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ギュンターの来訪 7
[★ある日の出来事]
2010年5月15日 2時0分の記事







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ばたん!
「ローランデ!
中央テールズキースから、騎士が来てるって………!」
マリーエルが飛び込んで来、椅子に掛けるギュンターを、はっ!と見つめる。
振り向くギュンターは、その子供に驚きの視線をくべた。
ローランデはギュンターを見つめ立ちすくむマリーエルにそっと寄ると、ギュンターにささやく。
「…マリーエルだ……。
君が彼に会ったのは、産まれて間もなくだったな………」
ギュンターはぼそりと声を絞り出した。
「…四才?嘘だろう?六・七才に見えるぞ?
…やたら、でかく無いか?」
マリーエルが、表情も変えずむっ。とする様が感じられ、ローランデはつい、ぼそりと言った。
「…君の少年時代は…?
子供の頃は、小柄だったのか?」
ギュンターは言われて『ああ…』と首を振った。
「…確かに俺もデカかったが…。
兄貴達はもっとデカかったしな………」
「だって彼らは年上だったんだろう?」
ギュンターは肩を竦める。
「年の差なんて、考えた事も無かった」
ローランデは呆れたが、マリーエルは言った。
「私の友達は年上ばかりだから、自分が特別大きいと、思った事が無い」
ギュンターも、そうだろう。と言うように、頷いた。
が、マリーエルの年の割にしっかりした様子に、笑う。
「デルアンネは真面目に教育してる様だ」
が、マリーエルはふくれっ面をした。
「デルアンネじゃない!
御祖父様が派遣した、堅物の家庭教師は、課せられた日課をこなさないと遊びに出してくれないから…!
いつも、急いで片付ける」
ローランデは丸眼鏡を鼻に乗せたラーゼンドッツが
『ご子息は非常に早熟で聡明です。
が、大変落ち着きが無く、私と共に過ごす時間は非常に短いのですが、中身は濃い。と了承下さい』
と言われた事を思い出した。
ローランデは目を見開いて、マリーエルを見つめる。
「…じゃあ…。
課題を全部、一気に片付けて、いつも遊びに行ってるの?」
マリーエルはローランデに、最初とてもしっかりとした青紫の瞳を向け、が甘えるように表情を崩すと、微笑んだ。
「最初は時間がかかったけれど、今は要領が解ったから。
直ぐに終わる」
が、ローランデはラーゼンドッツが課している課題を見せて貰った時の事を思い返し、びっくりした。
既に九才の子供が取り組むような内容で、中には領地内の作物、特産物。そしてそれの流通経路から、値段の変動まであった。他に歴史。それに当然読み書き。計算………。
今読み進めている書物を見せて貰い、自分がそれを13才の時初めて紐解いて、難解な文字が幾つも出て来て、言葉の意味が解らないまま読んでいたのを思い出し、呆然とした。
『マリーエルはこれを読んで……。
意味が解っているのですか?』
ラーゼンドッツは無表情で言った。
『辞書を、与えていますから』

 が、ギュンターに向かい、口を開く彼は、とても四才の子供には見えなかった。
対等な騎士のような口をきく。
「近衛の、騎士ですか?」
その大きな青紫の瞳の、小作りな顔立ちは女の子のように可愛らしかったが、雰囲気はいつでも戦いに備える戦士のように見え、ローランデはついマリーエルの姿に目を見開く。
ギュンターは、面白い相手を見つけた。と言わんばかりに微笑むと、ぶっきら棒に言った。
「俺に敬語は要らない。
お前も窮屈そうだ。
地で話したらどうだ?」
「いいのか?
俺が口を利くと大抵の大人はムカつく」
ローランデはぎょっ!としたが、ギュンターは笑った。
「俺は生意気な餓鬼に慣れてる。
近衛にゃ、そこら中に居るぞ?」
「そうか…。
あんた、近衛でローランデと一緒だったんだろう?
護衛連隊の奴に聞いたけど、歓迎試合でローランデは凄かったって。
あんたも、そう思うか?」
ギュンターは微笑んだ。
「近衛中の男達がそう思ってる」
ギュンターが言った途端、マリーエルは誇らしげにローランデを、見上げた。
頬をほんのり赤く染め、きらきらし、とてもしっかりした青紫の瞳で。
ローランデはつい…マリーエルを喰い入るように見つめた。
がマリーエルはギュンターに向き直り、言葉を続ける。
「強いだけで無く…とても優しい」
ギュンターは、知ってる。と頷く。
マリーエルはまだ、言った。
「それにとてもお美しい。
皆、母を綺麗だと褒めるけど、俺はローランデの方が綺麗だと思う」
ギュンターはぼそり。と言った。
「髪以外はお前は、母親似だがな」
マリーエルは途端、俯く。
が、言葉を紬ぎ出した。
「…ローランデが幼少の頃を知ってる叔父は、彼はとても大人しくてお行儀が良く…でも、いつも鍛錬を怠らない、真面目な子供だったと……。
デルアンネに聞いたら、彼女は家庭教師は天敵で、どうやって逃げ出すかばかり考えてたって。
女は学問より、マナーや踊りや…どうやって殿方を虜にするかを覚えた方が将来の役に立つから。
でも俺は男だから、逃げ出すのは三回の内一回にしろって」
ローランデは目をまん丸にし、デルアンネの教育方針に呆れた。
「ラーゼンドッツは御祖父様の信頼を得ているから、自分にもどうしようも無いし、嫌だったら自分で手を考えて、追い払らえって」
ギュンターは苦笑した。
「で?試したのか?」
マリーエルは俯いて、ふくれっ面をした。
「椅子のクッションの中身を泥水に付けたパンとすり替えたり…色々試したけど言われた。
あんまり始末に負えないと、次期地方護衛連隊長の資格が無いと、御祖父様に報告するって。
俺は…ローランデみたいに成りたいからそれで…我慢してる。
けど最近……」
「最近?」
ローランデが尋ねると、顔を傾ける優しい父親をマリーエルは見上げ、ささやく。
「…意味が、解って来た。
どうして学問が、必要か。
馬鹿に部下はついて来ない。
腕力だけだと尊敬されないって」
ローランデは心底彼の早熟ぶりに、びっくりした。
ギュンターはくすくす笑う。
「まあ…偉そうな身分の男には口の利き方も重要だ」
マリーエルは素っ気なく言う。
「まどろっこしいがな」
ギュンターがくすくす笑い、ローランデは瞳を見開いたままだった。


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天野音色 さん
「アースルーリンドの騎士」
地域:愛知県
性別:女性
ジャンル:趣味 漫画・小説
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オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
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