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第三部 5話【ハラベエの幼少時代】
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第三部)]
2012年11月21日 12時35分の記事

ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 
第三部 5話【ハラベエの幼少時代】
UPしましたー(*´∀`*)ノ


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ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の
リンクを作りました。
使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪
☆【第0部】
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☆【第一部】
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☆【第二部】
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☆【第三部】
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ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 
第三部 5話【ハラベエの幼少時代】


 スクリーンには、幼年時代のハラベエさんが映りました。
三輪車に乗っている姿、傍らに秋田犬と、これは懐かしい……白絣に兵児帯姿の好男子、ハラベエさんのお父さんです。
『お父さんの子供時代、、可愛いね』
(そうかい)
と、ハラベエさん、満更でもありません。
『誰でも、子供の時は、可愛いんだよね、邪心が無くて純真だから……あ、今のお父さんが邪心だらけという訳じゃあないよ……長いこと生きてると、いろいろ考えることが増えてくるってことさ』
(判ってるよ)
『では、過去を旅する手順を説明しよう……先ず目を瞑り、行きたい処と時を思い浮かべると、該当するそれらしき場面が、あなたの 脳内ののスクリーンに何種類かが繰り返し流れるから、希望する場面が現れた時に、トントンとシグナルを送ればいいのさ』
(トントンて、どこを?)
『どこでもいいよ……指先で机をトントンでもいいし、瞬きを二つしてもいい、口でトントンと云ってもいいし、慣れてくるとトントンと考えるだけでもいい』
(簡単だな)
『扱い方次第だよ……途轍もなく恐ろしい体験をすることもある……全て疑似体験と判っていても、リアルなド迫力に気圧されて、悲鳴を上げて逃げ回る連中もいるにはいる……ま、お父さんはそんなことはないだろうけど……』
(当たり前だ!)
と、応えはしたものの、何しろ初めての体験です……不安はつきまといますが、その時はその時と、臍を固めて、ビリイに教えられた通りの手順で、過去への旅に出発しました。
 スクリーンは、ハラベエさんが見たい対象を思い浮かべるだけで、次々と変わっていきますが、次第に取捨選択のこつを覚えて、じっくり見たいときは時間をかけ、すっ飛ばすべき部分は大胆にぶっ飛ばし、なかなか手際よくなりました。
この時期の日本で、ハラベエさんがモシモという仮定で見たいのは……。
モシモ戦争をしなかったら……。
モシモ戦争に勝っていたら……。
この二点でした。
 純真な軍国少年だったハラベエさんの世代が、ひたむきに信じて疑わなかった神国日本の底力は、米を初めとする連合軍の圧倒的な物量の前に、いとも簡単に瓦解しました。
さだめし、唇を噛みしめて、悔し涙にくれるものと思いきや、変わり身は早かった。
鬼畜米英が……ギブミィーキャンディー、ギブミィーシュガレットの声に、気軽に応じてくれる、気ィのええ青い眼のおっちゃんやにいちゃんたちに変わりました。
配給で、コーンビーフの大きな缶を貰い、ぎっしり詰まった肉を頬張ったとき、こんなものを鱈腹食って色艶のいい相手に、薄い芋がゆを啜っていたガリガリの俺たちが、戦争して勝てる訳がないと、妙に納得したのはその頃のこと。
グラマンに襲撃された恐怖も、機銃掃射しながら笑っていた射撃手への憎悪も、そして、乱舞する無数の敵機のまっただ中に、単機果敢に突入し、大空に散華していった、おそらくハラベエさんたちとさして年齢の変わらない、若い操縦士に捧げる哀悼の意も、まるで別世界の出来事のように思えるほど、何もかも百八十度方向を変えた、天皇陛下のお言葉以後の日本でした。
少年たちの旺盛な好奇心は、専ら終戦以後の急激な変化に、向けられたのではないでしょうか。
百八十度方向転換の影響は多大なものでしたが、ハラベエさんが既に半世紀を過ぎた今も、ふと思い出すとにやりと頬を崩してしまうエピソードがあるのは、教科書墨塗り問題です。
終戦後間もなく、戦争中に発行され、予算不足で、戦後も使用されていた教科書の、不都合な部分を墨で塗りつぶすよう、姑息な通達があり、明日、習字の道具を持って登校するように云われて戸惑いました。
ハラベエさんを中心にする、クラスのなかでも優秀とされる数名の少年は、暗記教育の盛んな風潮の中で、
『ちんおもうに わがこうそこうそう くにをはじめること……(略)』
『むかしじんむてんのうは おおとももののべのつわものどもをひきいたまい なかつくにのまつろわぬものどもを……(略)』
『ひとつ ぐんじんは ちゅうせつをつくすをほんぶんとすべし……(略)』
エトセトラ、エトセトラ……と、正確に暗記していましたが、教科書の記述など諳んじるなど朝飯前でした。
堅苦しい勅語を口にしながらも、遊び心も大いに発揮していました。
特別な旗日などの朝礼の際、校長などの勅語の奉読が行われるのだが、児童たちにとっては、天皇皇后両陛下のご真影と共に祀られている、奉安殿から取り出された勅語の奉読が滞り無く済んで、元に納まるまでの時間は、堅苦しさがもぞがゆいような、じっとしているのが耐え難いものでした。
そんな時、児童たちの列のそこかしこから、呪文のように聞こえたのは、
『ちんおもわずへをひって なんじしんみんくさかろう』
『ちんがちんちんちりむけて ちりむけちりむけちんぽのけ』
奉読される教育勅語の冒頭の部分『朕おもうに……』の語呂合わせでした。
戯れ言などと云ってられない、不敬罪でとっつかまりそうな言葉だが、くすくす笑いを誘い出し、児童全体に、呟き声が伝播していきます。
ここまで考えて、いつもふと迷いを感じたものです……あの戦争の真っ最中に、絶対無二の現人神として崇め奉っていた天皇皇后に対して、そんな戯れ言を口にしただろうか、もしかすると、戦争が終わり人間天皇に、いわば格下げされた象徴に対する国民の、自虐的で複雑な思いの表現だったのではないか。
それを戦時中にあったことのように作為的に錯覚しているのでは……と。
そう思う反面、児童たちたちにも、一方的に押し付けられる、軍国主義に対する、ささやかな抵抗があったのではないかと、考えるようになりました。
児童たちは、頭を抑え続けられた反動で、それまで絶対的な権威とされていた存在に精一杯の皮肉をぶつけたのでしょう。
しかし、戦争が終わり、立場が逆転するまで、児童たちは待つだろうか。
少年たちは世故に長けた大人に比べれば、純粋で自由奔放な魂の持ち主だ。
大人たちから、にわか仕立ての歴史観倫理観から構築された国家観を押し付けられ、ある意味、立派な軍国少年に成長した若い魂のどこかに、冷静な批判精神、反骨精神も育っていた筈です。
決して声高ではなく、博学な寺の住職、一言居士の近所の隠居、語学に堪能な帰郷中の大学生、直ぐ拳固が飛んでくる担任の教師、父親がわりに子育てに懸命な母親、五歳年長を常に振り回す兄貴、などなど、覆い被さってくる権威と闘ったのは、くすくす笑いを誘い出し呟き声を伝播した、ささやかな反骨精神の現れだったのではないでしょうか。
その最たるもののひとつが、
『ちんがちんちん……(略)』だったのでしょう。
考えただけでも、背筋がぴんと張るような緊張感が走る、貴い存在に向けられたささやかな笑いと皮肉の矢は、悪意をもって射られたものではない。
このおかたの為なら、命を投げ出しても厭わないとまで高められた、忠誠心に裏打ちされた一体感の緊張の中に、ふと生まれる緩和が、次にやってくる緊張をますます強固なものにしたようです。
齢八十になんなんとする現在、代は替わっても皇室に対する尊崇の念は変わりません。
むしろ、今上天皇と同年代だからこそ覚える親近感があります。
教科書に墨を塗っても、文字は消せても、記憶は消せない。
未だもって、全ての記憶が薄らいで行く昨今でも、墨の向こうの文字の心は、ハラベエさんの中で生きているようです。


☆【第0部】
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ジャンル:趣味 漫画・小説
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シーズの愛犬BEEとハラベエを取り巻く生き物たちとの、
出会いと別れを描いた感動、ファンタスティック・ノベルです。

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