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〔助太刀兵法27〕尾道かんざし燈籠(終章) (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2013年5月12日 11時45分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法27〕尾道かんざし燈籠(終章)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 祇園社にあらわれた幽霊に、納屋と住屋は震えあがった。山伏の阿厳院に頼んで交渉してもらうと、お千代を親元に返し、燈籠をつくって供養すればゆるしてやる。そうでなければ尾道の港を滅ぼしてやると、お春の幽霊が答えたという。何でもいう通りにすると言う納屋と住屋に、平山奉行はかんざし形の巨大な石燈籠を作るように命じる。燈籠の完成披露の夜、藤半で奉行と蟹江同心と呑み比べをした次の日の朝、飛十郎は弥助と茶店で落ち合い、お紺、お千代、お秀、お菊の四人に見送られて防地峠を登って行く。山陽街道を一歩江戸へむかって踏み出した飛十郎は、もう二度と尾道には幽霊は出ないだろうと思っていた。

 
【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)
〔助太刀兵法11〕柳生天狗抄 (1)
〔助太刀兵法12〕柳生天狗抄 (2)
〈助太刀兵法13〉柳生天狗抄(終章)
〈助太刀兵法14〉山の辺道中
〈助太刀兵法15〉山の辺道中(2)
〈助太刀兵法16〉十五夜石舞台
〈助太刀兵法17〉五夜石舞台 (2)
〔助太刀兵法18〕大江戸人形始末)
〔助太刀兵法19〕大江戸人形始末(2)
〔助太刀兵法20〕大江戸人形始末(3)
〈助太刀兵法21〉尾道かんざし燈籠
〈助太刀兵法22〉尾道かんざし燈籠(2)
〔助太刀兵法23〕尾道かんざし燈籠 (3)
〔助太刀兵法24〕尾道かんざし燈籠 (4)  
〔助太刀兵法25〕尾道かんざし燈籠(5)
〔助太刀兵法26〕尾道かんざし燈籠(6)

猿ごろし




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【時代小説発掘】
助太刀兵法27〕尾道かんざし燈籠(終章)
花本龍之介 



一 お春の幽霊

 阿厳院の声明(しょうみょう)の響きが、はたと絶えると祇園社の本殿のあたりに、ぼうっと炎が燃え上った。
「おっ、あれはなんじゃ。火の玉ではないか」
 清左衛門が驚愕の声をあげると、不気味な青い火の玉は本殿の高い屋根の上から大銀杏のほうへ揺れ動いていく。火の玉は上下に動きながら枝の一本に止まると、その後から両手を前に垂らしたお春が髪を振り乱して出現した。
「うらめしや……。おのれ住屋誠兵衛、かんざし一本ごときで、よくも女の命を奪ったな。この怨み、思い知るがよい。かならずや一家一族すべてを絶やして見せようぞ」
 地の底から聞こえるような不気味な声に名指しをされた誠兵衛は、歯の根も合わぬほど震えだした。納屋はその横で、仁王立ちになって幽霊の姿を見定めようと目をこらしていた。
 お春の幽霊は、常夜灯の薄明かりに浮かびあがるように大銀杏の枝の間で、おいでおいでするように手招きをした。
「納屋吉兵衛。おまえは住屋に泣きつかれ、わが父を新地の賭博にさそい込み、いかさまの借財で姉のお千代を苦界に沈め、女郎の身に落とした怨みをなんで忘れようぞ。末代まで祟って、かならず納屋を取り潰すから思い知るがよい……」
 商人の身にとって、店を取り潰されるのが一番恐ろしいのだが、豪気な納屋はお春の言葉を聞いて腹が立ったらしい。
「なにをぬかす! 幽霊ごときに、商売の邪魔をされてたまるか。これ、なにをしている。早くあの偽者を捕まえぬか」
 気丈にも六尺棒を手にした納屋は、荒くれ男たちの先頭にたって大銀杏の下へ駆け寄った。
「こ、この偽幽霊めが」
 納屋吉兵衛が、六尺棒でお春めがけて打ち叩いた刹那、お春の幽霊は宙天高く舞い上がった。気の強い吉兵衛も、髪の毛が逆立つような恐怖を覚えた。
「ふ、ふ、ふふ。よいか吉兵衛、わが姉を女郎の身から救い出し、このお春の供養をせねば、その身を八つ裂きにして千光寺の玉の岩の上に生首を置き、胴は西国寺の五重の塔、両手は天寧寺の三重の塔、両足は浄土寺の多宝塔の水煙(すいえん)の先端に吊り下げるぞよ」
 地の底から湧き出でたかと思える声がすると、長い髪と白装束の裳裾を風になびかせながら、空中を滑るように遠去かっていった。
「わああっ、助けてくれ」
 お春の凄まじい姿が空を飛ぶのを目の当たりに見て、さすがの納屋吉兵衛も転がるように逃げ出すと、大鳥居の下で仁王立ちになって梵語の呪文をとなえている阿厳院に縋り付いた。こうなると尾道の土地と物産を一手に握り、裏社会をも支配して影で闇奉行と呼ばれている納屋も、まことに他愛がなかった。
「あ、阿厳院さま、なんでもいたします。ど、どうか、お春の怨霊をお鎮めねがいます」 山伏の衣(ころも)の袖を握って、声を震わせながら懇願した。住屋のほうは腰を抜かして、わけのわからぬことを喚きながら地面を這いずっている。
「言われずとも、今やっておるわ」
 いきなり阿厳院は、納屋の背中を蹴り倒した。恐怖のあまり蹴られたことにも気付かぬ納屋は、幽霊に襲われたと思ったのか悲鳴を上げてうずくまった。
「なんでもすると申したのは、間違いないか納屋」
 鞭で納屋の肩を軽く打ちながら、平山清左衛門が聞いた。
「は、はい、お奉行さま……。命には変えられませぬ」
 首を引きちぎって玉の岩に置く、と言われたことがよほど恐かったらしい。頬に笑みが浮かびそうになるのをこらえて、清左衛門は意地悪く念を押した。
「お春の姉を親元身請けいたして、ねんごろに供養するとなれば、相当な大金が入用になるがそれでもよいのじゃな」
 平山奉行、のんびりと釣りを楽しんでいる所へ五人も刺客を差し向けられたことを、よほど根に持って
いるようだ。
「か、金なぞ、いくらでも出しますぞ」
「よし。その覚悟ならば、わしから阿厳院にたのんでやろう。大越家どの、お聞きの通りじゃ。納屋は貯め込んだ小判を、いくらでも投げ出すといっておる。なんとか、幽霊と交渉してくれまいか」
「むむ……、よろしかろう。身どもの神通力をもって、その条件で幽霊と掛け合ってしんぜよう」
 大きく頷ずいた阿厳院は錫杖を投げる捨てると、首からはずした水晶の大念珠を両手で揉みながら祇園社の中へ歩み入った。


 
二 暗闇蒟蒻

 その頃――。飛十郎は、ふところ手のまま闇の中を、音も無く忍び歩いていた。祇園社の周囲は、鼻をつままれてもわからないほどの真っ暗闇であった。
 幽霊であろうがなかろうが、動くものならすべて叩っ斬れと納屋に命じられた新地組の子分たちも、子の刻を半刻(一時間)も過ぎると、退屈しはじめていた。
「のう、兄貴。動くものは斬れゆうたって、こぎゃあな真夜中に出歩く馬鹿はおらんじゃろう」
 尻端折りに鉢巻きをして襷掛けの喧嘩仕度をした、若い三下が兄貴分に話しかけた。
「ほうじゃが、一寸先も見えん闇じゃけえ。刀を抜いたら、同志討ちをせんように、気をつけにゃあいけんど」
 兄貴分は油断のない構えで、長脇差(ながどす)の柄に手を置いているが、気配を消した飛十郎が二人の横に並んで立っているのに気が付かない。にやりとして無精髭をなぜた飛十郎は袖の中から蒟蒻(こんにゃく)を掴み出すと、兄貴分の首にぺたりと押し当てた。
「ぎゃあっ!」
 闇の中で飛び上がると、すとんと地面に尻もちをついた。
「兄貴、ど、どうしたんじゃあ?」
「ば、ば、化物じゃ。ぺろりと長い舌で首をなめられてしもうた」
 慌てて刀を抜こうとした兄貴分と三下のみぞおちを、飛十郎は素早く柄頭で突き叩いた。二人は声も立てずに崩れ落ちた。
「おい。なにか、声がせんかったか」
 玉垣の下の暗がりに身を伏せていた子分ふたりが、伸びあがって声がしたあたりを見た。
「なんか出たんかのう。ぶち恐ろしい声じゃったが」
 そう一人が言った時には、すでに飛十郎が後に立っている。蒟蒻を引っ張り出すと、前に手をまわして子分の顔を下から撫ぜあげた。
「うわっ」
 身を沈めた飛十郎は、二人の背中を目にも止まらぬ早さで突き打った。やくざ者たちは、ほとんど同時に闇の中に倒れ伏した。
「あと六人か……」
 指を折って数えていた飛十郎は、ふところに手を入れると音も無く歩き去った。たちまちにして新地組の子分たちを片付けた飛十郎は、大鳥居の傍に現れると清左衛門に頷ずいて見せた。
「ごくろう。待伏せは、なん人かな」
 無言のまま、飛十郎は両手を広げた。
「うむ、十人か。まさか、殺してはいないだろうな」
「ちょっと眠らせただけだ。こっちのほうは?」
 今度は清左衛門が、無言で顎をしゃくる。大銀杏の下で阿厳院が、音声朗々と呪文を唱えている。その後で、すがりつかんばかりに両手を合わせているのは、納屋と住屋である。
「え、ええいっ!」
 頃はよし、とばかりに最後の気合い声を放って、阿厳院は天空を睨みあげた。
「お春の怨霊と、話がつき申した」
 と言いながら、清左衛門の傍へ戻ってきた。
「ご安心なされい。幽霊と条件が折り合いましたぞ」
 衣の袖を掴む納屋を邪険に押しのけると、阿厳院は清左衛門にむかって一礼した。
「して、ご祈祷の結果は、いかに?」
「はっ。怨霊が申すには、このままではこの地に深き怨念が残り、住屋をはじめ納屋、新地組など、お春を身投げに追いやったすべての者たちを取り殺すのはもちろんのこと、この尾道を二度と人が住めぬほど呪い祟るつもりじゃそうな」
「それは困るのう……。人の情けを知らず、金、金、金と目の色を変えていればこうなる、という良い見本じゃ」
 清左衛門はそう言って、じろりと納屋と住屋を睨みつけた。
「もしかすると、大地震か大津波をおこす気かもしれんな。人が住めねば、西国一の繁昌を誇ったこの港も、わやになるのう納屋吉兵衛」
「ど、どんな無理でもいたします。お奉行さま、てまえの商いと命をお救いくだされ」
「お春の言い分は二つじゃ。一つは潮見楼で女郎をいたしおる姉のお千代を元の通りに、西国寺下に住まいする父母の家へ戻すこと」
「いたします、戻しますとも。明日さっそく潮見楼へ駆けつけ、証文を巻かせまする」
「で、あと一つは、幽霊はなんといっておりましたかな」
 知っていながら飛十郎は、無精髭をこすって阿厳院に聞く。
「さよう。残る一つが、なかなかに難物じゃて。まず千光寺、浄土寺、西国寺、光明寺において盛大な供養をいたす。そののち祇園社の境内に、幽霊供養をした記念に巨大な〔かんざし燈籠〕を奉納すること。さすれば、お春の霊魂はすぐさま成仏いたし、二度と尾道の住人に祟りはせぬ。と申して霧のごとく消えうせおった」
 阿厳院は軽く目を閉じて、まことしやかな顔でおごそかに宣託した。
「か、かんざし燈籠ですと?!」
 住屋と納屋が、悲鳴のような声を上げた。
「そうじゃ。幽霊はたしかにそう言ったぞ」
「それは、どぎゃあな形をした燈籠かの」
 住屋誠兵衛が、不安そうに聞く。金がどの位かかるか心配らしい。
「うむ。お春の幽霊がいうにはのう。かんざし一本がなくて好いた男と無理に別れさせられ、ついには冷たい井戸に身投げするほど追いつめられた。かんざしが恨めしい。これ以後この尾道の町で二度とかんざし一本で悲しい思いをする娘が出ぬよう、かんざしの形をした燈籠を造ってほしい。とのことじゃ」
 阿厳院の横で聞いていた清左衛門が、膝を打って大きく頷ずいた。
「おお、それはよい考えじゃ。新開、新地、それに本通りからも見えるように、出来るだけ大きな石造りの常夜灯をつくって寄進するがよい。尾道の住民すべてが力を合わせるのじゃ」
 これにて一件落着、とでもいう顔で尾道奉行平山清左衛門は、その場にいる全員を満足気に見廻した。
「住屋誠兵衛ならびに納屋吉兵衛、そのほうたち二人にかんざし燈籠の勧進元を命じる。幽霊が気に入るよう、新地の置屋料理茶屋中(じゅう)ならびに新開の遊女屋中の肝煎り役どもと相談いたし、日の本一の立派な燈籠を造るようにいたせ。よいな!」
 がくりと肩を落とした納屋と住屋は、地面に平伏すると泣くような声で答えた。
「か、かしこまりました」
 清左衛門は、これでよいか。と言うように飛十郎の顔を見て笑った。


三 燈籠奉納

 それから一月後、かんざし燈籠の祇園社奉納の日がきた。
 尾道の石工の腕のいいことは、西国でも有名であった。千光寺山や浄土寺山から運び出した巨岩が、豊太閤の大坂城建築にも使われたと言われている。
 向島の石切り場から切り出した良質な石で、見上げるばかりに巨大な燈籠が出来あがった。
「早船どの、雲ひとつない晴天ですぞ。無事にこの日を迎えることが出来て、まことにめでとうござる」
 はればれとした顔で、平山清左衛門は空を見あげた。尾道の旧暦五月の終わりは、すでに汗ばむほどの日々がつづく初夏であった。
「まことに。これもすべて尾道奉行である、平山どののはからい。さぞや草葉の陰で、お春もよろこんでいるでしょうな」
 樹木を揺すって吹きおろしてくる風は、まことに涼しく心地よい。祇園社を取り囲む紅白の幔幕の内には床几や腰掛けには、町年寄りや町役たちが禿げ頭や白髪頭をずらりと並べて奉納供養が始まるのを待っていた。
「それにしても……」
 と清左衛門が、飛十郎の耳に口を寄せて笑った。
「早船どのが闇の中で始末した、新地組のやくざ者ども十人が、朝になって申しのべた言い分が面白かったのう」
「どのように、言いましたかな?」
「それが、おのおの申し立てる化物が皆ちがうのでござるよ。ひとりは化猫に顔を舐められたと申し、ひとりはべっちゃあ祭りの、べたに首を舐められたといい張っておる」
 べっちゃあ祭りと言うのは、光明寺下の一宮神社において年に一度行われる奇祭のことである。般若の面を付けた〔しょうき〕と顰(しかみ)の面の〔べた〕。それに〔天狗〕、〔獅子〕の面をかぶった四人の若い氏子たちが女や子供を追い回す。獅子は赤子を噛み、べたと天狗は突き棒で若い女の尻を突き、しょうきは簓(ささら)で群がり寄ってくる子供たちを追い叩く。昔から続く、疫病や流行り病いを防ぐための古神事である。
「そいつは、おもしろい。おれも一度そのべっちゃあ祭りの、べたとやらに舌で舐められたり、棒で突かれたいものですな」
「は、ははは。あと半年この尾道に滞在されれば、べっちゃあ祭りをご覧になれたのに残念ですな。とくに小太鼓と鉦を急拍子で打ち叩く、べっちゃあ囃子(ばやし)をぜひ飛十郎どのにお聞かせいたしたかった」
 清左衛門がそう言った時、白小袖に緋袴をはいた巫女が参拝昇殿を知らせにきた。家紋の付いた羽織袴に、白足袋に白鼻緒草履をはいた正装の尾道奉行を先頭に、与力同心につづいて勧進元の納屋と住屋が席を立った。新地と新開の肝煎り衆のあとに本通りや中浜通りの商い店の主人たちにつづき、最後尾に玉栄座の座主や道具方や裏方が昇殿した。道具方の中には、幽霊の宙乗りの仕掛けをした彦六の晴れがましい顔も見えた。
 御祭神・素戔鳴尊の魂鎮めの舞いを三人の美しい巫女が奉納する。竜笛と笙の音が鳴りやむと、衣冠束帯に身をかためた神主が進み出て、おごそかな声で〔かんざし燈籠由来〕の祝詞(のりと)を唱えはじめた。祇園社の境内には、昇殿出来なかった新地の芸妓や新開の女郎たちが、今日だけはかしこまった顔で仲良く頭(こうべ)をたれて聞き入っている。 静まり返った境内の入口に立つ大鳥居の下では、薄汚れた野良猫が明るい朝陽をあびながら心地良さそうに背中をそらして大あくびをした。それを見て玉垣にもたれ掛かっていた飛十郎が、つられたように伸びをした。
「う、うう、ふうむ……。いや、気持ちがいいなあ」
 傍にいた弥助が、本殿のほうを覗きながら不服そうな顔をした。
「それにしても、旦那はどうして昇殿せんのかのう。わしゃあ、わけがわからん」
 お奉行さまや浜の旦那衆と並んで、飛十郎と一緒に弥助も昇殿したかったに違いない。「弥助には悪いが、おれは肩がこることは苦手でな。それに、」
 飛十郎は、境内の隅に立っているお千代と父親を見た。
「お春をうしなった二人の悲しみを思えば、羽織なんぞ着て晴れやかに昇殿など、おれにはとうてい出来ん」
「わしらみたいな貧乏人が祇園さんの本殿へあがるなあ、一生に一回あるかなしじゃけえのう」 
 未錬げに呟やいた弥助は、本通りからやってきた若い僧侶を見て首をかしげた。剃りあげたばかりの青い頭を深く下げて、僧侶はかんざし燈籠にむかって低い声で教文を唱えはじめた。
「はて、見なれん坊さんが燈籠をおがんどるが。どうしたんかのう」
「あれはな弥助。住屋の跡取り息子の芳太郎だ。お春の幽霊の噂を耳にして、矢もたてもならず大坂の縁戚の家を飛び出してな。尾道に帰ってくるなり、浄土寺へ駆け込んで出家をしたそうだ」
「えっ、出家を。まだ若いのに、えらいことじゃのう」
「いくら父親に命じられたとはいえ、相思相愛の女を捨てて大坂へ逃げたことを、心から悔やんでいるの
だろう。財産を惜しげもなく捨てて、一生お春のかんざし供養をして菩提をとむらうつもりだそうだ」
 顎の先をつまむと、飛十郎はしんみりした声を出した。
「お春さんの菩提を生涯のう。なかなか出来んことじゃ。たいしたもんじゃのう」
 弥助が言った時、芳太郎は身を隠すように参道の樹の陰に入った。
「そろそろ、参拝が終ったようだな」
 本殿から出てきた人の波が、神主を先頭に大鳥居の近くに寄ってきた。
「早船どの、ここへおられたか。かんざし燈籠の披露をいたすのでお立ち合いくだされと、お奉行が申しておられる」
 蟹江陣五郎が傍へやってくると、しぶる飛十郎をうながした。すでに神主のお祓いは終わったらしく、あとは飛十郎の参列を待つのみのようだ。招かれるまま尾道奉行の横へ立つと、それを合図にお千代が紅白の紐を引いた。
 瞬間、薄むらさき色の大きな布が引かれて、はらりと地に滑り落ちた。
「おお、これは見事な燈籠じゃ」
 平山清左衛門の呟やきと共に、声にならぬどよめきが参列者の口から境内いっぱいに広がった。
 姿を見せたかんざし燈籠は、高さおよそ一丈五尺(四メ−トル六十)、飛十郎が見上げるほど高い。よほど腕のいい石工が渾身込めて細工をしたのか、ゆるやかな曲線を見せる燈籠の屋根が、これまで飛十郎が目にしたことが無いほど優雅で美しかった。
「まことに尾道一の美貌をうたわれた、お春にふさわしい燈籠じゃ。のう早船どの、おうは思われぬか」
 清左衛門に言われて、困惑したように飛十郎は頭をかいた。
「はあ……。そういわれても、お春を見たことがないので、なんとも答えかねるが。たしかに見事な常夜灯ですな。とくに足の長いところが、かんざしを思わせますなあ」
 感心したように飛十郎は言ったが、燈籠の四本の足は髪に差し入れるかんざしのように細長い。
「この珍しい石燈籠の趣向は、勧進元と世話役とこのわしが何日も頭を突き合わせて、考え出したものじゃ。いや、決まるまで苦労したぞ」
 清左衛門がかんざし燈籠を見上げた時、それまで大銀杏の枝に止まっていた一羽の鳶が、なにを思ったものか燈籠の先端へ、ひょいと飛び移った。首を振りながら、二人を見下ろしている。
「あは、ははは、早船どの。鳶が、飛十郎どのを見ておる。これは愉快じゃ」
 腹をかかえて笑っている尾道奉行の横で、ふところ手をした飛十郎が顔をしかめて鳶を見あげた。


四 大直会

 かんざし燈籠奉納供養の直会(なおらいかい)は、料理茶屋・藤半でおこなわれた。堅苦しい席は苦手だと言って断わった飛十郎だったが、無礼講にするからぜひと清左衛門に懇望されて仕方なく出席した。
 直会というのは、斎(いみ)が直って平常にかえることで、神事が終って神酒と神饌を神前より降ろしていただく酒宴のことである。この仕来たりの起源は古く、文武天皇(六九七)の頃に撰せられた続日本記にも〔大新嘗の直会の……〕と書かれているほどである。
 六十畳の大広間の正面に平山清左衛門が座り、その左右に奉行所の役人たちと、町年寄りや町役人といった町衆の役付きたちが居並んだ。
 末席に遠慮がちにお春の父親とお千代が座り、その横に弥助と飛十郎が窮屈そうに腰をおろしていた。
女将のお福を呼ぶと、清左衛門がなにやら耳うちした。衣摺れの音をたてて、お福は飛十郎の傍へやってきた。
「早船の旦那さん。お奉行さまが、となりの席へこいゆうとるんじゃが、嫌やじゃろうのう。うちゃあ、あんさんがあぎゃあな床の間の前は、座りとうないことはよう知っとるけえ」
「その通りだ。おれは絶対に、あんな席にはいかんぞ」
「ほうじゃろう、ほうじゃろう。あんさんは、あぎゃあなとこは似合わんお人じゃ」
 これでは呼びにきたのか、邪魔しにきたのかわからない。お福は心得たように胸前を押さえると、すぐに床の間の前へ引き返した。頷ずきながら、お福の言い分を聞いていた清左衛門が、また別のことを耳うちした。
「お奉行さまがのう。早船さんが駄目なら、ぜひともお春さんのお父さんを、となりへ連れてこい言いなさるんよ。どうしたもんかのう?」
「そいつはいい。尾道奉行のとなりには、ぜひともお春の父親がすわるべきだ。なによりの供養だ。おれなんかより、よっぽどいいぞ」
 青くなって遠慮する喜助を無理やり立たせた飛十郎は、清左衛門いる上席のほうへ押しやった。その喜助の手を持って、お福が床の間のほうへ引っ張っていく。それを見送りながら、お千代も立って飛十郎の前へ座った。
「早船さん、ほんまにうちは、どうお礼をゆうてええかわからんよ。身請けして貰うだけでも、ありがたいのに妹のために、供養のかんざし燈籠まで造ってもろうて」
 畳に手をつくと、額をこするようにして、お千代は頭を下げた。
「よしてくれ。おれ一人の力ではない。かんざし一本のことで命を絶った気の毒なお春に同情した、尾道奉行や芝居小屋の仲間たちや町の者たちが力を合わせたから出来た供養燈籠だ。なあ、お紺そうだろう」
 助けを求めるように、飛十郎はお紺を見た。
「まず一番の大手柄は、そのお紺だ。ふ、ふふ、なにしろ幽霊になって、宙を舞ったのだからな。ひとつ間違えれば命を失いかねぬほどの荒技だ」
「お紺ねえさんには、うちら家族は足をむけて寝られりゃあせん。ほんまにお春のために、命がけでようやってくれました」
 お千代はそう言って、お紺にむかって頭を下げた。
「とんでもないよ。あたしは、早船の旦那の言う通りにしただけさ。お春ちゃんのことは、新開の女郎たちも皆んな同情していたからねえ。たとえわずかな銭にしろ、かんざし燈籠を建立するために女たちは一人のこらず出したんだよ」
「ありがとうございます……。妹もあの世で、さぞ喜んでいることでしょう」
 手をついたお千代の目から、熱い泪が零れ落ちた。
「なんたって一番のお手柄は、早船飛十郎さ。旦那が助太刀してくれなきゃ、幽霊も出なかったろうし、お奉行さまも動かなかったろうさ。そうでなきゃ、あの吝嗇(けち)な納屋吉兵衛や、住屋誠兵衛や、浜旦那たちが、お千代さんの身請けのためや燈籠造りのための大金を、逆立ちしても出すものかね」
「もう、よせ。今日はめでたい、お春の供養の日だ。つまらん話はやめろ」
 飛十郎がそう言ったとき、襖がすらりと開いて手に手に祝い膳を持った、新地の芸妓衆が大広間に入ってきた。かんざし燈籠の直会の宴の席にと、全員が豊かに結いあげた黒髪に、何本もの綺羅びやかな、かんざしを差しているのが、裾を長く引いた黒紋付きのお座敷着がよく似合っていた。
「旦那はん、一杯どうどす」
 銚子を差し出したのは、尾道港で一番の売れっ妓といわれる雛鶴だった。名の通り抜けるように白い肌と、あどけないおちょぼ口をしている。だが新地の看板芸妓と言われるだけあって、切れ長な目の底にしたたかな輝きも見せていた。
「ほう、珍しいな。京女か」
 朱塗りの盃を出しながら、飛十郎は雛鶴の顔を見た。たちまち横のお紺が眉を吊りあげた。
「へえ、そうどす。雛鶴といいます」
「そうか。おれは早船飛十郎だ。どうだ、一杯やらんか」
 有田焼の杯洗で盃をゆすぐと、雛鶴に差し出す。
「おおきに。これをご縁に、どうかごひいきに」
「そう言われてもなあ。おれは、明朝この尾道を出立いたすのだ」
 酌がれた酒を、ひと息で呑み乾すと、雛鶴は早くも目元をほんのりと桜色に染めた。
「まあ、そうどすか。うち、残念やわあ。けど、また尾道にきやはったら、ぜひ呼んでおくれやす」
「うむ……。その時は、ぜひそういたす」
 うれしそうに頭を掻く飛十郎を見て、それまで我慢をしていたお紺が、とうとう勘忍袋を爆発させた。
「ちょいと、なにいってんのさっ。早船の旦那はね、あたしたち新開で働く女たちの大事なお客さんなんだ。おまえみたいな舞妓くずれの、すっとこ芸妓がちょっかい出すんじゃないよ!」
 やはりお紺は、深川生まれの船宿の娘である。ぽんぽん調子よく啖呵を切ると、左袖をめくり上げた。
「へええ、そうどすか。けど江戸で噂に高い助太刀人の早船さまのお名は、とうにうちも知っとりますえ。お客さまは皆んなのもの、一人だけのもんやおへん。と祇園でも言うとります。うちも尾道の花街で名の通った雛鶴や。いくら、おどしはっても、ゆずりまへんえ」
 雛鶴も綺麗な二重の目尻を、きりりと吊り上げて、お紺を睨み返した。
「まて、まて。そのほうら、このめでたい日に、なにをもめておる。いいかげんにせんか」
 新地の芸妓と、新開の酌女の美しい角突き合いを、座敷中が息を呑んで見ていたが。たまりかねて平山清左衛門が銚子を片手に、ふたりの間に割って入った。
「いやあ。艶福、艶福。うらやましゅうござるな、早船どの。この奉行も、ちとあやかりとうござるて」
 お紺を押しのけて飛十郎の前に座ると、まず一献とばかりに銚子をむける。苦笑しながら出す飛十郎の盃に酌をすると、むこうへ行けと雛鶴に目くばせした。名残りおしげに会釈すると、すらりと立ち上がった。さすがは京の水で洗われて育ち、尾道一の売れっ妓といわれるだけあって人形のような立ち姿である。
「これ、お千代もお紺も、なにを手持ちぶさたにしておる。納屋も住屋も床の間の前にいるではないか。早ういって、嫌味の一つも言ってやれ」
 これは面白いという顔で銚子を持つと、お紺とお千代が連れ立って上座にむかって歩き出す。
「あは、はは、さぞあの二人も、閉口するだろうて。ところで早船どの、かんざし燈籠の準備でいそがしゅうて、しばらく顔を拝見しておらぬが、いかがしておられた?」
「はあ……。のんびりと、尾道見物をしておりましたが」
 膳の上の会席料理をつつきながら飛十郎は答えた。
「それは、よろしゅうござった。で、尾道ではどこが一番お気に入られたかな」
「そうですな。まず、海山の景色。なんといっても、これが一番。次は魚の味でしょうな。江戸前の味も、瀬戸内・尾道の新鮮な魚介の味にはかないません。それから寺院の多さと、造りの見事さには驚きました。京、奈良についで寺が多いですな」
「ふむ、ふむ」
 頷ずきながら清左衛門も、飛十郎が酌いでくれた盃を乾す。
「珍しいところでは、千光寺山頂にある八畳岩ですかな」
 清左衛門の盃を持つ手が止まった。
「ご覧になったでしょうな」
「いや、まだ見たことはない」
「千光寺山の頂上の見晴らし台までは誰でも行くそうですが。八畳岩は、あまり人に知られておらぬようですな」
「いったい、どんな岩でござる」
 興味を引かれたたらしく、身を乗り出して清左衛門は聞いた。
「名の通り、ゆうに畳八枚はありそうな巨大な一枚岩です。岩の上にいくつも切り穴がうがってあって、何かの建造物があったのは確かですな。もしかしたら戦国の頃の城塞の跡かもしれませんぞ」
「これはいいことを教えてもらった。尾道の町を守る奉行としては、一度検分に行かねばならんな。ところで早船どのは、やはり明日の朝この尾道を立たれるのか?」
「はあ。夜が明けしだい、出立するつもりです」
「それは、お名残り惜しい……。これからは、盃を交わすことも出来ませんな」
 しんみりした声で言うと、清左衛門は淋しげに酒をあおった。
「なに、必ずまた尾道には来ますよ」
「そう申されるが、なんといっても江戸と尾道は遠い。来るつもりはあっても、なかなかに動けぬのが浮世というもの。それがしは、もう二度と早船どのに会えぬような気がする」
 ふと飛十郎が見ると盃を持つ清左衛門の手がかすかに震えて、心なしか両の目が泪でうるんでいるような……。飛十郎は、閉口したように無精髭をこすった。
「いや、絶対にまいります。おれは一度口に出したら必ず守る男。この早船飛十郎、生まれてまだ嘘と尼さんの頭は、結ったことはござらんぞ」
「金打(きんちょう)でござるか?」
 清左衛門が、念を押すように言った。
「ああ、もちろん金打でござる」
 金打というのは、誓いの印に武士が刀の刃か鍔を打ち合せるか、小柄(こずか)で刃を叩くことを言う。これが僧なら鉦を、女ならば鏡を打ち合うことになる。
「と言っても、刀は別の部屋にあずけてあるから、これでいきましょう」
 飛十郎は、清左衛門の目の前で、二、三度手刀を切った。
「ほ。まるで相撲取りが勝ったおりに、祝儀袋をもらうような仕草でござるな。しかし、あと二、三年もすれば、奉行職を終えて広島表へ帰るかもしれぬぞ」
「なに。そうなれば、そうなった時のこと。尾道へきて平山どのが居なければ、すぐさま広島へ追っていくだけのことですよ」
「なんと。そこまで、それがしのことを思うてくださるか……」
 清左衛門、とうとう盃を置いて指で目頭を押さえた。
「早船どの、今宵はとことん呑ませるぞ。腰が抜けて立てぬほどな。お覚悟めされるがよい」
 膳の上の吸い物椀を取って、中身を空小鉢に捨てると清左衛門は、ぐいと飛十郎に突きつけた。
「おう。敵にうしろを見せぬのが、助太刀人でござる。どんどん酌いでもらおう」
 銚子ひとつ分の燗酒が、なみなみと酌がれた吸い物椀を傾けると、飛十郎は喉を鳴らして呑み乾した。
「酒が足らんぞ、女将!。賀茂鶴だろうが、酔心だろうが、白牡丹だろうが芸州の酒ならなんでもよい。じゃんじゃん持ってこいっ」
 清左衛門の大声に、お福や芸妓たちが慌てて酒を運んできた。ずらりと銚子を並べると、飛十郎の椀盃に尾道奉行は盛大に酌ぎはじめた。


五 旅立ち 

  ――― 何処かで、鶏が鳴いている。
  白々と明けはじめた朝の気配に、防地川の流れの上に靄(もや)が薄くただよっていた。旅支度の飛十郎が、藤半の門を出たところで振り返った。
「お福どの、お世話になった。しばらくはお会い出来ぬと思うが、おたっしゃで」
「早船さま、楽しゅうございました」
 会釈をする飛十郎にむかって、お福は深々とお辞儀をした。頭をあげたとたん、藤半の女将の挨拶が尾道弁に変わる。
「そぎゃあなことを言わんと、じきに来なしゃあ。次は、どぎゃあな幽霊を連れて来んさるか、うちゃあ楽しみにしとるけえ」
「幽霊か……」
 呟やいて、飛十郎は朝焼けの空を見上げた。尾道は今日も快晴のようだ。
「もう、幽霊は出ないだろうなあ」
 艪を漕ぐ音がした。防地口にむかって、小舟が川を逆のぼって行く。
「あたりまえだ。幽霊騒ぎは、もうたくさんじゃ」
 玄関の式台のあたりから、清左衛門の声がした。帯はほどけ、袴は皺だらけ、髷(まげ)が無残に崩れた姿で、よろよろ踏み石の上に降りようとしていた。
「お奉行、二日酔いのようですな。お見送りは、そこでけっこう。今日は、ごゆるりと休息されるがよい」
「う、うむ。ちと、呑みすぎたわい」
 よろめいて転びそうになった平山奉行を、背後から蟹江陣五郎が抱き止めた。
「早船どの。それがしは、お奉行の介抱をいたさねばならぬ。ここで失礼いたす。道中の無事を祈っていますぞ」
 蟹陣も髷は乱れ、脇差しは失ない、羽織もない着流し姿だ。どうやら徹夜で呑み明かしたようだ。
「連れの弥助さんとは、どこで会いなさるんかのう」
「帰りは、船旅はやめて歩くことにした。弥助とは、防地口の茶店で会うことにしている」
 尾道の町も朝は早い。あちこちで雨戸を開ける音がして、魚貝売りや野菜売りの呼び声が、遠くから響いてきた。
「では、またな」
 手を上げると、飛十郎は川端の道をゆっくりと歩き出した。歩くにつれて、右手の緑あざやかな高い山の麓に、浄土寺の多宝塔と本堂の大屋根が見えてくる。左に目を転じれば、千光寺山の頂き近くに見える赤堂と、玉の岩と、竜宮城のような鐘突き堂が、遠く小さく見えている。
――さらば、尾道………
 つかの間、立ち止まった飛十郎は胸の内でそう呟やいて、あたりを見廻すとふところ手をして歩き出した。川添いの道は、防地口からゆるやかな登りに変わる。
「早船の旦那、ここですよ。遅いじゃありませんか。皆んな待ってますよ」
 茶店から出てきた弥助が、手に持った菅笠を振っている。手甲脚絆に振り分け荷物、旅草履をはいたとたん江戸言葉に変わっている。その正直さに、思わず飛十郎は苦笑した。「ま、そういうものかもしれんな」
「なにを笑ってるんですよ。それに、そういうものかも、とは何のことです?」
「いや、なんでもない。こっちのことだ」
 二人が立ち話をしている間に、茶店の中から弥助の親のお秀と妹のお菊が出てきて小腰をかがめた。見れば法事のときに飛十郎が買ってやった晴れ着を身につけている。
「魚売りの商いを休んで、見送りにきてくれたのか。すまんな」
「あたりまえでさあ。旦那が江戸へ旅立とうって時に、ちゃらちゃら魚なんか売ってたひにゃ、お天道さまの罰があたりまさあ」
 弥助のやつ、江戸ではぼんやりしていたのに、佐吉がいなくなってから急に威勢がよくなったとみえる。
「そうか、悪いことをしたな。弥助、これを」
 袖に手を入れて小判を取りだすと、飛十郎は弥助に耳うちした。
「えっ、この一両をおふくろに。もったいねえ、そんな気使いはいりませんぜ。旦那からは、もうたっぷり頂いてるんだ」
「今日の商いを休ませたかわりだ。いいから渡してくれ」
「そうですかい。じゃあ、遠慮なく。おふくろ、旦那がこれを渡せって」
 びっくりして手を横に振って断わっていたお秀も、こと面倒と見た飛十郎がさっさと歩き出したから、
仕方なく受け取って押し戴くようにして頭を下げた。
「ちょ、ちょっと旦那。気が早いなあ、さすがは早船だ。でも待って下さいよ。お千代さんが来てるんですよう」
 弥助の声に振り返ると、茶店の葦簀の陰に、ひっそりとお千代が立っていた。
「きてくれたのか。わざわざ見送りには、およばなかったのに。すまないな」
 飛十郎のやさしい声に、お千代は朝の光に浮かび上がるように出てきた。
「旦那に会えんかったら、うちは……、うちは今でも女郎のまま、諸国の船乗りや旅商人たちの、おもちゃにされております。それでのうても躰の弱いうちは、二、三年うちにはきっと命を落としております。
地獄に仏とは早船さまのこと、ほんまに助かりました。それに、お春のことも……」
 そこまで言うのが、やっとだったのだろう。目に泪をためると、お千代は崩れるように膝をついて葦簀にすがった。
「おれに会って助かったというのか。それを聞いておれもうれしい。礼の言葉はそれで充分だ」
 お千代の背中を軽くたたくと、手を取って立ち上がらせた。
「お奉行に、おぬしたち一家の身の振りかたを頼んでおいたが、どうなった? またお茶子に戻るのか」
「いえ。平山さまの心くばりで、西国寺下で花とお線香を売る店を出させてもらうことになりました。ゆくゆくはそこでお秀さんたちにも手伝ってもろうて、一文天ぷらの店でもしょうかとも思うとります」
「そいつはよかった。さすがは平山奉行、納屋と住屋からたっぷり金をしぼり取ったらしいからな。は、はは、なんでもいい困ったことがあれば、これからも遠慮なく尾道奉行所へ駆け込め」
 笑いながら飛十郎は、無精髭をこすった。
「ええ。うちはそうするつもりじゃけど、蟹江さんが言うには、お奉行さまは三、四年でお変わりになるとか……」
 心細げに、お千代はうつむいた。
「ならば、その蟹江陣五郎のところへ、相談を持ちかければいいではないか。昨日見たところでは、あやつもまんざらではなさそうだったぞ」
 飛十郎の冗談口に、お千代は困ったように頬を指で押えた。その頬が紅く染まっているのが見えた。
「ふうむ。こいつは、もしかすると瓢箪から駒というやつかもしれんぞ。それも、よかろう。母の養生に力をつくし、父をいたわってやれ。では、お千代たっしゃでな」
 別れを告げて、飛十郎が茶店から弥助一家の傍へ戻ったとき、
「早船さあん!」
 と呼ぶ女の声がした。


六 防地峠

 粋な藍の縦縞の着物を、女だてらに尻端折りをしたお紺が、勢いよく手を振って走ってきた。
「よかった。ようやく間にあったよ」
 両膝に手をつくと、お紺は息を切らして飛十郎を見上げた。
「お紺。おまえはお奉行や蟹陣と一緒に朝まで呑んでいたではないか。無理に見送りにくることはないぞ」
「なにを言ってんだよ。あたしが居ないと、今度の芝居の幕は開かなかったじゃないか。そうだろ? 主役のあたしが、見送らなくて、どうするんだよ」
 やりこめられて苦笑いをしながら、飛十郎は頭を掻いた。
「そうだな。お紺は、これからどうする気だ」
「そうだねえ。お奉行さまから、たっぷりと幽霊代を貰ったから、深川亭をやめて居酒屋でもはじめようかしら」
「は、はは、幽霊代はよかった。お紺、お奉行はいったい、いくらくれたんだ」
 黙ったまま、お紺は指を三本見せた。
「三両か。だが、それでは店は出せまい」
「ちがうよ、三十両さ」
 小さな家なら、一軒建てられる金額だ。
「ほう。そいつはまた、気前よくはずんだものだな。もっともお奉行のお手元金ではなく、納屋吉兵衛から出たものだろうがな」
「ふん、ざまはないよ。幽霊に死ぬほどおどされて、その当の幽霊に大枚三十両も払ってるんだから間抜けもいいとこさ。悪いことをした天罰さ。いい気味だよ」
 痛烈なお紺の言葉に、その場にいた全員が笑い出した。
「あ、ははは、その通りだ」
「けど旦那。あの弁慶みたいな大山伏の阿厳院は、いったいどこから引っ張ってきたんだよ。あたしは宙吊りになって見おろしていたけどさ。ほんとに祈り殺されるかと思った。さすがに、あれは怖かったよ」
「阿厳院か。あれはな、お紺。弁慶に見えたはずだ。勧進帳が得意な、旅の一座の座頭だからな」
「えっ。それじゃ、あの大山伏は旅役者だったのかい」
 お紺は目を丸くした。
「そうだ。福山の城下で芝居をしていたのを、お奉行が使いを走らせて呼び寄せたというわけだ」
「道理で凄味があったはずだよ。あれじゃ、納屋や住屋がだまされちまったのも無理はないねえ」
「うむ。あの迫力には、おれも驚ろいた」
「でも、あの一座はとうぶん尾道にはこれないね」 
「たっぷりと平山どのが祝儀をはずんでいたから、今頃は一座全員でうまい物でも喰いながら、福山から倉敷あたりへむかっているところだろうな」
 飛十郎は青い空を流れていく、白い雲の群れを眺めながら言った。
「早船の旦那。お千代ちゃん一家のことも気になるから、あたしは当分この尾道に腰をすえるよ」
「それがいい。どうせ気楽な身分だ。深川亭に居るのもよし、好きな商売をやるのもよし。のんびりと生きるがいい」
「へん。旦那にだけは、気楽な身分だとか、のんびり生きろとか言われたくないね。そりゃ、こっちがいう科白(せりふ)だよ」
 握り拳で鼻の先をこすり上げる仕草を、お紺はした。
「そうか……。いや、お紺には色々と世話になった。では元気でな。また会おう」
 閉口したように頭を掻いて歩き出す。
「ちょいと旦那、逃げようたってそうはいかないよ。皆んなで途中まで見送るからね」
「かんべんしろ。もう、ここでいい」
「いいや、かんべん出来ないねえ。いいかい、皆んな追いかけるからね」
 お紺の指図にしたがって、お千代をはじめお秀もお菊も笑いながらついて行く。
 防地川添いの道は、しばらくゆるやかな坂がつづくが、川幅が狭くなったあたりで二つに別れる。左にむかう道は、ここで川と別れて急な登りになる。いよいよ防地峠へむかう山道になるわけだ。
「ここまでだ。女の足弱には、これから先は無理だろう。よくここまで送ってくれたな。礼をいうぞ」
 四人の女たちにむかって、飛十郎は丁重に頭を下げた。それだけで、お千代は泪ぐんでいる。お秀とお菊の母娘は、たがいに顔を見合すだけで言葉も出ないとみえて、ただ深々とお辞儀をしている。
「でさ、旦那はこの次はいつ尾道にくるのさ!」
 淋しさを吹き飛ばす声で、お紺が飛十郎に聞く。
「わからん。なるべく早い機会に、またくるつもりだ」
「ふん、信用ならないねえ。男の、また、と昼間のお化けは、あらわれたためしがないよ」
「まあ、そういうな……」
 無精髭にさわりながら飛十郎は、ほろ苦く笑った。その手を上にあげる。
「では、またな」
 弥助が飛十郎と並んで、元気に手を振った。
「じゃあ、お菊、おふくろのことを頼むぜ。江戸で稼いで、なるべく早く二人を呼ぶからなあ」
「弥助にいちゃんも、躰に気をつけるんよう」
 遠去かる飛十郎と弥助に、見送る女たちが、ちぎれるように手を振った。
「道中、おたっしゃでえ!」
 曲がり角で振りむくと、弥助が旅笠を飛十郎が手を振った。
「……けど、旦那。おかしいですぜ」
 笠を降ろすと、弥助は怪(けげん)そうに言った。
「見送り人は、たしか四人でしたよね。不思議なことに、ひとり増えてますぜ」
 そう言って弥助は、指を折って数えはじめた。
「馬鹿なことをいうな。お紺とお千代と、お前の母親と妹の四人にきまっているだろう」 飛十郎が、遠くに見える女達に、あらためて目をやった。
「ふむ、妙だな。たしかに五人いる」
 手を振っている四人の女から、少し離れて両手を合わせている若い女が見えた。白っぽい着物の女は、ここから見ても、すらりとした躰つきで顔も美しかった。
「旦那、あの着物の柄は……。どっかで見たことがありますねえ」
 目を細めて見ていた弥助の声が、震えはじめた。薄い桃色の地に遠山桜の柄は、死んだお春が着ていたものだった。
「だが、あの着物は供養のために寺で焼いたはずだが……。不思議なことがあるものだな」
 無精髭をひとこすりすると、飛十郎は腕組をして首をかしげた。
「お、お春ですぜ。あの綺麗な女は。旦那、どうしましょう」
「どうもせんさ。考えてみれば、おれたちは一度もお春に会ったことがない。礼をいいに顕われたんだろう。それにしても、尾道小町といわれるだけあって、美しいなあ」
「ほんとだ、尾道で会った女達のなかで一番綺麗ですねえ」
 二人が頷ずきあって、お春に見とれている時、お紺の大声が聞こえてきた。
「いつまでも立ち止まっているのは、あたしと別れたくないんでしょうっ。早船さあん。あんまり尾道へこないと、あたしが江戸の深川まで迎いにいくからねえ!」
 お紺の声がすると同時に、お春の姿がすうっと消えた。
「では、行くか。お春も見送りにきてくれたしな」
「そうですね。わざわざ顔を見せにくるとは、なかなか義理がたい幽霊でしたね。さすがは尾道だ」
 最後に女達にむかって手を振り返すと、飛十郎と弥助は曲がりくねった険(けわ)しい山道を登りだした。。狭い道の両側は、ほとんどが段々畑で目に鮮やかな夏野菜が葉を広げて並んでいるのが見える。ところどころに石垣があって、その上に藁葺き屋根の農家が建っている。犬の吠え声がした。
「こいつは、きつい」
 飛十郎は、強くなった日差しを見上げて、顔をしかめた。
「それにしても旦那。どうして船にしなかったんで」
「尾道にのり込んだときは、船だったんでな。帰りは名高い防地峠の国境いを越えて、江戸へむかおうと決めていたのだ」
 手拭で胸元の汗をぬぐいながら、飛十郎は答えた。
「なるほどね。旦那はやっぱり変わり者だ」
 ぶつくさ、口の中で言う。
「なにか言ったか? 弥助」
「いえね、あっしなら船に乗るといっただけでさ」
「ふ、ふふ。それなら、お春も船に乗って、江戸までついてきたかもしれんな」
「えっ。そいつは困る。幽霊と一緒に長い船旅なんざ、真っ平でさあ。くわばら、くわらば」
 首をすくめて怖がる弥助にむかって、飛十郎は山道の下を指差した。
「見ろ、弥助。いつの間にか、防地川があんなに小さくなったぞ」
 飛十郎の言う通り、はるか目の下を細い川がきらきらと光りながら流れている。
「ほんとだ。綺麗ですねえ旦那。知らないあいだに、もうこんなに登ったんですねえ。あ、地蔵堂だ。ちょっと休んでいきましょうよ」
 鮮やかな初夏の緑の山々と、道端に咲く可憐な野の花に見とれている飛十郎に、目ざとく小さな御堂を見つけた弥助がせがむ。
「防地峠の頂上には、見晴らしのいい茶店があるそうだ。どうせなら、そこで休もう」
「がってんで。そりゃあ、そっちのほうがいいや」
 佐吉が乗り移ったように、打てば響くように答えると、弥助は勢いよく歩き出した。
防地の番所は、山道を三曲がりほど登った、さほど遠くないところにあった。
「妙ですねえ、旦那。番所が二つありますぜ」
「国境いの関所は、二つあるのが当たり前だ。こちら側にあるのが尾道の番所で、道をへだてた向こうにあるのは福山側の番所だ」
 石垣の上に建てられた堅牢な番屋敷と、そっくり同じ造りの番屋敷が小高い丘の上にも一棟見える。いずれも街道をさえぎるように、がっしりとした高い塀に囲まれていた。
 飛十郎と弥助が番所の門へ入っていくと、平山奉行から通達があったとみえて、すぐさま丁重に送り出された。福山側番所にむかう道の途中に、飛十郎の背丈ほどもある石の柱が立っている。
「ふむ、〔是より西・芸州藩領〕。片面には、〔是より東・備後福山藩領〕か…… 」
 古さびた石の表面に、太々と見事な書体で彫ってある。
 長い石段の上にある福山番所の役人に、寺社奉行脇坂淡路守の道中手形を見せると、これまたすぐに通してくれた。
 峠の茶店でしばらく足を休め、麦湯と団子で喉をうるおすと、飛十郎と弥助は立ち上がった。ここから道は長い下り坂になる。これが山陽街道である。終着の西の宮宿から大坂へ入り、淀川を三十石船で伏見まで行き、京の三条大橋を渡れば、いよいよ東海道五十三次である。順調にいけば、およそ二十五、六日ほどで江戸へ着く。
「さて、と。汗も引いたな。行くか、弥助」
 峠の風に吹かれながら無精髭をひとこすりすると、飛十郎は江戸へむかって一歩、足を踏み出した。

                   了 〈助太刀兵法28・室の津綺譚へつづく〕












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