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愛プログラム
[コードLP(SF小説)]
2016年5月19日 1時41分の記事



自作SF小説「コードLP」の第63話です。

第二部18話。



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「第二派来ます」

ピイピイピイ

「バランス保って」
「索敵急いで」

「カスタネット艦長」
「ストロベリさんが何か見つけたようです」

「どしたのイチゴちゃん」

「艦長」
「これ見てください」

新配属のイチゴ・ストロベリ技師が透明コンパクト端末をかざす。
透明な液晶の中で小さく光点がいくつも輝いている。

「防衛システムが発動している」
「これは」

「艦長」
「これってあの」

ここはヤシャ星系、惑星シュール近くの宇宙域。
ラージシップ・ラインハルトが単独で交戦状態に陥っている。
ケイトとヤンとシャムロッドの五式戦宇宙戦闘機が出撃。
今回は見えない敵と交戦。
レーダーに映る敵だけを索敵して戦っている。
どこかからジャミング兵器で邪魔をしている存在が要る。
悪意を感じられない。

「そうよステンレスちゃん」
「愛プログラムが発動する前兆なの」

「カスタネット艦長が600年前に予知した」
「愛プログラムが今発動するのですか」
「少し疑い深いですが」

「うん」
「イチゴは知ってるよ」
「これはダミーじゃない」
「本物だ」

大きなオレンジ色の光源が8つに分かれて前方で飛散している。
まるでこの宇宙域を飲み込むかのように。

「第三派来ます」

三回目の衝撃は頭脳サーキットに直撃してきた。

これは波動なの?
まるで意識だわ、意識生命体?
何かが脳回路に直接訴えかけている。
脳の思考に割り込んでくる。
どこまでも純粋な精神。
くやしさを通り越して、ひざまずきたくなるほどの純潔。

「意思?」

ラインハルトの戦闘ブリッジ内、トリン艦長、ステンレス副長、イチゴ技師の擬人三人がイスの上で気絶した。

ラインハルトの上方、五式戦三機が光弾に追いかけられている。

「退役女子高生!」

「ケー!」

ズダーーン!!!

ヤンとシャムロッドの五式戦がオレンジの光弾に撃墜された。

「あ、あ、あ」

ケイトの機体だけ撃墜されずに宇宙空間で静止している。
オレンジ色の光弾の一つに包まれて。

Pちゃんが忠犬ロボとともに戦闘ブリッジにきた。
サクラ・ストラトス整備士も駆けつけていた。

「トリンちゃん!」

「トリンさま」

戦闘ブリッジがオレンジ色の光に包まれている。
まぶしさの中でPちゃんとサクラは眼球レンズを疑似モードに切り替える。激しい衝撃音が鳴っている。
ラインハルトの軌道が外れている。

「ロドリゲスちゃん」
「Pちゃんを識別しなさい」

「Pさま」
「無理です、みんな機能が停止しています」
「マニュアルで操縦します」
「当艦の軌道修正」
「Pさま、座ってください」

ピポクパクパクピクポク、タン

サクラが副長席に座りエアキーボードをタイピングしだした。
タイプしながら叫ぶサクラ。

「次元の扉が開きます」
「衝撃はありません」

「なにゃ」
「サクラたん、何で分かるにょ?」

「Pさまは気絶していませんよね」
「それが答えです」

「何言ってるかわかんにゃいよ!」

「新しい世界へ行く資格があるんです」

ラインハルトの戦闘ブリッジ、透明エアパネルがいくつも上下左右から飛び出してくる。アラート音が鳴り響き、金色の目の前の空間が切り裂けている。
真ん中から割れて左右に広がる景色は、女性性器のようでもある。

「う、うーん」
「今のは強烈だったわ」
「ステンレスちゃん」
「イチゴちゃんも起きないの」

「トリンさま」
「時間がありません」
「ケイトさまに一言」
「怒りを鎮めろと」

「トリンちゃん」
「ヤン殿とシャムロッド殿が死んだのにゃあ」

「なんですって!」
「あのシャムロッドが・・・」

「突入します、推力臨海!」

「うわーーー!!」

ラインハルトは重力キャンセラーのおかげで、振動も無く光に飛び込んでゆく。
ただ見た目のインパクトが過激なため、擬人の繊細な心では耐えきれないようだ。
ケイト・ケチャップマン搭乗のコンバットフライ5式二番機は空間に漂っている。
推進力を奪われたようだ。
戦闘エーアイは沈黙。

「ヤン、ブルー大尉!!」
「よっくもやったわねえ!!」

ケイトの赤髪が赤くオーラを放ち、灼眼が燃えている。
無線でトリンがケイトに通達する。

「ケイトちゃん、今は堪えて」
「怒りを鎮めるのよ、お願い!」

重力キャンセラーに守られたまま、異次元に突入するラインハルトとコンバットフライ5式二番機。
座標と随時データを絶えず惑星チーズに送り続けている。

ズズズズズ

ザザザザザ

トリンは眼球レンズをかっと見開き、歴史的一大事の当事者に成る覚悟を決める。
もう、命はないかもしれない。
そんなさみしさがよぎった。

「Pちゃん」
「トリンのこと好きですか?」

「ななな、なにゅ言うてんねん」
「トリンちゃん、変なものでも食べたのかにゃ?」

「来ました」
「第4派です」
「エンゲージ」

サクラがつぶやく。

「う」

頭脳サーキットを調べられている。
いや違う、洗われているんだ。現世で汚れたクリスタルソウルを・・・

「こんにちは」
「皆さん、はじめまして」
「光の世界へようこそ」

光の中に居る。上下左右の感覚が無い。
まぶしくても、擬人の目は目視出来る。ケイトが心配だ。
唯一の宇宙人だから、でもあの子はこの宇宙のカギ。きっと大丈夫よ。

「ケイトちゃん」
「眼球破裂してない?」
「大丈夫なの?」

「平気です艦長殿」
「まぶしくて目を開けていられませんが」

「本当の光だけの世界なら、すべてが一瞬で蒸発しています」
「大丈夫」
「あなたたちに合わせていますから」

「はじめして」
「私はトリン・カスタネット」
「擬人番号はLP300TTです」

「はい」
「言わなくてもわかります」
「もう済んだことですが」

「あなたが愛プログラムなのですね」
「この宇宙に平和をもたらすとされる」

「わたしたちは待ちきれないでここに訪れたのです」
「もう、この宇宙領域が始まるか終わるかの瀬戸際に来ているんです」
「あなたたち宇宙人は、文明と戦争を繰り返しました」
「やはりそれはあなたたち擬人が危険予知した通りでした」
「次元崩壊するタイミングが来たのです」
「この宇宙が闇に覆われて」
「永遠に光が差す事のない暗闇になります」
「それはすべての宇宙生命の死滅」
「トリン」
「あなたは既にわたしたち愛プログラムの発動を予知しました」
「多くの魂が愛の時代が到来することを待ち望みました」
「精神、物質の全ての暴力を捨て去る事が出来ますか」
「憎しみを乗り越える事が出来ますか」

「はい」
「私たち擬人も武装解除します」
「すべての宇宙生命が一斉に武器を捨てれば、戦争は起こりません」
「原始の時代のように、ゲンコツで殴り合う時代が訪れます」
「戦争を終わらせるための武装蜂起は出来ません」

「トリン」
「永い旅でしたね」
「あなたのことをずっと見守っていましたよ」

「あなたのお名前は」

「私はツバキ」
「次元と次元の扉を管理するもの」
「ここは異次元です」
「粒子分解する前にお帰り下さい」
「どうかこの宇宙次元が愛で満たされるように」

光で真っ白でツバキも全体も何も見えない。
わたしたち人類にはまだ知覚できないのでしょうね。

「あ、あの」
「ヤンとシャムロッドが・・・」

「ごめんなさい」
「二人の魂を船頭にいたしました」
「もう、お返しします」

「トリンちゃん!」

Pちゃんの目が輝いた。

「よかったですね」

サクラも胸をなでおろす。


「ケイト・ケチャップマン」

「は、はい」

「あなたに課せられた使命は、これから本領と真価を問われるのです」
「自らが正しいと信じた道をお行きなさい」
「そこに道は作られます」

「はい」

「もういいでしょう」
「次元を元に戻します」
「扉を閉じるので」
「あなた方の母艦と飛行機を元の座標に置きます」
「次回のコンタクトは」
「60億年後になりますね」

「にゃにゃんと!」

「さようなら」
「希望の魂よ」

・・・・・・
・・・・・・

「う、ううん」
「あれ?」
「わたしたち、何してたんだっけ?」
「イチゴちゃん、ステンレスちゃん」
「知ってる?」

「さあ」
「カスタネット艦長なら思い出せるんじゃないのですか?」

「Pちゃんは知ってるよ」
「へっへええ」

「サクラも知ってます」

ポッ

「うわ」
「久しぶりのサクラの頬を赤らめるが出ました!」

・・・・・・

「だーかーらー!」
「おねーさまは何を見たのよー」

「シャムロッド」
「あなたの死は無駄にしないわ」

「きゃっはははは!」「おねーさまおっかしい!」
「ひーっひっひっひっ!」
「ぐ、ぐるじい・・・」

「ケイトちゃん」
「いいわね」
「これから私たちラインハルトは非武装組織に生まれ変わります」

「艦長殿」
「ブルー大尉がやけにうれしそうですが」

「もう戦争なんてしなくてもいいのよ」
「トリンが夢見た愛プログラムは発動された」
「信じるしかない」

宇宙人類が愛に目覚めるその日まで・・・




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