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〔助太刀兵法25〕 尾道かんざし燈籠(5) (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2013年3月3日 12時17分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法25〕 尾道かんざし燈籠(5)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 お紺を使って尾道に幽霊騒ぎを起こした飛十郎は、駄目押しの策のために芝居小屋へむかう。道具方の彦六に会って、お春のために一肌脱ぐように頼み込む。数日後深川亭で酒を呑んでいた飛十郎の元ヘ、町廻り同心の蟹江陣五郎がやってくる。酒を酌み交わすうちに、同心生活の苦しさや剣の話が弾むうち、幽霊騒動探索の話を飛十郎が聞き出す。話すうち尾道奉行の平山清左衛門が、新開や新地の町をお忍びで歩き、熱心に女たちを調べていると聞く。住屋と納屋に幽霊を見せて脅そうと思うが、手段を思いつかない。考えあぐねて、渡し舟に乗って向島に渡った飛十郎は、意外な人物と出会うのだが………。


【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。


これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗 
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)
〔助太刀兵法11〕柳生天狗抄 (1)
〔助太刀兵法12〕柳生天狗抄 (2)
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄(終章)
〈助太刀兵法14〉山の辺道中
〈助太刀兵法15〉山の辺道中(2)
〈助太刀兵法16〉十五夜石舞台
〈助太刀兵法17〉五夜石舞台 (2)
〔助太刀兵法18〕大江戸人形始末)
〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2)
〔助太刀兵法20〕大江戸人形始末(3)
〈助太刀兵法21〉尾道かんざし燈籠
〈助太刀兵法22〉尾道かんざし燈籠(2)
〔助太刀兵法23〕尾道かんざし燈籠 (3)
〔助太刀兵法24〕尾道かんざし燈籠 (4)   

猿ごろし



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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法25〕 尾道かんざし燈籠(5)
花本龍之介 



一 空を飛ぶ

「だいぶ噂になっているようだな。どうだお紺、今夜あたりもう一度化けて出んか」
 深川亭の二階の小座敷で、飛十郎はにやにやしながらお紺の顔を見た。
「いつでも出ますが。祇園社のあたりは、ぱったりと人通りがなくなったそうですよ」
「そうか。そいつは、まずいな」
 苦い表情で、飛十郎が無精髭をこすった。
「人がいないのに、幽霊が出ても仕方がない」
 しばらく天井を見上げていたが、一つ頷いて膝を叩いた。
「うん。ならば、誰かを歩かせればいい。よし、弥助にたのもう」
 これでどうだ、と言うようにお紺を見た。
「弥助さんなら、あたしは出なくてもようござんすね」
「そうだな。お春の幽霊を見たといって、番屋へ駆け込めばいいんだからな。今度は、こいつを使おう」
 ふところから取り出した品物を、畳の上に置いた。
「なんです、この足袋は」
「ふ、ふふ、西国寺下の長屋へいって貰ってきた」
「それじゃ、これはお春さんの」
「そういうことだ。これを身を投げた井戸の前へ弥助に置かせたあと、番屋へ駆け込ませる」
 感心したように、お紺が首を振った。
「いい思案じゃござんせんか。また世間が、わっと騒ぎ立てますねえ、旦那」
「そいつが狙いだが。ちと痛しかゆしでな。やり過ぎると、まずいことになる」
 飛十郎は、眉をしかめた。
「旦那、どういうことです?」
「いや、この足袋を貰いにお春の母親に会ったときにな。れいの扱きのことを調べに、尾道奉行所の役人がやってきたというのだ」
「へえ。いったい誰です」
「どうも、町廻りの蟹江陣五郎らしい」
「ふうん、あの蟹陣のやつがねえ。なにか嗅ぎつけたんでしょうか」
「それは、あるまいが。気になることが、あったのかもしれん。あの同心、顔に似合わず切れ者かもしれんな」
 顎の先をつまんで、首をかしげた飛十郎を見て、お紺が不安な顔をした。
「まさか旦那、奉行所の同心が乗り出したからといって、弱気になったんじゃないでしょうね」
「馬鹿をいうな。そんなことで、尻ごみするおれではない。面白くなってきたと、喜んでいるところだ。これで、ますます気合いが入ってきたぞ」
 肩をそびやかして飛十郎が言うと、お紺はにっこりと笑った。
「そうこなくっちゃ、早船の旦那じゃないよ。こうなれば、あたしは幽霊になって、空でもなんでも飛んでみせるよ」
「なんだと。空を飛ぶだと?」
 何か策を思いついた時の癖で、飛十郎は無精髭をひとこすりした。
「ようし。ならば、お紺。空を飛んでもらおうか」
「えっ。いったい、どういうことですよ」
 冗談で言ったことを真に受けた飛十郎を、びっくりしたようにお紺は見た。
「宙乗りだ。芝居で見たことがあるだろう」
「ええ。玉栄座で見た〔義経千本桜〕で、狐忠信が母狐の皮を張った初音の鼓を、手に入れてうれしげに
宙を舞った姿を見たことがありますよ」
「それだ。したたかな住屋誠兵衛が、扱きや足袋を出したところで恐れ入るとは思えん。ここは一番、お春の幽霊に空を飛んでもらうかもしれん」
 自分が宙乗りをさせられると知って、さすがに伝法なお紺も驚いたようだったが、すぐに覚悟を決めたように胸を叩いた。
「ようござんす。こうなりゃ、毒くわば皿までだ。空でも宙でも、とことん飛んで見せましょう」
「いい気っぷだ。だが、すまん。おれが無理を頼んだばかりに、とんだ危ない橋を渡らせることになった」
 ふところから手を出すと、お紺にむかって深々と頭を下げた。
「およしなさいよ。お侍が酌婦ふぜいに頭をさげるんじゃないよ。男がすたるってもんだ」
「それは違うぞ、お紺。縁もゆかりもない、お千代とお春一家のために腕を貸してくれるのはありがたいが、まかり間違えば良くて牢屋入り、悪ければ命を失なう大仕事だ。侍だろうがなんだろうが、頭をさげるのは当たりまえだ」
「しょうがない人だねえ。もっとも旦那のそういった所に、あたしは惚れたんだけどさ。ほ、ほほほ、まいったねえ」
 笑い声をあげると、飛十郎を真似てふところ手になると、お紺は白い指で顎のあたりをごしごしとこすって見せた。これには飛十郎も閉口したらしく、苦笑いしながら頭を掻いた。
「さあ。そうと決まれば、旦那はすぐに玉栄座へいってくださいな。この足袋は、あたしが弥助さんに届けますから」
 宙乗りの大仕掛けは、素人では無理だ。お紺は素早く見抜いたとみえる。
「そうしてくれれば、ありがたい。お千代の話によれば、玉栄座には腕利きの道具方がいるらしい。気難し屋の頑固者らしいが、なんとか頼んでみるつもりだ。弥助のことは、まかせたぞ」
 お紺に手をあげて見せると、飛十郎は刀を提げたまま狭い階段を降りていった。


二 玉栄座

 刀を帯に差しながら新開の路地に出ていったが、昼下がりのことだから遊び客の姿はない。白っぽい太陽に照らされた、がらんとした道を猫があくびをしながら歩いているだけだ。
 肩をひとゆすりすると、飛十郎は眩しそうに目を細めて、晴れ渡った空を見上げた。このまま新開の町を通り過ぎて、海沿いに建ち並ぶ料理茶屋の間の石段に腰をおろし、のんびりと釣り糸を海にたらすことが出来ればさぞ楽しかろう、と思ったがそうはいかない。玉栄座の彦六とかいう変骨者の老人を、くどくという大仕事が待っている。
 飛十郎は路地の突き当りを左に曲がると、小さな稲荷社の赤い鳥居の横を抜けて防地川の前に出た。右手の河口には、かき船が浮かび橋を渡った対岸には、ずらりと新地の料理茶屋が並んでいた。
「江戸に帰る前に、一度でいいから尾道芸妓をあげて、どんちゃん騒ぎをしてみたいものだ」
 出来もせぬことを呟やくと、藤半の五、六軒先に見える玉栄座の芝居やぐらにむかって歩き出した。
鼠木戸の前で打ち水をしていたのが、お千代とお春の父親の源吉だった。
「あ、早船さま。どうも昨日は、お茶も出さんとご無礼しゃんしたのう」
 気弱そうな顔で、ぺこりと腰をかがめる。悪党どもにいかさま賭博に誘い込まれ、借金させられたあげく娘を女郎屋に売り飛ばされても、文句ひとつ言えそうもないお人良しに見える。
「気にするな。それより、道具方の彦六に会わせてもらいたい」
 飛十郎は、さっさと鼠木戸をくぐって芝居小屋の中へ入っていった。玉栄座に出入りしている所を町の者に見られたくない。
「ほう……これは、たいしたもんだ」
 中に入って、飛十郎は驚いた。さすがに江戸三座には及ばないが、大坂の角の芝居や京の四条河原にある南の芝居に勝るとも劣らない造りである。本花道と仮花道はもちろん、花道の七三にある〔すっぽん〕や、廻り舞台に〔せり出し〕も切ってある。
 舌を巻きながら、飛十郎は小屋を見廻した。新しい芝居が始まるらしく、舞台の上で大道具が組み立てられ、あちこちで金槌の音が響いている。桟敷の上に薄板が敷かれ、芝居絵師が額に汗を浮かべて、せっせと天神の森を描いている。
「次の出し物は、曽根崎心中か」
 飛十郎を見ると、口にくわえていた刷毛を手にして絵師は頷ずいた。
「へい。さようで」
 たちまち飛十郎の脳裏に、月あかりに照らされた天神の森を、手に手をとって死出の旅をいく男と女の姿が浮かび上がった。
 曽根崎心中は、元禄十六年(1703)四月、大坂内本町の醤油商平野屋の手代の徳兵衛と、北新地の天満屋の遊女お初が曽根崎の露天神の森で心中した実話を、近松門左衛門が芝居化したものである。近松最初の世話浄瑠璃で、事件の翌月に早くも上演したこともあって大当たりした。
――せめて住屋のせがれの芳太郎が大坂に逃げ出さず、お春と心中でもしていたら、今頃は〔尾道心中〕とか〔かんざし心中〕とか言われて、うまくいけば芝居になって観客の泪で袂を濡らしていたろうに……
「馬鹿息子が」
 怒りのあまり、思わず飛十郎は声をもらした。
「早船さま。彦六さんをお連れしましたがのう」
 間延びした源助の声がした。振り向くと、小柄だが背筋をしゃんと伸ばした五十年配の男が、鉢巻きを取ろうともせず気難しげに飛十郎を見すえていた。
「おう、そうか。いや、忙しいところをすまんな。ちと、頼みたいことがあってな」
 ふところの中の手を袖から抜き出すと、飛十郎はひょいと頭を下げた。浪人とはいえ初対面の侍が芝居者に頭を下げたから、頑固者の彦六も、目を見張った。
「そうですかい。立ったままじゃあ話にならねえ。ま、こっちにきなせえ」
 鉢巻きを取って首の汗をぬぐうと、舞台にむかって歩き出した。飛十郎が気に入ったのか、目付きがやわらいでいる。
「すわって話を聞きやしょう」
本花道の横の桟敷に腰を降ろすと、彦六は帯に差していた莨入れを抜いて、煙管に片手で器用に葉を詰めはじめた。この桟敷は裏方の休み処らしく、莨盆や湯呑みが置いてある。彦六は足元の莨盆を持ち上げて、火種入れの埋め炭に雁首を押しつけて火をつけると、うまそうに吸いはじめた。二、三服すると掌の上に莨を落とし、ころころ転がしながら片手で新しく葉を詰めると、手の上の莨で火を吸いつけて煙りをくゆらせた。
 感心して眺めている飛十郎にむかって、苦虫を噛みつぶした顔のまま煙管を見せた。
「旦那は、莨はやらねえんで?」
「せっかくだが、おれは莨はやらん。酒だけだ」
「じゃ、おあいこだ。あっしは莨だけで、酒はやらねえ」
 ここで苦虫が、初めて片頬をにやりと崩した。
「おぬし、言葉つきからすると江戸者だな」
「江戸だけじゃねえんで。関東をはじめ、あちこち流れ歩きやした。あっしら芝居者は、そんな者が多うございます」
 吸い終えた煙管を筒に納めると、莨入れを帯に戻しながら彦六は飛十郎の顔を見た。
「それなら話が早い。じつはな、頼みたいのはお春のことなんだ」
「お春ちゃんの……。そうですかい。あの娘のことは、あっしもずっと気になっておりやした。いい娘でねえ。やさしくて、あったかくて、名の通りまるで春風のようでしたよ」 懐かしそうに語る彦六にむかって、飛十郎はお千代に頼まれて住屋に仇討するはめになった、これまでの経緯(いきさつ)を話した。
「お春ちゃんの幽霊が出た噂を聞いて、おかしいと思っていたんだ。ようがす、住屋のやりようには、むかっ腹が立っていたんだ。あっしの腕がお役に立つんなら、御(おん)の字だ。人殺しの手伝いでもなんでもやりますぜ」
「ぶっそうなことをいうな、彦六。宙乗りの手助けをしてもらえば、いいのだ」
 苦笑した飛十郎は、その後しばらく彦六にむかって、何事かひそひそと話していた。


三 祟り

 祇園社でお春の幽霊を見て留五郎が腰を抜かしてから五日後、今度は黒門横丁の弥助が女物の足袋を持って久保の番屋へ飛び込み、尾道の町はまた幽霊の噂におびやかされるようになった。
「おおい、聞いたかよう。江戸で鰻屋台をやってた弥助ゆうんが、祇園さんで幽霊を見たそうな。お春の足袋まで出たゆうんじゃけえ。たまげたのう」
「ほうよ。留さんの時は、ちいと眉唾じゃったけど、江戸帰りの男が見たゆうんじゃけえ。こりゃあ本物じゃろうが」
 本通りや中浜通りや漁師町の銭湯や床屋でも、人が寄り集まってこの噂でもちきりだった。
「それにしても住屋は、むごい真似をしたもんじゃ。なんぼ商売物じゃゆうても、かんざし一本持っとらんゆうて、惚れおうとる若い男と女を生木を裂くように別れさせるたあ、誠兵衛ゆうんは人間じゃなあど。のう?」
「見てみい。いまに住屋一家は、ひとり残らず幽霊に取り殺されてしまうど。手代が台所でこけて井戸の角で頭を打って、自分が誰かわからんようにようになったゆうで」
「それだけじゃなあど。その井戸の中からお春がびっしょり濡れた姿で、かんざしを売ってくれゆうて化けて出たのを小女が、夜中に見たそうじゃ」
「ほうよ。真夜中に住屋の前を通った者が、火の玉が家の中へ入ったり出たりするのを見たゆうで。恐ろしいのう」
 偶然に起きたことや、恐怖のあまり見間違えたことまで、話に尾鰭(おひれ)が付いて、すべて身投げしたお春の恨みにされた。
「住屋だけで、すみゃあええが。わしらも黙って見とったんじゃけえ。お春の祟りで雷でも落ちて、この新開の女郎屋や新地の料理屋も大火事になって燃えてしまうかもしれんど」
「いいや、そんなもんじゃおさまらんど。お春のぼけえ怒りは、尾道中が焼け野原にならんと、おさまらんかもしれんのう」
 新開の呑み屋や、新地の茶屋で小声でささやかれていた祟りの噂話が、あっという間に広がった。日が暮れると尾道の町は、ぱったりと人通りが絶えてしまった。


 
四 居合談義

「うむ。もう一押しだな。尾道の町人たちは幽霊騒動で商売が立ち行かぬゆえ、住屋の打ちこわしを起こすかもしれん。そうなれば豪商や浜の旦那衆も、あわてて乗り出してくるに違いない。そうなれば、しめたものだ」
 深川亭の入れ込み座敷で、飛十郎が幽霊役のお紺の酌で白牡丹を呑んでいると、暖簾を肩でずいと分けて、両刀をたばさんだ着流しの侍が入ってきた。
「おや、蟹陣だよ。どういう風の吹きまわしかねえ」
 お紺の言葉が聞えたように、尾道奉行所町廻り同心の蟹江陣五郎は、いかつい顎をしゃくって頷ずくと入れ込み座敷に上ってきた。
「ごめん」
 大刀を帯から抜いて右手で持つと、ずかずかと飛十郎の前へ歩いてきた。
「あは、はは、あい変らず野暮だな、蟹江さんは。深川亭でごめんは、あるまい。黙ってあがるか、声を掛けるなら、よう、おう、でいいんだ」
 たまらず吹き出すと、飛十郎は無精髭に手をやった。
「さようか。いや、早船さんと一献くみ交わしたくてやってきたのだが……。なにしろ、新開で呑むのは初めてなもので」
「ほう、御用の筋できたのではないのか。気に入った。それなら、座りなさい」
 お紺が気をきかせて、新しい盃と銚子を持ってくる。
「蟹江さんは、だいぶ剣が使えそうだな」
「いやあ、それほどではござらん。しかし、見ただけで剣の腕前がわかるとは、たいしたものですな」
 飛十郎がついでくれた酒を、陣五郎はうまそうに舌を鳴らして呑んだ。
「なに、誰でもわかる。その横鬢(よこびん)が禿げあがった面ずれや、両手の竹刀だこを見れば相当修業しているようだな。もっとも流派までは、わからんが」
「それがしが育った組長屋の近くに、神道無念流の町道場がござってな。子供の頃から、父に連れられて稽古に通ったものです。へたの横好きでござるよ」
 陣五郎が盃を呑みほしても、お紺は酌もせずそっぽを向いている。よほど町方役人が嫌いらしい。
「それは、ちがうな。おぬしといま立ち合えば、まずよくて相討ち。悪くすると、おれが斬られるな。間違いない」
「やってみなければわかりませんよ。そんなことより、早船さんの流派を知りとうござるな」
 にこりと笑いながら、陣五郎は飛十郎の盃に酌をした。
尾道奉行所の町方同心は、広島藩の足軽身分だ。武士のなかでは最下級だが、むろん飛十郎のような浪人より身分は上である。同心というものは町人や浪人に睨みをきかせ、十手を振り廻して脅すのを職務と考えている者も多い。
「おれは、無双直伝英信流だ。知っているとは思うが、居合を使う流派だ」
 これから斬り合うかもしれぬ相手に、飛十郎はあっさりと手の内を見せた。
「ははあ、居合ですか。英信流とは立ち合ったことはないが、大森流とは闘ったことがござる」
「ま、どっちも似たようなものだ。たいした違いはない」
 飛十郎は相手の盃に酌をしながら、うれしそうに笑った。蟹江陣五郎の、ものにこだわらぬもの言いと、あっさりした素直な態度が気に入ったらしい。盃の酒を口にふくんだまま、なにやら思案をしている陣五郎を見て、飛十郎は無精髭をひとこすりした。
「う、ふふ、面白いな。蟹江さんが何を考えているか、当ててみようか」
 ごくりと喉を鳴らして酒を呑み下すと、陣五郎は鋭い視線で飛十郎の顔を見た。
「それがしの胸の内を、見抜かれるといわれるのか」
「さよう。居合なら、先に抜かせれば勝てる。また初発刀の抜き討ちをかわせば、あとは楽に料理できる。と思われたな? どうだ、蟹江さん」
「まいったな。その通りです」
 陣五郎は苦笑すると、頭の後に手をやった。
「ですが、平然と手の内を口にされるとは、先に抜かせ一刀目をかわしても、勝てぬほどの技をお持ちに違いない。もしかすると早船さんの居合いは、常人ではかわせぬほど速いのかもしれない」
 そう言いながら、飛十郎の盃に酌をした。
「いや。おれの居合は、むしろ遅いと思うがな。あまり速すぎては剣先が狂うからなあ。ふ、ふふ」
 ふくみ笑いをすると、飛十郎は陣五郎がついでくれた酒を喉に流し込んだ。
「そうですか……。それが本当ならば、早船さんは間合いと見切りの達人かもしれませんな。それがしが思うに」
 首をかしげながら陣五郎がそう言った時、我慢しきれなかったように、お紺が口をはさんだ。
「すっとこどっこいっ。剣の話ばっかりじゃないか、退屈ったらありゃしないよ。せっかく酒を呑んでいるんだ。おい蟹陣! もっと色っぽい話はないのかい」
 江戸前の歯切れのいい啖呵に驚いたのか、蟹江陣五郎は呼び捨てにされたのも気付かないようだった。
「は、はは、気にするな。このお紺は、おれと同じ江戸っ子でな。短気でぽんぽんいうが、べつだん悪気はないのだ。ところで蟹江さんは、江戸へいかれたことはあるかな?」
 風向きが悪いとみて、飛十郎は素早く話を変えた。
「はあ。二年前の春に、納屋吉兵衛の船で江戸へまいりましたが」
 飛十郎の目の奥が、わずかに光った。
「ふむ、納屋の船でな。おぬし一人でか」
「いえ。与力の鱶島又兵衛どのも一緒に、尾道の海産物の売れ筋を見に行きました。むろんお奉行の指示による公用でござる」
「その公用の役目の合い間には、江戸見物もしたろうな」
 そう言いながら、飛十郎は盃に口をつけた。
「江戸には、またいつ行けるかわかりませんからな。いろいろと見て廻りました」
 お紺にむかって、小声で飛十郎は言った。
「ふん、なにせ納屋の案内だ。さぞ豪勢な江戸めぐりだったろうな」
 盃を下へ置くと、陣五郎は飛十郎を睨みすえて大声を出した。
「何といわれた。この蟹江陣五郎に申したいことがあれば、はっきりといわれるがよい!」
 とたんに深川亭の中が静まり返った。
「こそこそ言われるのは、それがしは嫌いでござるぞ」
「ならば、はっきりと言おう」
 静かに飛十郎も盃を下に置いた。さあ斬り合いだとばかりに、気の早い客は外へ逃げ出す。悲鳴を上げかけた酌女たちを、お紺は目で押えた。


五 蟹陣の泪

「おれが調べたところ、納屋吉兵衛はこの尾道の町をほとんど支配している。金と土地と浜蔵をほとんど握っているそうだ。おぬしのいる町奉行所も、納屋の思うがままに動いていないと言いきれるか?」
 一瞬、陣五郎の目に悲しみのような色が走った。陣五郎は銚子を取り上げると、注ぎ口からごくごくと呑んだ。
「ようし、いいぞ。呑みたいだけ呑め。苦しい時は思うさま呑めばいい。おれも、つきあってやる」
 飛十郎の目くばせに、お紺は心得たように、すぐに奥から新しい銚子を持ってきた。
「それがしだけは違う、といいたい所だが。無念ながら、納屋の金を受け取っている。生活が苦しいのだ」
 銚子を置くと、陣五郎はうなだれて目を閉じた。
「早船さんは、それがしの禄高をご存知あるまい。年に二十俵三人扶持だ。これでは食べていくのがやっとで、妻子があれば内職でもしなければ喰っていけぬ。病に伏している母に薬を与えることも出来ない」
 陣五郎を押し止どめるように、飛十郎は手を上げた。
「まった。おれは蟹江さんを、とがめるつもりはないぞ。町方同心の暮らしが苦しいのは江戸も同じだ。大名や豪商から、目こぼし料を受け取っているのは当たり前だ。またそれでなくては喰っていけぬ仕組みだからな」
「かたじけない。正直に申すが、それがしだけではない。与力をはじめ、同心、門番の小者にいたるまで、納屋の金をありがたくいただいておる。これは今に始まったことではない。尾道奉行所が設置されて以来の慣習でござる」
 銚子を下へ置くと、陣五郎は苦しげにうつむいた。
「おぬしの一存で、やめるわけにはいかぬ。というわけだな」
「それに、忘れては困ることがある。納屋は浜蔵を数十持ち、廻船問屋を営み藩の海産物を一手にあつかっている。つまり、納屋が繁昌することは、尾道の港が栄えることにつながり、わが芸州藩浅野家が繁栄することになる。それがしも、微禄なれど浅野家の藩士。納屋をおろそかに出来ぬことを、おわかりいただきたい」
 苦汁に満ちた顔で天をあおぐと、ほろりと泪を零した。
「さても、武家づとめというものは、つらいものだな。ご同情いたす。おれのように天涯孤独、この広い浮世に、たった一人というのも、淋しさはあるが気楽でいいなあ」
 飛十郎はそう言いながら、ごしごし無精髭をこすった。
「まことに、うらやましゅうござる」
 泪に濡れた目尻を拳で横ざまにぬぐうと、憧れに似た目で飛十郎を見た、
「おぬしは早く嫁御をもらって、母上を安心させねばならん。おれが考えるに、この世の苦楽というものは、二通りあると思う。ひとつは嫁を取り子を作って、平凡ながらも家庭をかまえて両親を安心させる。あとひとつはおれのように、たったひとりで自由気ままにこの世を生きることだ」
「それがしも早船さんのように、飛ぶ鳥のごとく自由に生きたい。が、それは出来ぬ。母の面倒をみなければならないから」
「いいことではないか。おれは、親がいない。おぬしのように、母上に孝行できることがうらやましい。つまり、ひとの生きざまにおいて、すべてが満足できることはないということだ。おぬしはこの飛十郎をうらやみ、おれは陣五郎どのをうらやむ。そういうことだ」
「そういうことですか……」
 盃をあおると、陣五郎はがっくりと肩を落とした。
「人間、誰しも〔無事これ名馬〕だ。なにごともなく毎日を過ごせれば、幸せだと思わねばならん」
 柄にもないことを言うと、飛十郎は照れたように無精髭を引っ張った。


六 幽霊詮議

「なんだか酒がしめっぽくなったねえ。早船の旦那がそんなことをいっても、似合わないよう」
 そう言って飛十郎の脇腹を、肘でひと突きすると、お紺は陣五郎に酌をした。
「蟹陣の旦那。まあ、一杯おやりなさいよ。あたしはねえ、お町の役人は皆んな大嫌いだったけどさあ。旦那のことは、ちょいと見直しましたよ」
 お紺は、珍しく真面目な顔をした。
「は、はは。おい、お紺。きさまが蟹江さんを気に入ったとは、おだやかでないなあ」
 愉快そうに笑うと、飛十郎はうまそうに盃をかたむけた。
「でも、蟹陣さんは馬鹿っ正直でいいねえ。顔も角張っているけど、御用のおつとめ振りも四角四面じゃないか。あたしは蟹陣さんに岡惚れしちまったようだよ」
 今の今まで飛十郎にまとわりついていたのが、さっさと立ち上がると陣五郎の横で横座りになった。片手を膝に置くと銚子を持ってしなだれかかった。突然のことで、陣五郎は面くらった顔をすると、神妙にお紺の酌を受けた。頬が赤くなっているのは酒のせいか、お紺のせいか飛十郎にもわからなかった。
 いくらくどいでも、のらりくらりと逃げている飛十郎に、ごうを煮やして陣五郎に乗り換えたのかもしれない。いずれにしても、お紺のような流れ者の酌女が、町方同心を間夫(まぶ)にして得はあっても損はない。
「う、ふふふ」
 手酌酒をあおりながら、にやにやと陣五郎とお紺の姿を眺めていた。
「ところで、蟹陣さん。いま評判の、お春ちゃんの幽霊。お町の役人として、どう考えます?」
たて続けに三杯ほど酌をすると、ずばりとお紺は聞いた。飛十郎は思わず口にふくんだ酒を吹きそうになった。
「いや、そのことだ」
 盃を下に置くと、陣五郎は座り直した。
「尾道中をおびやかしている、お春の幽霊のことでは、それがしも頭を悩ましている」
「なぜです。お奉行所には関わりないことじゃございませんか。幽霊なんざ、お寺のお坊さんか、山伏や行者さんの受け持ちでございましょう」
「そうはいかぬ。この幽霊騒ぎで女子供が外出をしないのは仕方がないが、大の男までが噂におびえて夕方すぎると町を歩かなくなった。このままでは尾道の港が、さびれてしまう。そうなれば奉行所は大いに困る」
 陣五郎はそう言って、面目なさそうに頭を掻いた。
「じつは、今夜ここへまいったのは、早船さんに知恵をお借りしょうと思ったのでござる」
「なんだと。このおれに、幽霊退治の策を聞きにきたというのか」
 飛十郎の驚いた顔を見て、お紺は陣五郎に見えないように下をむいて笑いをこらえた。「あいや、べつに退治しなくてもようござる。お春の霊が静まって、この港に祟らなくなればそれでいいのです」
「ふん。祟られたって仕方がないじゃありませんか。誰だって、かんざし一本買えないからと、貧乏を馬鹿にされて、恋しい男とむりやり別れさせられりゃあ。死んで化けて出たって無理はござんせんよ」
 眉を逆立てると、お紺は手酌でぐいぐいやり出した。
「まあ、それはそうなんだが……」
 息巻いているお紺に、陣五郎は困ったように目をやった。
「あたしだって、あんなひどい目に合わされたら、幽霊になって出もしますよ」
 ひやりとして、飛十郎は陣五郎の顔を見た。酔ってるとはいえ、幽霊騒ぎを探索中の町廻り同心にむかって、当の幽霊役のお紺が話す言葉としては不用心すぎる。今は気が付かなくとも、どこかでお紺がお春に似ているという噂を耳にはさめば、二人を結びつけるかもしれない。
「蟹江さん、奉行所ではこの一件を、どう扱っておられる。祇園社に残された、帯や足袋も調べているのだろう」
 飛十郎は、ひとまず探(さぐ)りを入れた。
「そうです。西国寺下のお春が住んでいた長屋へ出むいて調べたところ、帯も足袋もお春が愛用していた品に間違いないと、父親と姉がはっきりとのべ立てております」
「う、ううむ……。やはり、あれはお春の霊魂であったか」
 うなるような声を上げると、飛十郎はわざとらしく無精髭をひとなぜした。その仕草が町角に立つ易者に似ているのを見て、お紺はまた指で口を押さえた。
「で、お奉行や与力どのは、どういっておられる」
「はあ。与力の鮫島どのは迷信深い人ですから、すぐに供養をしたほうがよかろうといっておられます。お奉行の平山清左衛門さまは、帯と足袋を念入りに調べよと申され、死んだお春の縁類や近ごろ尾道にやって来た者たちの身元も当たるように命じられました」
 お紺と飛十郎は、顔を見合わせた。
「そう言うことなら、おれも調べてもらわねばならんな。つい先頃、この港町へ来た新参者だからな」
 陣五郎は、手を横に振った。
「とんでもござらん。尾道には日に何百人も旅をする者たちが立ち寄ります。それに早船さんの身元は、すでに判明しております。光明寺へ勢州屋佐吉の骨を納めにまいられたそうですな。そのおり住職に、お寺社奉行の添書をお見せになられたとか」
 淡々と話す陣五郎を見ながら、ぐいと盃を呑み乾した飛十郎は、にやりと笑った。
「ふ、ふ。さすがは尾道奉行所一の腕きき同心、調べは早いな」
「たしか、江戸から共にこられた黒門長屋の弥助は、お春の幽霊を目撃したあと足袋を拾い番屋へ届け出られたお人ですな」
「さよう。弥助からその夜のことをくわしく聞きただし、さても世の中には奇怪なことがあるものだ、と思っていたところだ。なあ、お紺」
「そうですよ。可哀そうったらありゃしない。お春ちゃん、さぞ悔しかったろうねえ」
 お紺は髪から、びいどろ玉が付いた銀簪を抜き取ると、くるくると廻した。
「この、かんざしさえあれば、馬鹿にもされず、好いた男とも一緒になれたんだからねえ。幽霊になって出るなんざ、当たり前ですよ」
 紫色の玉を明りに翳(かざ)すようにすると、髪の根をひと掻きしたあと、また元のように差し込んだ。
「かんざし一本で、命を失なうたあ、お釈迦さまでも気がつくめえ。とはこのことですよ」
 女だてらに玄冶店(げんやだな)の、切られ与三郎の科白を言うと、お紺はしんみりした表情で陣五郎の盃に酌をした。
「住屋のやりようは、たしかにひどい。それがしも、お春には同情しております。玉栄座には、よく見廻りにいきましたから」
 陣五郎もお紺の言葉に、ほだされたような口調で言った。
「なら、蟹陣さん。幽霊の詮議は、やめたらどうです。そんなことをしたって、住屋のほかは誰も喜びませんよ。ねえ、早船の旦那」
「その通りだ。お春は何ひとつ悪いことはしておらん。貧しいゆえに、つらい目にあったお春の霊魂をなぐさめるために、供養するというのはいい考えだ。どうだ、このさい詮議なぞよして蟹江さんが住屋に金を出させて、盛大に施餓鬼会をもよおすというのは」
 身を乗り出して銚子を取り上げると、陣五郎に酌をした。
「それは、たしかに良いお考えだが。それがしは立場上、お奉行の下知(げち)にしたがわなくてはならぬ。いま、幽霊の詮議をやめるわけにはいきません」
 顔を真っ赤にすると、陣五郎は真剣な口調で言い切った。


七 尾道奉行

「ふむ。おぬしがそこまで言い切るところをみると、尾道の町奉行は、なかなかの人物のようだな」
 感じ入ったように首を振ると、飛十郎はもの問いたげに陣五郎の顔に目をやった。
「お奉行の平山清左衛門さまは、この港町の救い主として住吉社に神として祀られている、有名な平山角左衛門さまの末裔でござる」
「あ。その人なら知ってるよ。薬師堂浜と住吉浜を埋め立てて町を広げ、尾道がこんなに繁栄する元いをつくったお人だろう」
 飛十郎の脳裏に、船着き場に山積みになった海産物と、雁木石段の前に建ち並んだ数え切れないほどの真っ白い浜蔵が浮かびあがった。
「ですが、ご先祖の角左衛門さまの子孫だからではなく、いまの平山さまも広島からこられて以来、まことに町民のために力を尽くされています」
「ほう、浅野家からまいられているのか。奉行になられる前のお役目は、何をなされていたのかな」
「たしか、御先手組の鉄砲頭とうかがっておりますが」
「うむ。御先手組のお頭ならば、さぞ火縄銃の名手だろうな。お春の幽霊も、鉄砲玉に狙われては一発で、またもやあの世行きだろうな」
 ひやりとしたように、お紺は首をすくめた。
「それがしもそう考えて、お奉行に申し上げたのだが。なんと平山さまは年に一度の御前試射会でも、指図をなさるだけでここ十五年あまりは鉄砲にさわったこともないそうです。おれが幽霊にむけて銃なぞをぶっぱなせば、弾丸は海を越えて向島の高見山に命中することだろう。とおっしゃって、大笑いされておられましたよ」
「ふうむ。なかなか面白いお奉行どのだな」
「はあ。話のわかる、さばけたお人柄で。たとえ幽霊を撃っても相手は実体のない、白い靄のような魔物だ。さしずめ鉛玉はお春を通り抜けて、新開の深川亭の名物女、お紺に当たるやもしれぬ。やめておけ、と申されました」
 無精髭を撫ぜ廻していた飛十郎が、仰天したように手を止めた。
「なんだって! お春ちゃんを狙った玉が、あたしに命中するっていったのかい。お奉行さまは」
 だらしなく横ずわりをしていたお紺が、悲鳴のような声を上げると、ぴんと背中を伸ばして正座になった。
「間違いなく、そういわれた」
 これだけは確かだ、と言うように陣五郎は重々しく頷ずいた。
「その平山なんとかって、えらいお奉行さまは、なんであたしのことを知っているんだい」
「平山清左衛門さまだ、よく覚えておけ。なんとか、なぞと申しては罰が当たるぞ。平山さまは尾道の町や港をよりよく納めるために、お忍びでよく歩かれる。むろん新開や新地もだ。そんなとき面白き女の噂や評判を耳にされると、すぐさま懐中の手控え帖に書き止められるそうだ」
「ふうん。それで、お奉行さまはあたしのことを知っているんだ」
 安心したように、お紺は言った。
「お前のことだけではない。新地の芸妓のことや、新開の女郎衆のこと。また商家や旅籠の女将のことも、町廻り同心のそれがしが驚くほどよく知っておられる」
「なんだい、女のことばかりじゃないか。で、お奉行さまは、お忍びのときはどんな格好をしているのさ?」
 飛十郎が一番知りたいことを、お紺は聞いてくれた。
「そんなことを知って、どうする気だ」
「知ってりゃ、失礼のないように、ご挨拶出来るじゃないか。けちけちしてないで教えなさいよ」
 顔をしかめると、ずけずけとお紺は言った。
「そうだな、お前のことだ。なにも知らんで、お奉行さまに啖呵でも切ったら、えらいことだからな。平山さまはな、お忍びのときは着流し姿で、網代笠をかぶっておられる。腰には大刀一本を落とし差しにされて、まるで浪人者のようなお姿だな」
「そうかい……。もしかすると、年は四十前後じゃないかい」
 記憶をまさぐっていたお紺が、ぱっと眼を開けて言った。
「ふむ。たしか、今年四十一歳の前厄になられたな」
「思い出したよ。いつも店がひまな時に一人でやってきて、隅の席で呑んでいるお侍だ。何回かお酌をしたことがあるよ。にこにこ笑ってばかりで、自分は黙って人の話を聞くだけさ。ほかの客のようにいやらしいこともしないし、感じのいいお客さんだったよ。けど、お酒は強かったねえ」
「うん。そのお方が平山さまだ。今度こられたら丁重にな。粗相のないように頼むぞ」
「おれのことは、もう耳に入ってるかな」
 ふたりのやり取りを黙ったまま聞いていた飛十郎が、ぼそりと言う。
「いや早船さんのことは、まだご存知ないようですな。御用繁多で、ここ半月あまりはお奉行も、お忍びをされておりませんから」
「お紺、おれとお奉行さまでは、どっちが酒が強そうだ?」
 飛十郎に聞かれて、お紺が首をかしげる。
「そうだねえ。ま、どっこいどっこい、といったところだろうねえ」
「そいつは面白い。ぜひ、お奉行の平山どのと呑み比べをしたいものだ。話したいこともあるしな」
「それなら、蟹陣さんに仲をとりもって貰えばいいじゃないか。約束して、どこかで会えばいいんだよ」
「いや、それはつまらんし面倒だ。やはり偶然、ばったりと出会うほうが楽しい」
 そう言って、飛十郎は陣五郎を見た。いまや蟹陣の顔は、酔いのために真っ赤に染まっている。
「ふん、江戸者のくせに気の長いことをいってるよ。偶然なんか待っていたら、早船さんが尾道に居る間にゃ会えやしないよ。ずっと、この港にいるわけじゃないだろ」
「それは、そうだが」
 憮然として天井を見上げた飛十郎を見て、陣五郎が助け舟を出した。
「では、こうしましょう。お奉行が、お忍びをされる日がわかりしだい、手の者をこの深川亭へ走らせましょう。新開へは必ず廻られますから、そ知らぬ顔でお待ちになればいい」
 奉行所側の人間としては、これは大変な好意だといってもいい。
「その前にそれとなく、早船飛十郎という江戸からやってきた浪人者のことを、それがしが平山さまにお伝えしておきましょう。いきなりより、そのほうがよろしかろう」
 盃を下へ置くと、飛十郎は両手を膝について深々と頭をさげた。
「かたじけない……。蟹江どのの気配り、飛十郎こころより感謝いたす」
「頭をお上げください。これは、それがしが勝手にすることでござる。ゆうゆうと空を流れ行く雲のごとき、お手前のお人柄にうたれただけのこと、気になさいますな」
 陣五郎も感じ入ったように、頭をさげた。交互に頭をさげ合う二人の姿を、お紺があきれたように眺めていた。


八 ずうふら

 飛十郎と陣五郎が、深川亭で盃を酌み交わした次の日のことである。宙乗りの仕掛けを見るために、玉栄座の楽屋へ飛十郎は顔を出していた。くわえ煙管をした彦六は目にしみた煙りで顔をしかめると、手にした麻縄と滑車を飛十郎に見せた。
「見ての通り、この縄は闇にまぎれて見えないように黒く塗ってありやす。これを大銀杏から祇園社の大屋根のむこうまで張り、この滑車で幽霊を動かしやす。宙に吊りあげるのは、この仕掛けです」
 そう言って彦六は、膝の横に置いた仕掛け細工を見せた。
「ほう。人足が荷をかつぐ時に使う背負(しょ)い子のようなものだな」
「へい、よく似ておりやす。ですがこれだけでは、幽霊に扮したお紺さんの肩からはずれて落ちる危険がございます。それを防ぐために、これも使いやすんで」
「なるほど、赤子を母親が背負うための負い紐のようだな。これを胸元で交差させれば、絶対にはずれないわけだ」
 感嘆したように、飛十郎は顔を振った。
「さようで。これを幽霊の衣裳の下に仕掛け、背中に穴を開けてこの金具を外へ出すわけでございます」
 彦六は、その金具へ縄の先の止め金を付けると、仕掛けを宙に吊りあげる仕草をした。「さすがは、仕掛けの彦六といわれるだけあるな。これで滑車の音さえ消せば、誰ひとり空中に消える幽霊を見ても、その存在をうたがう者はいなくなるに違いない」
「旦那。滑車には油をたっぷりくれてやり、麻縄には厚く蝋(ろう)を塗り込めておりやす。万に一つも音が鳴るような、へまはいたしやせんぜ」
 にんまり笑うと、彦六は自信たっぷりに胸を叩いた。
「それより旦那、こいつを使ったらどうでやしょう」
 棚に置いていた、長い筒のような物を彦六は見せた。。
「なんだ、これは。まるで、象の鼻のようではないか」
 飛十郎は品川宿の御殿山で見た、お目見得象の長い鼻を思い出していた。
「へ、へへ。よく似ておりやすが、同じ南蛮渡りでも、こいつは象じゃなく〔ずうふら〕でございます」
「ずうふら、だと。いったい何に使うんだ」
「なあに、芝居の小道具でございやすよ。ちょいとお待ちを」
 灰色の長い筒をひょいと抱えると、彦六は楽しげな顔で楽屋から出ていった。しばらくすると、何処から聞こえてくるのかわからないが、
「うらめしや……。どうして、わしを斬りなすった……。早船さま……」
 地の底から聞こえてくるような、不気味な低い声が楽屋いっぱいに響き渡った。ものに動ぜず、胆のすわった飛十郎だが、奇怪なこの声を耳にすると総身の毛が逆立つのを感じた。 
「どうです旦那、驚いたでやしょう」
 青ざめている飛十郎の前に、彦六が笑いながら顔を出した。
「な、なんだ彦六。いまの気味の悪い声は」
「これですよ。こうやって、このずうふらをね」
 およそ五尺(百五十センチ)はあろうかと思える、長い筒の細い口のほうへ唇を当てると、彦六は強く息を吹き込んだ。とたんに、ぼおおう……という飛十郎が聞いたことのない不思議な音が、楽屋いっぱいに鳴り響いた。
「てな、わけでございますよ旦那。この筒先に口をおっつけてしゃべれば、ぜんぶ不気味な声になるわけですよ」
「いや、びっくりした」
 ふところから手拭いを引っ張り出すと、飛十郎は胸元にびっしょりと浮いた汗をぬぐった。
「世の中には、まだまだおれの知らぬことが、いっぱいあるようだ……。だが彦六、おぬしのいうように、こいつは使えるな」
 苦笑すると飛十郎は宙乗りの仕掛け道具と、ずうふらを交互に見くらべた。
「お春の幽霊を宙に浮かべ、同時に地獄から聞こえるような声で恨みごとを並べれば、いかな豪胆な男だろうが恐怖に身がすくみ躰が動けなくなるに違いない。なにしろ、」
「江戸で高名な助太刀人の早船飛十郎さまが、胆っ玉がちぢみ上って震えなすったほどでやすからな」
「おい、彦六。そういうが、こいつは誰でも驚くぞ。深川亭で一杯おごるから、今のことは内緒にしておいてくれ。お紺や弥助の耳に入ると、しめしがつかんからな。いいか、たのんだぞ」
 飛十郎が珍しく、ぼやくように言った。
「ようがす。けど旦那、あっしの道楽は莨を吸うだけで酒はまったくの下戸(げこ)でございやす。どうでやしょう。名高い藤半の会席料理を、ごちになるってことで手を打ちやせんか」
「いいとも。しかし、せっかくずうふらがあるんだ。強欲非道な住屋誠兵衛に、空を飛ぶ幽霊と地獄の声を聞かせたいものだが……。彦六、宙乗りはいつやろうか?」
 そう飛十郎が聞くと、彦六もずうふらを床の上に置いて、腕を組んで首をひねった。
「さあて、幽霊の宙乗りは月のねえ闇夜にこしたことはございやせん。ですが住屋を祇園社におびき出すのは、旦那の才覚でございやすぜ。あっしにゃあ、どうにも出来ねえこって」
「そうだな。よし、わかった。なんとかしてみよう。いまは才覚とてないが、酒でも呑んで考えれば、そのうちいい風が吹いてこないでもなかろう」
「へ、へへ。待てば海路の日よりあり、といいやすからねえ。なんとかなりまさあ」
 と言ったかと思うと、彦六はずうふらを取り上げて口に当てると一吹き、ぼう!と鳴らした。


九 向島へ

 住屋を祇園社へおびき出す才覚は、七日たってもわいてこなかった。気分を変えるために、飛十郎はぶらりと海岸へ出ていった。ゆったりと雁木石段に打ち寄せる波を見ながら、対岸の向島に目をやった。毎日のように眺めているが、まだ一度も渡ったことがない。「いってみるか。たしか向島へ渡るには、兼吉(かねよし)の渡しがいいとお紺がいっていたな」
 海から吹きつける潮風に袴をふくらませながら、飛十郎は海沿いの道を渡し場町にむかって歩き出した。
 渡し舟は、およそ三十人ほど乗れる大形の乗り合い舟である。飛十郎が兼吉に着いた時には、ちょうど舟が出ようとする間際だった。
「お客さんが、最後だよ。乗ったらすぐに出すけえ、用心してくだしゃあのう」
 飛十郎が乗り込むと、船頭は竹竿でとんと石垣を突いて舟を海へ押し出した。
「おおい、その舟ちょっと待った!」
 大声で呼びながら、五人の浪人者が渡し場の雁木を駆けおりてきた。
「急ぎの用だ。舟を戻せ」
 だが、渡し舟はすでに岸を離れている。
 雁木の石段から潮の干満に応じて渡り板を舟へ渡す役の若い男が、慌てて浪人たちを押しとどめようとした。
「だまれっ。きさま町人のぶんざいで、武士の行く手をさえ切るつもりか!」
 無頼浪人のひとりが怒声をあげると、いきなり若い男の胸倉を両手で締めあげた。最後に雁木を降りてきた羽織袴姿の浪人が、鉄扇で肩を叩きながら締めている浪人に顎をしゃくった。
「かまわん。海へ叩き込め」
「おう」
 胸倉を掴んだ浪人は、腰車で若い男を海にむかって投げ飛ばした。竹竿を置いて、艪をすげようとした船頭が、それを見て青くなった。
「引き返せ、船頭。そのまま向島にいこうものなら、きさまが帰るのを待って、ひどい目にあわせるぞ」
 鉄扇で招く手振りをすると、羽織袴がにやりと笑った。こやつが五人組の頭領らしい。「わ、悪いがのう、お客さんたち。あとの災難がこわいけえ、引き返えさせてもろうてもええかのう」
 船頭の困り果てた声に、乗客たちがいっせいに飛十郎の顔を見た。舟で刀を差した侍は、飛十郎ひとりである。あとは籠を背負った百姓女や、魚籠を横に置いた漁師や、天秤棒の両側に青菜や乾物を満載した行商人たちだけであった。
「かまわん。引き返してやれ。おぬしが海へ落とされでもしたら利用客が迷惑する。べつに、おれは急いではおらん」
 救われたような顔をすると、船頭は艪をたくみにあやつって舟着き場まで舟を戻した。飛十郎は船首の近くで、ゆったりと両手を脇にたらして立っていた。どのような斬り付けにも対応できる、無双直伝英信流居合の奥の立ち技の構えである。
「どけ、どけ、邪魔だ」
 舟が雁木に着くと、無頼浪人たちは口々にののしり声をあげながら乗り込んできた。先客の町人たちを傍若無人に押しのけると、舟の中央にどっかりと座り込む。
「船頭、なにをしている。早く舟を出せ」
 鉄扇で舟べりを苛立たしく叩くと、羽織の浪人はじろりと飛十郎を見た。ほかの四人も気になるのか、ちらちらと横目で飛十郎をうかがっている。
 舟が動き出すと飛十郎は腕組をして、遠去かっていく尾道の町に目をやった。海から見る尾道は二度目だが、これがじつに素晴らしい。狭い海だけあって海流が強いとみえて、舟はゆっくりと右に流されていく。そのため舟先に座っている飛十郎の横を、千光寺山や浄土寺山が巨大な屏風絵を開くように、ゆったりと広がってゆく。
 山は新緑に包まれて、目が洗われるように鮮やかだ。午後の陽光に寺院や商家の甍(いらか)は銀色に輝やき、海岸道を歩く人々の姿が豆粒のように小さく見える。行きかう帆掛け舟の麻縄や張りつめた帆布が風に鳴り、舟を漕ぐ艪のきしむ音が耳に心地よく聞こえると……。つかの間、飛十郎は無頼浪人どもが巻き起こした不快感を忘れることが出来た。
 舟が向島の兼吉に着くと、真っ先に浪人たちが飛びおりた。尾道の舟着き場と違って、坂になった石組が長く海中に伸びている。そのため渡り板を待ちかねて飛び降りる者も多い。足弱の女たちや老人たちは、渡り板を使って下船する。最後に渡し舟を降りた飛十郎は、船頭に声を掛けた。
「海へ落とされた若い衆は、大丈夫か」
「へえ、あいつは魚より泳ぎが達者じゃけえのう。いま頃は陸にあがって、着物をしぼっとるじゃろう」
「それならいいが。世の中には、無法な連中がいるものだな。あの浪人どもは、よく渡しに乗るのか」
 岸壁の杭に麻縄をむすぶ手を止めて、船頭は首をかしげた。
「はあて、初めて見る顔ばかしじゃったが。ほかの舟に乗るかもしれんけえ、ようわからんのう」
 船頭がそう言ったとき、背後でののしり合う声がした。先に降りた浪人たちが、渡し賃を集めている老人と、また悶着を起こしているらしい。ふところの腕を袖から抜くと、頭を掻きながら飛十郎は浪人たちにむかって歩いていった。
「渡し賃はいくらだ」
 浪人の一人に肩をこずかれていた老人が、困り切った顔で飛十郎を見る。
「へい。片道、五文で」
「そいつは、めっぽう安いなあ。ほら、」
 袖をさぐって取り出した一文銭五枚を、ちゃりんと老人の腹掛け袋に落とすと若い浪人者の顔を見た。
「この年寄りが、おぬしたちにどんな無礼を働いたというのだ」
「い、いえ、このお侍さまがたは、渡し賃を払わぬとおっしゃいますので……」
「それは、おぬしたちが悪い」
 飛十郎は無精髭をこすり上げると、浪人を睨み付けた。
「この者たちは、わずか五文の小商いをして、その日を暮らしている。舟の艪をこぎ、渡り板を伸ばし、料金を受け取る、という労働をして、いわば額に汗して家族を養っておる。それを払わずに通るとは、天がゆるしても、おれがゆるさん」
 柄にもなく飛十郎は、大みえを切った。
「な、なにを生意気な。同じ浪人だとて、手は見せんぞ」
 刀の柄に手を掛けると、無頼浪人四人は素早く飛十郎を取り囲んだ。
「まて。大事の前の少事だ。ここで騒ぎを起こすな。それに、こやつ、なかなかの手錬者(てだれ)だぞ」
 鉄扇を手にした羽織浪人は、そう言って仲間を止めた。
「たかが二十五文だ。払ってやれ」
「しかし……」
「しかも、いのしし、もない。貴様、おれの言うことがきけんのか」
 頭領の羽織浪人が鉄扇を突きつけると、浪人者はたちまち恐れ入って懐中から小銭を出すと、老人の袋に放り込んだ。いまいましげに飛十郎を睨み付けると、無頼浪人たちは肩を怒らせて去っていった。
「とんだ災難だったな。ま、これで験直しに一杯やってくれ」
 飛十郎は袖の中から一分銀をつまみ出すと、尻ごみをする老人の手に握らせた。
「助けてもらった上に、こんな大枚なお宝を貰っちゃあ、お天道さまの罰が当たりますけえ、こらえてつかあさい」
 無頼浪人にからまれた時より青くなると、老人は一分銀を返そうとした。
「かまわん。これは海へ投げ込まれた若い衆と、迷惑をこうむった船頭の分も入っている。気にせず受け取ってくれ」
 そう言い捨てると、飛十郎は袖を潮風になびかせながら、兼吉の渡し場をあがって行った。       

         了  〈助太刀兵法26・尾道かんざし燈籠−6−につづく〕









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10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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