くる天 |
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プロフィール |
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lingopro さん |
デレクさんの日英翻訳Tips |
地域:愛知県 |
性別:男性 |
ジャンル:教育・学校 語学・留学 |
ブログの説明: 翻訳者のための日英翻訳アドバイス集です。私の友人で、長年にわたり日本人の英訳を編集・レビューしてきた英国人翻訳者Derek Bleakleyさんがまとめた『Hints relating to Japanese to English Translations』という書物を、リンゴプロ翻訳サービス(Webサイト)にて和訳・編集しました。 |
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230. 形容詞の使用に関する問題/231. 形容詞と過去分詞(1) |
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2016年5月5日 9時0分の記事
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英訳時に形容詞をどこに置くかということは、誤りの多い分野であり、頻繁にミスを犯す翻訳者が一部に見られます。日本人翻訳者は、形容詞的に用いることのできない過去分詞を形容詞として使用してしまいがちです。また、やや深刻度は低いものの、英語圏で広く使われている同じ語幹を持つ形容詞がある場合にも、名詞を形容詞的に使用する傾向が翻訳者の一部に見られます。さらに、個々の形容詞についても、誤訳されることが少なくありません。次節以降で、形容詞に関するさまざまな問題を取り上げます。
日本人の技術翻訳者は、形容詞的に用いることのできない過去分詞を名詞の前に置いて、形容詞的に使用する傾向があります。特許出願書類などにおいては、複雑な部品や手順を説明するのに、形容詞的に使用することが例外的に妥当な場合もあるでしょうが、正確に伝えるためには、「a completed process」などの表現ではなく、「a process that has been completed」または「a process that had been completed」の方が好ましい場合が多いでしょう。
また、別の観点から言えば、「a completed process」などの表現は、既存のことを説明したり、それに対して「名称」を付けたりする場合に用いられ、「a process that has been completed」などの表現は、初出事項を説明したり、定義したりする場合に用いられます。
「印加電圧」は「applied voltage」と訳されることが少なくありませんが、一般的な文書では、「voltage applied」の方がはるかに自然です。
「印加回数」も同様で、「applied number of times」よりも、「the number of times applied」の方がはるかに自然です。
「要求された特性」も、「desired characteristics」より、「the characteristics desired」の方が良いでしょう。
「AとBとの相対位置がずれた状態」は、
in a state in which the relative positions of A and B disagree
ではなく、
in a state in which the relative positions of A and B are not compatible with each other
です。
「製紙原料中の未溶解片」は、
non-melted pieces in the paper-making material
ではなく、
pieces in the paper-making material that have not yet melted
か、文脈によっては、
pieces in the paper-making material that had not yet melted
です。 |
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