り箸を持ったまま、軽く会釈する。
「おう。なかなかの名じゃのう。気に入ったぞ。わしは千光寺の専念じゃ。寺まいりの前に、女郎屋へいったゆうところがええ。男たるもの、そうでのうてはいけん」
 尾道一の名刹、千光寺の住職にあるまじきことを、専念はぬけぬけと言う。
「で、早船さん。新開は、どうゆう店にあがったんじゃ」
「たしか、潮見楼だったかな」
「水尾小路を下がって、すぐの店じゃな。ふん、あそこはええ。小さいが、粒よりの女を揃えとる」
「専念どのも、よくいかれるようですな」
 麦茶を飲んで玉の浦煎餅をかじると、横目で住職を見る。
「よくは、いきゃあせんが。まあ時々のう。なんせ毎夜のように人間苦界の、もろもろの怨念や、悲哀や、愁嘆や、怨磋の声が下界から、わしの方丈へ聞えてくるけえのう。たまには精進落しをせにゃあ、身がもたんわい」
 にんまりと笑うと、専念は空の雲を写すかと思えるほど、つやつやした頭に手を置いた。。
「この坊主頭を手拭で頬かむりをしてのう。新開や新地へ遊びにゆくんじゃが、なに千光寺山の古狸じゃゆうことは、どの店でもとうにばれとるんじゃ。とんだ生臭坊主じゃと思うとるんじゃろう、早船さんは」
「いやいや、江戸ではお目にかかれぬ傑僧だと思っております」
 飛十郎は、真面目な顔で専念を見た。
「世辞でも、そういわれりゃあうれしいのう。ほうじゃ、見たところ早船さんは剣が使えそうじゃけえ、西芳寺へいったらええぞ。あそこにはのう、化物みたような生臭坊主がおるんじゃ。物外ゆう名じゃが、なにしろ碁盤に握り拳をめり込ませる怪力の持主じゃ」
「ははあ。拳の跡を碁盤につけるとは、たいした力ですな」
感心したように、飛十郎は無精髭をこすった。
「海へ落ちた釣り鐘を、ひとりで船へ引き揚げたゆう話もあるしのう。ま、どんな化物坊主か一回おうて見りゃあええ。尾道の西のはずれの、三軒屋ゆう在所にある小さい寺の住職じゃ。あんたとは気が合う思うけどのう、わしは」
「ぜひ会ってみようと思っています。ところで、代金はいくらですかな」
「うむ、茶代じゃのう。ぼけちい気に入ったけえ、ただじゃといいたいとこじゃが。商売じゃから、そうもいかん」
「払いますよ。お気持ちだけは、ありがたく……」
 軽く頭を下げると、飛十郎は楽しげに笑った。
「そんなら悪いが、ところてんが二十文に煎餅が十文、それに麦茶が五文の、しめて三十五文じゃな」
「いや、どれもこれも、おいしゅうござった」
 袖に手を入れて、二文波銭と一文銭を掴み出すと、手の平のうえで数えて盆に置く。
「では、住職どの。また」
 茶店から出ていく飛十郎の背中にむかって、
「鐘突き堂からの眺めが、また最高じゃからのう。よう眺めて帰りゃあええ。その横で売っとる災難除けのお守りは、観音さまの霊験あらたかじゃ。早船さん、あんたの顔には剣難の相が出ておるぞ」
 飛十郎は、憮然とした顔で顎の先をつまんだ。
「ほう、あんまり驚ろかんようじゃのう。人間、誰しも働かにゃあ喰うていけん。何の商売をしとる?」
「はあ、助太刀人というのをやっております」
「助太刀? 仇討のかのう」
 住職が首をかしげる。
「それだけではござらん。人助けになることなら、なんでもいたすので」
「ふむ。たとえ、女郎の頼みでもかな」
「もちろん」
「わ、ははは、ようわかった。ほんなら剣難の相が出るのは当たり前じゃのう」
 飛十郎の肩をぽんと叩くと、専念はさっさと赤堂にむかって歩いていった。見ると三人ほどの参拝客の姿が見える。また鉦を叩いて、お賽銭をせしめる気だろう。
「さてと。では鐘突き堂へいき、お守りでも買って帰るか」
 そう呟ぶやきながら飛十郎は、見上げるばかりに巨大な玉の岩と高い崖の間の道を抜けて、朱と白に塗られた竜宮城のような鐘突き堂にむかって、ゆっくりと歩き出した。


五 庵治石

 光明寺は、西土堂町の先の渡し場町を抜けて、浮御堂小路を越えた漁師町の向こうにあった。弥助が西国一と自慢するだけあって、聞きしにまさる長い商家町だった。
「ここが、尾道奉行所か」
 厳めしい長屋門と高い塗塀に囲まれた瓦屋根の役所の前で、飛十郎は足を止めた。江戸の町奉行所と違い人の出入りも無く、門番の姿もない。この狭い港町では、ほとんど揉めごとも起きないのであろう。
 飛十郎は門の前で振り向くと、細い路地を通って光明寺の山門にむかって坂を登りはじめた。坂の両側には仏花や線香を売る小店が並んでいる。坂を上がりきると、そこからは急な石段になっていた。
「やれやれ、また石段か……」
 石段を見上げながら、手拭いで胸や首筋の汗をぬぐい取ると、覚悟をきめて登りだす。石段の上に二つめの山門があって、門をくぐるとまた石段が続いている。
「早船の旦那、こっちじゃ。こっち」
 弥助の声に顔をあげると、大きな本堂の濡れ縁に立って手招きしているのが見えた。その横に立っている二人の女が、飛十郎にむかって深々と頭をさげた。母親と妹だろうが、遠すぎて顔が見えない。
 困ったように頭をかいて立ち止まった飛十郎を見て、弥助が縁側から飛び降りて駆け出してきた。
「遅かったのう。どこへいってきたんじゃ」
「千光寺へいって、住職と話してきた。なかなか面白い和尚だった」
「かなわんのう。旦那は、すぐに知り合いを作りなさるけえ」
 遅いので心配したとみえる。
「光明寺のほうは、どうだ」
「旦那のゆう通りじゃった。小判の力は、ぼげちいのう。下にも置かんもてなしじゃ。わしゃあ、あぎゃあに立派な座敷へ通されたんは生まれて初めてじゃ」
 どうやら弥助一家は、客殿に通されたらしい。
「綺麗な庭が見える座敷でのう。床の間の掛け軸や襖に書かれた文字をみせられたが、何のことやら珍ぷんかんぷんよ。ほうほうのていで逃げ出して、縁側で待っとったんじゃ。そのほうが楽じゃけえな」
 金の威力だけではあるまいが、飛十郎が客殿へあがると、品のいい老女がすぐ挨拶に出てきた。宇治物らしい煎茶と上菓子が出たあと、待ちかねていた住職が先に立って本堂へ迎え入れた。細い渡り廊下を通って、裏手から本堂へ入るようになっている。棚には数え切れぬほどの古びた位牌が並び、四方の壁にはぐるりと永代供養の棟札が掲げられてあった。
 よほど長い年月を経た仏堂らしく、太い丸柱はどれも古びて黒ずみ床板は塗りが剥げてすりへっていたが、浄土真宗らしく阿弥陀仏が置かれた周囲だけは目もまばゆいほどに金色(こんじき)に飾り立ててあった。正面の台に佐吉の骨箱と真新しい白木の位牌が安置されている。弥助一家の横に飛十郎が座ると同時に、読経が始まった。
「旦那、それではお先に」
 弥助は立ち上がると、住職の背後に置かれた香炉に焼香をくべた。母親と妹の焼香がすむと、すぐに飛十郎の番だ。焼香台の前に正座すると、飛十郎は三度(みたび)香をくべて頭を下げた。それから合掌すると、佐吉が安らかに成仏するように低く念仏をとなえた。 目を閉じると、海辺大工町の長屋に越してきた佐吉が弥助を連れて、蕎麦切手を持って挨拶にきた節分の日のことが、まるで昨日のことのように思い出される。
――佐吉、安らかに眠ってくれ。今日から両親と一緒だ、淋しくはあるまい……
 目を開くと白木の位牌に重なるように、佐吉の笑顔が浮かびあがって見える。祝言の日に見せた心の底から楽しげな佐吉の顔だ。胸の奥から込みあげてくるものを感じて、飛十郎は不覚にも頬を濡らすものを感じた。
「深いお悲しみようじゃ。おなたさまの泪は、仏のよい供養になりますぞ」
 いつの間に読経が終ったのか、飛十郎の前に老住職が立っていた。八十歳近くに見える白髪の僧侶は、鶴のように痩せているが品のいい瓜実顔(うりざねがお)をしていた。
「きょうの仏の佐吉さんは、祖父母の代からの長いおつきあいでな。十年まえに父親の藤次郎さんと、母親のお喜美さんがたて続けに流行り病いで亡くなり、このたび息子さんが不慮の死をむかえられたことは、まことにお気の毒なことでございますのう」
「佐吉は、幼い頃この光明寺にきましたか」
「きたとも。両親と一緒に先祖の墓参りにもやってきたが、近所の子供たちを引き連れて遊びにようきたもんじゃ。手のつけられん腕白者でな、境内ならまだしも墓地の中を走り廻るもんじゃから、よう雷を落としてやったもんじゃ。そういえば弥助さん、あんたも」 そう言って、穏やかな笑みを浮かべながら、住職は弥助を見た。
「何回か、うちの寺へきとったんじゃないかな」
「へえ。あの時にゃあ、足を怪我して、和尚(おっ)さんにえろう世話になりました」
 弥助は、身をすくめた。
「ほう、そんなこともあったかのう。ところで早船さんには江戸で出逢うたそうじゃが、はるばる尾道まで自分の骨を届けてもらい、佐吉さんも草葉の陰でさぞ喜んでおることじゃろう。ありがたいことじゃ」
 飛十郎の名を聞いていたらしい住職は、そう言って合掌した。
「さて、もう石工もまちかねておろう。それでは佐吉さんのお骨を、勢州屋さんのお墓へ納めるとしましょうかの」
 線香の束に蝋燭で火をつけると、小さな打ち鉦を持って住職は本堂の石段を降りて墓地にむかって歩き出した。勢州屋の墓は、本堂のすぐ横にある広い墓地の小高い丘の上にあった。
「これは見晴らしがよい。佐吉のやつ、ここなら大好きな尾道の海が思う存分見える、といってさぞ喜んでいるだろう」
 墓石は、尾道の町と青い海を見おろすように立っている。午後の陽光にきらきらと眩しく光る海を、小さな船が何隻も行きかっているのが見える。船尾から伸びている波の白い線が、離れて見おろしていると水すましのように見えた。向島から吹いてきた潮風が、住職の手の線香の煙りを左右にかき乱した。
「忘れもせんが。この墓は佐吉さんの祖母のお督さんが、亡くなられた連れあいの清吉さんのために作られたものじゃ。立派なものじゃろう。家が一軒建てられるほどの値段じゃったそうな。これほどの庵冶石(あじいし)は、もういくら金を積んでも手に入らんゆうのう」
「庵治石とは初めて聞きますが、それほど貴重なものですか」
「ああ、四国は讃岐の木田郡庵治村でとれる石でな、墓石としては最上の品じゃ」
 そう言われて見ると、周囲の墓とくらべて青灰色を帯びた磨き石は、つやつやとしていかにも高価そうに見えた。
「なるほど、見事なものですな」
 飛十郎が言ったとき、墓地の前の坂道から姿を見せた石工ふたりが、鉢巻きを取りながら住職に頭を下げた。
「そろそろ、お骨を入れさせてもろうて、ええですかのう」
 住職がうなずくと、石工は掛け声をかけて墓石の前面にある重い石を動かしはじめた。「よくそんな大きな石が、ふたりで動かせるな」
「なあに、慣れとりゃんすけえ」
 感心して声を掛けた飛十郎に、石工は顔に汗を浮かべながら答える。やがて前立て石が取り除かれると、十年振りに納骨室に日が差し込んだ。
「四つあるな、骨壺が」
「へえ。佐吉のお爺さんとお婆さん、それと両親のぶんじゃ。とうとう佐吉もここへ入れられて、勢州屋家三代が仲良うこの墓で眠るんじゃのう」
 白木の箱から骨壺を出して、弥助は石工の手に渡した。両親の横に置かれた佐吉の骨壺は、人間が長い旅を終えて最後にたどり着く場所に落ち着いて安堵しているように飛十郎には見えた。
「では、わしがありがたい経をあげるからのう。この線香を墓前にそなえて、佐吉さんが成仏されるよう念じなされ。皆さん、最後の別れじゃ」
 手に持っていた線香を四、五本ずつ配ると、ちんと鉦を鳴らして住職は読経をはじめた。お徳とお菊に続いて弥助が線香をあげると、最後に飛十郎が墓の前に立った。
――佐吉、この尾道を飛び出したあと、何があったか知らぬが、最後に妻をかばい自分を犠牲にして死んだのだ。侍でもなかなか出来ぬことだ。家族が眠るこの墓地で、どうか安らかに過ごしてくれ……
 心の内でそう語りかけて閉じていた目を開くと、線香の太い煙りがゆらゆらと立ち昇って行く。煙りの行方を追って見上げると、青い空の高みで円を描いて飛んでいた一羽の鳶が、飛十郎の思いに答えるように、ぴいひょろと鳴くと大きな翼をしならせて海へむかって滑走していった。


六 藤半

 精進落としは、勢州屋ゆかりの料理茶屋〔藤半〕でおこなわれた。新地の防地川に面した大きな料理屋で、先々代の嘉吉(佐吉の祖父)の頃から贔屓にしていたという。
「いいから入れ。佐吉の供養だぞ」
 玄関の式台を、気遅れして上ろうとしない弥助母娘の背中を押すようにして、飛十郎は離れ座敷の一つに通った。広大な敷地の中央に泉水と築山が造られ、庭のあちこちに離れ屋がいくつも見え隠れしている。
「これは、まいった」
 苔むした古い春日燈籠を目をやって、飛十郎は思わず無精髭を撫ぜた。江戸で見た坂崎淡路守の別邸より豪勢な造りである。知らないのは怖いもので、藤半へ宿をとるといったが、これでは肩がこって泊まれたものではない。弥助一家が尻ごみしたのは無理もなかった。
 が、料理は素晴らしかった。瀬戸内の新鮮な魚の造りを中心に、二の膳付きの豪華料理は、これまで飛十郎が口にしたことがないほどおいしいものであった。酒はれいの賀茂鶴だったが、鞆の茶店で呑んだものとは比べものにならぬほどうまかった。
「西条の蔵元にたのんで、特別に造ってもろうとるらしいけえ。おいしいはずじゃ」
 と言うのが、酒を運んできた仲居の説明であった。
「おい、弥助。なにを、しゃちほこ張っている。膝を崩して存分にやれ。おふくろどのも妹ごも、もっと肩の力を抜いて料理をどんどん食べなさい」
 いくら飛十郎が進めてもお徳とお菊の母娘は、吸い物椀に口をつけたあと刺し身を一切れ食べただけで、
ほかの料理には箸をつけなかった。
 飛十郎が酒と料理に舌つづみを打ったあと、挨拶に出てきた女将に勢州屋の名を出したとたん態度が一変した。
「ほうですか。佐吉さんのお婆さんのお督さんと、うちのお婆ちゃんは仲が良うて、ようおたがいの家を行ったり来たりしたみたいじゃ。秘蔵のお雛さんを、お督さんにあげた時にゃあ、うちは夜も眠れんほど悔しかったんよ。なんで、あげたんじゃゆうて泣きじゃくった覚えがあるけえの」
 これには飛十郎も、意外に思った。
「どんな雛人形だった」
「指の先ぐらいな豆雛で、ちゃんと十五人揃って道具がまた引き出しが抜き差しできる、ほんまによう出来た人形じゃった」
「京のものだろうな」
「もちろん、京雛じゃん。顔や衣装を、ああ綺麗にあつらえるんは京人形師しかおらんけえ。雛道具の精巧なことゆうたら、あんさんに見せたかったほどじゃ」
 お福と名のった藤半の女将はそう言って、飛十郎の肩を叩くそぶりまでして見せた。方言のせいもあるが、総じて尾道の女は妙になれなれしい。
「そうか、京雛か。それは今どこにある?」
 飛十郎と弥助は顔を見合わせると、お福にそう聞いた。
「さあ、どこにあるもんやら。藤次郎さんとお喜美さんが亡くなるまでは、勢州屋さんの家にあったゆうことじゃが、誰の手に渡っとるんかのう」
 人形際師の佐吉が、お篠こと志乃姫と知り合ったことから京くだりの古い有職雛を手に入れ、それがもとで斬り殺されることになった。佐吉の両親も、見事な十五人揃いの京雛を持っていたという。
「ふうむ……。不思議な因縁があるものだ」
 溜め息をつくと、飛十郎は無精髭をひと撫ぜした。
――人形の祟りというものが、あるのかもしれぬ……
 そう思いながら、庭先にある蹲踞(つくばい)に目をやった。さっきから飛んできた小鳥が、水で喉をうるおすと飛び去っていく。
「不思議なことなら、この世間にゃなんぼでもありゃん」
「そうだな」
 漆塗りの大きな盃を口に運ぶと、飛十郎は頷ずいた。
「ほうじゃ。うちは、あんまり油を売っちゃおられん。はかの座敷へも廻らにゃいけんし、仲居たちの指図もせにゃあならん。こう見えても忙しいんじゃけえ」
 お福は立ち上がると、にこやかに笑いながら弥助母娘を見た。
「この料理は、うちが上方から呼んだ板前が腕によりをかけて、こしらえたんよ。板さんが気を落とすけえ、一つ残らず食べてもらわにゃあ困るんよ。お願いね」
 せわしなく廊下へ出ていったお福が、すぐに引き返してきた。
「黒門横丁ゆうたら、防地川をはさんで目と鼻の先じゃ。勢州屋さんの縁もあることじゃし、うちにも魚を売りにくりゃあええが。そうしなしゃあ」
「そうゆうても、あたしらが扱うんは雑魚(ざこ)ばかりじゃけえ。とても藤半さんに出入りする柄じゃありませんけえのう」
 お徳は困った顔をした。
「お客さんの膳にあげるわけじゃないんよ。うちの使用人が食べるんじゃから雑魚でええんよ。は、はは、明日から寄りんさい」
 男のように大声で笑うと、お福は足早やに廊下を歩いていった。
「うむ。なかなかの女傑ではないか。それにしても弥助、この藤半と勢州屋のかかわりを、どうして知っていたのだ」
「へえ。江戸で尾道の昔話をしとる時に、子供の頃ようお婆さんに藤半へ連れて行かれたゆうとりました。どうせ法事をするんなら、身分不相応じゃけど藤半でやろうと思うたんです」
「そうか。さぞ佐吉も喜んでいることだろうな」
 弥助の思い出話に耳をかたむけながら庭に目をやると、あれほど晴れていた空の雲行きが変わって、いつの間にか五月雨(さみだれ)が音も無く降り出していた。


七 祇園の井戸

 それから三日たった、ある夜のことである。新開の呑み屋で一杯やって、いい心持ちになった大工の留五郎が、千鳥足で祇園社の前を通りがかった。宵の七つ半(午後五時)頃から降りだした雨は、半刻(一時間)ほど前にやんでいたが、ぬかるんだ道は深酔いした留五郎の下駄をともすれば滑らせそうになる。
「おっと。転びゃあ、また泥だらけになって山の神に、おお怒られじゃ」
 ふらつきながら立ち止まった留五郎の耳に、か細い女の声が聞こえてきた。
「かんざしを……。どうか、哀れと思うて、かんざしを一本おめぐみください……」
 声のあたりを留五郎が見ると、二基の常夜灯に照らされた境内の大銀杏の暗闇から、ぼうっと白い着物を身にまとった女の姿が浮かびあがった。
「で、出たあ!」
 留五郎が思わずすがり付いた石の玉垣も傍の鳥居も、びっしょり濡れている。
「旦那さま……。どうか、かんざしを……」
 おどろに振り乱した長い髪の青白い顔が、半年前に大銀杏の下の井戸へ身投げしたお春だと見たとたん、留五郎は腰を抜かして泥の中に倒れ込んだ。
「わああっ。お春、迷うたか」
 四つんばいになると、留五郎は泥道を這うようにして本通りにむかって逃げ出した。
「ふ、ふふ。だいぶ驚いたようだな。あれは誰だ、お紺」
 龕灯を手に持った飛十郎が、大銀杏の後から姿をあらわした。
「留さんだよ、大工の。威勢がいいわりには、臆病だったねえ」
 おどろ鬘(かつら)の長い毛が頬にまとわりつくのを、気味が悪そうにお紺は指で払いのけた。
「お春のことは、よく知っているのか」
「ええ、芝居好きだったからねえ。よく玉栄座へいっていたようですよ」
「よし。その白衣の上に、この着物をはおれ。すぐに退散だ。本通りのほうへいったようだから、町役人が駆けつけて大騒ぎになるぞ」
 飛十郎の言葉通り、転びつまろびつ留五郎が本通りの町灯りへたどり着いて、久保の番屋へ倒れ込んだとたん、あたりは騒然となった。
「な、なんじゃと、お春の幽霊が出たと。そぎゃあな馬鹿げたことが、あるまあが」
 玉の浦小町の異名をとったお春のことは、尾道の者なら誰でも知っている。仰天した番太郎の注進に、町役の木梨屋忠兵衛が目を剥いて番屋へ駆けつけた。土間の隅に泥だらけになった留五郎が、ぺたんと座り込んでいる。
「お前か、ええかげんなことをゆうのは。玉栄座のお春は、とうに祇園さんの古井戸へ身を投げて死んどろうが。月番じゃったわしが、検死のお役人といっしょに引き上げられたお春を、見とるんじゃから間違いにゃあことじゃ」
「い、いや、あれはたしかにお春じゃ。わしゃあ芝居より玉の浦小町の顔を拝みにいっとたんじゃけえ、お春はよう知っとる。ぜっぴ見違いじゃなあど」
 ぶるぶる震えながら、留五郎はそう言い張って一歩も引かない。そのうち近所の住人たちが騒ぎを聞きつけて、寝巻姿のまま何十人も集まってきた。
「まあ、ええわい。それほど言い張るんなら、その幽霊が出たところへ案内してもらおうか。とんだ枯れ尾花でなけりゃあええがのう」
 留五郎の躰から発する強烈な酒の匂いに、どうせ酔っ払いの戯言(たわごと)と高を括っていた忠兵衛も、こう人が集まっては放ってもおけなかった。
「わしゃあ、行かんでもえかろうが。祇園さんの大銀杏のとこじゃ」
 尻ごみする留五郎を、目撃した当人が居なければ話にならぬと説き伏せて、提灯を持った番太郎を先頭に三、四十人もの人達が、恐る恐る闇につつまれた祇園社の鳥居の前にたどり着いた。
「さあ、どこじゃ。お春がおったゆう場所は」
 忠兵衛に聞かれた留五郎は、へっぴり腰で大銀杏の太い幹から張り出している枝のあたりを指差した。
「あの、枝のあたりじゃ」
「ふん。不審なもんは、なさそうじゃが……」
 提灯を大銀杏のほうへ差し上げていた忠兵衛が、何を見たのか、ぎょっとしたように声をあげた。
「あっ。なんじゃ、あれは」
 ぼんやりした灯りに照らされて、細長い蛇の抜け殻のようなものが、枝の一本にからみ付いている。
さあ、出た。とばかりに慌てて逃げようとする臆病者もいたが、さすがに忠兵衛は町役をやっているだけあって落着いていた。
「紐のようじゃな。さあ、取ってきなされ。お役目じゃ!」
 がたがた震えている番太郎を叱り飛ばして太い枝に掴ませると、引っ掛かっている紐を取ってこさせた。
「ほう。これは、女物の扱(しご)き帯じゃ」
 提灯の明りで、しげしげと扱きを見ていた忠兵衛が首をかしげた。紫地に小さく桜の花を散らした扱きは、たしかに見覚えがあった。その時もびっしょりと水に濡れていたが、今も濡れていた。
「奇怪な……。この扱きは、お春が身につけていた物とよう似ておるが、まさか」
 半年前に身投げした、お春の亡骸が締めていた物とそっくりである。そのうえ扱きの端に〔春〕と縫い取りがしてある。豪胆な忠兵衛も、思わず扱きを取り落とした。
「こ、これは、お春の扱きじゃ」
 次の日――。これが、ぱっと尾道中に広がった。
「おう、聞いたか。井戸に身を投げて死んだ玉栄座のお春が、住屋を恨んで祇園さんの大銀杏へ、かんざし一本めぐんでくだしゃあ、と化けて出るそうじゃ。なんぼ芝居小屋のお茶子じゃゆうても、住屋もむごいことをしたもんじゃのう」
 新開の呑み屋も女郎屋も、寄るとさわるとこの噂でもちきりだった。
「このぶんじゃあ、遠からず住屋はお春の幽霊に取り殺されるじゃろうのう」
 三日もたたぬうちに、この噂が住屋の耳に入った。誠兵衛は鼻で笑っていたが、女はそうはいかなかった。女房が寝付いて、使用人が暇をとった。夜中に店の大戸に石が投げつけられる騒ぎになった。客がぱったり来なくなった。
             
          
             了 〔助太刀兵法25―尾道かんざし燈籠5―につづく〕






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10/26 08:40 「本日のマーケット」(株式編)・・・ 続伸後に日経平均株価が1万9000円台を回復。
10/21 08:39 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円ちょうどの壁を意識。
10/21 08:25 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、方向感の出づらい展開。
10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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