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続「クリスマス島の悲劇」
 
2010年12月19日 0時29分の記事

(昨日の記事の続きです...)
「ヘルプ!ヘルプ!」と海に投げ出された人々の声が、はっきり聞き取れる。目撃者は、「幼い子供やその母親とみられる女性が木切れに必死につかまり助けを求めていたが、大波が襲いかかった直後、もう姿が見えなくなった」と話した。まさに地獄絵図だ….。

一報を受け、オーストラリア海軍船などが救助に向かい、41人が救助されたというが、助けを求める声が岸から聞こえるほどの距離だったのにもかかわらず、自力で岸に上がってこれたのはたった1人だったという。それほど険しい岸壁だった...。



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今年2010年にオーストラリアに入国を試みたこのような“ボート”は129隻、“難民”は6232人に及ぶという。この中には、最も近いオーストラリア大陸本土まで1500キロ以上もあるクリスマス島付近にさえたどり着けず、海の藻屑と消えていった“ボート”も多くあると見られ、いったいどのくらいの人々が難民認定を求めて豪州を目指していたのか想像もつかない。

なぜこんなに多くの人が、オーストラリアに向かうのか?

背景にはインドネシアの“人身密輸組織”の存在とオーストラリア政府の政策がある。

ブッシュ前米大統領の“盟友“として知られた保守連合のハワード元豪首相の在任中、タリバンに迫害されたアフガニスタン難民が急増し、太平洋の島国「ナウル」資金提供し、”ボート・ピープル“を強制収容する、いわゆる「パシフィック・ソリューション」政策が実施され、2001年に43隻、5516人の”難民“が確認されたのが、翌年の2002年にはわずか1隻、1人の難民に激減した。

しかし、この「パシフィック・ソリューション」を廃止した労働党のラッド政権に交代した2007年以降、”ボート・ピープル“は再び増加し、今回のように航海の途中で船が沈没したり、人々が海に投げ出されるケースも目立ってきている。

オーストラリア国内で、この“難民”問題は非常に“センシティブ”な問題として扱われている。

大多数の国民が内心では“ボート・ピープル”のほとんどが、正真正銘の”難民“だと思っていない。
特に911同時多発テロ勃発後、これらの人たちの中に”テロリスト“が含まれている可能性に脅威を感じているが、もちろんこんなことを大っぴらに言えば”レイシスト“人種差別主義者とのレッテルを貼られてしまう。

良しにつけ悪しきにつけ、ハワード元首相が行った「パシフィック・ソリューション」は、”レイシスト“のハワードがやったことと責任転嫁できたので、国民や野党は内心”ホッと“していたのだ。

しかし、中道左派のラッド前首相が“きれいごと”の人権擁護主義を掲げ、この悪名高き「パシフィック・ソリューション」を廃止してしまったので、再びインドネシアの“人身密輸業者”が息を吹き返し、今回の「クリスマス島の悲劇」につながってしまった。

ラッド氏を追いやる形で首相となったジュリア・ギラード現首相は、ラッド政権の政策を若干修正したが、“難民”の流入をもはや止めることはできなくなっている。

それでは、どうしたらこの事態を打開できるのか?

“ボート・ピープル”のほとんどが、正真正銘の”難民“ではなく、職や新天地を求める”不法移民“だとしても、中にはイラクやイランで迫害されているクリスチャンや少数派イスラム教徒などの”正真正銘“の難民もいる。不法移民にしても、自国でまともに職が得られなかったり、希望が持てなかったりするからわざわざ大金を払い、命の危険を冒してまで新天地を求めて粗末な木船で荒海に漕ぎ出すのだ。

オーストラリアの新聞の社説に、「結局問題の根っこは、オーストラリア政府や“人身密輸業者”ではなく、虐げられる人々をつくりだすイランやイラク、アフガニスタンなどの国にある」と書かれていた。

それでは、その国々をこのような悲惨な状況にしたのは、いったい“誰”なのか?

まあそのうち「ウィキリークス」が暴いてくれると思うので、こちらは“危険”を冒す必要もないが….(あ〜良かった!)。

その“臭いもの”を元から絶たない限り、この「クリスマス島の悲劇」はまた繰り返される…..。


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