くる天 |
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プロフィール |
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lingopro さん |
デレクさんの日英翻訳Tips |
地域:愛知県 |
性別:男性 |
ジャンル:教育・学校 語学・留学 |
ブログの説明: 翻訳者のための日英翻訳アドバイス集です。私の友人で、長年にわたり日本人の英訳を編集・レビューしてきた英国人翻訳者Derek Bleakleyさんがまとめた『Hints relating to Japanese to English Translations』という書物を、リンゴプロ翻訳サービス(Webサイト)にて和訳・編集しました。 |
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444. つなぎ言葉: 「一方」他 |
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2017年5月18日 8時58分の記事
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「一方」は、「on the one hand」や「on the other hand」と訳すのが必ずしも適切とは限りません。「moreover」または「furthermore」と訳すのが適切であることは少なくありませんし、「in contrast」または「however」と訳すのが良い場合もあります。
「on the one hand」と「on the other hand」は、使用頻度の高い日本語の「一方」と比べてはるかに用途が限られており、2つの名詞あるいは概念が対比されている場合にしか使えません。したがって、翻訳者が「on the one hand」あるいは「on the other hand」という表現を使えるのは、対比されている2つの名詞あるいは概念をきちんと提示できる場合に限られます。日本語では、前述の要素や後述の要素と明確に対比させることなく、「一方」という表現によって新しい要素を提示することが少なくありませんが、英訳する場合には、「on the one hand」や「on the other hand」を使うのは避け、適切な訳を見いだすことが重要です。
445. つなぎ言葉: 「なお」
「なお」という日本語表現も不適切な訳語が蔓延しています。「by the way」も「in the meantime」も「then」も正解とは言い難く、「moreover」、「further」、「furthermore」の方が適切という場合が多いでしょう。「in the meantime」は、翻訳者による誤用が驚くほど多い英語表現ですが、2つの出来事が時間的に離れており、その間隔が示されている場合にしか使えません。
446. つなぎ言葉: 「ここで」
「ここで」に相当する英語表現は、パラグラフの冒頭で用いられている場合には、「here」や「herein」よりも、「in this context」の方が好ましく、文脈によっては、「at this point」または「in this case」の方が好適でしょう。
「ここで『一体』とは」に相当する英語表現は、「herein」を使うのではなく、「what is meant in this context by ‘ittai’」が適切です。もう少しくだけた感じにするなら、「what is meant here by ‘ittai’」です。
「ここでは…ものとする」に相当する英語表現は、「here, assume」よりも、「in this context it may be assumed that …」の方が適切です。
447. つなぎ言葉: 「そこで」
長めの前置きに続く「そこで」に相当する英語表現は、
under the circumstances as such
ではなく、
against such a background
が適切です。 |
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