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くる天
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ある日のアイリス
[★ある日の出来事]
2010年4月17日 0時16分の記事







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 その日アイリスは、近衛の隊長会議に出席した。
荘厳で重苦しい海老茶の配色の、天井の高い、中央に長くどっしりとした机と、その両脇に椅子がずらりと並ぶ議場に足を踏み入れると、ローフィスが隊長職引き継ぎの為、ディングレーを伴う姿をその先に見つけ、軽く会釈する。
ローフィスは気づいて振り向き、一つ頷くと、項垂れるディングレーも同様、気のない挨拶を返す。
ローフィスが移動願いを左将軍ディアヴォロスに受理されたのは、ほんの数日前。
ローランデが実家の母の具合が悪く、父を母の養護に当たらせたい。との理由で北領地[シェンダー・ラーデン]地方護衛連隊長職を大公である父親から引き継ぐ為、故郷に戻ってからほんの数日の事で、近衛ではローランデと付き合っていたギュンターがとうとう振られた。と、まるで爆弾を落としたようにそこら中で話題が沸騰する中、ムストレス派と敵対するディアヴォロス派筆頭のギュンターがムストレス派と争う原因である火種、ローランデが近衛を去った事で、二派の衝突は緩和されると皆が一様に胸を撫で下ろし、その上ムストレス派の標的の一人、ディアヴォロス派のローフィス迄もが隊長職を辞し、近衛を去る事と成って皆が一斉に、ディアヴォロス派とムストレス派の、一触即発の危機は当分回避された。と、安堵する中での会議だった。
近衛騎士達の安堵とは裏腹に、ディングレーが随分しぼんで見え、ローフィスと別れるのがそんなに辛いのかと、ついアイリスはローフィスに覗う視線を送る。
ローフィスは気づいたように、項垂れるディングレーの腕を引くとアイリスの前へ、引っ張って行く。
ディングレーは面倒くさげに引っ張られてチラと、二つ年下で、隊長としては先輩に当たるアイリスを睨む。
「…言ってやってくれ。アイリス。
別に心配はいらないと。
副隊長は家柄も申し分無いフィンスだし、奴はディングレー同様武術馬鹿だが意外に気の回る男だから、隊員の面倒は奴に任せ、王家の血を引く身分だと、いつも道理ふんぞり返ってりゃいいってな!」
アイリスはたっぷり頷くと、ついローフィスにささやいた。
「…つまり…君の辞職を惜しんでるんじゃなく…」
ディングレーが途端大きな吐息を吐くと、長い黒髪を散らす勢いで顔を横に大きく振る。
「辞職を惜しんでるに決まってる!」
ローフィスはすかさず言った。
「隊長になるのが、嫌でだろう?」
ディングレーは途端、俯く。
アイリスはローフィスの様子を見て、保証した。
「名前が副隊長から隊長に変わるだけだ。
態度はいつも通りでいいし、面倒はフィンスに見て貰えば。
ローフィスが、フィンスに変わっただけだろう?」
だがディングレーが途端に顔を上げる。
「会議に出向いたり、他の隊長と交渉したりしなきゃならんだろう!」
「代理でフィンスにやってもらえ!」
ローフィスの面倒くさげな怒声に、ついアイリスはフィンスに同情して顔を下げた。
「それで済むのか?」
「済まなけりゃ出向いて、いつも道理黙って相手を睨んどけ!」
「睨めばいいのか?」
同意を求めるようにディングレーに見つめられ、アイリスは吐息混じりにささやいた。
「君は王族だから、大抵の相手は君に睨まれたら、君の意向を汲むさ」
ローフィスはアイリスに、解ってるな?と頷き、低い声で告げる。
「君にはフィンスのフォローを頼む」
やっぱり。とアイリスは、仕方なさげに頷く。
ディングレーはそっとローフィスに、顔を寄せるとささやく。
「結局アイリスに後始末して貰う羽目に、なるんじゃないのか?」
ローフィスはたっぷり頷き
「フィンスが慣れる迄は、そうなるな」
ディングレーは眉間を寄せるとローフィスに更に顔を寄せる。
「あんたが、移動願いを撤回すれば奴に世話かけなくて済む」
がローフィスは真っ直ぐ自分より顔一つ分背の高い男を見上げ、言い返す。
「お前のプライドの為に自分の希望を曲げる気は無い。
それでなくとも俺は旅に出るのが好きだし、戦いは必要以上はしたくない。
シェイルが近衛に居るから付き合ってたが、奴も慣れたしムストレス派のちょっかいも止んだ。
ディアヴォロスが居る限りシェイルは安全だし、もう近衛とはとっととおさらばしたいんだ!
お前の世話焼く為に残れと、本気で俺に言う気なのか?」
アイリスはローフィスにそう捲し立てられ、思い切り項垂れるディングレーについ、目をまん丸にしてつぶやく。
「ディングレー。“君と離れたく無いから行かないでくれ"
と素直にローフィスに、本心を言ったらどうだ?」
が、この発言に二人共一斉に顔を上げてアイリスを凝視する。
両者に殆ど睨まれて、アイリスはそっとささやく。
「睨んでる?もしかして」
ディングレーが、腹の底から怒鳴った。
「まるで去る恋人を引き止めるようなセリフを、よりによってローフィス相手に吐けるか?!」
ローフィスも畳みかける。
「…そんな事奴の口から洩れたりしたら俺は、その場で奴から一目散に逃げるぞ!」
ディングレーがローフィスのセリフについ、顔を向けてじっと見つめる。
ローフィスが、怒鳴る。
「何だ!
アイリスの口から聞いても、気色悪くて一瞬吐きそうになったんだぞ!」
ディングレーが瞬間、怒鳴る。
「アイリスが言うから、生っちろく聞こえるんだ!
だが行って欲しくないのは俺の本心だ!」
「俺が居ないと不自由するからだろう?!」
アイリスも吐息混じりにディングレーにささやく。
「ローフィスは凄く有能な男で、おんぶにだっこで全部面倒見て貰って楽だから、居なくなって凄く不自由なのは解るけど」
ディングレーが途端、アイリスを睨む。
ローフィスが立派な体格の、黒髪のその強面の男前をつい、吐息混じりに見つめる。
「奴の言う通りだから、睨んでも無駄だ」
だがディングレーはまだアイリスを睨み、唸った。
「…おんぶに、だっこ?俺は餓鬼か?!」
ローフィスが首をすくめた。
「アイリスの言い回しに今更ケチ付けてもな…。
お前の喧嘩好き同様、この年で改まるもんでも無いだろう?」
アイリスも肩をすくめる。
「だって、一人前の男は世話役が居なく成っても狼狽えたりせず、自分の世話は自分で焼くものだ。
世話焼いて欲しくて残って貰いたいなら、単なる我が儘な餓鬼だろう?」
ディングレーは咄嗟に唸った。
「喧嘩、売ってんのか?!もしかして!」
アイリスは吐息混じりにささやく。
「ディングレー。君と殴り合う気は無い。
事実を言ってるだけだ。
自分の世話を自分で焼けるなら、ローフィスの門出を素直に喜ぶべきだと思う」
アイリスのセリフにぐうの音も出ず、がディングレーはまだそう言ったアイリスを睨んでいた。

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プロフィール
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天野音色 さん
「アースルーリンドの騎士」
地域:愛知県
性別:女性
ジャンル:趣味 漫画・小説
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オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
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